オーストリアのローカル線の1つ、ザルツカンマーグート線。沿線にはハルシュタットというオーストリアでも有名な観光地があり、観光客でにぎわう路線でもあります。そのうち観光客も多く乗る北側に乗りました。

写真1. ハルシュタットに進入する電車によるアトナング-プーフハイム行き
復習:ザルツカンマーグート線の概要
最初にザルツカンマーグート線の概要を紹介します。
図1. ザルツカンマーグート線の経路(googleマップより引用)
ザルツカンマーグート線の経路を示しました(図1)。

図2. ザルツカンマーグート線の周辺路線図(オーストリア国鉄公式サイトより引用後加工)
ザルツカンマーグート線周辺の路線図を示します(図2)。図の左端に上下方向の赤線の170番の路線が該当します(正式には灰色の171番も該当しますが本記事ではアトナング-プーフハイム以南を取り扱います)。
全線通しのREX(快速列車)が2時間間隔、オーバートラウン以北運転のR(普通列車)が2時間間隔で設定され、オーバートウラン(ハルシュタットの1駅南)以北は毎時1本程度の本数が確保されています。また、土曜・休日はこれに加え、4時間間隔でREXが運転されます。このほかに毎日運転のウィーン直通のD(日本の旧国鉄でいう急行相当)が1日1往復設定されます。
北側のほうが本数が多いのは、ウィーンからの入れ込みが期待されているためでしょう。ウィーンはいうまでもなく、オーストリアの首都であり、中欧地区でも有数の大都市かつ観光地です。そんなウィーンからのアクセスが良好なほうが利用されるでしょう。
ウィーンから南側まわりでもアクセスできますが、下記の通り所要時間差があります。
- ウィーン8:24→レオーベン10:26/10:30→シュタイナッハ-イルドニング11:38/11:40→ハルシュタット12:32/(所要時間4時間08分)
- ウィーン8:55→アトナング-プーフハイム11:00/11:08→ハルシュタット12:48/(所要時間3時間53分)
所要時間差はそこまでではありませんが、限られた時間での旅行です。15分でも早いほうが良いでしょう!
このあたりはオーストリアの湖水地方ということもあり、風光明媚な風景が展開します。
ハルシュタットからアトナング-プーフハイムまで実際に乗る
御託はこの程度にして、実際に乗ってみましょう!

写真2. ハルシュタット駅の様子
ハルシュタット駅の様子です(写真2)。1面1線であり、迷う余地はありません。ウィーン方面行きはこの画面の奥からやってきます。

写真3. 駅舎内の券売機
駅舎内には券売機もあります(写真3)。この券売機を使っている人は見ませんでしたが、多くの人が遠来の観光客とあって、インターネット等で事前に購入しているのでしょうか(私もインターネットで事前に購入しました)。

写真4. 駅舎横に時刻表もある
駅舎横に時刻表や発車案内が掲示されています(写真4)。アトナング-プーフハイム方面行きは9:07、10:32、11:07と85分ものダイヤホールがあります。これは、10:32発が快速運転を行い、所要時間差があるためです。バート・イシュルから北側はおおむね1時間間隔です。もっとも土曜・休日には10:04発が設定されているのですが…。

写真5. ハルシュタット駅にやってきた電車
ハルシュタット駅に電車がやってきました(写真5)。この列車はとなりのオーバートウラン始発ですが、前日に乗った非冷房の客車列車と異なっていました。

写真6. 今回乗車した4024系電車の車内
その電車の車内の様子です(写真6)。
この4024系電車の車内を紹介しています。


(参考)写真群1. 前日乗車したCity Shuttleとその車内
前日に乗車した客車列車も参考に示しました(写真群1)。規則性はあまりなく、どちらかが来るかは運の部分があるようです。

写真6. ハルシュタットを発車!
ハルシュタットを発車しました(写真6)。進行方向左側に雄大な風景が展開します。

写真7. ハルシュタット湖を眺める
民家越しにハルシュタット湖を眺めます(写真7)。

写真8. 美しいハルシュタット湖
美しいハルシュタット湖が見えます(写真8)。ハルシュタットは対岸にありますが、(宿泊をしないにしても)ハルシュタットは訪問したほうが良いと感じました。

写真9. 徐々に周囲が開ける
徐々に周囲が開けてきます(写真9)。

写真10. のどかな風景に変わってきた
のどかな風景に変わってきました(写真10)。オーストリアらしい風景と思います。

写真11. See-Gosauに停車
See-Gosauに停車します(写真11)。

写真12. バスがやってきた
13分間停車する間にバスがやってきました(写真12)。調べると、このバスはハルシュタットの北側(Hallstatt Gosaumühle)に行く541系統のバスです。

写真13. See-Gosauを発車!
See-Gosauを発車しました(写真13)。

写真14. 湖水地方らしい風景が展開する
湖水地方らしい風景が展開します(写真14)。

写真15. Bad Goisern Jodschwefelbadに停車!
Bad Goisern Jodschwefelbadに停車します(写真15)。ここで貨物列車とすれ違いました。電化されていることもあり、物流の南北軸として機能していることが伝わります。

写真16. 丘陵地帯を走る
丘陵地帯を走ります(写真16)。

写真17. 家が増えてきた
家が増えてきました(写真17)。

写真18. トウラン川を渡る
トウラン川を渡ります(写真18)。

写真19. バート・イシュルに停車
バート・イシュルに停車します(写真19)。連接車4両編成(ボギー車3両編成に該当でしょうが)でもがら空きの車内に多くの人が乗り込んできました。バート・イシュルは温泉保養地として有名で、利用者が多いこともうなずけます。

写真20. バート・イシュルを発車!
バート・イシュルを発車します(写真20)。

写真21. 山間部を走行
山間部を走ります(写真21)。

写真22. 険しい山が見える
険しい山が見えます(写真22)。

写真23. Steinkogelに停車!
Steinkogelに停車します(写真23)。オーストリアで感心するのは、ローカル線の小駅でもホームや発車案内などがきれいに整備されていることです。

写真24. のどかな風景を走る
のどかな風景を走ります(写真24)。

写真25. エーベンゼーに停車
エーベンゼーに停車します(写真25)。トウラン湖の南端に近い場所に位置する駅です。

写真26. 小さなショッピングセンターが見えた
小さなショッピングセンターが見えました(写真26)。

写真27. すぐに次の駅に停車!
次の駅まではすぐでした(写真27)。

写真28. トウラン湖が見える
私は進行方向左側に座っていましたが、反対側にトウラン湖の雄大な風景が展開します(写真28)。荷物があるのは、隣の家族連れのアジア人のものです。

写真29. 斜面に住宅が広がる
斜面に住宅が広がります(写真29)。このあたりの風景はなぜか印象に残っています。

写真30. のどかな風景が広がる
のどかな風景が広がります(写真30)。

写真31. 反対方向の列車とすれ違う
反対方向の列車とすれ違います(写真31)。

写真32. カーブをうねうね走る
カーブをうねうね走ります(写真32)。このような線形ゆえにハルシュタットからアトナング-プーフハイムまでの61kmに1時間45分(行き違い待ちが最小限だと1時間19分だが)もかかるわけです。

写真33. 工場が出現!
工場が出現します(写真33)。のどかなローカル線のイメージが崩されます。

写真34. グムンデンに停車!
グムンデンに停車します(写真34)。このあたりではそれなりの都市で乗客がさらに乗ることを覚悟していましたが、降りる人のほうが多かったです。
ここからラムバッハまでの路線が分岐していますが、歴史的経緯により、グムンデン寄りは路面電車として走ります。そして、その路線はグムンデン駅とグムンデン市街地を連絡する役割を担います。いいかえると、グムンデン駅そのものは街はずれに位置します。

写真35. のどかな風景を走る
のどかな風景を走ります(写真35)。

写真36. 住宅街を走る
住宅街を走ります(写真36)。

写真37. ピンズドルフに停車!
ピンズドルフに停車します(写真37)。郊外の住宅街風情の駅です。

写真38. 丘陵地帯を走る
グムンデン以北は山岳地帯ではなく、丘陵地帯を走ります(写真38)。

写真39. 高速道路が見える
高速道路と交差します(写真39)。東西軸の幹線軸に近づきつつあることを実感します。

写真40. 反対方向の列車とすれ違う
反対方向の列車とすれ違います(写真40)。

写真41. ドイツ鉄道ICで使われていた車両の急行(D)とすれ違う
急行列車とすれ違います(写真41)。ウィーンからハルシュタット方面は1日1往復設定されています。オール2等車の編成であり、一般列車もオール2等です。そのため、1等用のレイルパスはザルツカンマーグート線では意味をなしません(数日用を購入するので他の使用日で1等用は意味をなすわけですが)。

写真42. のどかな住宅街を走る
のどかな住宅街を走ります(写真42)。

写真43. 線路が増えてきた
拠点駅近くらしく、線路が増えてきました(写真43)。

写真44. 東西軸のオーストリア西部鉄道と合流
東西軸のオーストリア西部鉄道と合流します(写真44)。

写真45. 広い駅構内
幹線の駅だけあり駅構内は広いです(写真45)。

写真46. レイルジェットがやってきた
レイルジェットがやってきました(写真46)。これだと乗りかえができないのでは?と思いますが、以下の時系列のため問題ありません。
| アットナング-プッフハイム | |
| RJX765列車 | 10:51ごろ通過 |
| R3413列車 | 10:52到着 |
| RJ641列車 | 11:01発 |
すなわち、この列車から見えたレイルジェットのウィーン方面行きはそもそもアットナング-プッフハイムを通過するので、乗りかえることはできません。したがって、ここで見送る形になっても問題ないのです。ザルツブルクを4分後に発車したレイルジェットがアットナング-プッフハイムに停車し、このレイルジェットに乗りかえられるのです。
もっとも京王電鉄の調布のように同じホームに同時進入してくれれば、ロスタイムはもう少し少ないのですが、日本の民鉄のオペレーションをここに求めるのは酷でしょう。

写真47. アットナング-プッフハイムに到着!
アットナング-プッフハイムに到着しました(写真47)。そこまで混んでいるように見えませんでしたが、意外と多くの人が乗っていました。

写真48. 改めて先頭を眺める
改めて先頭を眺めます(写真48)。午後になるとここで終わらずにリンツまで向かいます。もっともリンツには後のレイルジェットが先着します。

写真49. リンツ行きが停車中
同じホームにはリンツ行きが停車中です(写真49)。似た感じの車両ですが、ボギー車の4744系電車です。
ハルシュタットからアトナング-プーフハイムまで乗ってみて

写真50. このような保養地も走る
最初はオール2等車の列車とあり、快適でない「移動」を強いられるという覚悟もありましたが、着席前提の輸送力が確保され、車両も比較的新しいこともあり、それなりに快適な旅行が実現しました。
他方、(行き違い待ちというハンディキャップがあれど)ハルシュタットからアトナング-プーフハイムまで61kmを1時間45分かけるのは遅すぎです。せめて全列車1時間20分程度に底上げしたほうが良いでしょう。また、カーブを高速で通過できる車両を走らせ、さらなるスピードアップし、ウィーンまでの直通を2時間間隔で走られるなどの改良も期待したいです。
とはいえ、現状でも着席可能な列車が走り、アトナング-プーフハイムでのレイルジェットへの接続時間が10分以内とそれなりに考えられたダイヤを実現していることも事実です。その証拠に外国人観光客(具体的には日本人観光客も含む)も見られ、観光輸送に一定の機能を発揮していることも確認できました。
ここまで詳細に解説しました。公式サイトから予約できると思いますが、日本語で予約できないことに不安を感じる人もいるかもしれません。下記のサイトであれば、日本語で予約できるので安心です。
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果たして前後はどこに行ったのでしょうか?
ハルシュタットからアトナング-プーフハイムまでのローカル線の列車旅(ザルツカンマーグート線乗車記):現在地
アトナング-プーフハイムからリンツまでのレイルジェット乗車記(→次)
※この旅行の全体像は25年夏中欧・イタリア旅行のまとめをご覧ください。