東急世田谷線に乗る

記事上部注釈
弊サイトでは実際に利用したサービスなどをアフィリエイトリンク付きで紹介することがあります

東京には路面電車が2つあります。1つが都電荒川線、そしてもう1つが東急世田谷線です。東急世田谷線は路面電車の色彩が薄いですが、地域に密着した独特の味わいがあります。そんな東急世田谷線を初夏に堪能しました。

東急300系(下高井戸)

写真1. 下高井戸に入線する復刻塗装車両

復習:東急世田谷線の概要

実際に乗る前に、東急世田谷線の概要を示しましょう。

東急世田谷線の概要

・区間:三軒茶屋-下高井戸

・距離:5.0km

・所要時間:18分

・運賃:150円(IC147円)
 ※世田谷線内は均一運賃、他の東急線との通し計算なし

図1. 東急世田谷線のルート(googleマップより引用)

東急世田谷線は三軒茶屋と下高井戸を結ぶ路線です。世田谷区の北西部を通ります。地域輸送はもちろんのこと、都心を通らずに京王線、小田急線と東急田園都市線を結ぶという役割もありましょう。なお、小田急線と交差しますが、東急と小田急の駅名は異なり、東急側は山下、小田急側は豪徳寺という駅名です。

平日日中時でも7.5分間隔で運転され(休日は日中時でも6分間隔、詳しくは別の記事参照)、非常に乗りやすい路線です。5.0kmの路線に途中8駅あり、平均駅間距離は0.56kmと非常に短いです。12.2kmに途中28駅ある都電荒川線の平均駅間距離0.42kmよりやや長いですが、路面電車並みの駅間距離ということは伝わるでしょうか。

その駅間距離の短さもあり、所要時間は意外とかかります。表定速度は16.67km/hと街中の自動車交通並みといえましょう。そのようなこともあり、地域輸送が主体のように思えます。

車両は2両編成の300系電車が使われています。車体塗装は編成ごとに異なりますが、それによる当たり・外れはないとみなして良いでしょう。

実際に東急世田谷線に乗る

さて、実際に東急世田谷線に乗ってみましょう!今回は下高井戸から三軒茶屋に向かいました。

東急300系(下高井戸)

写真2. 下高井戸にやってきた東急300系

下高井戸で待っていたら、東急300系がやってきました(写真2)。

写真3. 300系の車内

この車両は路面電車仕様なのか、クロスシートがあります(写真3)。車体幅が2500mmと狭いので、ロングシートだと通路幅が取れないからという意味でしょうか。東急の車両の多くはロングシート車ですが、東急世田谷線、池上線と東急多摩川線にはこのようなクロスシート車が存在します。

写真4. 三軒茶屋を発車!

三軒茶屋を発車しました(写真4)。早々に京王線と分かれて、南方向に向かいます。

写真5. 住宅街を走る

世田谷線は住宅街を走ります。さっそく住宅街の風景です(写真5)。

写真6. 松原に停車!

松原に停車します(写真6)。世田谷区松原の中央付近だと思ったら、だいぶ西に寄っていますね(図2)!

図2. 世田谷区松原の範囲

写真7. 松原を発車!

松原を発車しました(写真7)。高架や地下を走る路線とは異なり、踏切が多く、地域に密着している感じがあります。

写真8. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真8)。世田谷区の住宅街は落ち着いた雰囲気があるように思えます。

写真9. まもなく山下に停車!

山下は小田急線との接続駅ともいえます。その山下に近づいてきました(写真9)。東急と小田急双方の文化が入り込む場所でもあります。2つの路線が交差する駅なためか、新宿に直結する路線の駅のためか、にぎわいがあるように思います。

写真10. 山下に停車!

その山下に停車しました。それなりに乗り降りがあったように記憶しています。下高井戸から山下までは1.6kmあります。その1.6kmならばバスのほうが良さそうに思います。しかし、都営バスだと210円、世田谷線だと150円(いずれも現金運賃)。そうであれば、目的地さえ合えば電車のほうが良いです。

写真11. 山下を発車!

山下を発車後、すぐに小田急線の高架をくぐります(写真11)。

写真12. 宮の坂に停車!

住宅街を走り、宮の坂に停車します。ここには昔の車両が置いてあります。つまり、宮の坂は東京でも有数の観光地なのです!

写真13. 宮の坂を発車!

宮の坂を発車しました(写真13)。都電荒川線にしろ、東急世田谷線にしろ、いわゆる専用軌道が多いです。そのため、意外と道路を走る区間は少ないです。

写真14. 車両基地が見える

上町の近くになると、車両基地が見えます(写真14)。オレンジ色の編成が確認できました。

写真15. 上町付近の風景

上町付近の風景です(写真15)。単なる住宅地というよりも、ちょっとした拠点性を感じます。

写真15. 上町に停車!

上町に停車します(写真15)。この駅は「かみまち」と読みます。

写真16. 世田谷に停車!

ほどなく世田谷に停車します(写真16)。上町との駅間距離は0.3kmしかありません。15両編成の常磐線快速ならばホームの長さです。

写真17. 下高井戸行きとすれ違う

休日に乗ったので6分間隔で運転しています。そのため、半分の3分間隔で対向電車とすれ違います(写真17)。

写真18. 落ち着いた住宅街を走る

世田谷区の名称を付けた「世田谷」駅周辺ですが、そこまで繁華街という感じはありません(写真18)。それでも駅の南側にはいくらか飲食店があります(googleマップでの知識です)。

写真19. 松陰神社前に停車!

松陰神社前に停車します(写真19)。線路沿いの花が美しいですね。松陰神社は有名な思想家を祀る神社とされています。

写真20. サギの行動が示された

サギの行動が示されました(写真20)。これはわかりやすいですね。

写真21. 商店も多い

商店も多いです(写真21)。地域に根差した個人商店も多そうです。

写真22. 落ち着いた住宅街を走る

落ち着いた住宅街を走ります(写真22)。

写真23. 落ち着いた住宅街を走る

このように駅と駅の間は落ち着いた住宅街を走ります(写真23)。

写真24. 若林付近の景色

若林付近の景色です(写真24)。ここまでほとんど専用軌道を走ってきましたが、なぜ「路面電車」と言われるのでしょうか。

写真25. 環状7号線を渡る

環状7号線という幹線道路を渡る際には、踏切ではなく、信号です(写真25)。踏切の遮断機がないことに気づかれるでしょうか。つまり、ここでは道路を走る電車という扱いです。ここ1点で東急世田谷線を「路面電車」扱いすることが多いのです。

写真26. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真26)。右側の建物の意匠性の高さがわかると思います。

写真27. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真27)。

写真28. 西太子堂に停車!

最後の中間駅の西太子堂に停車します(写真28)。

写真29. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真29)。

写真30. 三軒茶屋付近の踏切を行く

三軒茶屋付近の踏切を行きます(写真30)。左に見えるのはキャロットタワー(企業のオフィス街)でしょうか。

写真31. 三軒茶屋に到着!

三軒茶屋に到着しました(写真31)。宮の坂で何本か後の電車に乗ったので、下高井戸で見た車両と異なります。

宮の坂の旧型車両

宮の坂には旧型車両が展示しています。せっかくなので、その様子を見てみました。

図3. 宮の坂の位置(googleマップより引用)

宮の坂には江ノ電の電車が展示されています。江ノ電の電車?ともかく見てみましょう!

写真32. 展示車両の外観

展示車両の外観です(写真32)。

写真33. 反対側の外観

反対側に回ってみました(写真33)。宮坂区民センターの所有のようです。先ほどの先頭と形状が異なりますね!

写真34. 江ノ電の前は東急で活躍!

今でこそ、江ノ島電鉄では自社発注の車両を使っていますが、昔は他社の中古車を使っていた時代もあるようです(写真34)。

写真35. 台車を観察!

台車を眺める機会もあまりありませんから、この機会に観察してみました(写真35)。ただし、私は知識がないので、学べることは少ないですが…。

宮坂区民センターがあり、鉄道ファンというよりも地域の人に親しまれている施設です。

東急世田谷線に乗ってみて

写真36. 宮の坂に停車中の様子

今回、全長5.0kmの東急世田谷線に乗ってみました。路線図を眺めると、京王線、小田急線、東急田園都市線を短絡する外環状線的な役割があるようにも見えます。しかし、実際には地元の人の利用が多いように感じました。いわばバス代わりに使われている感覚です。これは駅間距離の短さや、地上がゆえの駅へのアクセスの良さが関係しているように思います。

また、沿線には住宅街や個人商店が多く見受けられました。また、途中には区民センターという地元の人が利用する施設もありました。(個人的な感覚になりますが)このような地域は貴重な存在と思います。これからも東急世田谷線が地域の人に親しまれ、若干の速度向上により渋谷や新宿を通らない外環状線としての役割をより増してもらえれば、とも思いました。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする