ルツェルンの観光(厳選3か所:カペル橋、旧市街、ライオン像、19年夏)

記事上部注釈
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スイスでも古都とされるルツェルン。この町は大きい都市ではないものの、古くから栄えた場所です。そんな古都ルチェルンの見どころを観光しました。観光名所へのアクセス方法や、その観光名所の歴史的な意義など深い内容まで掘り下げています。また、駅の構内図もまとめています。

写真1. ルツェルンの観光名所、瀕死のライオン像

ルツェルンの基本情報まとめ

ルツェルンはそこまで有名な都市ではないと思います。そこで、前提知識を簡単にまとめます。

図1. ルツェルンの位置(googleマップより引用)

ルツェルンはスイスのほぼ中央に位置します(図1)。チューリッヒ(スイスの最大都市)やベルン(スイスの首都)からも遠くなく、列車で1時間程度で着けます(ベルンとの列車アクセスについては次回の記事で執筆予定です)。スイスは3つの言語が使われます(※)が、ルツェルンはドイツ語が使われます。

※スイスはドイツ語を使う地域、フランス語を使う地域、イタリア語を使う地域で分かれています。人口の70%程度がドイツ語を話します。

ルツェルンの歴史は長いものがあります。スイス建国の地はここルツェルンにあります。ハプスブルク家の影響力を排除して、この地域に原初同盟が成立しました。この原初同盟が後のスイス連邦になっています。この同盟には首都はありませんでした(会議が何か所かで実施されるため)が、ルツェルンで会議が行われていました。そのため、ルツェルンは首都のような影響力があったといえましょう。その後、ベルンが首都に選ばれましたが、ルツェルンは古都として観光客の人気を集めています。市街地のすぐ近くに湖や川があることも人気の理由でしょう。

ルツェルンの観光名所を訪ねる

それでは、実際にルツェルンの観光名所を訪問してみましょう。なお、船旅も味わえるリギ山については別途特集(※)しています。

リギ山への旅:登山鉄道と船を満喫(19年夏)をご参照ください(別ウィンドウで開きます)

カペル橋

ルツェルンはロイス川沿いに発展した都市です。そのロイス川に架かる有名な橋がカペル橋です。

図2. カペル橋の位置(googleマップより引用)

この橋は外部から襲ってくる敵に備えて建設されたものです。地図を見ると、橋の右側(東側)に湖があります。船を使い湖から襲ってくる敵に対してここで対処するための橋です。完成はとても古く1333年です。当時は橋は珍しかったでしょうが、川に遮られずに行き来できることは革命的だったことでしょう。橋そのものは駅からも近く、バスなどを使う必要もありません。

では、実際に様子をご覧いただきましょう!

写真2. カペル橋の全景

これがカペル橋の全景です(写真2)。石造りの多くの古い橋とは異なり、木でできた橋であることがわかります。

写真3. カペル橋と旧市街

カペル橋と旧市街のコラボです(写真3)。ロイス川の向こう側(北側)が旧市街です。

写真4. カペル橋に登る

では、カペル橋を渡ってみましょう。事前の想像と異なり、階段を登ってアクセスします(写真4)。

写真5. カペル橋から居た方向を振り返る

では、今までいた場所を振り返ってみましょう(写真5)。旧市街とは反対方向ですが、こちらも風情ある街並が広がります。

写真6. カペル橋から眺める旧市街

旧市街を眺めます(写真6)。色とりどりの建物が素晴らしいですね。

写真7. 美しい絵画

この橋には多くの絵画が飾られています(写真7)。110枚の絵画が飾られていますが、とても全種類を撮影できません。この1枚で勘弁してください!正直、どれも同じようなタッチです…。

写真8. カペル橋を振り返る

旧市街側にやってきました。振り返ってみましょう(写真8)。カペル橋は多くの観光客でにぎわいますが、入場規制が行われるほどではありません。ほどよいにぎわいと感じました。

コラム.夜のカペル橋の様子

ガイドブックには「夜はライトアップが美しいから、見てみましょう!」と書いています。私はそれを信じて夜も見に行きました。その様子をご覧いただきましょう!夕暮れ時の情景ですが、幻想的ですね。

写真9. 夜のロイス川流域の美しい情景

写真10. 夜のロイス川流域の美しい情景

写真11. 夜のロイス川流域の美しい情景

ルツェルンの旧市街

カペル橋を渡ると旧市街です。この旧市街も風情のある場所です。

図3. 旧市街の位置(便宜上市庁舎をマーク、googleマップより引用)

旧市街の場所を示します。明確な定義はないでしょうが、カペル橋の北側に広がっていると理解すればよいでしょう。地球の歩き方先生には「迷路のようになっている」と書かれていますが、東京のぐちゃぐちゃの道路に慣れた私には、迷路と感じませんでした。それでも、入り組んだ路地を歩くことは楽しいものです。余計な解説は省いて、素晴らしい光景をご覧いただきましょう!

写真12. 美しい旧市街

写真13. 素晴らしい旧市街

写真14. 美しい旧市街

写真15. 素晴らしい旧市街

写真16. 美しい旧市街

写真17. 素晴らしい旧市街

写真18. 美しい旧市街

写真19. 素晴らしい旧市街

この旧市街に有名な洋服店などもあり、街並に溶け込んでいました。日本のように華美な看板を出さない点が印象に残りました。

瀕死のライオン像

ルツェルンのもう1つの見どころが瀕死のライオン像です。この像は駅や旧市街からやや離れた場所にあります。

図4. 瀕死のライオン像の位置(googleマップより引用)

ここまで歩くのも良いでしょうが、ちょっと歩き疲れていました。そこで、私は駅からバスに乗ることにしていました。スイストラベルパスが通用しますし、宿泊者は無料で乗れるカードが配布されていますので、気軽に乗ることができます。Löwenplatz(レーヴェンプラッツというのかな)というバス停が最寄です。

写真20. ルツェルン市内のバス路線図

市内のバス路線図を撮影してみました(写真20)。ルチェルン駅から各方向に向かっています。これではわからない?それならば、拡大してみましょう。

写真21. バス路線図の拡大図

駅とLöwenplatzに焦点を当てて拡大してみました。この路線図を見ると1系統に乗れば良さそうですね。他の系統もありますが、1系統は7.5分間隔で運転されているので、この系統に乗れば間違いありません(ただし23系統も同等の運転間隔です)。このほかに19系統と22系統も重なっています。19系統は15分間隔、22系統は30分間隔です。

では、バスに乗ってみましょう。

写真22. バスがやってくる

現代的なバスがやってきます。やはり、スイスは公共交通が発達しています。メインとなる観光名所には7.5分間隔のバスが2系統、もう少し少ない本数の系統も重なっています。ただし、各系統の運転サイクルまで考えられていませんので、5分~6分待つ場合もあります。それでも、10万人に達しない都市で5分程度待てば来るダイヤを実現しているという事実は素直にうらやましいです。

写真23. バスの車内案内

車内案内もわかりやすいです(写真23)。降りるバス停を間違えないようにするだけです。

写真24. バス停からは右前方に進む

バス停を出たら右前方に進みます(写真24)。多くの人が瀕死のライオン像に向かって歩いているので、そう迷うことはありません。

写真25. 公園の入口

さきほどの写真でまっすぐ進み、右に曲がると公園の入口が見えます(写真25)。

写真26. 瀕死のライオン像のご対面!

入って正面に瀕死のライオン像があります(写真26)。よく見るとナイフが刺さっていることがわかります。このライオン像を前に自撮りしている人がいました。他人が何をしようと勝手ですが、ここでの自撮りは不謹慎だと思います(理由は下のコラムを読んでください)!

写真27. 瀕死のライオン像のご対面!

瀕死のライオン像を拡大してみました(写真27)。

写真28. 瀕死のライオン像を眺める人々

瀕死のライオン像を眺める人々です(写真28)。ここは悲しみのスポットですが、それを感じている人はいませんね。

コラム.瀕死のライオン像の意味は?

ここまで瀕死のライオン像のアクセスなどのような実用的な情報だけを掲載しました。では、この像の意味は何なのでしょうか?簡単にまとめましょう。

この像はスイスの歴史が詰まっています。このあたりの土地は農業に不向きで産業がありませんでした。そのため、傭兵として諸外国で活躍していました。●●国と××国の戦いでスイスの傭兵どうしが戦っていたという記録もあります。極端の話、兄弟どうしや友人どうしが殺しあったということです。

フランスでルイ16世などを守っていたのはスイスの傭兵でした。1792年にフランス革命で民衆が立ち上がります。その民衆からルイ16世を守ったのはフランス人ではなく、スイスの傭兵です。彼らは見ず知らずの土地でプロフェッショナルとしての仕事を全うしました。それで犠牲となった786人の傭兵を悼んで造られました。

このことばかりが原因ではないでしょうが、その後スイスでは傭兵として海外の諸国で勤務することはなくなりました。そして、多くの人が知る通り永世中立国(どの戦争でも中立国としての立場を貫くというスタンス)としての道を歩むことになります。第二次世界大戦中は周囲のドイツ、フランス、オーストリア、イタリアの全てが枢軸国になった(※)にも関わらず、中立を貫きました。この意志は相当強いものでしょう。

※オーストリアはドイツ領(同じドイツ人の国だからという理由)、イタリアはドイツの同盟国(敗色濃厚になったら連合国に寝返ったのはまた別の話)、フランスはドイツ占領下というのが、ドイツ全盛期の姿でした。

ルツェルン駅の観察

今までルツェルンの観光名所を取り上げましたが、(私にとって)一番の名所を忘れていました。それは駅です。せっかくなので、駅の情景をご堪能いただきましょう。ちゃんと構内地図も掲載しています。

写真28. 美しい駅舎

駅正面には駅舎があります(写真28)。

写真29. 美しい駅舎

さらに近くで撮ってみましょう(写真29)。この駅舎を入れば正面にホームが広がります。日本では多くの民鉄のターミナル駅で採用されている形態です。東武の浅草や池袋、京王(除新線)や小田急の新宿、西武の西武新宿や池袋、阪急の梅田、西鉄の福岡(天神)などと同じです。

写真30. ホームから駅舎を眺める

ホーム側から駅舎を眺めた様子です(写真30)。列車の先っぽに駅舎が見えます。このような形態を頭端式と呼びます。頭端式の駅はこの駅を途中駅とする場合は不便です。そのため、日本でも多くの駅がこのような形態を採用していません。JRの東京や新宿がそのよい例です。

写真31. 駅の構内図(1F)

構内図を示します(写真31)。ホームと駅舎が同一平面にあります。ただし、スイスではこの階を1Fと呼ばずに0Fと呼びます。

写真32. 駅の構内図(B1F)

地下には多くの店舗があります。確か、0Fにはおいしいパン屋があったような気がします。

写真33. 2F建ての列車が停車中

2階建ての列車が停車しています。この列車はIR(急行列車に相当)のチューリッヒ方面行きです。

写真34. 平屋の列車が停車中

こんどは平屋の列車が停車中です。この列車はIR(急行列車に相当)のベルン方面行きです。このように、ベルンやチューリッヒへのアクセスに苦労しないのがルツェルンです。

写真35. ルツェルン近郊列車が停車中

ルツェルン近郊を走る列車も停車しています(写真35)。観光客はこのような列車に乗ることはまれでしょうが、地元の足として機能しています。

写真36. ルツェルン-インターラーケンエクスプレスも停車する

この駅はゴールデンパスラインと呼ばれる区間の起点駅です。そのため、このような観光列車が発着します(写真36)。なお、インターラーケンまでの区間については別ページ(※)で詳細に触れています。

スイスのゴールデンパスラインの旅(インターラーケン→ルツェルン、19年夏)に時刻表なども含めて詳しく書いています(別リンクで開きます)。

写真37. レールが3本ある

レールが3本あります(写真37)。これはスイス国鉄の列車とゴールデンパスラインの列車の両方が同じホームに入れるようにするためです。国鉄の列車は外側の2本のレールを使い、ゴールデンパスラインの列車(私鉄の列車)は中央と右側のレールを使います。

ルツェルンの観光まとめ

ルチェルンはコンパクトでありながら、のんびりと観光するには良い都市です。カペル橋や旧市街は徒歩でアクセス可能、少し遠い瀕死のライオン像はバスでアクセス(それもバス乗車時間5分程度)できます。中世からの街というと暗いイメージがありますが、ロイス川やルツェルン湖があるため明るいです。駅も中心から近く、自動車なしでも観光できます。1日ゆっくり滞在するのがちょうど良いのでしょう。私もリギ山観光も含めて滞在時間は24時間程度でした。

このような旅行は自分で計画を立てることが重要だと思いますが、そうもいかない人もいます。そのような人はどうすれば良いでしょうか。

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前後を読みたい!

さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?

←(前)リギ山への旅:登山鉄道と船を満喫(19年夏)

ルツェルンの観光(厳選3か所:カペル橋、旧市街、ライオン像、19年夏)←今ココ!

ルツェルンからベルンまでの乗車記(スイス、列車旅、19年夏)(次)→

★この旅行記の案内・目次・まとめページはこちら
ハンガリー、スイス、フランス旅行のまとめと振り返り

※それぞれ別ウィンドウで開きます。

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