パリ。フランスの首都であり、世界都市でもある観光都市です。そのパリを観光するにはチケットが必要です。本記事ではクセがあるものの、非常に使い勝手の良いナヴィコについて特集します。また、ナヴィコが適用できないパターンを想定して、他のチケットの価格についても示しています。
写真1. ナヴィコカード
ナヴィコ:1週間定期券
パリには地下鉄(メトロ)、バス、トラム、RER、国鉄路線など多くの路線があります。その都度チケットを買うのは非常に手間がかかります。それを解消するのが乗り放題チケットを購入することです。
多くのチケットがありますが、ピタリと合うのであればナヴィコがおすすめです!パリ近郊はゾーン1からゾーン5まで区分けされていますが、ナヴィコはゾーン5まで使用でき、1週間乗り放題です。それでいて、22.80ユーロしかしません。補足に示すパリ・ヴィジェットだと1-5エリアを5日乗り放題にした場合、65.80ユーロもしてしまいます。パリ・ヴィジェットの上位互換なのに、これだけ価格が安いのです。
では、ナヴィコの弱点は何でしょうか。そう、1週間の区分けが決まっていることです。月曜から次の日曜まで有効と決まっています。「今週ぶん」を買うのも木曜とまで決まっています。これではわかりにくい?1/1が月曜で始まる週で考えてみましょう。
表1. ナヴィコの有効期間と購入可否の関係
有効期間 | 購入可否 | |
1/1(月) | 開始 | 可能 |
1/2(火) | ↓ | 可能 |
1/3(水) | ↓ | 可能 |
1/4(木) | ↓ | 可能 |
1/5(金) | ↓ | 不可(1/8開始ぶんなら可能) |
1/6(土) | ↓ | 不可(1/8開始ぶんなら可能) |
1/7(日) | 終了 | 不可(1/8開始ぶんなら可能) |
この例では1/1-1/7有効のナヴィコは1/4までしか購入できません。逆に、1/5以降に購入できるのは1/8-1/14有効のナヴィコです。言いかたを変えると、金曜以降にパリに着くパターンだと最初はナヴィコを活用できないということです。私は水曜にパリに到着しましたので、ナヴィコを購入できるパターンだったのです。私の場合は月曜から火曜までの権利は使っていませんが、それは私の都合なのでパリ市交通局は何ら同情しません。あくまでもパリ・ヴィジェットよりも安いことに感謝するしかありません。せめて木曜~水曜のパターン2があれば乗客重視といえますが、黙っていても観光客のくるフランスやパリのことです。そのような経営努力は期待できません。
ナヴィコ(や以下で述べるパリ・ヴィジェットにも共通しますが)は空港も適用範囲です。そのため、空港に着いたら買うべきチケットです。市内に着いて買ったら、安くない空港-市内の料金が二重払いになってしまいます。なるべく安くあげたい旅行代ですから、このようなコスト意識は重要です。私のように長距離ターミナルに列車で到着するパターンも(数は少ないでしょうが)あることでしょう。そのような長距離ターミナルでも売っています。私はリヨン駅で買いましたが、(不愛想ながら)プロがきちんと対応してくれましたので、問題なく購入できました。ただし、国鉄の窓口ではなく、地下鉄の窓口に行く必要があります。
ナヴィコを使うには、顔写真の証明写真が必要です。日本で800円程度で証明写真を撮影できますので、あらかじめ25mm×30mmの証明写真を日本から持っていきましょう。別に就職活動用の写真ではありませんので、美肌加工だのスタジオ撮影だのを考える必要はありません。最低限の品質で構いません。そして、私は24mm×30mmの証明写真でしたが、それでも問題ありません。購入時はご自身の名前も書かされます。正直に名前を書きましょう。
以下に適用範囲を示していますが、ナヴィコはパリとパリ周辺の観光地(ヴェルサイユ宮殿地区、ディズニーランド、空港)を網羅していますし、範囲内の国鉄路線も使えますので、大船に乗った気分で動き回れます。また、ICカードなので改札機にタッチするだけで良いのも魅力的です。
補足:パリ・ヴィジェットの活用
私はナヴィコを活用しましたが、期間の区切りが悪いとナヴィコを買うことさえもできません。その際は他のチケットを使います。パリ・ヴィジェットであれば2日以上の滞在時に2日以上の乗り放題パスを使えばよいので、その都度買う手間が省けます。2019年11月現在の価格を示します(表2)。
表2. パリ・ヴィジェットの価格(全て大人料金)
有効期間 | 料金(1-3ゾーン) | 料金(1-5ゾーン) |
1日 | 12.00ユーロ | 25.25ユーロ |
2日 | 19.50ユーロ | 38.35ユーロ |
3日 | 26.65ユーロ | 53.75ユーロ |
5日 | 38.35ユーロ | 65.80ユーロ |
4日券はありませんが、5日券で代用すれば良い話です。ここで注意したいのが、1日券であり24時間券ではない点です。23:59まで有効なので、23:30に購入すると29分で1日ぶんを使うことになってしまいます。このチケットには観光スポットの割引券が付いてきますが、本記事を見ている日本人観光客の多くの人はミュージアムパスを買うことでしょうから、関係ない話です。 1-3ゾーンと1-5ゾーンの利用範囲がわからない?そうですか…。公式サイトに利用範囲の概念図が示されていますので、それを示しましょう。
図1. パリの1-3区分と1-5区分の概念図
最後に公式サイトの路線図から示します(図2)
図2. パリの路線図
私はリヨン駅でナヴィコを購入し、殺伐と地下鉄で宿泊先に向かいました(厳戒態勢のため、写真はありません!)。
さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?
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パリのおすすめスポット10選まとめとモデルコース(19年夏パリ観光)
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ハンガリー、スイス、フランス旅行のまとめと振り返り
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