奥羽本線普通電車の旅(秋田→横手、22年夏)

記事上部注釈
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東北地方の南北を縦貫する奥羽本線。区間によって性格は異なり、秋田以南はローカル色が豊かです。そんなローカル色豊かな区間に乗ってみました。

写真1. 秋田に停車中の普通湯沢行き

復習:奥羽本線の概要とその性質

奥羽本線の概要を紹介したあと、秋田-横手の概要を紹介します。

奥羽本線の概要:区間によって異なる表情

まず、奥羽本線の概要を紹介しましょう。

奥羽本線の概要

  • 区間:福島-青森
  • 距離:484.5km
  • 形態:電化(単線区間と複線区間の混在)

奥羽本線は福島-青森の鉄道路線です。ただし、福島と青森の行き来は東北本線経由のほうが便利であり、福島-青森の行き来という意味では使われていません。現在は以下のように区間により性質が異なっています。

  • 福島-山形-新庄:東京と山形県を直結する山形新幹線とその線路上を走る普通列車の路線。
  • 新庄-大曲(秋田):山形県北部と秋田県南部のローカル区間。
  • 大曲-秋田:田沢湖線と一体化し、東京と秋田県を直結する区間。ただし、新庄-秋田の系統も通る。
  • 秋田-青森:羽越本線と連携を組み、日本海側の大動脈。ただし、沿線人口は多くないので、幹線輸送というよりも地域間輸送という趣。

奥羽本線はこのように分かれています。主に東京連絡を担う区間、そして日本海側を縦貫する区間(北海道-関西の貨物輸送には重要な機能です)があり、その狭間の新庄-秋田は地域輸送が主体です。しかし、山形-秋田の都市間輸送の需要は少ないのか、高速バスの設定もありません。

奥羽本線の新庄-秋田の性質

では、奥羽本線の新庄-秋田はどのような区間なのでしょうか。

図1. 新庄と秋田の位置関係

新庄と秋田の位置関係を示しました。間には湯沢、横手、大曲(大仙市)くらいしか都市がなく、その南側の山形と秋田の行き来はそう多くありません。新庄-秋田の通し列車は普通電車のみで1日7.5往復(この他に横手→新庄が1本あり、新庄-横手通しは8往復)しかありません。

ただし、秋田県内の行き来はそれなりにあるのか、湯沢-秋田の通しは1日15往復(湯沢発の1本は快速)、横手以北はもう少し増えます。なお、大曲の前後で本数は変わりません。

車両は701系電車です。定期列車で例外はありません。山形新幹線の新庄延伸以前は特急こまくさが走っていましたが、1999年以降は設定はありません。701系電車は基本的にオールロングシート車ですが、わずかにセミクロスシート車もあります。特急列車が設定されておらず、長距離移動が混じるこの区間に優先的に使用されていますが、来るかどうかは運次第です。

実際に奥羽本線に乗る

さて、実際に奥羽本線の普通電車に乗ってみましょう!

写真2. 秋田に停車中の湯沢行き

秋田から横手までは約1時間間隔で運転されています。行先は新庄や横手のほかに湯沢などもあります。私が乗ったときは湯沢行きでした。私の日ごろの行いが良いのか、701系でもセミクロスシート車に当たりました。

私の向かいにアベックが座りましたが、「座っても良いですか?」と聞かれました。向かいの席の占有権は私にはないので、私に聞く必要は一切ありません(なので、私には拒否権もなく「どうぞ」と言うだけです)。このあたりの人はそのようなことを聞くのがマナーとされているのでしょうか?

写真3. 秋田を発車!

秋田を発車しました(写真3)。市内中心部に近い住宅街を走ります。

写真4. 羽越本線と分岐する

羽越本線と分岐します(写真4)。あちらは単線、こちらは複線です。ただし、こちら側の複線は1本は秋田新幹線用の1435mmの軌間の線路、もう1本は奥羽本線用の1067mmの軌間の線路です。(中心線を揃えるために3線軌条ではなく)4線軌条とすれば、ダイヤに柔軟性が生まれてメリットがあると思いますが、そのような試みはなされません。

写真5. 秋田新幹線の車両基地がある

秋田新幹線の車両基地があります(写真5)。東京基準で毎時1本の7両編成だと多く感じませんが、秋田視点で見ると、大変な輸送力に見えます。

写真6. 四ツ小屋に停車!

四ツ小屋に停車します(写真6)。秋田との駅間は6.4kmも離れており、市街地内の輸送を取り逃しているように感じられ、もったいなく思います。せっかくロングシートで乗り降りが早い車両を投入しているのですから、その長所を生かして間に1駅設置しても良さそうです。

写真7. 秋田行きがやってきた

実質上単線ですので、反対方向の電車を待ちます(写真7)。昼ごろに秋田に到着する電車だからか、それなりに乗っていました。

写真8. 田園風景が広がる

秋田から出て1駅過ぎると、もう田園風景です(写真8)。

写真9. 和田に停車!

田園風景を走り、和田に停車します(写真9)。線路の右側はこのような光景ですが、左側は住宅が広がっています。

写真10. 山あいを走る

山あいを走ります(写真10)。このような光景が広がっているのであれば、普通電車の毎時1本も妥当なように見えます。

写真11. 大張野に停車!

そんななか、大張野に停車します(写真11)。

写真12. 山中を走る

再び山中を走ります(写真12)。

写真13. 羽後境に停車!

羽後境に停車します(写真13)。平日朝に1本だけここ始発の電車が設定されています。

写真14. 山中を走る

山中を走りますが、少しずつ周囲が開けてきたようにも感じます(写真14)。

写真15. 峰吉川に停車!

峰吉川に停車します(写真15)。

写真16. 盆地を走る

盆地を走ります(写真16)。徐々に開けてきましたね。

写真17. 3線軌条区間に入る

雨で窓が濡れていてわかりにくいですが、3線軌条区間に入ります。秋田-大曲は秋田新幹線列車と奥羽本線列車で線路を1本ずつ使用しています。しかし、それで秋田新幹線列車の行き違い待ちが生じるのは「新幹線」である以上得策ではありません。そのため、一部区間では秋田新幹線列車がすれ違えるように、秋田新幹線列車と奥羽本線列車の両方が通れるようにしています。

写真18. 刈和野付近の光景

刈和野付近の光景です(写真18)。比較的多くの住宅があるように見えます。

写真19. 田園風景を走る

このあたりは山中ではなく、田園風景という趣です(写真19)。

写真20. 田園と住宅街の風景

田園と住宅が共存する、郊外型の風景を走ります(写真21)。

写真21. 神宮寺に停車!

神宮寺に停車します(写真21)。下りの秋田新幹線列車を待ちました。

写真22. 田園風景を爆走!

田園風景を爆走します(写真22)。

写真23. 川を渡る

川を渡ります(写真23)。水墨画のような美しさに見えます。

写真24. 美しい風景を行く

山に雲がかかり、幻想的な風景が広がります(写真24)。

写真25. 住宅が増えてきた

大曲に近づき、住宅が増えてきました(写真25)。

写真26. まもなく大曲に停車!

まもなく大曲に停車します(写真26)。

写真27. 大曲に停車!

大曲に停車します(写真27)。私が乗っていた普通湯沢行きはここで10分停車し、後の秋田新幹線列車から乗りかえられるようにしています。秋田から大曲まで秋田新幹線列車を使うことで、秋田滞在時間を24分延長できます。

ここ大曲での乗り降りは目立ちました。

写真28. 大曲を発車!

大曲を発車しました(写真28)。このあたりは住宅が広がっています。

写真29. 丸子川を渡る

丸子川を渡ります(写真29)。連日の豪雨で川が濁っています。

写真30. 田園風景を走る

田園風景を走ります(写真30)。

写真31. 田園風景を走る

田園風景を走ります(写真31)。

写真32. 後三年に停車!

後三年に停車します(写真32)。後三年の役があった場所とされており、このような駅名になっています。後三年の役とは大昔の豪族の戦いのことです。ここでも下り電車とすれ違います。

ここと手前の飯詰の間には大型のショッピングモールと500m程度の場所を走ります。このような場所に駅を設置すると多少利用されそうなのに、もったいなく感じます。

写真33. 田園風景を走る

田園風景を走ります(写真33)。秋田県も日本で有名な米どころであることを思い出します。

写真34. 田園風景を走る

横手市は秋田県で第2位の人口を誇る都市ですが、ここからはその貫禄は見えません。

写真35. 住宅街が広がる

住宅街が広がります(写真35)。

写真36. 横手の駅構内は広い

秋田県第2位の都市の中心駅なのか、駅構内は意外と広いです(写真36)。

写真37. まもなく横手に停車!

まもなく横手に停車します(写真37)。

写真38. 横手に停車!

横手に停車します(写真38)。

写真39. 車内はかなり空いてきた

横手で多くが降り、車内はかなり空いてきました(写真39)。この中に大荷物を抱えた長距離移動の人がいることがわかります。ただし、この直後に横手で多少乗ってきていたことはここに記します。私が駅で観察した限り、横手下車の多くは乗りかえずに駅の改札口に向かっていました。

奥羽本線に乗ってみて

奥羽本線の秋田以南は閑散線区という先入観がありました。しかし、意外と集落が広がっており、座席が埋まる程度の利用もありました。そして、横手で駅から多くの人が改札を通る光景も目にしました。

沿線風景を眺めると、毎時1本の普通は適切と感じました。しかし、横手などのような主要駅も毎時1本の普通電車だけというのは不親切に感じました。また、長距離移動する光景もありました。

可能であれば、新庄-秋田を通しで運転する特急(2両編成でリクライニングシートが並ぶ程度)を3時間間隔で設定して欲しいと感じました。これを新庄で接続することで、山形県と秋田県の行き来に寄与します。

もしも、これが高望みというのであれば、新庄-秋田の快速(新庄-湯沢普通)を2時間ごとに設定し、そこに指定席を付ける(指定席付き快速あいづの2両編成版)、そして湯沢-秋田は普通を別途1時間間隔で設定。この程度の輸送改善をしてもらいたいとも思いました。

前後も読みたい!

(←前)ホテルメトロポリタン秋田の宿泊記

奥羽本線の乗車記(秋田→横手):現在地

北上線の乗車記(横手→北上、22年夏)(→次)

信越・東北旅行のまとめ(22年夏)

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