ヴァレー州のシオンと交通の要衝、ブリーク。この間は長距離列車がそれなりに確保され、ある程度の利便性が確保されている区間でもあります。観光にも使うであろう、この2つの都市を移動しました。

写真1. シオンに入るブリーク行きIR90系統
復習:シオンとブリークの移動
最初にシオンとブリークの移動方法の概要を紹介します。
最初にフィスプとシオンの位置関係を紹介し、移動方法の概要をまとめます。
- 所要時間:40分程度
- 運転頻度:毎時3本(毎時1本のIRが2系統、地域列車が毎時1本)
- 運賃:21.2スイスフランが標準
図1. シオンとブリークの位置関係(googleマップより引用)
概要と位置関係(図1)を示しました。所要時間が40分前後、毎時3本(うち1本は所要時間がかかって前後の列車に近接した時刻で運転なので、事実上の乗車チャンスは毎時2回)あるので、地方としては利便性は抜群に高いほうです。

図2. シオン駅を通る長距離列車系統(スイス国鉄公式サイトより引用)
参考にシオン駅を通る長距離列車系統を示しました(図2)。停車駅の異なる2系統が描かれていますが、事実上は1系統のみです。
このほかにシオンとブリークの両方に停車する、ジュネーブとミラノ方面を結ぶECも運転されており、ノンストップで所要時間は30分程度です。ただし、本数は1日3往復前後と非常に少なく、戦力として考慮しないほうが良いです。
運賃は21.2スイスフランが基本ですが、列車限定のチケットは割安で販売されており(列車の需要によって価格は変わる)予定が合致すればこのような手段も良いでしょう。
全列車スイストラベルパスやユーレイルパスグローバルパスで利用でき、指定席券を購入する必要はありません(スイスは任意指定制ですが、「全席指定制」の列車や混雑しがちな国際列車を除き座席指定の必要はないと感じました)。事実上、スイストラベルパスやユーレイルパスグローバルパスであれば、追加料金なしで利用できるということです。
なお、スイスには特急料金はありませんので、旅費節約のために一般列車(Rと称する)を使う意味はありません。ただし、54kmの乗車で4155円(196円/スイスフランで計算)というのは日本の新横浜-小田原(55.1kmに相当)の3280円(普通車指定席の通常期)より高く、物価の違いを考慮しても特急料金相当が含まれていると解釈するのが自然です。

(参考)写真2. ミラノからジュネーブに向かう列車(イタリア国内のドモドッソラで撮影)
なお、IRには食堂車は連結されていません。40分程度の乗車であれば食堂車は不要でしょうが、念のため記載しました(ベルン-ブリークを走るICには食堂車は連結されています)。モントルーなどの観光地を通るので、あったほうが良いとは思いますが…。
シオンからブリークまでIRに乗る
御託はこの程度にして、シオンからブリークまで実際に列車に乗りましょう!

写真3. IR90系統のブリーク行き
IR90系統のブリーク行きの表示です(写真3)。鉄道は左側通行の国ですので、1番線に着けるほうが旧市街からアクセスしやすく、利便性は高まりそうです。しかし、2番線からの発車でした。

写真3. IR90系統のブリーク行きがやってきた
IR90系統のブリーク行きがやってきました。昔ながらの客車がやってきました。

写真4. 1等車は非常に空いている
1等車は非常に空いています(写真4)。ジュネーブからやってきたといえど、ジュネーブ発車が6:05では乗客も集まらないのでしょうか。

写真5. やはり空いている
やはり空いています(写真5)。日本の感覚であれば、1等車を1両減車するか、1等車の連結をなくすでしょう。ただ、この区間は「末端」とも称することができ、ジュネーブから乗客が減ってくるという事情もあるとは思います(以前にこの系統のモントルーからローザンヌまで乗ったときはそれなりに座席は埋まっていました)。

写真6. シオンを発車!
シオンを発車しました(写真6)。

写真7. シオン駅近くのビルが見える
シオン駅近くのビルが見えます(写真7)。

写真8. 広い谷を走る
広い谷を走ります(写真8)。

写真9. 建物が増えてきた
建物が増えてきました(写真9)。

写真10. シエルに停車!
シエルに停車します(写真10)。クランモンタナという高原リゾートの玄関口でもあります。ジーダースという表記もありますが、これはドイツ語表記です。すなわち、ここはフランス語地区とドイツ語地区の境界ということです。

写真11. 乗客は少ない
乗客は少ないです(写真11)。ここまで乗客が少なくても30分間隔運転を守るのは頭が下がります。

写真12. シエルを発車してものどかな風景
シエルを発車してものどかな風景は続きます(写真12)。

写真13. スイスらしい風景が展開
スイスらしい風景が展開します(写真13)。

写真14. のどかな風景が続く
のどかな風景が続きます(写真14)。

写真15. 採石場がある
採石場があります(写真15)。

写真16. ベルン方面からの線路が近づく
ベルン方面からの線路が近づきます(写真16)。この線路は比較的新しく、ベルン-ツェルマットの行き来の乗りかえ駅がブリークからフィスプに変わり、(ブリークとフィスプの往復がなくなったので)利便性が上がりました。

写真17. フィスプに停車!
フィスプに停車します(写真17)。

写真18. フィスプを発車!
フィスプを発車しました(写真18)。MGB鉄道の列車が見えます。

写真19. 線形の良い線路を走る
線形の良い線路を走ります(写真19)。この区間は国鉄とMGB鉄道が並走していますが、速度は圧倒的にこちらが勝ります。

写真20. MGB鉄道列車とすれ違う
MGB鉄道列車とすれ違います(写真20)。追加料金のかからない一般列車(無料列車)ですが、窓も大きく風景も楽しめます。

写真21. ブリークの広い駅構内が見えてくる
ブリークの広い駅構内が見えてきます(写真21)。

写真22. まもなくブリークに停車!
まもなくブリークに停車します(写真22)。

写真23. ブリークに到着
ブリークに到着しました(写真23)。

写真24. 折り返しジュネーブ行き
折り返しジュネーブ空港行きに変わります(写真24)。
シオンからブリークに移動してみて

写真25. シオンに到着したブリーク行き
今回、ヴァレー州の州都から交通の要衝まで移動しました。時間帯の影響か乗客は少なく(ちょうど良い時間帯であれば、フィスプまで乗る人が多いと思う)、のんびりとした旅行を楽しめました。この区間は観光地そのものや観光地への鉄道でなく、注目度は低いでしょう。しかし、広い谷というスイスを感じさせる風景、観光地が遠くはないというワクワク感、そして1時間に2本以上やってきて、その列車に座れるという安心感。そのようなことを考えると、快適な列車旅を味わえました。
正直、この区間はあまり目立ちません。しかし、目立たない区間だからの良さもあると感じました。そして良さはサービス水準に起因する面もあります。そのような意味でサービス水準を保って欲しいとも感じました。
重要本記事で詳細に解説しておりますが、スイスの鉄道に関する内容を一通り、そして詳しく解説した書籍を出版いたしました。同人誌の流通ルートで販売していますが、いわゆる萌え絵は一切なく、一般的な同人誌に嫌悪感を示す人でも抵抗ない内容・体裁になっています。
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果たして前後はどこに行ったのでしょうか?
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シオンからブリークまでの移動(IR):現在地
氷河急行の列車旅(予約方法と車窓を収録、ブリーク→クール)(→次)
※この旅行の全体像は25年夏中欧・イタリア旅行のまとめをご覧ください。