ハレからクヴェードリンブルクへの列車旅(ハルバ―シュタット経由)

記事上部注釈
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ドイツの素朴な田舎町のクヴェードリンブルク。そこまでは毎時1本のローカル列車で向かうことができます。ドイツ東部のローカル列車を堪能しました。

写真1. クヴェードリンブルクに到着した列車

重要

本記事で詳細に解説しますが、ドイツの鉄道に関する内容を一通り、そして詳しく解説した書籍を出版いたしました。同人誌の流通ルートで販売していますが、いわゆる萌え絵は一切なく一般的な同人誌に嫌悪感を示す人でも抵抗ない内容・体裁になっています。

復習:クヴェードリンブルクへのアクセス

ドイツのハルツ山地近くのクヴェードリンブルクやターレは列車で向かうことができます(鉄道系ムック本にも記載されているハルツ狭軌鉄道もクヴェードリンブルクから出発しています)。クヴェードリンブルクは世界遺産の街であり、日本で有名でないもののぜひとも行くべき場所です。

では、そのクヴェードリンブルクにはどのように行けば良いのでしょうか。主要都市からの行きかたをまとめました。ターレ行きはクヴェードリンブルクを通ります

図1. ベルリンからクヴェードリンブルクへの経路

図2. フランクフルトからクヴェードリンブルクへの経路(googleマップより引用)

図3. ミュンヘンからクヴェードリンブルクへの経路(googleマップより引用)

図4. ハンブルクからクヴェードリンブルクへの経路(googleマップより引用)

  • ベルリン:RE(ドイツの快速列車)でマクデブルクに向かい、マクデブルクからターレ行きに乗る
  • フランクフルト:ICE(ドイツの高速列車)でハレに向かい、ハレからハルバ―シュタット乗りかえでターレ行きに乗る
  • ミュンヘン:ICE(ドイツの高速列車)でハレに向かい、ハレからハルバ―シュタット乗りかえでターレ行きに乗る
  • ハンブルク:ICE(ドイツの高速列車)またはIC(ドイツの特急列車)でハノーファーに向かい、ハノーファーからゴスラー、ハルバ―シュタット乗りかえでターレ行きに乗る

ドイツの主要都市4つからクヴェードリンブルクへの行きかたを説明しました。フランクフルトやミュンヘンの場合はハレから入る形です。ベルリンから行く場合でも場合によってハレから入るほうが速いこともあります。ハンブルクやケルンであればこの経路は使えませんが、クヴェードリンブルクやターレに向かうにはハレを通ることが多いことがわかるでしょう。いいかたを変えると、ハレからクヴェードリンブルクの行きかたの情報の重要性が高いということです。

ハレやゴスラーからターレ行きは発車しておらず、ターレ行きはマクデブルクから発車しています。そのため、ハレやゴスラーからクヴェードリンブルクやターレへは不便という先入観があるかもしれません。しかし、心配することはありません。このあたりのジャンクション駅のハルバ―シュタットでは4方向から4方向への接続が取られています。

なお、ドイツ鉄道の公式サイトから各州の路線図へのリンクが張られており、ザクセン州とザクセンアンハルト州の文字(Sachsen, und Sachsen-Anhalt)をクリックすれば問題ありません。

実際にハレからクヴェードリンブルクに向かう

御託はこの程度にして、ハレからクヴェードリンブルクに向かいましょう。先述の通り、ハルバ―シュタットで乗りかえます。よくわからない?路線図を示しましょう(写真2)。

写真2. ザクセンアンハルト州の運転系統図(ドイツ鉄道サイトからはダウンロードできない…)

これでもわからない?そうですか…。必要な部分だけ拡大してみました(写真3)。

写真3. ハルツ方面のみ抜粋

右下にあるのがハレ、上にあるのがマクデブルク(駅名表記までは見えませんが)です。そして、左側にハルバーシュタット(Halber-statt)です。私の理解では、ハレから2時間間隔のRE4のゴスラー行き(この写真のさらに左側の欄外)と2時間間隔のRE24のハルバーシュタット行きが交互に発車し、ハルバーシュタットまで1時間間隔を実現しています。

ステージ1. ハレからハルバーシュタットまでのRE24

なお、ハルバーシュタットより先のゴスラー方面はマクデブルクからのゴスラー行きに接続しています。そのため、ゴスラー方面にも毎時1回の乗車チャンスがあります。

写真4. ハルバーシュタット行きがやってきた

11番線にハルバーシュタット行きがやってきました(写真4)。ハレ断面では美しい60分間隔ダイヤです。ハレを毎時49分に発車します。私が見た限りではハルバーシュタット方面は11番線に統一されていました。

写真5. abellioが運営

DB(ドイツ鉄道)ではなくabellioによる運営です。DB直営でなく、地元の鉄道会社が運営しています(DBで使えるパス類は使えます)。簡単に例えると、JRグループが東海道線(熱海-浜松)をSRS(静岡レールウェイサービス)に運営を委託するようなイメージです。もちろん、この例えは妄想です。

写真6. ボックス席もある

欧州の列車には転換クロスシートや回転シートはありません。そのため、車内の座席は固定式です。

写真7. クロスシートが並ぶ

クロスシートが並びます(写真7)。

写真8. 出入口付近は低床!

出入口付近は低床です(写真8)。そのため、低いホームからも乗り降りがスムーズになるように考慮されています。

写真9. 運転席後ろにはサロン席もある

運転席後ろにはサロン席もありました(写真9、RE11で撮影)。

途中駅まではとまりませんが、別系統(RB47)が60分間隔で運転し、ある程度フォローしています。一部時間帯はRE24が一部駅に停車し、大きなダイヤホールが生じないように工夫されています。

写真10. ハレを発車!

ハレを発車しました(写真10)。非電化区間を走るのですが、最初は電化されています。

写真11. 大きな道路橋をくぐる

大きな道路橋をくぐります(写真11)。斜張橋がイカしていますね!

写真12. 幹線と分かれる

電化されている幹線と分かれます。この路線はマクデブルク方面かな?

写真13. さらに分岐する

さらに分かれます(写真13)。こちらはベルリン方面でしょうか。

写真14. ICEがやってきた

ドイツ国旗をイメージした塗装のICEがやってきました(写真14)。マクデブルク方面にはICEはやってきませんので、これはベルリン方面の路線ですね!

写真15. のどかになってきた

風景がのどかになってきました(写真15)。

写真16. 緑の中を走る

緑の中を走ります(写真16)。

写真17. 農村部を走る

農村部を走ります(写真17)。

写真18. 農村部を走る

農村部をひたすら走ります(写真18)。なかなかの速度で、日本のローカル線よりも速いです(車両の加速も鋭かったです)。OpenRailwayMapを見ると、(区間によってですが)最高速度130km/hです。この速度と駅間の長さで自動車に対して競争力を維持しているのでしょうか。

写真19. いつの間にか線路が増えた

いつの間にか線路が増えました(写真19)。

写真20. 線路が分岐していった(と思う)

線路が分岐したように記憶しています(写真20)。

写真21. 風車と菜の花畑の競演

ドイツで見かける、風車と菜の花畑の競演です(写真21)。そういえば、さっきから風景が似通っていますね。

写真22. 農村を走る

農村を走ります(写真22)。先ほどから同じようなコメントで申し訳ないのですが、本当に農村が続いているのです…。

写真23. 線路が多い

急に線路が多くなりました(写真23)。

写真24. Könnernに停車!

最初の停車駅、Könnernに停車します(写真24)。RE24はここまでノンストップですが、ここまで民家が少ないのも見れば、途中駅に停車しないことも納得できます。ここも民家が少ないように見えますが、反対側は民家が多かったような。

写真25. 簡易電光掲示板がある

簡易な電光掲示板がありました(写真25)。

写真26. 線路が分岐!

線路が分岐します(写真26)。RB47系統はこちらに進み、わがRE24系統も多くの駅に停車します。

写真27. のどかな場所を走る

のどかな場所を走ります(写真27)。

写真28. 集落が現れる

集落が現れます(写真28)。このような場所に駅があります。

写真29. のどかな住宅街を走る

のどかな住宅街を走ります(写真29)。このあたりの人が庭でのんびり過ごしていたのを見ました。

写真30. Sanderslebenに停車

ザンデルスレーベンに停車します(写真30)。別系統との乗りかえ駅です。

写真31. 昔の駅舎が見える

駅舎があるように見えますが、現在は使われていないように見えます(写真31)。昔の駅舎を使えなくしているのは日本に限らないようです。

写真32. 畑が広がる

畑が広がります(写真32)。何の作物を栽培しているのだろう?

写真33. 鳥類を発見!

鳥類を発見しました(写真33)。にわとりでしょうか?

写真34. 集落が現れる

再び集落が現れました(写真34)。赤い屋根の家が多いですね。日本では青い屋根の家が多いので、違いを改めて実感します。

写真35. 急に建物が増える

急に建物が増えてきました(写真35)。

写真36. Ascherslebenに停車!

アッシャースレーベンに停車します(写真36)。ここからもマクデブルク方面の路線が分岐しており、きめ細かな路線網が形成されていることがわかります。

写真37. 農村が広がる

農村が広がります(写真37)。

写真38. 線路が分岐する

線路が分岐します(写真38)。どうやら引き込み線の類のようです。

写真39. 平原が広がる

平原が広がります(写真39)。ザクセンアンハルト州の地形についてイメージがありませんでしたが、かなり平らな土地です。

写真40. ハルバーシュタットに到着!

いつの間にかハルバーシュタットに到着です(写真40)。

ステージ2. ハルバーシュタットでの接続風景

ハルバーシュタットでは4方向の接続が見られます。その様子を観察しましょう!

まずはこの時間帯の列車の到着・発車時刻を確認します。

  1. ターレ始発マクデブルク行き(RE11)が17:49に到着
  2. ゴスラー始発マクデブルク行き(RE21)が17:55に到着
  3. ハレ始発ハルバーシュタット行き(RE24)が17:57に到着
  4. マクデブルク始発ターレ行き(前半分、RE11)、ゴスラー行き(後ろ半分、RE21)が17:58に到着
  5. ゴスラー・ターレ始発マクデブルク行き(RE11、RE21)が18:01に発車
  6. ハルバーシュタット始発ハレ行き(RE24)が18:01に発車
  7. マクデブルク始発ゴスラー行き(RE21)が18:04に発車
  8. マクデブルク始発ターレ行き(RE11)が18:08に発車

ハルバーシュタットにやってくる主要路線はハレ、マクデブルク、ゴスラーとターレにつながっています。ターレ、ゴスラー、ハレ、マクデブルクからやってきた列車が17:49~17:58に続々と到着します。そして、マクデブルク、ハレ、ゴスラー、ターレの各方向に向かう列車が18:01~18:08に続々と発車します。そのため、この4方向のどの方向からどの方向へも待ち時間3分~15分で接続(※)します。

※一見、17:49~18:08の19分待ちに見えます、この組み合わせはターレ発からターレ行きに乗りかえることになるので、現実にはあり得ない組み合わせです。現実にある組み合わせは17:49着と18:04発の15分待ちです。

難点をいうと、ターレからの列車が17:49に到着し、待ち時間がやや長いことです。連結作業があるとはいえ、17:52ごろに繰り下げてもらいたいものです。逆にターレ行きも18:06に繰り上げても良いでしょう。ターレ以外の3方向には路線網が伸びていますが、ターレ方面は行き止まりなので、こちらで調整しろをとったということでしょうか。

写真41. 3番線にハレ始発ハルバーシュタット行きが到着!

3番線にハレ始発ハルバーシュタット行きが到着しました(写真41)。ターレ行きは同じホームにいないので、階段を経由しての乗りかえです。

写真42. マクデブルク行きが停車中

1番線にはターレとゴスラーからのマクデブルク行きが停車中です(写真42)。

写真43. ハルバーシュタット始発のハレ行きが5番線に停車中

5番線にはハルバーシュタット始発のハレ行きが停車中です(写真43)。

写真44. ターレ行きとゴスラー行きが4番線に停車中

ターレ行きとゴスラー行きが4番線に停車中です(写真44)。マクデブルクよりは乗客が多く、2両編成では不足するということで、4両編成にしているのでしょう。毎時1回の接続に力点を置くのであればハレとゴスラーの列車を毎時1本にし、マクデブルクとハルバーシュタットを毎時2本にするのが良さそうですが…。

写真45. ゴスラー行きとターレ行きの表示

いずれにせよ、ターレ行きとゴスラー行きが分割するので乗り間違いに注意です(写真45)。ところで、私はターレ行きが前より、ゴスラー行きが後ろよりと説明しました。でも、後ろよりのゴスラー行きが先に発車します。通常はあり得ません。私の頭にウジ虫が湧いていて変な説明だったのでしょうか。

図5. ハルバーシュタット付近の路線図(OpenRailwayMapより引用)

ハルバーシュタット付近の路線図を示しました(図5)。マクデブルク方面からの列車はハルバーシュタットに西側から入ります。ターレ行きはそのまま東側に進みますが、ゴスラー行きは西方向に進行方向を変えます。そのため、進行方向後ろ側であっても先に発車できるのです。

補足

本章では簡単のために5方向目のBlankenburg方面についての記述を省略しています(ほかの方向と同様の時刻に発着し、接続がとられています)。ご了承ください。

ハルバーシュタットからクヴェードリンブルク

私は17:58の到着から18:08の発車まで10分の間にこのような光景を見て満足していました。さて、次にクヴェードリンブルクに移動します。

写真46. ターレ行きの車内表示

念のため、ターレ行きであることを確認しました(写真46)。

写真47. ハルバーシュタットを発車

ハルバーシュタットを発車しました。1駅ぶんはハレ方面と同じ区間を走行します(この1駅は複線のため同じ「線路」ではありません)。このため、ハレ方面とターレ方面は同時進入・同時発車は不可能です。

このときに検察が来たのですが、柄が悪そうな乗客もみな乗車券を持っていて、きちんと事前に料金を支払っている客がほとんどということも知りました(私はレイルパスを持っていました)。

写真48. のどかな農村を走る

のどかな農村を走ります(写真48)。

写真49. Wegelebenに停車!

ヴェーゲレーベンに停車します(写真49)。ここでハレ方面と分岐します。

写真50. ハレ方面の線路が分岐する

ハレ方面の線路が分岐します(写真50)。

写真51. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真51)。

写真52. 農村を走る

やはり農村地帯を走ります(写真52)。

写真53. クヴェードリンブルクの街が近づいてきた

クヴェードリンブルクの街が近づいてきました(写真53)。

写真54. クヴェードリンブルクに到着!

クヴェードリンブルクに到着しました。この日はクヴェードリンブルクに宿泊です。

この日はもう列車に乗れないということよりも、仕事→国際線での寝られない長距離移動→長距離列車の立ちというハードスケジュールをこなしてやっと着いたというのがこのときの実感でした。

ドイツのローカル線に乗ってみて

写真55. ハルバーシュタットの自動販売機

ドイツのローカル線に乗る機会に恵まれました。田舎でも1時間間隔(小駅は2時間間隔)で来るという利便性、途中駅での接続の配慮、そして快適で速い走り、と日本のローカル線よりもサービスレベルが高いことを改めて実感しました。

そして、主要駅近くこそ民家が多いものの、途中駅では民家がほとんどなく、途中駅の列車間隔が開くことも納得できます。現在記事を書いているころにはドイツチケット(1か月50ユーロ程度で乗り放題)も発売され、採算性よりも地域の足としての役割が重視されていると読み取れます。

日本と一味違う、ドイツのローカル線の旅でした。

前後を読みたい!

(←前) ICE 4の車内(1等車)

ハレからクヴェードリンブルクへの列車旅(ハルバ―シュタット経由):現在地

ホテルアルターフリッツの宿泊記(ドイツ、クヴェードリンブルクのホテル)(次→)

★全体のまとめ:23年GWドイツ・スイス旅行のまとめと振り返り

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