ルツェルンからベルンまでの乗車記(スイス、列車旅、19年夏)




スイスの古都ルツェルンから、スイスの首都ベルンまでは列車で1時間程度です。また、本数も比較的充実しています。この区間の具体的な時刻や所要時間について述べた後、実際に乗っています。実用的な情報、実際の雰囲気どちらも伝わるように書いてみました。

写真1. ルツェルンに停車中の列車


復習:ベルンとルツェルンの移動方法概要

まず、ベルンとルツェルンの間の移動方法について復習しましょう。最初に両都市の位置を示します(図1)。

図1. ベルンとルツェルンの移動経路(googleマップより引用)

では、どのように移動するのでしょうか。不正確なことを承知で箇条書きでまとめてみます。

ベルンとルツェルンの移動の概論
所要時間:60分
系統:IR
運転間隔:60分(ベルン、ルツェルンとも毎時00分に発車)

この系統は1時間ごとにしかありません。といっても、6:00~23:00の間で発車時刻がずれることもなく、抜けがないのは非常に使いやすいです。途中オルテン駅近くを通りますが、オルテン駅そのものを通りません(短絡線を通ります)。ベルンとオルテン、オルテンとルツェルンの間はそれぞれ1時間に2本以上の乗車チャンスが確保されています。では、それらを乗り継ぐとどうでしょう。

ベルンからルツェルンに向かうことを考えます。9:00の次の列車は10:00に発車します。この間でオルテン乗りかえというパターンがあるのかという検証です。オルテンに向かう列車は9:04(IC)、9:06(RE)、9:34(IR)、9:36(IC)に発車します。9:04発はオルテンに9:30ごろに到着(9:32に発車)、9:06発はオルテンに9:54に到着、9:34発はオルテンに10:00に到着、9:36発は10:03ごろに到着(10:05に発車)となっています。

オルテンを発車するのは9:30(IC)、9:49(IR)、10:06(RE)、10:30(IC)です。9:30発には間に合いません。9:49発と10:06発には接続する列車があります。9:49発は10:30に、10:06発は10:55に着きます。また、10:30発は11:05に着きます。オルテンを10:30を発車する列車に乗る意味はありません。これに乗るのであれば、乗りかえのない列車を選べばよいだけですから。これらをまとめると以下の通りです。

(直行)ベルン9:00→ルツェルン10:01
(乗りかえパターンA)ベルン9:04→オルテン9:30/9:49→ルツェルン10:30
(乗りかえパターンB)ベルン9:34→オルテン10:00/10:06→ルツェルン10:55
(直行)ベルン10:00→ルツェルン11:01

乗りかえパターンAは直行便の4分後に発車するため、あまり利用価値はないでしょう。一方、乗りかえパターンBは前の直行便と次の直行便の間に発車していますが、ルツェルンに着くのが次の直行便の6分前でそこまで利用価値はありません。オルテン乗りかえについては、ないよりマシで無視しても利用上支障ないということです。

逆方向についても同様に考察します。考察の結果は以下の通りです。

(直行)ルツェルン9:00→ベルン10:00
(乗りかえパターンC)ルツェルン9:05→オルテン9:52/9:57→ベルン10:34
(乗りかえパターンD)ルツェルン9:30→オルテン10:10/10:29→ベルン10:56
(直行)ルツェルン10:00→ベルン11:00

やはり、乗りかえパターンCは前の直行便の5分後に発車するので利用価値が低く、乗りかえパターンDは後の直行便の4分前に着くので利用価値が低いです。曲がりなりにも1時間に3回の乗車チャンスがあると言い切れるかもしれませんが…。

他に、オルテンを経由しない経路もあります。地図上は最短のように見えますが、高速列車ではないので87分かかります。そのため、特段乗りたいというわけでなければ無視して良いでしょう(車両も普通の通勤電車風でした)。

なお、座席は任意指定制です。任意指定制というのは、事前に予約した座席だけが指定席になり、そうではない座席は自由席扱いというものです。予約したい人は事前に予約し、予約していない人は座席予約票がない座席に座るというものです。今回の系統はジュネーブからルツェルンまで直通する列車が多いですが、ある人がジュネーブからベルンまで予約していれば、その座席はジュネーブからベルンまでは指定席なので予約していない人は座れません。一方、ベルンからルツェルンまではその席は予約されていないので、予約していなくとも座れます。

実際に列車に乗る

上で基本的なことを確認したところで、実際に乗ってみましょう。

写真2. ルツェルンに停車中の列車

この列車は1等は1列+2列の配列に、2等は2列+2列の配列になっています。私は1等のスイストラベルパスを持っていましたので、1等を選択しました。

写真3. 1等車の車内(別の列車で撮影)

このように空いており、事前の座席指定は必要ないと感じました。また、事前の座席指定をしている人は1等車では全くいませんでした。

写真4. ルツェルンを発車

ルツェルンを発車します。わかりやすくLuzernと書いていますね(写真4)。

写真5. 線路が分岐していく

ルツェルンを発車するとさまざまな方向に線路が分岐します(写真5)。これは、ルチェルンが頭端式の駅であるため、どの方向に向かうにしても、駅出発時点では同じ方向に出発するためです。

写真6. 住宅街を走る

ルチェルンしてしばらくは住宅街を走ります(写真6)。いくら人口10万人未満といっても、スイスで7番目の都市なのです。

写真7. 家具量販店の前を通過

家具量販店の前(店の正面は線路と反対側だから家具量販店の「後ろ」が正確な表現?)を通過します。このブランドは北欧発祥です。日本にも店舗がありますが、ドイツでも見かけました。本当に影響力の大きい家具量販店ですね(私は北海道発祥の緑色のブランドを好みます)。

写真8. 牧場を走る

しかし、ルチェルン郊外になると牧場を走行します。牛がかわいらしいですね(写真8)。

写真9. その牧場の本体

その牧場の本体です(写真9)。のどかな家屋ですね。

写真10. 湖沿いを走る

湖沿いも走ります。この湖はセンパハ湖です(写真10)。正直、他の美しい湖を見てしまっているので、あまり感動しません。これは困ったものです。

写真11. ズールゼーに停車

最初の停車駅であるズールゼーに停車します(写真11)。ドイツ語でゼーは湖を意味しますが、そのような名前の湖は週にはありません(思いつくのはセンパハ湖です)。

写真12. 次の停車駅に停車

その次の停車駅はツォフィンゲンです(写真12)。この列車はここまでバーゼル方面と同じ線路を走ります。バーゼル方面の列車は次の停車駅はオルテンですが、この列車はオルテンを通らず、オルテン近くから高速新線に入ります。

写真13. オルテン近くを通る(バーゼル方面の本線が分岐)

オルテンの近くまでやってきました。ここでバーゼル方面の本線と分岐します(写真13)。オルテンまで行くと車両の向きを変えなければならないので、ここで短絡線に入るのです。

写真14. チューリッヒ方面からの本線と合流する

オルテン付近の短絡線を走行します。オルテンを中心にすると南にルチェルン、北にバーゼル、北東にチューリッヒ、そして南西にベルンがあります。わが列車はオルテンの南方向からやってきて、南西方向に向きを変えようとしています。チューリッヒとベルンを結ぶ線路、ルツェルンとバーゼルを結ぶ線路がそれぞれ本線で、ルツェルンからベルンに向かう列車は短絡線(ショートカットする線路)を通っているのです。その短絡線を終えて、チューリッヒからの本線に合流します(写真14)。

写真15. チューリッヒ方面からの本線と合流する

なぜかもう一度合流します(写真15)。ここでチューリッヒ-ベルンの線路を分けることで線路容量を増やしているのでしょうか。

図2. この付近の地図(googleマップより引用)

この付近の地図です(図2)。図の左のほうに駅があり、そのすぐ右側に分岐点があります。これが写真15の位置です。もう少し右側に分岐点があります。これが写真14の位置です。さらにその右側に分岐点があり、それが写真13の位置です。

写真16. 駅を通過

チューリッヒからベルンの本線に合流したら、駅を通過します(写真16)。この駅は分岐点のすぐ左側にあります。

写真17. 高速新線をかっとばす

写真18. 高速新線をかっとばす

写真19. 高速新線をかっとばす

ここからは高速新線を飛ばします(写真17-写真19)。ピンポイントでこのような新線があるので、効果的にスピードアップできます。これは日本の新幹線とは異なる設計思想です。日本語でいうとスーパー特急という発想です。一番わかりやすい例では、京成スカイライナーが走る成田スカイアクセス線でしょうか。ここは部分的に高規格な線路を用意しつつ、他の線路(京成上野-京成高砂など)は一般的なものです。新幹線のように最初から最後まで高規格な線路を用意するのではないので、費用が安くつきます。

写真20. もうまもなくベルン

そうしているうちにそろそろベルンです。この列車はベルンから先、ジュネーブ国際空港まで直通します。次のベルンで終着ではありません。そのため、素早く降りる準備をします。別にルツェルンからローザンヌやジュネーブへの流動が多いわけではないでしょう。ベルンで折り返す手間を省くために直通しているだけです。このような長距離列車の直通運転はスイスの他に、オーストリアやドイツでも実施されています。ドイツ語を使うエリアは合理的な発想なのでしょうか。日本でも上野東京ラインや湘南新宿ライン、新快速、副都心線関連などで同様の発想が見られます。

このようにしてベルンに到着しました。

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※それぞれ別ウィンドウで開きます。

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