チューリッヒからロマンスホルンまでの列車旅(23年GW)

記事上部注釈
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スイス北東部の都市、ロマンスホルン。このロマンスホルンからはドイツに向かう船も出ており、チューリッヒからの旅にも良い場所でしょう。そんなロマンスホルンにチューリッヒから向かいました。

写真1. ロマンスホルンに到着したIC8系統

チューリッヒとロマンスホルンの移動概要

まず、チューリッヒとロマンスホルンの移動方法の概要を紹介します。

チューリッヒとロマンスホルンの移動の概要
  • 所要時間:67分(IC)
  • 運転間隔:毎時1本
  • 直通先:フィスプ、ベルン

図1. チューリッヒとロマンスホルンの位置関係(googleマップより引用)

チューリッヒとロマンスホルンの位置関係を示しました(図1)。チューリッヒとロマンスホルンは幹線経路上にあるほか、スイスの長距離列車はチューリッヒやベルンを通り越して直通します(地方分権国家なので各地の直通が必要なこととチューリッヒやベルンの折り返しを削減する意味があると思います)。

(参考)図2. スイスの長距離交通網(公式サイトより引用、リンクをクリックするとスイス国鉄サイトからご自身の端末にそのままダウンロードされます)

この路線図によると、ロマンスホルン(Romanshorn)を通るのはIC8です(図2)。このIC8はチューリッヒより西側はベルンまでノンストップで運転する系統になります。別のいいかたをすると、ベルン-チューリッヒのノンストップの系統がロマンスホルンに延長されるということです。この系統は毎時1本運転されます(余談ですが、ベルン-チューリッヒは対になるIC1が60分間隔で設定され、この区間は両者合わせて30分間隔です)。

ここで特徴的なことは、チューリッヒ国際空港を通り、航空機からロマンスホルンへのダイレクトアクセスが可能なことです。

時刻表を見ると、ルツェルン-チューリッヒ-コンスタンツのIR(日本でいう多停車型の特急)が運転されており、途中のヴァインフェルデンまで行くことができ、そのヴァインフェルデンからローカル列車が運転されています。このパターンも60分間隔で設定され、合計毎時2回の乗車チャンスがあるのです。

ここまで詳細に解説しました。公式サイトから予約できると思いますが、日本語で予約できないことに不安を感じる人もいるかもしれません。下記のサイトであれば、日本語で予約できるので安心です。


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実際にチューリッヒからロマンスホルンに向かう

では、実際にチューリッヒからロマンスホルンに向かいましょう!

IC8への乗車まで

写真2. チューリッヒ中央駅の発車案内

チューリッヒ中央駅の発車案内です(写真2)。34番線からの発車です。8:03発のロールシャハ(Rorschach)行きが33番線、8:05発のロマンスホルン(Romanshorn)行きが34番線とまぎらわしいです。そして、両列車ともヴィンタートゥールまでは同じ方向です。そのため、乗り間違いしても実害は少ないかもしれません。

写真3. ロールシャハ行きとロマンスホルン行きが表示される

チューリッヒ中央駅の31~34番線は地下ホームです。ロールシャハ行きとロマンスホルン行きが表示されます(写真3)。同じホームに2分違いで似た行き先がやってくる、これは紛らわしいです。

写真4. ロールシャハ行きがやってきた

ロールシャハ行きがやってきました(写真4)。この系統はローザンヌからベルンを経由せずにチューリッヒにやってきます。ベルンを通らない裏街道なのでインフラ投資は後回しです。その格差を少しでも小さくするために振り子電車が使われます(所要時間差が大きいと各駅での接続が確保できない)。

写真5. ロマンスホルン行きがやってきた

ロマンスホルン行きがやってきました(写真5)。こちらは2階建ての客車列車です。

写真6. チューリッヒ中央駅に着いたIC8

7:58にIC8が到着しました(写真6)。ここで7分停車します。スイス国鉄名物、毎時00分・30分直前に一斉到着、毎時00分・30分直後に一斉発車です。このことで、各地から各地へ乗りかえることができます。

IC8の1等車車内

私はユーレイルグローバルパス(1等用)を持っていたので、1等車に乗ることにしました。その1等車の車内を紹介します。

写真7. デッキの様子

デッキの様子です(写真7)。赤いドアが目立ちます。

写真8. デッキから2Fに上がる階段

デッキから2Fに上がる階段があります(写真8)。

写真9. デッキにトイレがある

デッキにトイレがあります(写真9)。欧州では車端部にトイレがないことがあり、この車両もその1例です。

写真10. 1Fの車内

1Fの車内です(写真10)。2列と1列のシートが並んでいます。2019年と今回の旅行での経験則ですが、スイス国内列車の1等車は空席がそれなりにありますから、座席をわざわざ指定する必要はありません。

写真11. 1Fの車内

反対側からも眺めました(写真11)。端に何かありますよ?

写真12. 荷物置きがある

荷物置きがありました(写真12)。このような設備があると大荷物のときも安心です。もっとも、私はこのときは日帰り旅行でしたから、荷物の量はそこまでではありませんでしたが。

写真13. 2Fの車内

階段を上がると2Fです(写真13)。2+1列配列のボックスシートです。スイスではこの配置が主力です。

写真14. 2Fの室内

2Fの室内です(写真14)。バスでも思いましたが、欧州には進行方向に座りたいという気持ちが薄いようで、進行方向向きのリクライニングシートが並んでいる、なんてことはめったにありません。

写真15. サロン席がある

階段近くにはサロン席があります(写真15)。

写真16. サロン席の様子

サロン席の様子です(写真16)。気の知った相手ならこのような座席で移動するのも楽しそうです。簡単なパーテーションもあるので、多少騒いでも一般客席にはすこし聞こえずらいのかな?

写真17. サロン席の様子

サロン席の様子です(写真17)。右側のコの字型の角の席は狭くないか?見知らぬ人どうしだと気まずそう…。

写真18. 通常のボックス席

通常のボックス席です(写真18)。

写真19. 通常のボックス席

通常のボックス席です(写真19)。ゆったりしていて快適な座席でした!

ロマンスホルンまでの車窓を楽しむ

では、ロマンスホルンまでの車窓を楽しみましょう!

写真20. 地上に出た

チューリッヒ中央駅は地下ホームですが、ほどなくして地上に出ます(写真20)。このあたりはチューリッヒの副都心ともいえる場所でしょうか。

図2. チューリッヒ中央駅から現在位置までの経路(OpenRailwayMapより引用、一部加工)

チューリッヒ中央駅付近の線路図を示しました(図2)。黒い矢印がチューリッヒ中央駅、そして灰色の矢印、白の矢印と進んできました。

写真21. チューリッヒの副都心を走る

チューリッヒの副都心を走ります(写真21)。私たち観光客は旧市街を散策したりしますが、本当の生活や仕事の拠点はこのような場所にあるのかもしれません。ならば、チューリッヒエルリコン駅にもとめても良いと思います。

写真22. 空港駅を通らない線路が分岐

空港駅を通らない線路が分岐します(写真22)。この直後にチューリッヒ空港駅にとまりました。地下駅です。このチューリッヒ空港駅で先発のロールシャハ行きと並びました。

写真23. チューリッヒ空港を発車!

チューリッヒ空港を発車し、先ほどの線路と合流します(写真23)。

写真24. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真24)。

写真25. 線路と合流!

線路と合流します(写真25)。チューリッヒ中央駅やその東側からの線路です。迂回路がきっちり整備されている印象です。

写真26. 駅を通過!

駅を通過しました(写真26)。スイスデューベンドルフ駅かな?

写真27. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真27)。

写真28. 駅が近づいてきた

駅が近づいてきました(写真28)。

写真29. 駅に停車!

駅に停車します。

写真30. ロールシャハ行きが停車中

ロールシャハ行きが停車中です(写真30)。

写真31. ヴィンタートゥールに停車!

ヴィンタートゥールに停車しました(写真31)。スイスで6番目の都市です。それなのにこの列車はガラガラ…。2分前に先行した列車が走るためでしょう。

毎時2本のザンクトガレン方面のIC(EC含み毎時1本抜けることはある)、毎時2本のヴァインフェルデン方面のIC(毎時1本はIR)と走っていますが、チザンクトガレン方面のICとヴァインフェルデン方面のICは続行運転です。この区間の最適化を考えると、15分間隔運転のほうが良いとは思います。チューリッヒ中央駅での接続を最適化した結果だとは思うのですが。

写真32. ヴィンタートゥールを発車!

ヴィンタートゥールを発車しました(写真32)。

写真33. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真33)。

写真34. ザンクトガレン方面と分岐

ザンクトガレン方面と分岐します(写真34)。先発のロールシャハ行きはあちらに行きます。ここまでスイスの東西幹線でしたが、ここからは幹線からは外れます。

図3. 分岐点付近の線路配置(OpenRailwayMapより引用、一部加工)

分岐点付近の線路配置を示しました(図3)。黒の矢印がヴィンタートゥール駅、白の矢印が分岐点です。わがIC8系統は図3の上方向に向かいます。

写真35. 車両基地が見える

車両基地が見えます(写真35)。

写真36. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真36)。チューリッヒよりも平らでこちらに都市を建設したほうが良かったのでは?

写真37. 駅が近づいてきた

建物が増え、駅が近づいてきました(写真37)。

写真38. フラウエンフェルトに停車!

フラウエンフェルトに停車します(写真38)。チューリッヒ発車時点でも空いていましたが、徐々に空いてきます。ベルンからチューリッヒまでの大量輸送に備えた2階建て車両という事情もありそうですが。

写真39. フラウエンフェルトを発車!

フラウエンフェルトを発車しました(写真39)。

写真40. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真40)。

写真41. 右から線路が合流してきた

右から線路が合流してきました(写真41)。

図4. ヴァインフェルデン付近の線路配置(OpenRailwayMapより引用、一部加工)

ヴァインフェルデン付近の線路配置です(図4、ヴァインフェルデンを矢印で表記)。われわれの通っている東西方向の線路とヴィル(Wil)とコンスタンツを結ぶ南北方向の線路が合流します。

チューリッヒからヴァインフェルデンまではICとIR合わせて30分間隔で運転されていましたが、ヴァインフェルデンから先はコンスタンツ方面のIRとロマンスホルン方面のICに分かれ、それぞれ毎時1本に減ります。

写真42. ヴァインフェルデンに停車!

ヴァインフェルデンに停車します(写真42)。このあたりのローカル列車の車両が停車しています。このあたりのローカル線といえども、毎時1本は死守しているので、乗客としては利用しやすいです。

写真43. のどかなヴァインフェルデン

ヴァインフェルデンはチューリッヒから速達列車が30分間隔でやってきて、4方向の分岐点ですが、その割にのどかな風景です(写真43)。

写真44. ローカル列車が停車中

ローカル列車が停車中です(写真44)。

写真45. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真45)。スイスでは珍しい、平らな場所です。

写真46. 線路が分岐

線路が分岐します(写真46)。スルゲンからゴッサウに向かう線路です。この路線は30分間隔のようです。

写真47. 住宅街に入る

住宅街に入ります(写真47)。

写真48. アムリスヴィルに停車!

アムリスヴィルに停車します(写真48)。地球の歩き方さえにも注目されていませんが、家並みがきれいで楽しそうです!

写真49. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真49)。

写真50. 線路が分岐する

線路が分岐します(写真50)。ロマンスホルンを通らずにロールシャハに向かう短絡線です。宇多津駅のホームを通らずに坂出と瀬戸大橋をつなぐ線路のようなもの、と理解するとわかりやすいと思います。

写真51. ロマンスホルンに到着!

ロマンスホルンに到着しました(写真51)。チューリッヒからひたすら北東方向に進みましたが、これ以上北東方向には行けません。この先北東方向にはボーデン湖があり、鉄道では進めません。もっとも、ボーデン湖沿いを通る鉄道路線はあり、それで鉄道旅行を続けることもできます。

写真52. ロマンスホルンに到着!

ロマンスホルンに到着しました(写真52)。平日の午前中にチューリッヒからやってくる人は少ないのか、列車から降りた人も多くありませんでした。毎時1本という均等なサービスを提供していれば、そのようなこともあるでしょう。

チューリッヒからロマンスホルンまで乗ってみて

写真53. ボーデン湖からICを眺める

今回、チューリッヒからロマンスホルンまでICで旅行しました。輸送人員の割にかなり手厚いサービスが提供されていると感じました。また、道中ののどかな風景通過した町は風情があり、スイス鉄道旅行の良さを感じました(メジャーな観光地はなく、スイス北東部は日本人の旅行先としてあまり選択されないようですが)。

途中に町があり、それら1つ1つに停車し、需要を丹念に拾い、結果として毎時1本のサービスにつなげる、そのような提供側の事情も見えました。

いずれにせよ、毎時1回の乗車チャンスを確保し、国全体として利便性を確保する、スイス国鉄の哲学が見えた乗車でもありました。日本でもそのような利便性が全国で確保されると良い、そんな感想も抱いたのでした。

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前後を読みたい!

(←前) チューリッヒの都市交通(23年GW)

チューリッヒからロマンスホルンまでの列車旅(23年GW):現在地

ロマンスホルンとフリードリヒスハーフェンの船旅(次→)

★全体のまとめ:23年GWドイツ・スイス旅行のまとめと振り返り

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