高松駅を眺める(22年GW、構内図と列車を掲載)

記事上部注釈
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四国の要の位置にある高松。四国のなかでも大きな駅です。そんな高松駅は国内でも珍しい頭端式の駅でもあります。そんな高松駅を眺めてみました。

高松駅駅舎

写真1. 近代的な高松駅

高松駅の概要

まず、高松駅の概要を示します。

高松駅の概要
  • 位置:香川県高松市
  • 路線:予讃線、高徳線(本四備讃線は乗り入れない)
  • 規模:4面9線

高松駅は四国でも最も規模が大きく、4面9線の規模を誇ります。高知や徳島が2面4線、松山が2面3線であることを考えると、高松の規模の大きさを実感します。

図1. 高松駅の位置(googleマップより引用)

その高松駅は高松市の中心にはありません(図1)。もともと宇高連絡船との連絡を主眼として設置されました。1988年以前は瀬戸大橋は存在せず、本州の宇野と四国の高松を結ぶ連絡船で本州と四国の輸送を担っていました。本州から四国各地にスムーズに向かうためには高松駅を港に近づけるのが得策です。港に近づけるために、駅は頭端式です。

図2. 高松駅構内図(JR四国公式ホームページより引用)

頭端式の駅をイメージしてもらうために構内図を引用しました(図2)。ホームの端部に改札口や駅舎があり、線路が1方向に伸びている形態です。多くの駅は通過式といって、線路が前後に伸びています。ヨーロッパの大きなターミナル駅は頭端式と説明されますが、中央ヨーロッパはターミナル駅であっても通過式が多いです。例えば、ドイツスイスオーストリアの首都の代表駅はいずれも通過式です。

乗り入れる路線は予讃線と高徳線です。高松から松山・高知方面は予讃線を走り(高知方面は多度津から土讃線に入る)、徳島方面は高徳線を走ります。案内上は瀬戸大橋線もありますが、実際には宇多津付近まで予讃線を走ります。たったの2路線(運転系統上は3路線)とはいっても、四国でも大規模な車両基地があり、高松近辺は本数も多いので4面9線というぜいたくな配線です。

実際に高松駅を訪問する

さて、実際に高松駅に訪問してみましょう!

写真2. 高松駅の外観

高松駅の外観です(写真2)。ガラス張りのきれいな駅舎です。

写真3. 駅舎に近づく

もう少し駅舎に近づきます(写真3)。この周辺にはバスターミナルもあり、交通の結節点として整備されている印象です。

写真4. バスターミナルの構内図

そのバスターミナルの構内図です(写真4)。市内各地にバスで行けることを読み取れます。

写真5. 改札口前の様子

改札口付近まで進みます(写真5)。高松駅には改札は1つだけであり、そのような意味では非常にわかりやすいです。

写真6. 電光掲示板

改札前の電光掲示板です(写真6)。興味深いのは、予讃線の松山方面、(瀬戸大橋線直通)岡山方面、(土讃線直通)高知方面がそれぞれ別に書かれていることです。遠方向けの利用者にとって親切な配置と思いきや、そうではありません。この時点で琴平(高知方面の駅です)に向かう最速の列車は13:26発各駅停車琴平行きではなく、快速松山行きに乗ってから多度津で乗りかえることです。本来であれば、琴平・高知方面の行先案内に快速(多度津連絡)13:10と表示することです。

写真7. 高松の時刻表

高松の時刻表です(写真7)。円形なのがおもしろいです。

写真8. 特急いしづち号乗りかえの案内

私が訪問したのは繁忙期です。繁忙期は全列車が岡山発着で高松発着はありません。そのため、多度津での乗りかえが必須です(写真8)。これは岡山への需要が大きく、通常の5両編成では足りず、7両編成や8両編成に増結しなければさばけない一方、松山方のホームはそこまで長くないためです。毎シーズン同じことをやっているのですから、松山方の特急停車駅の有効長を9両編成や10両編成対応とすれば、乗りかえ不要になるように思います。

多度津-松山は単線で臨時列車を増発しようにも線路容量が少ないのが難点です。9両編成や10両編成での運転が困難であれば、岡山方や多度津-松山の一部区間を複線化して線路容量を増やし、岡山発着の臨時列車を運転するのも有効な手段でしょう。

写真9. ホーム側から改札を眺める

ホーム側から改札を眺めます(写真9)。改札は1つしかありませんので、乗客が降りるのもわかりやすいです。ただし、普通列車は高松よりの車両ばかり混雑しそうです。

写真10. 列車が並ぶ

高徳線の普通列車、高徳線の特急列車と予讃線の回送列車が並びます(写真10)。高徳線の特急列車は毎時1本、高徳線の普通列車は毎時1~2本です。後述する予讃線よりも輸送サービス水準は低いと評価せざるを得ません。

写真11. もう少し近づく

もう少し近づいていてみました(写真11)。予讃線の普通電車(右側)よりも高徳線の特急列車(左側)のほうが車体の高さが低いことに気づかされます。特急列車は高速で走行するために重心を低くしているのです。右の電車は6000系ですが、JR初期の前面形状とJR東海311系電車の側面を組み合わせ、それなりに快適な車両に仕上げています。これは低コストで高品質な車両を設計でき、良い発想と思います。

写真12. 特急いしづち号が停車中

特急いしづち号が停車中です(写真12)。改札脇にある文書のとおり、多度津行きです。繁忙期でも高松発着が2両で事足りることがJR四国の輸送状況の厳しさであり、岡山直通や新幹線連絡に活路を見出したことも理解できます。

写真13. 特急いしづち号を眺める

特急いしづち号を眺めます。8600系電車による運転です(写真13)。昔の高松-多度津の特急は185系気動車だったように記憶していますが、地道に新型車に置き換えられていることがわかります。

写真14. 7200系が停車中

普通電車がとまっていました(写真14)。予讃線高松-多度津は快速マリンライナーが30分間隔、普通電車が30分間隔、そして快速サンポートが1時間間隔のパターンダイヤです。予讃線の高松-多度津は完全に複線化されているのでできる芸当ですが、地方線区でパターンダイヤを採用していることは大変重要です。

写真15. 7200系の様子

7200系はJR四国の車両とされていますが、車体は国鉄型です。国鉄121系電車の走行装置をecoな仕様に変更し、JR型と仕立てた形式です。

写真16. 快速マリンライナーが停車中

快速マリンライナーが停車していました(写真16)。快速マリンライナーは5両編成が基本で、JR四国車(5000系)3両+JR西日本車(223系5000番台)2両の組成が基本です。

写真17. JR西日本車とJR四国車が連結される

JR西日本車とJR四国車が連結されています(写真17)。JRマークの色が異なります。

写真18. 岡山方先頭車の様子

岡山方先頭車の様子です(写真18)。JR四国を走る列車のなかでは異例の長編成で、高松と岡山(そして新幹線連絡)の需要が高いことをうかがわせます。私のような部外者には海を渡るので遠いという感覚がありますが、地元の人にとっては香川県と岡山県は近い地域という感覚なのかもしれません。

写真19. 高松駅の駅名標

高松駅の駅名標です(写真19)。駅ナンバーが書かれていますが、JRグループではJR四国が最も早く駅番号を採用した記憶があります。

高松築港駅に向かう

概要の章で「高松駅は高松の中心に位置していない」と述べました。では、中心部には駅はないのでしょうか。実はJRではない民鉄の駅があります。

図3. 高松駅と高松築港の位置関係(googleマップより引用)

その民鉄の駅を示しました(図3)。高松築港からことでんで1駅目の片原町や2駅目の瓦町が高松の中心街です。その高松築港の様子はどうでしょうか。

写真20. 高松築港駅が見える

高松駅を出てまっすぐ向かうと、高松城跡が見えます。その城跡に隣接するように高松築港駅があります(写真20)。

写真21. 高松駅方向を振り返る

高松駅方向を振り返ってみました(写真21)。

写真22. 小さな駅舎が出迎える

小さな駅舎が出迎えます(写真22)。地方民鉄とはいえ、ターミナル駅の駅舎がこれか、とも思いますが、ことでんの実質的なターミナル駅は瓦町です。

写真23. 時刻表

改札前に時刻表が掲げられていました(写真23)。琴平線の一宮までは15分間隔と高頻度が確保されています。長尾線も24分間隔とそこまで待つわけではありません。車両面はともかく、ダイヤ面では地方民鉄としてはかなりサービス水準が高いです。

写真24. 長尾線列車が停車中

長尾線列車が停車中です(写真24)。

高松駅を訪問してみて

高松駅を訪問してみて、列車到着時以外は閑散としている印象を抱きました。JR四国で最も利用の多い駅でもこの程度の利用であり、四国内の列車の多くが2~3両編成で賄えるのも納得できます。とはいえ、予讃線は普通が毎時2本確保され、4両~6両編成が毎時1本運転するよりも利便性は格段に違います。

特急列車が運転されているという違いがありますが、短い編成の列車をそれなりの頻度で運転することから、JR四国の運営は地方民鉄に似たものを感じました。また、車両形式もJR流の3桁表示ではなく、民鉄流の4桁表示であることもそのことを実感させられます。

ただし、本物の地方民鉄との連携がおろそかになっている点は気になります。高松築港駅と高松駅がもう少し乗りかえに便利であれば、高松市中心部から各地へのアクセスが改善され、ひいてはJR四国の乗客増につながります。線形上厳しい面もありますが、どうにかして実現いただきたいものです。

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