広島中心部の交通の結節点を眺める(紙屋町、21年GW)

記事上部注釈
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広島の中心部、紙屋町。ここは単に広島の中心部というだけではなく、交通の結節点としての役割もあります。その結節点の様子を観察してみました。

写真1. 単なる停留場のように見えるが(紙屋町西で撮影)

復習:紙屋町

多くの都市では、都市の代表駅と都市の中心が離れています。広島もその例外ではなく、都市の中心部は広島駅周辺にはありません。中心地は紙屋町にあります。

図1. 紙屋町の位置(googleマップより引用、便宜上、紙屋町西電停にマークしています)

この近くにはそごう百貨店があり、地下街やアーケードがあるなど商業施設が集中しています。なお、私の見た限り、歓楽街は八丁堀電停の南側のように見えました(お好み村に行った際の感想です)。

路面電車(広島電鉄)の停留場は紙屋町西、紙屋町東があり、多くの系統はこのどちらかを経由します。また、そごうにはバスターミナルが併設されています。さらに、アストラムラインの本通と県庁前は地下街を介してつながっています。つまり、交通という面からみると、紙屋町は路面電車の中心であるだけではなく、バスターミナルやアストラムラインの地下駅がつながった民間の交通の中心ということです。

広島駅は国鉄の駅だったことを考慮すると、ある意味広島駅は官の交通の中心ともいえましょう。

路面電車の駅

広島電鉄は路面電車と私鉄がつながっている独特の形態です。広島市営ではないので、「広島市電」という呼びかたは適切ではありません。前述の通り、その広島電鉄の駅は2つあります。交差点の東西に2つの停留所があり、紙屋町東と紙屋町西です(図1)。

ただし、これは旅客案内上のものであり、さまざまな扱いは両者は1つとみなされています。2001年10月31日まではどちらも紙屋町と称していました。本線を東西に走行する系統は同じ停留場に2回とまることになり、紛らわしいので、2001年11月1日より「紙屋町西」、「紙屋町東」と呼び名を分けることにしたのです。

広島電鉄の路線図

図2. 広島電鉄の路線図(公式サイトより転載、中央付近に紙屋町西と紙屋町東があります)

写真2. 紙屋町西に発着する6系統

紙屋町西に発着する6系統です(写真2)。これだけ見ると、普通の路面電車の停留場のように思えます。

写真3. グリーンムーバーが発着

これを見ても、車両が異なるだけで普通の停留場のように見えます。

写真4. 地下街への階段がある

地下街への階段がありました(写真4)。目的地によっては、道路を渡るよりもスムーズに向かえることでしょう。なお、交差点を曲がる電車も見えます。これは1系統であり、紙屋町東から本通に向かう系統で、紙屋町西は通りません。紙屋町東と紙屋町西の距離は150m程度ですから、利用者的にはどちらかに向かえば問題ありません。

写真5. 紙屋町西につながる地下道

地下街への階段を降りてみました。その階段から見た様子です(写真5)。紙屋町西は広島電鉄でも乗り降りの多いところですが、ホームの番号はありません。

写真6. 地下街の様子

その停留場から直結している地下街の様子です(写真6)。意外と東京には大規模な地下街がないように思います(東京に多いのは地下道です)。個人的には地下街を歩く(ただし店には入らない!)のは旅行の楽しみのように感じています。

この地下街(紙屋町シャレオ)は意外と新しく、2001年の完成です。

アストラムライン:本通駅と県庁前駅

広島の新しい交通システム、それがアストラムラインです。そのアストラムラインにはずばり「紙屋町」という名称の駅はありません。しかし、紙屋町交差点の北側には県庁前が、南側には本通の2駅が設置されていて、実質的に紙屋町地区に直結しています。

写真7. 地下道から通じている本通駅

地下道から本通駅に通じています(写真7)。何も言われなければ、地下鉄の駅とも感じてしまいます。確かに法制度上は本通-県庁前は「地下鉄」として建設されています。

写真8. 地下道から通じている県庁前駅

そして、県庁前駅にも通じています(写真8)。本通と県庁前は300mしか離れていません。目的地が紙屋町交差点の北側(県庁前)か南側(本通)で2つの駅を使い分けることになるのでしょう。

県庁前駅近くには基町グレドがあります。基町グレドは1990年代に整備された、大型の建物です。地下街の整備、このような再開発など、日々生まれ変わる都会の躍動を感じることができます。

写真9. 基町グレドの建物(ベルリンのポツダム広場を思い出しました)

広島バスセンター

その紙屋町には大型百貨店のそごうがあり、そのそごうは先ほどの基町グレドにも接しています。そのそごうの入口に妙なものを見つけました。

写真10. そごうにあるバスのりばの文字

そう、百貨店にバスセンターが併設されています(写真10)。

図3. 広島バスセンターの位置(googleマップより引用)

厳密には百貨店とバスセンターは同じ建物ではありませんが、百貨店から発車するバスというのもワクワクします。

写真11. バスセンターの様子

バスセンターからは多くのバスが発車してますが、待合室に準じた施設として、コンビニエンスストアや小規模なフードコートもあります(写真11)。

写真12. 1番のりばからは長距離バスが発車する

1番のりばからは長距離バスが発車しています(写真12)。

写真13. 近距離バスも多く発車する

近距離バスも多く発車します(写真13)。美鈴が丘は新井口駅よりも山側にある新興住宅街です(図4)。

図4. 美鈴が丘の位置(便宜上、美鈴が丘高校にマークしました、googleマップより引用)

このように鉄道ではカバーしきれない範囲をバスでカバーしているのでしょう。

写真14. きちんとした待合室もある

待合室もありました(写真14)。座って待てることは大きな魅力です。

写真15. バス乗り場の様子

写真16. バス乗り場の様子

バス乗り場はそこまで雑然とはしておらず、地元の人が使いこなしている感じがあります(写真15、写真16)。多くの観光客はここを使わないのでしょう。そのため、観光風情の場所とは異なり、「広島の生活」が見える場所のように感じました。

広島の交通の結節点を眺めてみて

広島の交通の結節点を眺めてみました。路面電車の中心的な場所、新しい軌道系交通、そしてバスターミナル。これが市街地の中心地にあり、この3か所いずれも雨にぬれずに移動できる構造でした。

周囲の風景も古い建物がずっと残されているのではなく、再開発も徐々に進行しており、日々変化する都市のダイナミックさを感じることができました。そして、それらを当たり前のように使う人たち。交通の結節点で重要なのは、素晴らしい施設や完成されたオペレーションではなく、それを当たり前のように使う多くの人々の存在です。今回の観察でこのような当たり前の事実を再認識いたしました。

前後を読みたい!

さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?

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※それぞれ別ウィンドウで開きます。

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