相鉄の輸送実態を眺める

関東の大手民鉄で唯一東京都に乗り入れていないのが相模鉄道、いわゆる相鉄です。そのためか、独自の路線を歩んできました。では、どのような様子なのでしょうか。その様子を探ることにしました。


湘南台系統の特急に乗る

横浜駅改札

写真1. 相鉄の立派な改札口

近年、多くの民鉄が地下鉄を介して(近鉄と阪神は直接!)、ターミナル駅をスルーする輸送形態にしています。特に、東急はその傾向があります。しかし、現在の相鉄のターミナルは横浜だけであり、その横浜には大きな改札口があります。

9000系リニューアル車外観

写真2. 相鉄9000系による特急

相鉄には特急、急行、快速、各駅停車が運転されています。その中で私は特急に乗りました。それも湘南台行きの特急です。海老名行きの特急は30分間隔で運転されているのに対し、湘南台行きの特急は60分間隔です。それだけ利用者が少ないと推測でき、事実空いていました。9000系の5号車と8号車はボックスシートですが、私の座っていたボックスに他の人は来ませんでした。それだけ空いていたということです。9000系は相模鉄道の最後のオリジナル、つまり最後の相模オリジナルなのです。

写真3. 横浜駅は川の近く

横浜を出ると右手に川が見えます(写真3)。考えてみれば、横浜駅周辺に川がありますからね。

写真4. 平沼橋を通過

横浜を出てすぐに平沼橋を通過します(写真4)。相鉄を前面にPRする看板がありますね。この看板はJRから見えますから、相鉄の存在感を出すには良いですね。

写真5. 西横浜には7000系が停車している

西横浜周辺には電留線があります(写真5)。ここに7000系が停車しています。私の中では新7000系はそこまで古い車両ではありませんが、今や最古参の車両になっています。

写真6. 星川は高架化工事中

西横浜から先はJR線とわかれます。すると、すぐに高架工事中の区間に入ります。下り線は高架化工事が完了していますが、上り線は工事中です(写真6)。

写真7. 高架から横浜の住宅街を見る

その高架からは横浜の住宅街が見えます。相鉄沿線は港町ヨコハマというイメージとは異なり、住宅街が建ち並びます。いわば真の横浜を見せてくれます。

写真8. 庶民的な街を行く

その星川を過ぎると、再び地上に戻ります(写真8)。やはり庶民的な街が広がります。これこそメディアに取り上げられない真の横浜です。

写真9. 特急はがら空き

反対側の景色を見てみましょう(写真9)。このように反対側の景色が確認できる時点で、特急が空いていることが改めて確認できます。

写真10. 西谷では都心直結の工事中

このような景色の中、突然工事中の区間に入ります。西谷が近づき、相鉄の都心直結線の建設現場があるためです。よく見ると、現在の上り線のさらに向こう側に新しい線路が建設されていることがわかります。つまり、新線は現在の路線の外側に建設されているのです。

写真11. 西谷も工事中

その西谷も工事中です(写真11)。2面4線の立派の駅に生まれ変わろうとしています。

写真12. 西谷には引上線を準備中

西谷の二俣川よりには引上線を準備しています(写真12)。さっきの光景と合わせて考えると、横浜方面からの線路と引上線が直結することになります。つまり、横浜-西谷の系統と、都心方面-二俣川方面の系統が接続することが予想されます。

写真13. 相鉄沿線には庶民的な街が多い

やはり相鉄沿線には庶民的な街が多いですね(写真13)。

写真14. 11000系とすれ違う

11000系ともすれ違います(写真14)。この形式はJRのE233系に準じた車両です。このように、特急を堪能して二俣川に到着しました。

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ここまで乗ってきた車両の内装を細かく観察しています。がら空きの湘南台系統の特急だからできた芸当です。

相鉄9000系(大幅リニューアル車)の内装を観察する(別ウィンドウで開きます)

二俣川での観察

二俣川で後続の特急を待ちます。その間にダイヤを観察することができました。

二俣川での本線急行といずみ野線各駅停車の連絡

二俣川でいずみ野線(湘南台方面)と本線(海老名方面)が二股にわかれます。漢字は違えど、二俣川で二股にわかれる、というのは語呂合わせでしょうか。その二俣川では、本線急行といずみ野線各駅停車が連絡します。

写真15. 各駅停車横浜行きが到着

湘南台からの各駅停車が到着しました(写真15)。二俣川で本線急行を待ち合わせて、横浜に向かうダイヤです。時刻表を眺めると、急行の到着2分前に到着しています。ジャストタイミングでの接続は不安があるでしょうが、停車時間をあと1分短縮できそうに思えます。

写真16. 各駅停車横浜行きが停車中

急行の2分前に到着するので、このように単独で停車している様子を撮影できるのです(写真16)。この車両は10000系ですね。JRのE231系に準じた車両です。車両の内容はともかく、比較的空いているいずみ野線各駅停車に短い8両編成を使用するのは理にかなっています。

写真17. 急行横浜行きが到着

そうこうするうちに、急行横浜行きが到着しました(写真17)。これは9000系ですね。

下りの様子も見てみましょう。

写真18. 各駅停車湘南台行きが到着

各駅停車湘南台行きが到着します(写真18)。複線である以上、急行と同時に到着できませんね。また9000系ですね。意外と9000系が多いことに気づきます。そして7000系を見かけないことも。

写真19. 急行海老名行きが到着

その後、急行海老名行きが到着します(写真19)。これは11000系でJRのE233系に準じた車両です。多くの大手民鉄は10000系の次の車両は20000系になりますが、相鉄はきちんと1000刻みで車両形式を付けます。次の車両(JR直通対応)は12000系ですしね。20000系は革新的な車両ということで、番号を飛ばしたのでしょう。

写真20. 各駅停車湘南台行きが発車

そして、各駅停車湘南台行きが発車します。これも急行とほぼ同時に発車させれば所要時間が短縮できるのに、それをしませんね。遅れ発生時の影響を心配しているのでしょうか。

本線特急と本線各駅停車の接続

特急は二俣川-海老名で大和にしか停車しません。つまり、それ以外の各駅にはフォローが必要です。そのフォローの様子を眺めましょう。

写真21. 各駅停車海老名行きが到着

各駅停車海老名行きが到着します(写真21)。以前の相鉄の常識では、各駅停車海老名行きというのは、ありえない(早朝や深夜を除く)代物でしたが、現在は特急のフォローの意味合いで設定しています。常識は時代によって変化するということです。

写真22. 特急海老名行きが到着

特急海老名行きが到着しました。横浜から海老名方面の各駅に向かう人は、ここで乗りかえれば急行と同等の機能が発揮されます。ただし、複線なので同時発車ができずに2分余計にかかってしまいますが…。

時刻表を眺めると、海老名方面の速達列車はほぼ10分間隔で発車しており、そのうち30分に1本が特急です。その特急が二俣川で各駅停車に連絡しますので、海老名方面の各駅にはほぼ10分に1回の乗車チャンスがあることになります。

湘南台方面についても同様に解析しましょう。横浜を快速と急行がほぼ10分間隔で発車しており、快速は湘南台に直通します。急行は海老名に向かいますが、途中の二俣川で乗りかえのチャンスがあります。そのため、湘南台方面への乗車チャンスはほぼ10分に1回です。ただし、乗りかえなしで行けるのは、30分に1回しかありません。海老名方面よりも湘南台方面のほうが空いているのでしょう。その空き容量で鶴ヶ峰と星川の乗客を乗せるのです。

海老名方面にしか乗車チャンスのない特急と、湘南台方面にしか乗車チャンスのない快速を2分続行で運転することにより、両方向とも10分間隔の乗車チャンスを確保しているのが現在のダイヤのミソです。

その他に60分に1回、湘南台方面の特急が加わります。この特急は二俣川での接続はなく、海老名方面の各駅、湘南台方面の各駅ともに乗車チャンスとならない列車です(ただしいずみ野では各駅停車を抜かします)。通常のパターンにプラスαで設定されていて、地下鉄と競合する「湘南台対策」として広告がわりに設定されているような印象を受けました。そのため、空いているのでしょう。

二俣川から大和までの特急

さて、その特急の先頭車両に乗りましょう。

写真22. 二俣川でいずみ野線と分岐する

いずみ野線との分岐点です(写真22)。直進するといずみ野線に分岐してしまいます。そのため、ポイントを渡ります。特急なのに、ポイントを渡るのですね…。

写真23. 新税20000系とすれ違う

二俣川を出ても横浜市内です。そこで20000系とすれ違いました(写真23)。「気合の入った内装」を堪能してみたいですね。

写真24. 丘陵地帯を行く

写真25. 丘陵地帯を行く

横浜は丘陵地帯にあることがわかります。港町ヨコハマのイメージが強いですが、真の横浜はこのような丘陵地に住宅が立ち並ぶ光景です。港町はどこでも丘陵地帯にあるものです。長崎小樽などなど。港町の条件として、(大型の船が入れるための)深い海が挙げられます。その深い海のためには、遠浅の海岸線ではいけません。遠浅の海岸線=平坦な地ですから、平坦な地は港町に適していないことがわかります。逆にいうと、深い海があるためには丘陵地帯でなければならないのです。

写真26. 瀬谷を通過!

そんなことを考えていた私を乗せた特急はさらに進みます。横浜市最後の駅、瀬谷を通過です(写真26)。都心直結を見越して2面4線になっています。現在のダイヤではそのような設備は不要ですから、都心直結線の全面開業後は、多くのファンが考える「各駅停車を都心直結させて、急行などは従来通り(=現在のダイヤを基本としたもの)」というダイヤでないのでしょう。

※設備投資をする以上、何らかの意図があると考えるのが自然なことです。

写真27. 大和に向けて地下トンネルに入る

大和付近は地下トンネルです。その地下トンネルに入ります。立体化工事は高架とも限らないのです。小田急の下北沢付近や、京王の調布付近にそのような例を見つけることができます。

写真28. 大和に停車している特急海老名行き

このようにして、私を乗せた特急は大和に到着しました(写真28)。

写真29. 相鉄の運行パターンを知らせる掲示板

朝ラッシュ時の運行パターンを知らせる掲示板があります(写真29)。各駅停車は空いているといわれても、どの程度時間がかかるかわからずに急行に乗ることは多くあるでしょう。それに対して相鉄が出した答えは、正確な情報提供です。「各駅停車に乗れば急行よりこれだけ時間がかかる」ことを正確に開示して、乗客に判断を委ねています。これはこれで1つの運営方法でしょう。

相鉄は、細かな情報を開示する傾向があるようです。以前のダイヤ改正で朝のラッシュ時の快速を全廃させたときがありますが、その理由をきちんと示したこともあると聞いております。他の大手民鉄よりも小規模で地域密着型な会社がゆえにできることかもしれません。事実、二俣川で停車中に乗務員が出会いますが(例. 急行と各駅停車の待ち合わせ)、その際に乗務員どうしの会話がけっこうあったように見受けられました。ネットで多くの情報を入手できる現在ですが、やはり現地に行かないとわからないことは多いのです。

写真30. 特急横浜行きが発車

そのような中、特急横浜行きが発車しました。

写真31. 小田急への改札

大和は以前は小田急と相鉄が同一ラッチ内でしたが、現在は相鉄側と小田急側で分離されました。九段下の「バカの壁」(猪瀬くん発言)撤去とは逆の流れです。ただし、相鉄の乗車券でも小田急との連絡改札を通り、小田急側の出口から出ることは可能です。逆に、小田急の乗車券でも相鉄との連絡改札を通り、相鉄側の出口から出ることも可能です。このように便宜が図られています。私は用もないのに、小田急側の出口から出ました。

写真32. 相鉄が強調された広域路線図

相鉄側の出口には相鉄が強調された広域路線図がありました。横浜市営地下鉄のそれによく似ています。

写真33. 相鉄ファーストのコンビニの看板

相鉄の出口付近にある大手コンビニです。一見すると普通のコンビニ(扱っている商材は普通でしょう)ですが、外装が「相鉄ファースト」の路線図です。これから大和が便利になるよという宣伝ですね。おおむね私が想定している直通計画ですね。

写真34. 無理のある看板

このような看板があるのですね(写真34)。これは無理がありますね!


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