パリでもシンボルとされるエッフェル塔。ここはパリでも有数の観光地のため、誰しも行きたい場所です。そのため、非常に混雑します。入場待ち時間を短縮する方法を述べるとともに、アクセスについても詳細に示します。また、ライトアップの様子やパリの夜景も掲載しています。
写真1. ライトアップが美しいエッフェル塔
復習:エッフェル塔の概要
せっかくなので、エッフェル塔の概要を復習しましょう。
エッフェル塔の要点を示しましょう。
・完成:1889年
・高さ:324m
・年間訪問者数:700万人(1日19200人程度)
・営業時間:9:30~23:45(ただし7/7-9/1は9:00-24:45)
・入場料金:25.5ユーロ(途中までなら16.3ユーロ)
エッフェル塔は今でこそパリのシンボルですが、建設された当初は「伝統的なパリの街にこんな醜い鉄塔を建てるのか」と酷評されました。当初はパリ万博用に建造されて、万博終了後に撤去される予定でしたが、意外と好評だったことから、そのまま残されています。そして、現在は街のシンボルにもなっています。やってみていないうちの外部の評論家のいうことだけ聞いていたら、何も残らないという良い例です。
では、なぜ「パリ塔」のような名前ではなく、エッフェル塔という名前なのでしょうか。これは設計者がエッフェルだったからです。地名をとったのではなく、人名からとった名前なのです。
エッフェル塔は朝から深夜まで営業しています。昼のエッフェル塔はパリの景色を堪能できますし、夜のエッフェル塔は夜景を堪能できます。営業時間はかなり長いです。年間訪問者数は700万人とされていますが、これは1日当たり19200人前後と計算できます。営業時間の14時間で割ると1370人/時間となります。1時間当たり1300人越えの人が訪問することになります。
図1. エッフェル塔の位置(googleマップより引用)
エッフェル塔はパリの真ん中にあるようなイメージがありますが、中心部からやや西側にずれています(図1)。余談ですが、凱旋門も市内の外れに位置します。市内の中心はパリの発祥の地、シテ島です。パリの多くの建物は5F建てですので、エッフェル塔に登ると美しい景色を堪能できます。
参考情報
いくらインターネット社会といえども、ガイドブックの重要性が落ちることはありません。地球の歩き方は最強のガイドブックです。書店に在庫がない場合もありますので、このようなサイトから購入するのも手です。
エッフェル塔の混雑を避けるには
先ほど1時間あたり1300人以上訪問すると述べましたが、それは混雑するわけです。混雑するのは仕方ありませんが、エレベータの処理能力が低いため、非常に待たされます。つまり、ふらりと向かうと長い時間待たされますので、事前に予約することが必須です。旅行代理店から予約することも良いでしょうが、中間マージンが取られるのもしゃくなので、公式サイトから直接予約しましょう!
出発前に日本でインターネットで予約するのが一番良いでしょう。パリミュージアムパスはエッフェル塔に使えませんので、エッフェル塔のサイトから直接予約することによるデメリットはありません。
1) 公式サイトを開く
図2. エッフェル塔の公式サイトの画面(右上がENになっていることを確認)
URLにhttps://ticket.toureiffel.paris/enと入力するか、エッフェル塔公式サイトへのリンクをクリックします。すると、公式サイトが開きます。リンクでは英語版のページにアクセスできていると思いますが、念のため右上の言語がENになっていることを確認してください。そうでない場合は、ENをクリックします。
2) エッフェル塔を見学する日付を選択
図3. エッフェル塔を見学したい日付を選択
予約画面にカレンダーが表示されます。このカレンダーからご自身の行きたい日を選択します。ここでは11/14を選んでみます(図3)。今月の予約しか取れないように見えますが、右上に次の月へのリンクがあります。該当する日付を選択できたら、赤く強調表示されます。
3) 人数を選択
図4. 人数選択画面
日付を選択するとすぐに画面が下にスクロールし、人数を選ぶ画面に移動します(図4)。ここで、人数を選択します。Adultなどの該当する場所に+とありますから、行く人数になるまで押し続けます。ここでは1人にしましょう。人数が確定したらContinueボタンをクリックします。
4) 行く階を選択する
図5. 行く階を選択する画面
エッフェル塔は頂上まで行けるチケットと、中間までしか行けないチケットがあります。私は中間までしか行けないチケットで充分と思いますので、後者を選択します(図5)。ただし、人によっては頂上まで行きたい人もいることでしょう。
5) 登る手段を選択
図6. 移動手段を選択する画面
4)の操作が終わると、すぐに移動手段を確認してきます(図6)。ただし、階段を利用する方法はクリックできません。階段を使うと疲れるので、エレベータが良いでしょう。
6) 入場時間を選択
図7. 入場時間選択画面
入場時間を選択します(図7)。10日前だとほとんど選択の余地がないことがわかります。1か月前には予約するのが無難ですね。私はちょうど1か月前に予約しても希望の時間は空いていませんでした(夕暮れしか空いていませんでした)。
7) 購入意思確認画面
図8. 購入意思確認画面
購入する意思を確認する画面に移ります。目立つ赤色でConfirmとありますので、そこをクリックします。ここで日付と時間が間違えていないことを確認しましょう。
8) 個人情報を入力
図9. 個人情報入力画面
個人情報を入力します。ここでは偽名ではなく、きちんとした本名を入力しましょう。どうせ年間700万人訪問している施設ですので、あなたの個人情報には興味ないことでしょう。メールアドレスの入力が求められますが、このメールアドレス宛にチケットが届きますので、メールアドレスの入力は間違いないように注意しましょう。
9) カード情報の入力
図10. カード情報入力画面
このようなネット予約は事前決済です。そのため、ここでクレジットカードによる決済をします。(ネットショッピングをよくやる人であれば)いつもの要領でカード番号以下の情報を入力します。
10) エイヤと支払う
図11. 支払い画面
最終的に支払います。これが完了すると、ご自身のメールアドレス(手順8で入力したアドレス)にエッフェル塔からのメールが届きます。
11) メールからチケットをダウンロード
メールからチケットをダウンロードします。メール本文には以下のようなメッセージが書いています。
PRINTING
To print your tickets, click on this link and identify yourself by entering your mobile phone number and password in these fields.
If the link does not work, please copy the following address and paste it in your browser’s address bar : https://ticket.toureiffel.fr/index-css5-sete-pg1007.htmlThe bar codes on the tickets will be scanned by control agents.
Warning: this e-mail is not your ticket. It will not give you admission to the Eiffel Tower.
引用元:エッフェル塔からのメール
無理やり日本語に訳すと以下の通りです。
印刷
チケットを印刷するには、このリンクをクリックして、これらのフィールドに携帯電話番号とパスワードを入力して本人確認を行います。
リンクが機能しない場合は、次のアドレスをコピーしてブラウザのアドレスバーに貼り付けてください:https://ticket.toureiffel.fr/index-css5-sete-pg1007.html
チケットのバーコードは、制御エージェントによってスキャンされます。
警告:このメールはチケットではありません。 エッフェル塔への入場はできません。
つまり、リンクを張ったURLにアクセスして、チケットに引き換えないといけないということです。PDFファイルを送ったほうが親切なのにね!
エッフェル塔へのアクセス
チケットを入手したところで、アクセスを確認しましょう。
図1. エッフェル塔の位置(googleマップより引用)
パリ市内にはメトロ(地下鉄)、RER(郊外電車)が縦横無尽に結んでいますが、エッフェル塔近くには2路線しか通っていません。
・Bir Hakeim駅(メトロ6号線)
・Champ de Metro - Tour Eiffel駅(RERのC線)
いずれもエッフェル塔までの距離はそう変わりません。ご自身の出発地から乗りかえの少ないほうが便利でしょう。私ですか?メトロ6号線で向かいましたよ。フランスの都市内交通はしょっちゅう工事で止まっているので、片方の行きかたをマスターして満足するのではなく、もう1つの方法もマスターしないと「このルートだと電車が来ない!」という事態に陥ってしまいます。私もRERのC線が運休、6号線は区間運休して運休した区間はバス代行というおかしい事態になっていました。
私はRERのC線が運休であることは確認していたので、メトロの6号線で向かいました。1号線との乗りかえ駅であるエトワール凱旋門駅で6号線に乗り、途中で多くの乗客が降りました。まだ途中なのに降りるとはどのようなことなのでしょう。疑問に感じていたら、すぐに反対方向に発車しました。そこで、また反対方向に乗って、暫定的な終点で降りました。では、どうすれば良いのでしょう?代行バスが運転されているので、それに乗れば良さそうです。
写真2. 地下通路を歩く
地下通路を歩きます(写真2)。この地下通路は非常に長いです。パリの地下鉄の通路は長く、そしてエスカレータが備わっていないので、歩きにくいです。これはパリの地下鉄のうち14号線以外の全路線が戦前に開業したことと無縁ではないでしょう。
写真3. 代行バスの案内
代行バスの案内があります(写真3)。とりあえず、6号線の代行バスに向かって歩きましょう!
写真4. 代行バスが停車中!
代行バスが停車しています(写真4)。ナヴィコを見せましたが、「フリー」と言われました。タダで良いの?
写真5. 代行バスは満員!
代行バスは満員です(写真5)。外にはパリ中心部の景色が広がりますが、満員なのでそこまでの余裕がありません。エッフェル塔の近くを通りますが、降ろしてもらえません。あくまでも地下鉄の駅に向かうのです。そうして満員のバスから解放されました。
地下鉄の駅を降りたら、セーヌ川に向かって歩き、右に曲がります。そう、セーヌ川を左に見えるように歩きます。
写真6. 地下鉄沿いにセーヌ川に向けて歩く
地下鉄沿いをセーヌ川に向けて歩きます(写真6)。どれが地下鉄かって?道路の上に貫いている高架橋が地下鉄です。
写真7. セーヌ川が見えたら右に曲がる
セーヌ川が見えたら右に曲がります(写真7)。このときセーヌ川沿いの道路を歩きますが、セーヌ川から遠い側の歩道を歩くことがポイントです。
写真8. エッフェル塔が見える
目的となるエッフェル塔はどこだろう?迷う必要はもうありません。そう、目の前にそびえ立っている鉄塔こそエッフェル塔です。
写真9. 美しいパリの街並み
交差する道路の表情を眺めます。パリの中心部らしい光景が広がります(写真9)。
写真10. エッフェル塔が見えてきた
このようにエッフェル塔が見えてきたら到着です(写真10)。この近辺では黒人の方がエッフェル塔の模型を1ユーロで売っています。ちょっと怖く見えますが、無視すれば特に問題ありません。スリで日銭を稼ぐよりはずっとマシな稼ぎかたですから、そこまで目くじらを立てる必要もありません。
エッフェル塔を楽しむ
エッフェル塔にやってきました。チケットに書かれたじこくにはちょっと早いですが、中に入りましょう。エッフェル塔は2段階あり、最初の段階が手荷物検査を受けてエッフェル塔の下まで行く段階、次の段階が上に登る段階です。
写真11. エッフェル塔が間近に見える
先ほどはまだ明るかったのでライトアップされていませんでした(写真10をもう1度見てください)が、暗くなってきてライトアップが始まりました(写真11)。私は21:00からエッフェル塔に入るように動いてきましたが、私がエッフェル塔を訪問した8/14の日の入りは21:05くらいですので、ちょうど夕暮れの時間帯に訪問したのです。
写真12. 手荷物検査に並ぶ
手荷物検査に並びます(写真12)。相手がどんなに不愛想な人でも、「ボンジュール」と「メルシー」は忘れないようにしましょう。
写真13. エッフェル塔が近くにそびえ立つ
エッフェル塔の近くにやってきました。ライトアップもあって美しく見えます(写真13)。
写真14. チケットを持っている人のための入口
チケットを持っている人の入口に並びます(写真14)。この記事を読んでもわからない?まったく問題ありません。手荷物検査の際に、係員が行先を教えてくれます。
写真15. エレベータに並ぶ
エレベータに並びます(写真15)。けっこう待たされますが、これが予約なしだとどのくらい混むのでしょうか。考えたくもないです。エレベータはまっすぐ上昇するのではなく、やや斜めに上昇します。エレベータを降りると、そこはもうエッフェル塔の中腹です。せっかくなので、夜景を満喫しましょう!
写真16. セーヌ川左岸の街とセーヌ川
パリはセーヌ川沿いに発達した都市です。右岸はいわゆるパリの有名どころが並んでいます。凱旋門、シャンゼリゼ通り、ルーブル美術館などのスポットです。一方、左岸は上級者向けの地域です。エッフェル塔は左岸に建っています。有名なスポットがないからといって、左岸が劣るわけではありません。その左岸を眺めます(写真16)
写真17. セーヌ川を眺める
もう少しだけ視線を左に移します。ここだとセーヌ川がよく見えます(写真17)。ナイトクルーズをやっている様子もわかります。
写真18. シャイヨー宮を眺める
もっと視線を左に移します。エッフェル塔-セーヌ川-シャイヨー宮という位置関係であることがわかります(写真18)。シャイヨー宮は1937年のパリ万博時に建設された建物です。というより、パリで万博を開催した回数多くない?その奥に見えるビル群はパリ郊外の副都心です。パリは地質の問題(昔に石を掘りすぎて、地下に穴が多くある)で高層ビルが建設できません。そのため、現代的なビル街は郊外にあるのです。これもパリの1つの姿です。
写真19. さらに上を眺める
さらに上を眺めましょう(写真19)。上まで向かうとちょっとおっかないですね。
写真20. やってきた地下鉄の駅方向を眺める
写真17とは反対です。地下鉄の駅方向を眺めます。こちら側にはあまり観光名所はありません(写真20)。確かにヴェルサイユ宮殿はこの方向にはありますが、夜なので見えません…。
写真21. モンパルナスタワーの方向を眺める
最後のアングルで南東方向を眺めます。こちらも観光名所は多くありません。左岸をじっくり満喫できる構図です(写真21)。奥に見えるのがモンパルナスタワーです。この建物はパリで唯一の高層ビルです。
写真22. マカロンによるエッフェル塔
エッフェル塔に興味深いものがありました。マカロン(フランスのお菓子)によるエッフェル塔です(写真22)。私はこのとき食後(21:00からの見学前にホテルでサンドウィッチを食べた)でしたので、これを見ても「食べたい!」とは思いませんでしたが…。
写真23. 地下鉄駅に戻ってきた
地下鉄駅に戻ってきました。といってもバス代行でしたが…。ここまで戻るのに84分かかりました。つまり、(ネットでチケットを事前に予約していれば)90分でエッフェル塔観光は完了するということです。
なかなかバスが来ないのでイライラしながら待っていたら、フランス人の青年が話しかけてきました。とても親切な人で、私が帰る場所をいうと、きちんと案内してくれました。私だけではなく、他の不案内な人にもです。フランスはオペレーションが悪いですが、人のやさしさでカバーするお国柄のようです。疲れてホテルに戻りました。この日はスイスの首都ベルンを昼に出発して、パリに17:30ごろに着いた、パリ初日だったのです。
さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?
←(前)パリの市内移動に必要なチケットの解説(パリ到着時に購入!、19年夏)
夜のエッフェル塔を楽しむ(事前予約とアクセスも紹介、19年夏パリ観光)←今ココ!
ベルサイユ宮殿を楽しむ(混雑回避方法、アクセスも紹介、19年夏)(次)→
★パリの観光についてまとめたページはこちら。パリ観光の計画に大いに役立ちます!
パリのおすすめスポット10選まとめとモデルコース(19年夏パリ観光)
★この旅行記の案内・目次・まとめページはこちら
ハンガリー、スイス、フランス旅行のまとめと振り返り
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