相鉄直通開始時の東横線ダイヤを探る

歴史上のできごとである東急電鉄と相模鉄道の直通運転。東急側では東横線からも直通しますが、従来の横浜方面もないがしろにできず、絶妙なバランスが求められます。そんな東横線のダイヤを探りました。

写真1. 東横線の主はやはり各駅停車!(都立大学3号踏切より撮影)

東横線のダイヤ改正のまとめ

写真2. 多摩川橋りょうは多くの形式が通る区間になる

各時間帯のダイヤの変更点は以下の通りです。

  • 朝夕は菊名折り返しの各駅停車を相鉄直通の急行に振り替え
  • 日中時間帯は30分間隔で相鉄直通の急行を増発(ただし以前の菊名折り返しの各駅停車の振替とも表現できる)

詳細は以下の章で記します。

2023年東横線ダイヤ改正の概要

詳細について述べる前にダイヤ改正の概要を記します。

写真3. 古豪の東武車は引き続き東横線に直通!(大綱橋より撮影)

新横浜線開業による相鉄直通

2023年ダイヤ改正の最大のポイントがここでしょう。東急新横浜線は日吉から新横浜の路線ですが、新横浜から先は相鉄線に入ります。

図1. 東急新横浜線と相鉄新横浜線の概要(神奈川東部方面線のサイトより引用)

その東急新横浜線(と相鉄新横浜線)を中心に見ると、東京側に東急東横線と東急目黒線があり、神奈川側に相鉄本線と相鉄いずみ野線があります(厳密には相鉄新横浜線と接する西谷には相鉄本線だけしかやってきませんが)。東急目黒線はもともと日吉が終点の路線ですから、必要に応じて延長運転すれば良いだけです。しかし、東横線は日吉の先まで伸びている路線ですから、全列車が相鉄方面に向かうと既存の横浜方面への輸送がおろそかになってしまいます。

結果として、東急東横線-相鉄いずみ野線系統と東急目黒線-相鉄本線系統という組み合わせとなりました。東急側としては二俣川まで向かえば行けば良いのでしょうから、その先は相鉄側の意図が強いでしょう。相鉄がすでに直通しているJR線は新宿・渋谷-相鉄本線ですから、相鉄本線から東横線は既存の直通電車と経路が重なります。そのため、東急東横線との組み合わせが相鉄いずみ野線となったのです。個人的な予想では、東急目黒線の電車が基本的に相鉄線に入ると思っていたので、予想外でした。

急行の増発

写真3. 8両編成の急行はどうなるのだろう?(大倉山駅北側跨線橋から撮影)

その東横線-相鉄線直通電車東横線内は急行です。目黒線-相鉄線直通電車には目黒線内各駅停車の設定もありますが、東横線直通電車は各駅停車はありません。

とはいえ、東横線はもともと本数も多く、日中時間帯以外、急行を純増するダイヤ上の余裕はありません。そこで、菊名折り返しの各駅停車から相鉄直通急行に振り替えました。別のいいかたをすると、各駅停車から急行への振り替えで、急行は増発されます。

では、各駅停車から急行に振り替えてデメリットはどの程度あるのでしょうか。東横線の急行の停車駅は多めであり、減便となる駅は多くありません。また、菊名折り返しが新横浜に向かうので、(菊名と新横浜が隣駅であることから)菊名と新横浜はある程度相互利用が可能とも評価できます。このような意味で、東横線の既存利用者にとってもデメリットの少ない措置です。

新宿・渋谷地区から新横浜や相鉄線へのスピーディアクセスを重視し、(日吉停車有無はともかく)特急の設定もあり得ると想定していました。しかし、特急だと既存利用者のデメリットも大きいです。そのような意味で相鉄線直通が特急でなく急行なのはある意味妥当かもしれません。

なお、相鉄線内では急行の設定はなく、各駅停車や特急(朝の一部は通勤特急)で設定されますので、新横浜で必ず種別が変わります。

その相鉄直通電車は地下鉄副都心線直通もあり、東武東上線直通もありますが、西武直通はありません。だいぶ前から西武側から「相鉄直通はない」と言われていた通りの結果です。相鉄に直通できる車両は東急車と相鉄車だけであり、相鉄車は地下鉄までしか入れません。したがって、東武-相鉄直通電車は必ず東急車が充当されます。直通運転の基本は「自社を走る他社車両のキロ数=他社を走る自社車両のキロ数」となる車両運用にすることです。綿密に計算しているので、東急車だけが過剰に走るようなかたよりは生じませんが、ダイヤ乱れ時の運用に苦労しそうです。

相鉄直通時点の東横線ダイヤを時間帯別に探る

写真4. 紺色の相鉄車もやってくる

では、時間帯別に東横線ダイヤを探りましょう。

注意

以下、都心側の発着駅を記す際には、都心を通り越した駅名については深く追求しないことにします。東横線利用者の多くが渋谷や(副都心線)新宿三丁目までであり、その先の直通先は副都心線やその先の都合で決定され、東横線利用者にとっては大きな違いがないためです。

朝ラッシュ時上り

従来は15分サイクルに以下の電車が運転されていました。

  • 通勤特急:元町・中華街→副都心線(副都心線内通勤急行)1本
  • 急行:元町・中華街→副都心線(副都心線内通勤急行)1本
  • 各駅停車:元町・中華街→渋谷1本、元町・中華街→副都心線2本、菊名→副都心線1本

渋谷断面では速達列車1本と各駅停車2本の組み合わせです。通勤特急と急行は10両編成が可能ですが、各駅停車は8両編成で、相鉄直通の乗客を迎え入れるには輸送力が不足するという懸念もあったでしょう。そこで、菊名発着各駅停車を相鉄直通急行に振り替え、当該の電車を8両編成から10両編成に増強しました。

15分サイクルは変わりませんが、以下のパターンで運転されます。

  • 通勤特急:元町・中華街→副都心線1本(副都心線内通勤急行)
  • 急行:元町・中華街→副都心線1本(副都心線内通勤急行)、湘南台→副都心線1本
  • 各駅停車:元町・中華街→副都心線3本

菊名発の各駅停車を新横浜経由の急行(この時間帯は湘南台始発)に振り替えることで、渋谷断面で速達列車と各駅停車が1:1で運行されるようになりました。ある意味すっきりとしたダイヤパターンであり、利用しやすくなったともいえます。

では、待避パターンはどうでしょうか。

図2. 東横線の朝ラッシュ時上りのダイヤパターン

表1. 東横線の朝ラッシュ時上りのダイヤパターン(時刻表)

ダイヤパターンをフリーソフトのOuDiaで描いてみました(図2、表1)。これを見ると、菊名・自由が丘・祐天寺で速達列車が各駅停車を追い抜いています。ただし、菊名断面では各駅停車が3本、速達列車が2本ですから、菊名で追い抜かれない各駅停車が存在します。菊名で追い抜かれない各駅停車は日吉断面で相鉄直通急行の直後を走ります。そのため、各駅停車→相鉄直通急行による横浜方面から渋谷への先着パターンはありません。ただし、日吉断面で相鉄直通急行の直前を走る各駅停車は、日吉(-自由が丘の急行停車駅)で相鉄直通急行に連絡します。そのため、(通勤特急を待つ)菊名から渋谷の先着パターンは15分に3回あります。

ダイヤ改正前の速達列車は菊名・元住吉(通勤特急のみ)・自由が丘で追い抜いていました。では、ダイヤ改正前後の所要時間を比べてみましょう。ここでは渋谷着8:30に最も近い時間帯の同じ種別で比べてみましょう。

  • (急行、改正前)元町・中華街7:47→横浜7:55→菊名8:02→武蔵小杉8:13→渋谷8:33
  • (急行、改正後)元町・中華街7:49→横浜7:58→菊名8:06→武蔵小杉8:16→渋谷8:36
  • (通勤特急、改正前)元町・中華街7:40→横浜7:48→菊名7:57→武蔵小杉8:06→渋谷8:26
  • (通勤特急、改正前)元町・中華街7:40→横浜7:49→菊名7:56→武蔵小杉8:07→渋谷8:26

所要時間は大きく変わっていません。特に各駅停車の追い抜きが1回から2回に増えた武蔵小杉から渋谷までスピードアップしていません(さすがに自由が丘→渋谷はスピードアップされていますが)。

速達列車の速度向上を考えるのであれば、通勤特急は元住吉での待避を継続するのも手のように感じました。ただし、これをやると(急行との整合性が取れなくなり)ダイヤのバランスが崩れてしまいますまた、元住吉の前後の日吉・武蔵小杉ともに急行停車駅であり、(待避駅の前後が速達列車の停車駅の場合は)待避時間が長くなる傾向があります。したがって、このような変更もまた難しいです。東横線の各駅停車の走りっぷりは良いので、各駅停車のスピードアップによる速達列車のスピードアップも難しく、なかなか難しい課題です。

ともあれ、武蔵小杉や日吉などの中間駅から中目黒・渋谷に向かう速達列車が15分に2本から15分に3本に増発され、速達列車への乗車チャンスが増えたのは改善ではないのでしょうか。

ただし、気になるのは最混雑区間手前の祐天寺で各駅停車が速達列車に抜かれ、その1つ手前の学芸大学が急行停車駅であることです。都立大学の利用者も学芸大学で急行に乗りかえることができ、各駅停車を利用する人が祐天寺からの乗客(と代官山で乗り降りする人)に限られ、各駅停車と速達列車の乗車率に乖離が生じそうです。速達列車そのものの輸送力が増え、全体も(8両編成の各駅停車を10両編成の急行に置き換えたので)輸送力が増えているから良いということでしょうか。

日中時間帯

写真5. 菊名の引上線の使用頻度は大幅減!(菊名1号踏切より撮影)

ある意味大きな変化が生じた時間帯です。まず、ダイヤ改正前のパターンを振り返りましょう。30分サイクル当たりの本数は以下の通りです。

  • 特急:副都心線-元町・中華街2本(15分間隔、副都心線内急行)
  • 急行:副都心線-元町・中華街2本(15分間隔)
  • 各駅停車:副都心線-元町・中華街2本(15分間隔)、池袋-元町・中華街1本、渋谷-元町・中華街1本

ある意味単純なダイヤで、東横線内は特急、急行が各15分間隔、各駅停車が15分に2本の運転で、速達列車は各駅停車を自由が丘と菊名で待避するというとても単純なダイヤでした。2022年ダイヤ改正前はこれに菊名発着の各駅停車(30分間隔)が運転されていました。上下ともに特急を元住吉で待避し、池袋と武蔵小杉を無待避で走破する穴場的な各駅停車でした。

2022年ダイヤ改正以前の菊名発着各駅停車を復活させ、それを相鉄直通急行に変更した格好のダイヤになりました。ただし、各駅停車が1か所の待避駅で2本列車の速達列車を抜かされないようにするためなのか、やや複雑なダイヤに変更されています。

30分サイクル当たりの本数は以下の通りです。

  • 特急:副都心線-元町・中華街2本(15分間隔、副都心線内急行)
  • 急行:副都心線-元町・中華街1本、渋谷-元町・中華街1本、副都心線-湘南台1本
  • 各駅停車:副都心線-元町・中華街2本、池袋-元町・中華街1本、渋谷-元町・中華街1本

特急の15分間隔は維持されましたが、急行の15分間隔は放棄されたのが意外です。てっきり急行-特急の10分の穴に相鉄直通急行を挿入し、自由が丘で二重待避すると想定していたので、意外だったのです。

2013年の東横線-副都心線直通以来久しぶりの日中時間帯の渋谷発着急行の復活です。いいかたを変えると、30分間隔で渋谷始発の東横急行が設定されるということです。興味深いのは、上下で微妙にパターンが異なる点です。

まず、両方向のダイヤパターンを示します(図3、図4、表2、表3)。

図3. 東横線日中時間帯下りのダイヤパターン

表2. 日中時間帯のダイヤパターン(時刻表形式、下り)

図4. 東横線の日中時間帯上りのダイヤパターン

表3. 日中時間帯のダイヤパターン(上り)

これを見ると下りの東横線急行のうち半分は自由が丘で各駅停車を抜かしませんが、上りの東横線急行は必ず自由が丘で各駅停車を追い抜いています。パターンの読みやすさという意味では上りのほうが良質なダイヤです。

かわりに下りの渋谷始発の急行は新宿三丁目から先発の各駅停車から接続でき、新宿三丁目・明治神宮前(原宿)→横浜の先着パターンが15分に2回確保されている一方、上りの急行渋谷行きは接続を受ける各駅停車はなく、新宿三丁目には後の特急(副都心線内急行)に乗りつぐことになり、横浜→明治神宮前(原宿)・新宿三丁目までの先着パターンが15分開くことがあります。

では、所要時間はどうでしょうか。特急の設定時刻は全く変わっておらず、当然のことながら、特急の所要時間は変わっていません。渋谷始発急行は横浜までの所要時間が31分から33分に増えています。元町・中華街の折り返しの都合なのか、急行でも菊名以南では従来の15分間隔を維持するために2分の時刻調整が入っています。上りのダイヤパターンはやや異なることもあり、横浜→渋谷の急行の所要時間は平均31分から30.5分に微妙に減っており、所要時間が維持されています。全体的に渋谷始発の急行の所要時間2分増加が残念な結果です。

さて、ダイヤ改善の芽はないのでしょうか。下りの渋谷始発急行は12分に発車し、その1分後に各駅停車が発車していますが、急行を14分に2分後にシフトし、各駅停車を10分発として自由が丘での緩急結合という方策があります。こうすれば、下りの急行は2分程度スピードアップしたことでしょう。これだと下り急行は渋谷始発を維持することができず(13分発各駅停車は渋谷に11分着なので10分発各駅停車を渋谷始発に変更)、なかなか難しいです。相鉄直通急行を渋谷発着に変更する(あるいは変更のうえ、新宿三丁目発着に延長)とダイヤを組みやすくなるのですが、そうもいかない事情もあるのでしょう。

コラム.新横浜方面への乗車チャンス

さて、日中時間帯は30分間隔しか設定されていない、渋谷-新横浜直通。実際には日吉-新横浜は目黒線系統が主体なのですが、それは上手に活用できるのでしょうか。

下りは以下の武蔵小杉乗りかえを駆使すると以下のパターンで乗りつげます。

  • 渋谷12:09→武蔵小杉12:23/12:28→新横浜12:38(新横浜どまり)
  • 渋谷12:17→新横浜12:45(相鉄直通)
  • 渋谷12:24→武蔵小杉12:38/12:43→新横浜12:53(相鉄直通)

上りは以下の武蔵小杉乗りかえを駆使すると以下のパターンで乗りつげます。

  • (相鉄直通)新横浜12:03→渋谷12:31
  • (相鉄直通)新横浜12:12→武蔵小杉12:23/12:26→渋谷12:39
  • 新横浜12:27→武蔵小杉12:38/12:41→渋谷12:54

このように、武蔵小杉で乗りつぐことにより、渋谷から新横浜方面への乗車チャンスは確保されているのです。昔のダイヤのように目黒線急行と東横線特急が武蔵小杉で相互連絡するダイヤであれば、完璧でした(これは東横線各駅停車と目黒線各駅停車を同時に走らせずに事実上増発するためなのですが)。

夕方ラッシュ時下り

従来、夕方ラッシュ時は15分サイクルで、以下の内訳でした。

  • 通勤特急:副都心線-元町・中華街1本(副都心線内通勤急行)
  • 急行:副都心線-元町・中華街1本
  • 各駅停車:副都心線-元町・中華街1本、渋谷-元町・中華街1本、新宿三丁目-菊名1本(ただしサイクルによって始発駅と終着駅の組み合わせが微妙に異なる)

基本的に15分に通勤特急1本、急行1本、各駅停車3本の構成で、各駅停車のうち1本は菊名折り返しです。各駅停車のうち1本(15分間隔)は副都心線-元町・中華街を直通し、15分に2本が新宿三丁目や渋谷始発です。ただし、新宿三丁目始発ではなくもう少し北からやってきたりなど、始発駅がきれいなパターンにはなっていません。日中時間帯と比べ、各駅停車こそ増えていますが、速達列車は増やされていないダイヤでした。

それが相鉄直通に合わせ、30分サイクルに再編され、以下の構成に変更されました。

  • 通勤特急:副都心線-元町・中華街2本(15分間隔)
  • 急行:副都心線-元町・中華街1本、渋谷-元町・中華街1本(合わせて15分間隔)、副都心線-湘南台2本
  • 各駅停車:副都心線-元町・中華街2本、渋谷-元町・中華街1本、新宿三丁目-元町・中華街1本

菊名発着の各駅停車が相鉄直通急行に変更されたパターンです。各駅停車の始発駅がきっちりとした15分間隔ではありませんが、おおむね15分サイクルです。ただし、東横急行-各駅停車-相鉄直通急行のサイクルと東横急行-相鉄直通急行-各駅停車のサイクルがあり、各駅停車が15分サイクルになっていないのが気になるところです。

では、そのパターンを簡単に示します(図5、表4)。

図5. 夕方ラッシュ時の東横線のダイヤパターン

表4. 夕方ラッシュ時の東横線のダイヤパターン(時刻表)

気づかされるのは、相鉄直通急行が自由が丘で各駅停車を追い抜かないことと、東横急行-各駅停車-相鉄直通急行の順で発車するときの東横急行は自由が丘で各駅停車を追い抜かないことです。わかりやすさを重視するのであれば、各駅停車-東横急行-相鉄直通急行の順で運転し、自由が丘での緩急結合を実施したほうが良いでしょう。

では、所要時間はどうでしょうか。

  • (改正前通勤特急)渋谷18:30→武蔵小杉18:45→菊名18:54→横浜19:01→元町・中華街19:09
  • (改正後通勤特急)渋谷18:30→武蔵小杉18:45→菊名18:54→横浜19:02→元町・中華街19:11

通勤特急の場合、横浜以遠の所要時間が増えています(横浜までは所要時間は維持されていることでしょう)。東横線内の所要時間は維持されています。

  • (改正前急行)渋谷18:35→武蔵小杉18:53→菊名19:02→横浜19:10→元町・中華街19:19
  • (改正後急行)渋谷18:35→武蔵小杉18:52→菊名19:02→横浜19:09→元町・中華街19:18

急行の場合、横浜以遠の所要時間は短縮されています。東横線内の所要時間は現状維持といったとことでしょうか。通勤特急と急行を合わせると、所要時間は変化なしというところでしょうか。

相鉄直通運転開始時の東横線ダイヤ改正を見てみて

写真6. 相互直通運転では他社の車両(西武車)も見られ、ネットワーク性を感じる(白幡向町2路上より撮影)

相鉄直通運転開始時の東横線のダイヤを解析しました。東横線は東京と横浜を結ぶという名称の通り、横浜への輸送が重要な路線です。今回の直通運転開始でその機能がないがしろにされるという懸念がありましたが、渋谷と横浜を結ぶ電車は基本的に減便はなされませんでした。特に、日中時間帯の急行の減便が懸念されていただけに、そこを削らないのは英断です。

ただし、新しい系統が設定されてスピードダウンが見られたのは残念な点です(ワンマン化に伴う所要時間増加がないことは称賛に値する点というのは補足いたします)。ダイヤをよく解析すると副都心線内の本数の制約があったり、相鉄直通電車を副都心線に直通させたいなどの総合的判断が見えてきます。

渋谷から相鉄まではJR線系統で直通しているので、素人目には目黒線で統一したほうが東横線のダイヤは美しいままであったように見えます。しかし、東急的には再開発が進む渋谷に相鉄沿線住民を呼び込みたい、などの事情もあるのでしょう。

このように、ダイヤ1つとってみても多くの利害関係が読み取れ、それもまた興味深いものなのです。

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