スイスでも観光客の多い南東部。この玄関口のクールへのアクセス手段がスイス国鉄の列車です。そんなクールからチューリッヒまでICに乗車しました。

写真1. クールに停車中のIC3系統のチューリッヒ行き
復習:クールの位置とチューリッヒからのアクセス
最初にクールの位置とチューリッヒからのアクセスを紹介します。
図1. クールの位置(googleマップより引用)
クールの位置を示しました(図1)。スイスでも有名な観光列車の氷河急行やベルニナ急行の主要な経由地でもあり、グラウビュンデン州の州都でもあります。このあたりの観光の拠点となりましょう。

図2. スイスの長距離列車網(クールに関係する箇所のみを抜粋、スイス国鉄公式サイトより引用)
また、スイスの長距離列車網も示しました(図2)。クールはチューリッヒ方面からの国鉄系路線網の終点に位置します(クールからはレーティッシュ鉄道の路線網、図2は国鉄系路線網のためレーティッシュ鉄道ははっきりと示されない)。クールにはチューリッヒ方面のICやIR、そしてザンクト・ガレン方面のIRで結ばれています。
チューリッヒとクールの間は所要時間1時間15分程度のICが30分間隔(日中時間帯は1時間開くこともある)、所要時間1時間40分弱のIRが60分間隔で運転されています。なお、IRはICより先着するので、有効列車は毎時3本が基本です(実質的には30分間隔ですが)。
ICはチューリッヒから先、バーゼルまで向かう列車もあります(2時間に1本~2本程度でチューリッヒ止まりのほうが多い)。IRはベルンに直通しますが、途中でICに抜かれます。
チューリッヒに向かうICやIRのほかにザンクト・ガレンに向かうIRが毎時1本運転されます(このほかにサルガンス接続が毎時1本運転され、ザンクト・ガレン方面は毎時2回の乗車チャンスがあります)。図2では多くの列車がクールとチューリッヒをザンクト・ガレン経由で結んでいるように見えますが、実際にはクール-ザンクト・ガレンの系統とサルガンス-ザンクト・ガレン-チューリッヒの系統がほとんどです。チューリッヒとクールの間は前述のICやIRで機能を果たしているということでしょう。
クールとチューリッヒの間は42スイスフラン(2等車)が定価であり、列車限定の場合は安価な設定があります。
ICでもIRでもSバーン乗りつぎでも料金は変わりません。スイスには「特急料金」という制度はなく、旅費節約のためにIC(日本でいう速達型のJR特急、食堂車付きが原則)やIR(日本でいう多停車型のJR特急、食堂車なしが原則)を避ける意味はありません。
クールという小都市に向かって毎時3本相当の輸送力を有しているのは、地図だけ眺めると輸送力過剰(人口1位のチューリッヒと人口2位のジュネーブも直結する列車は毎時1本だけ)と感じます。しかし、このあたりは観光地であり、その需要があると見込まれているのです。

図3. クールからチューリッヒまでの検索結果(スイス国鉄公式サイトによる検索結果から引用)
参考にクールからチューリッヒまでの検索結果を示しました(図3)。
クールからチューリッヒまで実際に乗る
御託はこの程度にして、実際に列車に乗ってみましょう!

写真2. クールに停車中の列車
クールに停車中のIC3系統です(写真2)。駅名標に日本語表記があるのは、レーティッシュ鉄道と箱根登山鉄道が提携しているためです。

写真3. チューリッヒ行きに乗るこむ
チューリッヒ行きに乗り込みます(写真3)。

写真4. 食堂車も連結される
1時間15分の運転時間ですが、それでも食堂車は連結しています(写真4)。このときは氷河急行でしっかりとした昼食をいただいたので、食事する気分にはなりませんでしたが…。

写真5. 1等車の車内
1等車の車内です(写真5)。発車前の1等車といえど、空いています。座席は任意指定制との建付けですが、ここまで空いていることが常態化していると、座席を予約している人はおらず実質的に自由席です。

写真6. デッキの様子
デッキの様子です(写真6)。

写真7. 出入口周辺の様子
出入口周辺の様子です(写真7)。古き良き客車列車という雰囲気が漂います。
さて、車窓を楽しみましょう!

写真8. クールを発車!
クールを発車しました(写真8)。

写真9. スイスらしい雄大な風景が広がる
スイスらしい雄大な風景が広がります(写真9)。

写真10. スイスらしい風景が続く
スイスらしい風景が続きます(写真10)。

写真11. 線路が分岐する
線路が分岐します(写真11)。面積当たりの鉄道の密度が世界有数の緻密さを誇るスイスらしい風景でもあります。

写真12. ラントクワルトに停車!
ラントクワルトに停車します(写真12)。

写真13. ホームに待つ人は多い
ホームで待つ人は意外と多いです(写真13)。レーティッシュ鉄道のダボス方面と国鉄のチューリッヒ方面の乗りかえ駅です。

写真14. レーティッシュ鉄道列車が見える
レーティッシュ鉄道列車が見えます(写真14)。

写真15. ラントクワルトを発車!
ラントクワルトを発車しました(写真15)。

写真16. 山が見える
山が見えます(写真16)。

写真17. ゴツゴツした山が見える
山はゴツゴツしており、やはり山の国スイスを感じます(写真17)。

写真18. 住宅の姿は意外とそっけない
住宅の姿は意外とそっけないです(写真18)。

写真19. ザンクト・ガレン方面からの線路が合流
ザンクト・ガレン方面からの線路が合流します(写真19)。この経路でオーストリア方面とチューリッヒを結ぶ国際列車(例えばユーロナイト)も運転されます。

写真20. 車両もとまっている
運転の拠点となる場所なので、車両もとまっています(写真20)。

写真21. 駅構内で分岐
駅構内で分岐します(写真21)。こちらからもザンクト・ガレンに向かえます。つまり、クール方面とチューリッヒ方面の双方からザンクト・ガレン方面に進行方向を変えずに向かうことが可能です。

写真22. サルガンスに停車!
サルガンスに停車します(写真22)。

写真23. サルガンスを発車
サルガンスを発車しました(写真23)。ここからチューリッヒまで約55分間を無停車で走ります。

写真24. 高規格道路が見える
高規格道路が見えます(写真24)。

写真25. ヴァレン湖が見える
ヴァレン湖が見えます(写真25)。個人的な経験ですが、私の初スイスはブダペストから夜行列車で始まりました。スイスに入り、この風景を眺めて感動したのです。

写真26. 湖畔の夏を堪能する人々
その湖畔で夏を堪能する人々が見られます(写真26)。

写真27. 湖畔を走る
湖畔を走ります(写真27)。

写真28. 湖畔に船が停泊している
湖畔に船が停泊しています(写真28)。

写真29. 山間部の駅を通過!
山間部の駅を通過します(写真29)。

写真30. 川が見える
川が見えます(写真30)。

写真31. 畑が見える
畑が広がります(写真31)。

写真32. 建物が増えてきた
建物が増えてきました(写真32)。スイスで最も人口の多い都市、チューリッヒに近づきつつあることがわかります。

写真33. のどかな風景が広がる
のどかな風景が広がります(写真33)。

写真34. 動物の姿も見える
動物の姿も見えます(写真34)。

写真35. 建物が多い
再び建物が多い場所を走ります(写真35)。

写真36. チューリッヒ湖が見える
チューリッヒ湖が見えます(写真36)。細長いチューリッヒ湖の端部にチューリッヒ市街があり、このあたりはチューリッヒ市街からまだ遠いです。

写真37. 建物が多い
建物が多いです(写真37)。

写真38. チューリッヒ湖沿いに走る
チューリッヒ湖沿いに走ります(写真38)。

写真39. ちょっとした行楽地という雰囲気
ちょっとした行楽地という雰囲気です(写真39)。湖水浴という娯楽もあるでしょう。海水浴だと傷口に塩水がはいって痛いですが、湖水浴だとそのようなリスクもなく、ある意味合理的かもしれません。

写真40. 観覧車も見える
観覧車も見えます(写真40)。こんなところに観覧車があるのですか!

写真41. 対岸の建物が増えてきた
対岸の建物が増えてきました(写真41)。

写真42. 線路が増える
線路が増えます(写真42)。このあたりでイタリア方面から線路と合流します。

写真43. タールヴィルを通過!
タールヴィルを通過します(写真43)。

写真44. 建物が多い
チューリッヒ近郊とあり建物が多いです(写真44)。

写真45. 線路が増える
線路が増えます(写真45)。

写真46. 別の線路と合流
別の線路と合流します(写真46)。ジュネーブ方面の線路ですので、スイスの東西方向の最重要幹線軸と交差します。

写真47. 新しい建物が多い
新しい建物が多いです(写真47)。

写真48. 列車本数も多い
列車本数も多いです(写真48)。

写真49. チューリッヒ中央駅に停車!
チューリッヒ中央駅に停車します(写真49)。

写真50. チューリッヒ中央駅に到着!
チューリッヒ中央駅に到着しました(写真50)。

写真51. 機関車が先頭に連結されている
機関車が先頭に連結されています(写真51)。駅舎側以外にも出口がありますが、メインの駅舎に対し1両ぶんを歩くのはサービス面でやや疑問に感じます。ただし、これも近年進む電車化や主要駅の通過ターミナル化で解消されつつあるのでしょう。
クールからチューリッヒまでのICに乗ってみて

写真52. 湖とログハウスの組み合わせはまさにスイス!
今回、氷河急行とチューリッヒの連絡列車的な位置づけで、IC3系統に乗りました。多くの人にとっては、メインとなる観光地や観光列車と空港のあるチューリッヒの間を連絡する「つなぎ」としての意味が強い列車でしょう。
しかし、その車内は快適であり(食堂車も連結されているため、氷河急行に乗れなくとも車窓を眺めながらの食事も可能)、湖が広がる美しい風景も堪能できます。そのような意味で、単なる「つなぎ」の移動手段でなく、この列車そのものも素晴らしい観光と位置付けることも可能です。
話題性のない系統であっても見どころがあり、あなどれない。それがスイスの鉄道の魅力の1つと言って良いと感じました。
重要本記事で詳細に解説しておりますが、スイスの鉄道に関する内容を一通り、そして詳しく解説した書籍を出版いたしました。同人誌の流通ルートで販売していますが、いわゆる萌え絵は一切なく、一般的な同人誌に嫌悪感を示す人でも抵抗ない内容・体裁になっています。
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- 内容の詳細:スイス鉄道大全のご案内
ここまで詳細に解説しました。公式サイトから予約できると思いますが、日本語で予約できないことに不安を感じる人もいるかもしれません。下記のサイトであれば、日本語で予約できるので安心です。
Omio:ヨーロッパ鉄道旅行交通予約サイト
また、その予約にはクレジットカードが便利です。
個人的にはエポスカード海外旅行に使えるカード:エポスカードで詳細を紹介しています。
果たして前後はどこに行ったのでしょうか?
(←前)氷河急行の列車旅(予約方法と車窓を収録、ブリーク→クール)
クールからチューリッヒへの列車旅(IC):現在地
※この旅行の全体像は25年夏中欧・イタリア旅行のまとめをご覧ください。