ウィーン西駅を楽しむ(2019年夏訪問)

中央駅が完成して以来、役割が低下してしまったウィーン西駅。それでも、リンツ方面へのサブターミナルとして君臨しています。そのようなウィーン西駅を訪問しました。

ウィーン西駅

写真1. 立派なウィーン西駅

ウィーン西駅

いきなりウィーン西駅の詳細について語られても困る人が多いでしょう。そこで、簡単にウィーン西駅の概要を紹介します。
ウィーン西駅の概要

  • ウィーンの中心街より西側に位置
  • リンツ方面への近距離列車が中心
  • ウエストバーン(ザルツブルク方面)のターミナル駅

まず、ウィーン西駅の位置を示します(図1)。

図1. ウィーン西駅の位置(googleマップより引用)

ウィーン西駅はウィーンの中心街より西側にあります。旧市街の中心部のシュテファン広場(シュテファンプラッツ)駅から地下鉄3号線(U3)で5駅の場所です。ウィーン中央駅よりも旧市街からの距離はありますね(※)。

※ウィーン中央駅はウィーンの旧市街の南側にあり、地下鉄1号線で3駅です。ウィーンミッテ駅とウィーン中央駅は異なりますので、間違いないように!(古い地図帳だとウィーンミッテ駅をウィーン中央駅と記載していて紛らわしい)

もともと、ウィーンから西方向に向かう列車のターミナル駅でした。オーストリアの地図を見てもらいましょう(図2)。

図2. オーストリアの地図(googleマップより引用)

ウィーンはオーストリアの首都であるばかりか、一番人口の多い都市です。そのウィーンはオーストリアの東端にあります(※)。逆にいうと、オーストリアの多くの都市はウィーンの西にあるのです。

※第1次世界大戦までのオーストリア帝国は現在のハンガリー、チェコ、スロバキア、クロアチアの全域を占めていましたので、その当時はウィーンはちょうど良い場所にありました。しかし、「民族自決」の理念から、ドイツ人(オーストリアはドイツ語を話す国です)が住むエリアだけが「オーストリア」として残った結果、ウィーンはオーストリアの東端に位置することになったのです。

そのため、オーストリアの多くの列車はウィーン西駅発着となっていました。一方、オーストリア第2の都市であるグラーツ方面の列車はウィーン南駅発着となっていました。行先ごとに駅が異なるのも不便です。そこで、ウィーン南駅を改築してウィーン中央駅に変身しました。長距離列車はウィーン中央駅発着にシフトした結果、ウィーン西駅はやや取り残された存在になっています。

現在は、ウィーンより西側の都市に向かう近距離列車が主に発車します。主に、リンツの手前のザンクトバーレンティーンに向かう列車です。ウィーン近郊でいうと、ザンクトカレンやメルクです。これらの都市はドナウ川沿いの観光地です。

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また、ウエストバーンという私鉄が運営する、ザルツブルクまでの列車も運転されています。リンツまで1時間20分前後、ザルツブルクまで2時間26分で結び、60分間隔で運転されています。オーストリア国鉄の列車よりも若干時間がかかりますが、それなりの速さです。

まとめると、ウィーンより西にある都市への列車が発車するサブターミナルということです。

ウィーン西駅を訪問する

では、実際に訪問してみましょう。上で「地下鉄3号線で」と述べていますが、実際は地下鉄6号線で向かいました。マイドリング駅までは国鉄で移動したためです。

写真2. ウィーン西駅(地下鉄6号線ホーム)

地下鉄6号線は小型の車両です(写真2)。もともと路面電車規格の路線だったためです。その6号線から降ります。ガイドブックなしでウィーン国際空港からここまでやってきた自分に驚きです。

写真3. 地上にあがる

地上に上がります。ウィーン西駅周辺の治安はやや悪い感じがしました。朝だったのですが、アルコール中毒らしき人が歩いていました。ウィーン中央駅周辺のほうが治安は良いですね!

ウィーン西駅

写真4. ウィーン西駅がそびえたつ

ウィーン西駅が目の前にそびえ立ちます(写真4)。ウィーン西駅はヨーロッパに多い(でも中央ヨーロッパには多くない)、頭端式の駅です。

では、中に入ってみましょう!

写真5. ウィーン西駅の地図

ウィーン西駅の地図です(写真5)。地図がなくともそう迷うことはありません。メインの入口から奥に向かって階段を登ると、11番線まであるホームにたどり着き、列車に乗れるのです(写真5)。

写真6. 単に進むだけでホームにたどり着ける

ホームに向かうには迷いませんが、ちょっと寄り道してみましょう。

写真7. テナントが入る

写真8. テナントが入る

テナントが入っていますが、ガランとしています(写真7、写真8)。これは、朝9時ごろだったためです。この後向かった旧市街も人の姿がほとんどなく、トラックが目立っていたので、人が少ないのは時間帯によるためということです。

写真9. 東側から太陽光が入る

街のある側(東側)から太陽光が差し込んでいます(写真9)。このことからも朝に撮影したことがわかります。

写真10. 私鉄のウエストバーンの案内

概要の章でも紹介した通り、ウエストバーンという私鉄も乗り入れています(写真10)。日本の私鉄のように専用の線路をもった(日本のイメージでの)純粋な私鉄ではありません。ヨーロッパでは「オープンアクセス」が浸透していて、同じ線路であっても別の鉄道会社の運転する列車が共存しています。ウエストバーンもその1つです。

「オープンアクセス」の顕著な例がオーストリア国鉄の運転するナイトジェットです。ナイトジェットには、オーストリアを通らない系統(チューリッヒ-ベルリン、チューリッヒ-ハンブルク)もあります。

写真11. ウエストバーンの列車が停車中

ウエストバーンの列車が停車しています(写真11)。リンツ行きの表示も確認できます。国鉄が赤系の色を採用している中、ウエストバーンでは青系の色を採用していて、目立ちます。

写真12. 国鉄の近郊列車も停車中

当然、国鉄の列車も停車しています(写真12)。近年のヨーロッパの車両はこのような低床車両です。ホームが低いヨーロッパの実態に合っている車両です。ハンガリーにも普及していることには驚きましたが…。

オーストリア国鉄では、このような車両をcityjet(シティジェット)と呼んでいます。特急列車はrailjet(レイルジェット)、夜行列車はnightjet(ナイトジェット)、そして都市近郊列車はcityjet(シティジェット)。オーストリア国鉄はジェットという名前がお気に入りのようです。

そして、駅前に立ってみましょう。

写真13. 路面電車が停車中

路面電車が停車しています(写真13)。この路面電車(トラム)に乗って中心部まで旅したくなりますが、残念ながら中心部への路線はありません。公式サイトの路線図からわかる通り、西駅からは郊外方面への路線はないのです。

ウィーン西駅を訪問して

ウィーン西駅を訪問して、(旧市街も含めて人がいない時間であるとはいえ)人がいないことが気になりました。中央駅よりもはるかに人が少ないです。このようなネットワークから外れた駅として、ヨーゼフ駅もあります。

ヨーゼフ駅、西駅からウィーン旧市街の近くを通り、ウィーン中央駅に到達する「都心地下線」を建設して、これら寂しい駅での乗りかえを排除して、より便利な交通網を築きあげてもらいたいものです。せっかくヨーロッパの大都市には珍しい「中央駅」があるのですから。

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