金曜深夜の東急東横線の混雑状況(中目黒→祐天寺、現場調査結果)

記事上部注釈
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直通先が日本有数の繁華街を通り、接続する日比谷線も繁華街を通る東急東横線。週末は混雑することが予想されます。その実態を確認しました。

写真1. 最終の通勤特急はそれなりに混んでいる

東急東横線(金曜深夜)の混雑状況まとめ

中目黒断面での混雑状況は以下の通りです。

  • 22:00ごろまで混雑し、23:00にかけて徐々に空いてくる
  • ただし、本数の減る23:20以降は混雑する
  • 渋谷始発は顕著に空いており、副都心線からの直通電車は混雑する

詳細は以下の章で記します。

混雑調査の概要

今回の混雑調査の方法を紹介しましょう。この記事では、定点観測を行い、一定時間の全列車を対象にして各車両の混雑を目視で確認しています。これはプロも行っている調査方法です。

簡単に調査方法を紹介しましょう。一部の個人サイトでは混雑状況を書いているところもありますが、調査方法や混雑指標の言及がないのでう~んと考えてしまうところがあります。そのようなことを踏まえて、弊サイトではきちんと方法を示します(さすがー)。

弊サイトでは混雑ポイントという概念を導入しております。その概要を示します(表1)。

表1. 混雑ポイントの概要

乗車ポイントの概要

せっかくなので、120ポイント~160ポイントの様子をご覧いただきましょう(写真2-4)。いずれも個人情報を守ることを目的に、画質を落としています。

混雑ポイント120ポイント相当

写真2. 混雑ポイント120ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント140ポイント相当

写真3. 混雑ポイント140ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント160ポイント相当

写真4. 混雑ポイント160ポイントの様子(写真3と異なり、ドア部分が圧迫されていることがわかります)

今回は中目黒断面を確認すべく、中目黒-祐天寺の混雑を確認しました。

東急東横線(金曜深夜時間帯)の混雑状況の生データ

写真5. 通勤特急は混んでいる

まず、東急東横線の混雑状況の生データを示します(表2)。列車ごとの混雑率については、計算のしやすさ(混雑ポイントは序列指標であり、足し算ができない)から、混雑率で示しています。

また、池袋、新宿三丁目、渋谷を通るか否かを塗分けで示します。

表2. 金曜深夜時間帯の東急東横線の混雑状況(中目黒→祐天寺、生データ)

また、列車ごとの混雑率を視覚化しました(表3)。

表3. 金曜深夜時間帯の東急東横線の混雑状況(中目黒→祐天寺、各列車混雑率視覚化)

通勤特急の混雑が目立ち、一部の急行が空いています。

東急東横線(金曜深夜)の混雑状況の解析

写真6. 車両運用の関係か、東横線からの海老名行きが存在する(相鉄線内特急運転)

上で生データを示しました。しかし、それだけではわかりにくいかもしれません。そこで、以下の章で詳細に解析いたします(やさしー)。なお、列車ごとの混雑を分析するに当たり、弊サイトの指標である混雑ポイントから、一般的な混雑率に変換しています。これにより、序列指標から定量的な指標に変換され、計算などが便利になるためです。

復習:東横線のダイヤ

混雑状況と鉄道ダイヤは大きく関わります。そのため、ダイヤを簡単に紹介します。

東急東横線は基本的に15分サイクルのパターンダイヤです。構成は以下の通りです。

  1. 元町・中華街方面通勤特急:副都心線-渋谷-横浜方面
  2. 元町・中華街方面急行:渋谷-横浜方面(一部は武蔵小杉行き)
  3. 元町・中華街方面各駅停車:渋谷-横浜方面、2本運転(22時台は半数が渋谷始発)
  4. 新横浜方面急行:副都心線-渋谷-横浜方面、設定なしの場合あり

これらが運転されます。1~3は横浜方面へ、4は新横浜方面に向かいます。ただし、4は運転されない場合もあります(新横浜線への主流は目黒方面からです)。

ただし、正確な15分サイクルではなく、大まかな運転間隔とご認識ください。

日中時間帯は急行の半数は副都心線に入りますが、この時間帯は基本的に渋谷始発です。また、22時台は全ての各駅停車が副都心線直通ではなく、半数程度は渋谷始発です。

種別ごとの混雑状況

まず、種別ごとの混雑状況をまとめます(表4、図1)。

表4. 金曜深夜時間帯の東急東横線の混雑状況(中目黒→祐天寺、種別ごと)

図1. 金曜深夜時間帯の東急東横線の混雑状況(中目黒→祐天寺、種別ごと、視覚化)

渋谷始発が明らかに空いています。渋谷始発の武蔵小杉行きはその傾向が顕著(23:12発)で、車両によっては座席が埋まっていないこともありました。新横浜方面は急行で集客範囲が広いこともあってか、よく乗っていました。東横線でいうと菊名までの区間運転とほぼ同等の機能(新横浜線の新綱島も綱島までの乗車券等で利用可能なので、日吉ではなく綱島もカバーと考えるのが自然)ですから、東横線の先着する区間運転として利用されているのでしょうか。

時間帯ごとの混雑状況

次に、時間帯ごとの混雑状況を示します。通勤特急が1本ずつ入るように区切りましたので、きっちりとした15分ごとに区切れていません(表5、図3)。グラフに変換する際には、代表的な時間は15分刻みに再修正しました。

表5. 金曜深夜時間帯の東急東横線の混雑状況(中目黒→祐天寺、時間帯ごと)

図3. 金曜深夜時間帯の東急東横線の混雑状況(中目黒→祐天寺、時間帯ごと、視覚化)

22:00ごろに混雑のピークがあり、時間帯が遅くなるとともに徐々に空いてくる傾向があります。ただし、23:20を過ぎると横浜に向かうのが15分間隔の各駅停車だけになるためか、混雑率は上がります(急行が1本だけであると混雑率は異なると思いますが)。

号車ごとの混雑状況

次に車両ごとの混雑状況をまとめます(表5)。

表5. 金曜深夜時間帯の東急東横線の混雑状況(中目黒→祐天寺、号車ごと)

図2. 金曜深夜時間帯の東急東横線の混雑状況(中目黒→祐天寺、号車ごと、視覚化)

前の2両が空いています。渋谷始発でその傾向は顕著でした。前よりの車両は池袋では便利ですが、新宿三丁目や渋谷では後ろよりが繁華街に近く、その傾向が現れたということです。

(参考)図4. 渋谷駅構内図(東京メトロ公式サイトから引用)

図の手前が進行方向後ろよりです。確かにホームの横浜よりは階段やエスカレータの背面であり、心理的に向かいにくい方向で、この2両が空くのも理解できます。

混雑状況から東急東横線のダイヤを考える

写真7. 急行武蔵小杉行きは空いている

このような混雑状況から東急東横線のダイヤを考えます。

全般的に通勤特急に混雑が集中しており、新宿三丁目と横浜方面の速達列車が限定されていることが大きな原因です。一方で急行武蔵小杉行きが空いており、半ば回送列車を客扱いしているようなものと考えても釈然としません。

手っ取り早いのは渋谷始発の速達列車を新宿三丁目始発にすることです(池袋から東横線方面に乗る人の割合は高くないとみえ、コストのかかる増発区間は最小とするほうが良いでしょう)。そうすれば、通勤特急の集中は緩和されます。これは週末限定でなく、毎日実施したほうが良いでしょう。

また、ピンポイントで23:34発の各駅停車元町・中華街行き(渋谷発23:30発)がかなり混んでいる点も気になりました。週末という事情が大きいのでしょうが、渋谷から横浜に向かう電車が23:16、23:30、23:45、0:01と少ないのは解せません。週末限定で渋谷23:28発の急行横浜行きを運転すれば、この混雑は緩和するでしょう。

このほか、週末限定で22時台に新横浜方面の臨時列車を運転し、混雑緩和と新横浜方面の45分間のダイヤホール解消も考慮するべきでしょう。

この日は大型連休の前日とあり、駅前からは騒がしい音が多く聞こえました(改札周辺もにぎやかなグループが認められました)。一方、ホーム上や車内は静かなことが印象に残りました。混んだ車内で過ごすことも忘れられるでしょうし、混雑もそこまで長く続かないでしょう。それでも、ワンマン運転で浮いた人件費をこのようなサービス向上に回してほしいものです。

東横線の混雑に関するデータ

ここまで特定時間の特定区間という「深くて狭い」内容をお伝えしました。以下の記事では東横線の混雑の基本データという「浅くて広い」内容をまとめています。また、他の時間帯の混雑状況もまとめています。

東急東横線(混雑基本データ)

このページでは東急東横線の混雑状況について基本的なデータをまとめています。また、私が実際に現場で調査した結果へのリンクも記しています。
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