東京でも短いほうの路線の五日市線。その混雑に関する基本データをまとめました。
写真1. 拝島に停車中の五日市線電車
五日市線の基本情報
五日市線は拝島-武蔵五日市の全長11.1kmの路線です。昭島市とあきる野市だけを通っているイメージがありますが、1つ目の駅の熊川は福生市に位置します。あまりメジャーな路線ではありませんが、沿線外の人にとってはサマーランドや秋川渓谷へのアクセスに使われるのでしょうか。
路線の起点は拝島ですが、朝夕には立川直通電車が設定されています。昔は平日にも中央線直通電車が走っていましたが、現在は休日のホリデー快速あきがわ号のみです。
五日市線の混雑データ
五日市線の混雑データを示します(表1)。
表1. 五日市線の混雑データ
最混雑区間 | 東秋留→拝島 | |
---|---|---|
混雑率 | 2023年 | 97% |
2022年 | 93% | |
2021年 | 76% | |
2020年 | 76% | |
2019年 | 128% | |
2018年 | 131% | |
2017年 | 137% | |
2016年 | 139% | |
最混雑時間帯 | 7:12~8:12 | |
集中率 | 39.1% | |
流動最大区間 | 拝島-熊川 | |
乗客半減区間 | 秋川-武蔵引田 |
・流動最大区間:当該の路線で最も輸送人員の多い区間(弊サイト独自指標)
・乗客半減区間:流動最大区間の輸送力が半分以下になる、最大流動区間に最も近い駅間を指す(弊サイト独自指標)
※集中率、流動最大区間、乗客半減区間は都市・地域交通年報(平成30年度版)を参考に独自で計算
混雑率の出典は国土交通省発表の資料(2023年、2022年、2021年、2020年、2019年、2018年、2017年)、2016年は都市・地域交通年報(平成30年度版)
五日市線も混雑率が公開されています。ただし、なぜか東秋留→拝島とされていて、熊川→拝島ではありません。輸送力が6両×6本と明言されていますので、この時間帯は全て6両編成であることが読み取れます(2022年ダイヤ改正で5本に減便されましたが)。
混雑率は2019年まで130%を超えていましたが、2020年以降は80%を割っています。とはいえ、都心から離れた拝島でこの程度の混雑は決して空いているほうではありません。
秋川での乗り降りが多く、秋川以西では乗客が半減しています。
集中率とはラッシュに集中する割合です。極端な話、集中率が100%であれば、ラッシュ以外に全く使われないということです。20%以下が集中率が低め(朝も日中もまんべんなく利用されている)、30%以上が集中率が高め(ラッシュ以外は空いている)と判断できます。
五日市線の集中率は30.3%と30%を超えており、ラッシュ時に利用が集中することがわかります。郊外路線ということもあり、日中時間帯は自動車がもっぱら使われることが読み取れます。
東京都の各路線の混雑状況のまとめ
五日市線以外の路線の混雑状況はどうでしょうか。路線ごとに最混雑区間と混雑率をまとめました。また、各路線についての混雑基本データへのまとめへのリンクも整備しています。
都市鉄道に関する統計データは以下の書籍を参考にしています。本記事の内容を深く知りたい人はぜひ購入してみてください。(2022年時点で平成30年度版が最新です)