山手線の夕方時間帯の混雑状況(渋谷→恵比寿、現場60分調査)




東京を代表する路線、山手線。山手線のラッシュ時のレポートは最混雑区間に偏っているようにみえます。そのようなレポートに掲載されない区間が渋谷-品川でしょう。新宿・渋谷地区と横浜地区の移動方法は昔よりも整備されていて、山手線を利用することも減ってきました。一方で、この地区の再開発も進んでいます。では、実際の利用状況はどうでしょうか。渋谷を発車する山手線について実際に調査しました。



山手線E235系(渋谷)

写真1. 渋谷に停車中の電車

山手線夕方ラッシュ時間(渋谷→恵比寿)の混雑状況

以下、長い文章を読みたくない人のために、簡単に結論をまとめます。

・おおむね混雑率は90%程度でやや混雑しているレベル(座席前の吊革が3/4埋まる程度の混雑)
・4号車~6号車と10号車が混んでいる傾向にある
・逆に、3号車が空いている傾向にある
 ※渋谷で多くの乗客が降りるため(このあたりがハチ公口改札に近いです)と推定します

混雑調査の概要

簡単に調査方法を紹介しましょう。一部の個人サイトでは混雑状況を書いているところもありますが、調査方法や混雑指標の言及がないのでう~んと考えてしまうところがあります。そのようなことを踏まえて、弊ブログではきちんと方法を示します(さすがー)。

調査区間の選定

山手線は、最混雑区間はやや北側に偏っています。具体的には、新宿-新大久保と上野-御徒町です。そのため、多くのレポートはこの区間に偏っています。ひねくれ者の私はそのようなレポートばかりではつまらないと感じてしまいます。そのため、渋谷-品川を取り上げることにしました。その中でも拠点駅の発車時が良いと考え、渋谷→恵比寿としました。

調査方法と調査結果

弊ブログでは混雑ポイントという概念を導入しております。その概要を示します(表1)。

表1. 混雑ポイントの概要

乗車ポイントの概要

せっかくなので、120ポイント~160ポイントの様子をご覧いただきましょう(写真2-4)。いずれも個人情報を守ることを目的に、画質を落としています。

混雑ポイント120ポイント相当

写真2. 混雑ポイント120ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント140ポイント相当

写真3. 混雑ポイント140ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント160ポイント相当

写真4. 混雑ポイント160ポイントの様子(写真3と異なり、ドア部分が圧迫されていることがわかります)

混雑調査結果とその分析

生データを示した後に、詳しい分析をしましょう。

混雑状況の生データ

まずは、各列車の各号車ごとの調査結果を示します(表2)。各列車の混雑率も示すことにしましょう。

表2. 渋谷-恵比寿の混雑状況(品川・東京方面行き)

山手線夕方ラッシュ時混雑状況(渋谷→恵比寿、生データ)

渋谷から品川・東京方面に発車する電車の混雑です。3号車が空いていることがわかります。渋谷のメインの出口はハチ公口です。この改札に近いのがこの付近です。また、新宿のメインの階段もこの付近です。渋谷まで乗る人の多くは新宿から乗り込む人でしょう。このような人が渋谷まで乗って、渋谷で降りる際、3号車付近の降車に時間がかかるでしょう。そのため、渋谷でなかなか3号車に乗ることができずに、3号車が空くのでしょう。

逆に、4号車~6号車が混んでいます。渋谷で乗る際のことを考えると、4号車は3号車に乗ることができない乗客が集まります。そのため、混雑するのです。また、5、6号車はホーム中ほどにあり、ある程度乗客が集まるということもありましょう。

混雑状況の分析

生データだけ示しておしまい!というのは不親切です。そこで、私は混雑状況を分析することにしました。山手線は全てが各駅停車で行先も(朝夜の途中駅始発、途中駅どまりを除けば)環状運転だけと差はあまりありません。そのため、列車種別ごとの層別(たくさんのものを、ある特徴によって、いくつかのグループに分けること)は行いません。

混雑を調査する際、まとめる際に気づいたことは、電車ごとの混雑が異なるということです。例えば、18:32発の品川方面行きは150ポイント(吊革が埋まっていてドア部分の密度が高い)になっている車両もあり、平均混雑率は120%にも達しています。一方、その直後の品川方面行きは平均混雑率が85%とこの時間帯の電車としては空いています。これは、18:32発が集客しやすいということではありません。この電車だけがわずかに遅れて、たまたまこの電車に乗客が集中したということです。そのため、間隔がやや詰まっている次の電車は空いているのです。

このような特徴があるので、時間帯ごとに混雑の傾向をまとめることにします。単純な混雑率ではわかりにくいでしょうから、混雑ポイントやその内容についても触れます(表3)。

表3. 時間帯ごとの混雑の傾向

山手線夕方ラッシュ時混雑状況(渋谷→恵比寿、時間帯ごと層別)

今回の調査時間帯の中では、18:20~18:40までが最も混雑していました。この程度の混雑は19:00ごろまで続くことでしょう。その最混雑時間帯であっても、吊革が埋まる程度の混雑です。最混雑区間の混雑と比べると、快適です。その時間帯を外すと、吊革の3/4程度が埋まる混雑です。首都圏の夕方ラッシュとしてはそこまでひどいほどの混雑ではないといことです。

山手線を利用しようというときには、これよりも混んだ電車がやってくることもありましょう。そのようなときは、思い切って1本待ってみましょう。混んでいる電車の次の電車は意外と空いていることもあります。渋谷から恵比寿の電車であれば、通常の混雑は吊革が埋まるかどうかという程度です。ドア部分が混んでいる場合であれば、通常よりも混んでいるということです。その場合は、その次の電車が空いていることを期待して、1本待つことも重要なのです。

まとめにかえて

山手線の渋谷→恵比寿の夕方ラッシュ時の混雑は混雑率100%に達しない程度と、各種メディアに取り上げられれない程度のものです。メディアは極端な事例を紹介しがちです。この区間の場合、埼京線や湘南新宿ラインという並行路線の整備、そして東急東横線の新宿地区直結(新宿直結じゃないよ!)などの施策で、山手線電車の利用者が他の路線にシフトしたためでしょう。これからは相鉄と新宿が直結されます。このことによる山手線電車からのシフトはわずかでしょうが、このように地道にラッシュ時の混雑を緩和する方策が取られ、地味に混雑は緩和しているのです。



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