スイスでも有名な観光地、ツェルマット。ここのハイライトはマッターホルンでしょう。そんなツェルマットで風景を堪能しました。

写真1. マッターホルンを眺められるレストラン
復習:ツェルマットとマッターホルン
最初にツェルマットとマッターホルンの概要を紹介します。
図1. マッターホルンとツェルマットの位置関係(googleマップより引用)
最初にマッターホルンとツェルマットの位置を示しました(図1)。マッターホルンがスイスを代表する山の1つ、そしてツェルマットがマッターホルン観光の拠点という関係です。また、ツェルマットは世界的な山岳リゾートでもあります。
ツェルマットはスイス南西部のヴァリス州(ドイツ語読み、フランス語読みだとヴァレー州)に位置します。そのツェルマットへのアクセスはブリークやフィスプからMGB鉄道に乗るのが常道です。仮にバスなどで乗り付けるにしてもツェルマットは自動車の乗り入れは原則禁止ですので、テーシュからは20分間隔で運転のMGB鉄道に乗る必要があります。
ツェルマット周辺の観光を楽しむのであれば、展望台に登り、そこからの風景を堪能する必要があります(ツェルマットそのものも素朴な街並で風景も良いので、ツェルマットそのものもじゅうぶんな見どころではありますが)。

図2. ツェルマットの観光マップ(ツェルマットの公式サイトより引用)
主要なアクセス方法は以下の3つです。いずれでも展望台にアクセスできますが、展望台の位置が全く異なります(マッターホルンを別の方向から眺めるということです)。
- ゴルナグラード鉄道でゴルナーグラードへアクセス
- ロープーウェイでフーリを経由し、マッターホルン・グラッシャー・パラダイスへアクセス
- ケーブルカーでスネガ、ロートホルンへアクセス
主流はゴルナグラード鉄道でゴルナグラードへ向かう方法でしょう。ゴルナグラード鉄道はスイスでも有名な登山鉄道であり、これに乗ることを目的としても良いでしょう。ゴルナグラードからはマッターホルン以外の山も眺めることができ、人気の展望台とされます。
ロープーウェイでフーリを経由し、そこからマッターホルン・グラッシャー・パラダイスに向かうのも人気とされます。ここでは氷河を眺めるのも良いでしょう。

写真2. ツェルマットから出発するゴルナグラード鉄道

写真3. 先鋭的なデザインのゴルナグラード鉄道
穴場のスポットにスネガがあります。ここからはマッターホルンが形良く見え、その風景は独特とされます。スネガからさらに上に向かうことも可能です。
ただし、いずれの展望台も高額な費用がかかります。日本円で1万円を超える価格であり、スイストラベルパスを所持していても半額負担、ユーレイルパスグローバルパスでは全額負担です(いずれもツェルマットまでのMGB鉄道に乗るには負担なし)。ツェルマットが最大の目的地というならともかく、ツェルマットを目的地の1つとして考える場合、全般的な費用負担を考慮すると二の足を踏むかもしれません。
その場合、比較的安いのはスネガです。私が訪問した際は往復31スイスフラン、その上のブラウヘルトでも往復62スイスフランと比較的安いです(他は往復100スイスフランを越えます)。また、他の展望台よりも標高が低く、それだけ麓との気温差も小さく、体調を崩すリスクは低く済みます。さらにゴルナグラード鉄道は24分間隔に対し、スネガへのケーブルカーは5分間隔と待ち時間も短く済みます。
実際は当日の雲行きを確認し、最も天候の良好な展望台に向かうのが良いでしょう。もっとも私の訪問した2025年8月中旬は晴れており、そのぶん選択肢は広かったです。
ツェルマット観光を実際に楽しむ
御託はこの程度にして、ツェルマット観光を実際に楽しみましょう!
Step1. ツェルマットのマッターホルンが見える場所
ツェルマットそのものでもマッターホルンが見える場所があります。金銭や時間的制約が強い場合、ここだけ訪問するのも手でしょう(個人的には展望台のどれかに向かってほしいですが)。
図3. いわゆる日本人橋の位置(googleマップより引用)
その場所を示しました(図3)。それでは、その場所に向かいましょう!

写真4. ツェルマット駅から南に向かう
ツェルマット駅から南に向かいます(写真4)。いわば、ここまでのMGB鉄道の延長線上に進むということです。

写真5. さらに南に進む
さらに南に進みます(写真5)。

写真6. のどかな路地を歩く
のどかな路地を歩きます(写真6)。適度な人ごみが観光地らしいにぎわいを産み出しています。ツェルマットに宿泊し、この雰囲気を大いに味わうことも良いでしょう。

写真7. 小道を歩く
小道を歩きます(写真7)。

写真8. 教会が見える
教会が見えます(写真8)。この手前を左に曲がります。

写真9. このあたりで左に曲がる
このあたりで左に曲がります(写真9)。それにしても、この雰囲気、隣国オーストリアのハルシュタットに似ています。


写真群1. ツェルマット(左側)とハルシュタット(右側)の比較

写真10. 川に向かって進む
川に向かって進みます(写真10)。

写真11. さらに川に近づく
さらに川に近づきます(写真11)。

写真12. マッターホルンが見える
マッターホルンが見えます(写真12)。天候が安定せず、なかなか山が見えないと聞いていましたが、天候に恵まれ、あっけなく見えてしまいました。これを見るだけでもツェルマットに来たかいがあります。

写真13. 反対方向も風光明媚と思う
反対側の視点はあまり紹介されませんが、このように風光明媚な風景です(写真13)。
Step2. スネガ→ブラウヘルトへの移動
次に展望台に移動します。待ち時間の少なさ、体調への考慮(標高が比較的低く温度差による体調悪化を防ぐ)、そして移動にかかる費用の節約を意図し、スネガを選択しました。
図4. スネガへのケーブルカーのりばへの経路(googleマップより引用)
スネガへのケーブルカーのりばへの経路を示しました(図4)。

写真14. 川沿いを北向きに歩く
川沿いを北向きに歩きます(写真14)。

写真15. 日本人橋とマッターホルンの競演
いわゆる日本人橋とマッターホルンの競演です(写真15)。

写真16. 川沿いを歩く
川沿いを歩きます(写真16)。

写真17. ゴルナグラード鉄道をくぐる
ゴルナグラード鉄道をくぐります(写真17)。

写真18. 登山電車がやってきた
ゴルナグラード鉄道の登山電車がやってきました(写真18)。編成写真を撮影できる場所ですが、編成写真を狙う鉄道ファンの姿は見かけませんでした。

写真19. 登山電車を見送る
登山電車を見送ります(写真19)。

写真20. 登山電車を見送る
登山電車を見送ります(写真20)。

写真21. 振り返るとマッターホルンが見える
振り返ればマッターホルンが見えます(写真21)。

写真22. 川沿いにもう少し歩く
川沿いにもう少し歩きます(写真22)。

写真23. スネガ方面の駅が見えた
スネガ方面の駅が見えました(写真23)。

写真24. 有人窓口もある
有人窓口もありました(写真24)。当初予定ではスネガに行く予定でしたので、31スイスフランを支払い、スネガまでの往復乗車券を購入しました。ロートホルンまで行ければ行ったのですが、2025年夏は運転されていないとのことでした。

写真25. 寒い通路を歩く
2025年8月中旬はヨーロッパ地区は大変な暑さに見舞われ、標高1600mのツェルマットでちょうど良い気温(20℃台前半)でした。しかし、さすがに地中は寒く感じました。

写真26. のりばに近づく
のりばに近づきました(写真26)。山の上に向かうのにこのような地底にいて良いのでしょうか?

写真27. ケーブルカーが停車中
ケーブルカーが停車中でした(写真27)。

写真28. ケーブルカーの様子(復路で撮影)
ケーブルカーの様子です(写真28)。編成は意外と長く、収容力はそれなりです。

写真29. スネガからの風景
スネガからの風景です(写真29)。

写真30. リフトが運行される
スネガまで来ると、実際にはリフトが運転されていました。スネガより少し先のブラウヘルトまではリフトでアクセスでき、そのリフトは運転されていたのです。衝動的に31スイスフランを投じ、ブラウヘルトまでのチケットを購入しました。最初からブラウヘルトまでの乗車券を買っていたらもう少し安かったのでは…。

写真31. リフトの様子
リフトの様子です(写真31)。

写真32. リフトからの風景
リフトからの風景です(写真32)。

写真33. ブラウヘルトに到着!
ブラウヘルトに到着しました(写真33)。これは絶景だ!

写真34. 駅構内を歩く
駅構内を歩きます(写真34)。

写真35. 休憩できそうな場所がある
休憩できそうな場所があります(写真35)。

写真36. 休憩所に入る
休憩所(ブルーラウンジ)に入りましょう(写真36)!
図5. ブルーラウンジの位置(googleマップより引用)
参考までにブルーラウンジの位置も示しました(図5)。

写真37. テラス席に座る
テラス席に座ります(写真37)。

写真37. 思い思いくつろぐ
思い思いくつろぐ人たちが見えます(写真37)。

写真38. 反対方向を眺める
反対方向も眺めます(写真38)。標高の高い場所らしく森林がありません。森林限界を超えたのです。

写真39. まぶしいので席を移る
まぶしいので席を移りました(写真39)。

写真40. 席から眺めるマッターホルン
席から眺めるマッターホルンです(写真40)。

写真41. マッターホルンを拡大!
マッターホルンを拡大しました(写真41)。改めて見るとこの山に登るのは大変そうです。

写真42. ハンバーガーが運ばれる
注文したハンバーガーが運ばれてきました(写真42)。標高の高いレストランでハンバーガーをメニューに掲げるのはある意味上手な戦法だと感じました。
ご承知の通り、沸点は飽和蒸気圧と周囲の気圧が等しい温度を指します。ご認識の通り、大気圧はその地点より上に位置する空気の重さに相当するものですので、標高約2600mのブルーラウンジは標高0m相当の海面より大気圧は低いです。したがって、標高2600mだと標高0m相当の海面より物質の飽和蒸気圧が低いことを意味します。水も物質の1つですので水の沸点は下がります。標高2600mだと水の沸点は90℃台前半に下がります。
このような自然法則により、標高が高い場所だと煮込み料理はあまりおいしくできません。そのため、水による煮込み料理を避けるハンバーガーは非常に上手な戦略に感じたのです(ポテトも「食用油(不勉強なのでブルーラウンジで使用している食用油の化合物までは同定できませんが)」による煮込みとも表現できますが、揚げ物に使用する食用油は油の沸点まで高くないので大気圧の差による影響はあまり考えなくて良いと思います)。
Step3. ライゼーへの訪問
図6. ライゼーの位置(googleマップより引用)
最後にライゼーを訪問しました(位置は図6)。スネガの駅からやや下った場所に位置します。

写真43. 通路がある
最初は何の通路があるかわからず、とりあえず進みました(写真43)。

写真44. 通路が続く
通路が続きます(写真44)。

写真45. 斜行エレベーターがある
斜行エレベーターがあります(写真45)。

写真46. ライゼーが見える
ライゼーが見えます(写真46)。ブルーラウンジといい、ライゼーといい、下調べはあまりなく衝動的に向かった場所です。ファミリー向けの雰囲気がありましたが、入場料なく利用できる公共の空間です。

写真47. ザブーン!
大人もザブーンと入っています(写真47)。

写真48. 水辺に人が集まる
水辺に人が集まります(写真48)。あちらから眺めるマッターホルンも良いのでしょう。

写真49. 水が透き通る
水が透き通っています(写真49)。これは良い場所にやってきました。

写真50. 上を眺める
上を眺めます(写真50)。こうしてのんびり休みました。この日はロカルノからイタリアを通過し、ツェルマットまで移動したのです(そして宿泊場所もツェルマットでないので荷物をかかえていた)。それは疲れるわけです。
ツェルマットで絶景に触れてみて

写真51. 山に広がる荒涼とした風景
今回、晴天に恵まれていることから、絶景めあてにツェルマットに向かいました(曇天、雨天のパターンも事前に用意し、天候によってはツェルマットに行かないシナリオもあり得ました)。その狙いは的中し、美しい風景を堪能できました。
スイスの魅力の1つが湖とその周囲に広がる緑です。このほかの魅力として、山の絶景があることを再認識しました。湖と山の優劣をつけることは価値判断によるので難しいのですが、山により多くの魅力を感じる人も多いことも納得できる風景が広がっていました。
夏ということもあり、寒さに震えることなく全体的に快適に過ごすことができました。普段は山に行くことはありませんが、たまにはこのような旅行も良いと感じました。
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果たして前後はどこに行ったのでしょうか?
ツェルマットの観光(マッターホルンが見える穴場展望台も紹介):現在地