2023年に華々しくデビューした幕張豊砂駅。この駅は特殊な構造であり、趣味的に興味をそそられる駅でもあります。そんな幕張豊砂駅を散策しました。
写真1. 駅前広場越しに駅舎を眺める
復習:幕張豊砂駅の概要
まず、幕張豊砂駅の概要を紹介します。
- 路線:京葉線
- 所在地:千葉県千葉市千葉市美浜区浜田2-45-4
- 停車種別:各駅停車のみ(快速等は通過)
図1. 幕張豊砂駅の位置(googleマップより引用)
幕張豊砂駅は千葉県千葉市に位置する京葉線の駅です(図1)。新駅で各駅停車の運転区間に含まれる(日中時間帯の各駅停車の多くは東京-海浜幕張の運転なので、快速は海浜幕張-蘇我では各駅に停車)ため、快速は停車せずに各駅停車のみの停車です。
また、武蔵野線電車の一部は京葉線の海浜幕張発着も設定されており、京葉線内を含め各駅に停車します。当然幕張豊砂にも停車します。そのため、朝夕を中心に武蔵野線電車も幕張豊砂にも停車します(ただし日中時間帯は海浜幕張まで運転する武蔵野線電車はありませんが)。
この駅近くにはイオンモールがあり、もともとは海浜幕張駅からバスで移動するか、自動車によるアクセスが必要な状態でした。イオンモールとしても鉄道での集客を重視したいのか、イオン側も新駅設置費用を負担して新駅を設置した格好です。
駅の北側には車両基地があり、駅の南側だけに出入口があり、ホームの配置も独特なものです。これはこれで趣味的な興味をそそられます。
実際に幕張豊砂を歩く
御託はこの程度にして、実際に歩いてみましょう!
駅舎とその周辺
まず、駅舎とその周辺を歩きます。
写真2. 開発中の駅前
幕張豊砂駅の駅前に立っています(写真2)。銀色と赤色の電車がとまっているところが駅で、その西側には開発中の土地があります。駅設置に合わせて整備するのでしょうか?
写真3. 駅舎を眺める
駅舎を眺めます(写真3)。新駅設置された記念か多くの人が写真撮影に興じていた点が印象に残っています。代々木八幡や高輪ゲートウェイのように開放感を重視したデザインに見えます。
写真4. 改札に入った
改札に入りました(写真4)。電光掲示板の上にわかりやすい表示がありますが、1Fは下りホーム、2Fは上りホームです。
写真5. 改札を振り返る
改札を振り返ります(写真5)。駅前までフラットに移動できます。
写真6. 駅舎の中
幕張豊砂は1Fに駅舎があります(写真6)。つまり、外から駅舎に入るのに上下移動はかなり少ないほうです。駅舎内は明度の高い茶色系をアソートカラーとして活用し、白系をメインカラーとして採用しています。近年に多い組み合わせの配色です。
写真7. 駅舎の中
駅舎の中にピアノが置いてありました(写真7)。ここで自由に弾くことができます。私は何も弾けない(「ド」の位置さえわからない程度の素人)ので触りませんでしたが、駅の発車メロディを弾いている人もいました。私の好みの洋楽(リアーナやジェニファー・ロペス)を弾いている人はいませんでした(でしょうね!)。
この近くにベンチもあります。ホーム上にはベンチは少なかったように記憶しており、通過列車が多い特性があり、なるべくホームに人を滞留させたくないという意図を読み取れます。
写真8. 駅舎の奥側から改札方面を眺める
写真6とは反対側の角度から駅舎内を撮影しました(写真8)。
写真9. 駅舎内にトイレがある
駅舎内にトイレがあります(写真9)。
写真10. 1番線へも段差がある
1番線へは微妙に段差があります(写真10)。これは地平の高さとホームの高さが一致していないためです。ホームの高さぶん線路を掘り下げれば完全にフラットにできましたが、それは大工事なのでできなかったのでしょうか。
写真11. 1番線へのバリアフリールート
今や「やさしさ」を重んずる時代です。そのため、1番線へもバリアフリールートが整備されています。
写真12. 2番線への階段とエスカレータ
2番線への階段とエスカレータがあります(写真12)。通常駅舎とホームをつなぐ階段は2か所以上あることが多いですが、ここ幕張豊砂は階段は1か所だけです。そのため、下りエスカレータはありません。
ホームの様子
次にホームの様子を観察してみましょう!
写真13. 下りホームの様子
1番線の様子です(写真13)。車両基地を間近に感じられます。
写真14. 車両基地が見える
車両基地にとまっている車両たちを眺められます(写真14)。珍しい車両が入るとこのホームは熱狂するのかな?(JRもバカではないでしょうから、手前に通常の車両を置くのでしょう)
写真15. 駅名看板がある
駅名看板がありました(写真15)。ちょうどスロープがあるところです。
写真16. 発車標がある
発車標もあります(写真16)。列車が通過するとのことです。京葉線快速は「電車が通過します」の表示ですから、京葉線快速でない列車が通過することを意味します。
写真17. 貨物列車が通過!
貨物列車がやってきました(写真17)。京葉線の西船橋-蘇我は貨物列車も通ります。先頭近くの貨車にはコンテナがなく、アクション映画であれば人が飛び乗るでしょう。
2番線もそうですが、ホームはコンクリートがそのまま露出しており、コストをあまりかけないようにしていることがわかります。通過列車が多いのであまりホームの居心地を良くせずに、駅舎内で待つように誘導している、と考えるのは考えすぎでしょうか?
写真18. 2番線の様子
2番線は2Fにあります(写真18)。このあたりは上り線は高架線、下り線は地平線という興味深い構造です。これはかつての貨物駅計画や車両基地との立体交差を実現するための理由があると聞いています。
写真19. 階段を眺める
階段を眺めます(写真19)。幕張豊砂の利用者の多くは上り方向(下りホームに到着し、上りホームから出発する)でしょうから、ホームに上がる向きを上りエスカレータとして運用するのは妥当でしょうか。
写真20. 下り電車が見える
下り電車を見ることができます(写真20)。下りホームと上りホームは平面座標では重なっておらず(そのつもりになれば下り線の真上まで上りホームとし、上りホームの幅を広くできた)、ホームに人がそこまで溜まらないと読んでいることがわかります。
写真21. 上りの発車標
上りの発車標です(写真21)。こんどの電車の位置が表示されています。ただし、この表示には注意が必要です。「前の駅にやってきたからそろそろ来るのか!」と思い込むのは危険です。前の駅(海浜幕張)始発の電車が多くあり、まだ海浜幕張で発車を待っている可能性もあるためです。
写真22. 上りホームからイオンモールが見える
上りホームからイオンモールが見えます(写真22)。ここのイオンモールはとても広く、幕張豊砂駅前にモールがありますが、写真22に見えている駐車場の先にも別館があります。このホームの先端は「撮り鉄スポット」らしく、撮り鉄さんの姿を確認できたときもありました。
写真23. エレベータがある
下りエスカレータがないかわりに、エレベータがあります(写真23)。
写真24. 駅名標を発見!
駅名標もありました(写真24)。駅名標はあまり目立たない印象があります。
幕張豊砂を訪問してみて
写真25. イオンモールが改札出てすぐにある
今回、開業から2週間経過したころに幕張豊砂を訪問してみました。開業初日にはジャーナリストさんの姿も多かったのでしょうが、2週間経過したこともあり、ジャーナリストさんの姿は目立ちませんでした。かわりに家族連れが目立ち、イオンモールやその近くの公園で思い思いの時間を過ごすためのアクセスとして活躍していることがわかりました(写真25)。
イオンモールの存在感が大きい駅(イオンモール内も幕張豊砂開業を喜ぶ掲示物がありました)ですが、逆にいうとイオンモール以外には目立った施設はありません。とはいえ、駅前でも開発が進み、駅の裏側には住宅が広がる立地です。これからは南北連絡通路の整備も含め、地域にとって必要な駅に進化してもらいたいものです。
写真26. 海浜幕張地区の端部という印象が強いバス網(地図の左下が幕張豊砂駅)