中央線快速の混雑状況(平日朝ラッシュ時、中野→新宿、現場調査)

混雑する通勤電車の代名詞のような存在の中央線快速。実のところ、混雑状況はどうなのでしょうか。おおよそ90分新宿駅で実際の混雑状況を確認しました。意外な事実もわかりました。

中央線E233系(新宿)

写真1. 新宿に到着する電車

平日朝ラッシュ時の中央線快速の混雑状況まとめ

・混雑する時間帯は新宿基準だと7:50~8:49の1時間である
 ※この場合の混雑率は172%
・その中でも特に8:10~8:29の20分が最も混雑が激しく、次に7:50~8:09の20分、そして次に8:30~8:49である
・3号車~7号車が最も混んでいて、1号車と10号車の混雑はややマシである
・通勤特快の前後だと、通勤特快が混んでいて、そのぶん快速が空いている

詳しい内容は、以下に書いています。

混雑調査の概要

今回の混雑調査の方法を紹介しましょう。この記事では、定点観測を行い、一定時間の全列車を対象にして各車両の混雑を目視で確認しています。これはプロも行っている調査方法です。

簡単に調査方法を紹介しましょう。一部の個人サイトでは混雑状況を書いているところもありますが、調査方法や混雑指標の言及がないのでう~んと考えてしまうところがあります。そのようなことを踏まえて、弊ブログではきちんと方法を示します(さすがー)。

弊ブログでは混雑ポイントという概念を導入しております。その概要を示します(表1)。

表1. 混雑ポイントの概要

乗車ポイントの概要

せっかくなので、120ポイント~160ポイントの様子をご覧いただきましょう(写真2-4)。いずれも個人情報を守ることを目的に、画質を落としています。

混雑ポイント120ポイント相当

写真2. 混雑ポイント120ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント140ポイント相当

写真3. 混雑ポイント140ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント160ポイント相当

写真4. 混雑ポイント160ポイントの様子(写真3と異なり、ドア部分が圧迫されていることがわかります)

今回は中央線で最も混雑する区間である中野→新宿(正確には新宿到着時点)で混雑を確認しました。

中央線快速の朝ラッシュ時の混雑状況の分析

混雑状況の生データから細かく分析することにします。まずは生データを示し、そのデータから解析することにします。

中央線快速の混雑状況の生データ

生データを示します(表2)。世の中広しといえど、中央線快速の混雑を90分近く観察している人はそういないことでしょう。私は鉄道ファンですが、駅でそのようなことをしている人を見かけません。私は鉄道ファンの中でも外れに位置するのでしょうか。

表2. 中央線快速の朝ラッシュ時の混雑状況(中野→新宿、生データ)

中央線快速の朝ラッシュ時の混雑状況(中野→新宿、生データ)

この時間帯の混雑率は160%ですが、一般的には最混雑60分を抽出して解析します。いずれにしてもかなり厳しい混雑であることがわかります。

最混雑時間帯の推定

このデータは適当な90分を調査したものです。では、一番混んでいる60分はどこなのでしょうか。10分ごとに時間帯を区切り、各時間帯の混雑率を求めました(表3)。

表3. 中央線快速の朝ラッシュ時の混雑状況(中野→新宿、10分ごと算出)

中央線快速の朝ラッシュ時の混雑状況(中野→新宿、10分ごと算出)

今回は7:50-7:59のような10分として区切りました。この区分だと、最混雑60分は7:50~8:49となり、その時間帯の混雑率は172.0%となります。では、この区分で本当に良いのでしょうか。今度は7:45~8:44の60分で区切ると、混雑率は171.9%となります。ということは、最初の7:50~8:49の60分で区切ることはそれなりに妥当です。では、7:47~8:46だとどうか?などの細かな疑問もわいてきますが、ここではそのような疑問は都合よく忘れることにします。

では、10分ごとの区切りで混雑を分析するとどうなのでしょうか。

・7:40~7:49はそこまで混雑は激しくなく、140%にも達していない
・7:50~8:09は混雑が激しく、混雑率は180%近くに達していて、かなりの満員状態である
・8:10~8:29は混雑のピークともいえ、混雑率は180%以上になっていて、超満員状態である
・8:30~8:39はピークを外れていて、混雑率は165%程度と混雑は厳しいものの、まだマシである
・8:40以降はラッシュも終わりかけていて、混雑率は140%程度である

公式の混雑率の対象時間帯は60分ですが、その中でも8:10~8:29の20分が最ピークであることがわかります。次に混雑が激しいのが7:50~8:09と8:30~8:39です。つまり、少しでも混雑を避けるのであれば、ピークよりも後の時間帯が良いということです。ただし、勤務先の都合で後にずらせない人もいるでしょう。そうであれば、前の時間帯にシフトするしかありません。

最も混んでいる電車は8:22発の快速です。ちょうど8:10~8:29の真ん中付近の時間帯ですね。

混雑する車両の推定

では、どの車両が一番混んでいるのでしょうか。先ほどの混雑ピークの60分(新宿基準で7:50~8:49)に絞って各車両の混雑率を算出しました(表4)。

表4. 中央線快速の朝ラッシュ時の混雑状況(中野→新宿、車両ごと算出)

中央線快速の朝ラッシュ時の混雑状況(中野→新宿、車両ごと算出)

先頭車の1号車が最も空いています。これは女性専用であるために利用者が限られているという面がありましょう。また、新宿での利用ではそこまで便利ではないという部分もあります。次に空いているのは10号車です。端部の車両は駅の階段から遠いことが多いので、どうしても空く傾向にあります。混雑を避けたければ1号車(ただし女性にしか不可能)か10号車を選ぶと良いです。

逆に、3号車~7号車が混んでいます。特に5号車と6号車が混んでいます。みごとに中央の車両が混んでいます。

快速と通勤特快の違い

朝ラッシュ時の中央線は快速電車と通勤特快が運転されています。インターネットを見ると、「混む通勤特快を避けて、快速に乗りましょう」と書かれていることもありますが、そのような記述は安易です(か全てをわかってそこまで詳しく書いていない場合もありますが)。そもそも通勤特快はラッシュ時のピーク時に運転されていません。だから、通勤特快に乗れる時点でラッシュ時のピークに乗っていないことを示します。

快速と通勤特快を比べる場合は、同じ時間帯で比べるのがフェアというものです。通勤特快の前後の快速は比較的空いています。これは、目的の時間帯に通勤特快があった場合、積極的に通勤特快を選ぶ傾向があるということです。例えば、新宿に8:43に発車する通勤特快の立川発車は8:08ですが、2分早い8:41に着くことを考えると立川を10分早く出なくてはなりません。このため、通勤特快を選ぶ傾向にあります。このため、インターネットの「混む通勤特快を避けて、快速に乗りましょう」という記述は正しくは、「通勤特快が運転される時間帯(=ラッシュ時のピークをやや外した時間帯)に中央線に乗る場合、混む通勤特快を避けて、快速に乗りましょう」と書くべきです。ラッシュ時のピークを外して通勤特快に乗ることそのものは混雑を避けるための行動として考慮されるべき行為なのですから。

混雑状況からダイヤを考える

中央線は混雑しますが、拡幅車両の導入により、その混雑は緩和されつつあります。それでもなおのこと混雑緩和が必要な状況であることは変わりません。それには増発が重要な施策です。ただし、増発するには各駅の停車時間が問題になります(新宿は交互に発着するので、新宿では問題ない、写真5)。例えば、私が乗っていた電車は四ツ谷手前の信濃町通過時点で減速しました。これを改善するには、信号システムの改良でなるべく電車どうしの間隔を縮める工夫が必要です。こうすれば、1時間に28本の運転を30本まで増やすことは何とか可能でしょう。そうすれば、現在の実測172%(公式値182%)が161%(公式170%)まで緩和します。

中央線E233系(新宿7番線)

写真5. 朝の新宿では7番線も使う

もう1つの施策がグリーン車増結です。グリーン車増結による輸送力増強によって、他の車両の混雑が緩和するのです。現在の毎時28本運転を維持できるのであれば、グリーン車に移行したぶんだけ普通車の混雑は緩和します。普通車の定員が140人/両(10両編成で1400人)としますと、現在の混雑率172%は2408人ということです。グリーン車の定員が2両で180人とすると、普通車に残るのは2408人-180人=2228人です。2228人÷1400人(定員)=159%となります。公式発表の182%で同様の計算をすると、169%となります。いずれにしても毎時2本ぶんの増発に相当します。

通勤特快をラッシュ時のピークに運転するという要望もそれなりにあることでしょう。しかし、それは大幅な輸送力増強がかなわない以上、なかなか難しいです。通勤特快があるがゆえにピーク時を避けて利用する人がいる以上、ピーク時に運転するとその人たちがピーク時に利用してしまうことや、前後の快速が空いて通勤特快が混むという問題があることがその理由です。

通勤ラッシュの緩和には特効薬はありません。それでもJR側では限界近くまで本数を確保したり、ピーク前後にも同等の本数を確保したり速達列車を運転したりして、「ピーク時はつらいが、ピーク前後は比較的ラク」な車内環境を提供するなどの努力は見られます。それでも、少しでも混雑を緩和する方策を積極的にとってもらいたいものです。

中央線の混雑データ

ここまで現場での調査結果を細かく紹介しましたが、客観的なデータをコンパクトにまとめたものはないでしょうか。

中央線(混雑基本データ)
このページでは公式のデータから最混雑区間などの基本的な情報をまとめています。このほかに、他の時間帯の調査結果へのリンクも完備しています。

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