多摩ニュータウンの足の1つとして活躍する小田急多摩線。そこまで混んでいるイメージはありませんが、実際の混雑はどうでしょうか。小田急多摩線の混雑データをまとめました。
写真1. 小田急多摩センターに入線する上り電車
小田急多摩線の基本情報
小田急多摩線は新百合ヶ丘と唐木田を結ぶ路線です。主要な役割は多摩ニュータウンへの足です。新百合ヶ丘は川崎市に位置しますが、新百合ヶ丘から小田原線を通じて新宿方面に向かうことができます。つまり、新宿方面と多摩ニュータウンを結ぶ役割も担っています。
小田急多摩線は新百合ヶ丘-はるひ野は神奈川県川崎市、小田急永山-唐木田は東京都多摩市を通ります。余談ですが、多摩ニュータウンに初めて乗り入れた鉄道路線は、(ニュータウンの足としてメジャーな)京王相模原線ではなく、小田急多摩線です。
小田急多摩線の混雑データ
小田急多摩線の混雑データを示します(表1)。
表1. 小田急多摩線の混雑データ
最混雑区間 | 五月台→新百合ヶ丘 | |
---|---|---|
混雑率 | 2023年 | 71% |
2022年 | 67% | |
2021年 | 63% | |
2020年 | 60% | |
2019年 | 73% | |
2018年 | 72% | |
2017年 | 68% | |
2016年 | 85% | |
最混雑時間帯 | 2023年 | 7:20~8:20 |
2022年 | 7:20~8:20 | |
2021年 | 7:20~8:20 | |
2020年 | 7:38~8:38 | |
2019年 | 7:26~8:26 | |
2018年 | 7:26~8:26 | |
2017年 | 7:26~8:26 | |
2016年 | 7:21~8:19 | |
集中率 | 19.4% | |
流動最大区間 | 新百合ヶ丘-五月台 | |
乗客半減区間 | 小田急多摩センター-唐木田 |
・流動最大区間:当該の路線で最も輸送人員の多い区間(弊サイト独自指標)
・乗客半減区間:流動最大区間の輸送力が半分以下になる、最大流動区間に最も近い駅間を指す(弊サイト独自指標)
※集中率、流動最大区間、乗客半減区間は都市・地域交通年報(平成30年度版)を参考に独自で計算
混雑率の出典は国土交通省発表の資料(2023年、2022年、2021年、2020年、2019年、2018年、2017年)、2016年は都市・地域交通年報(平成30年度版)
混雑率は2019年まで70%程度、2020年以降は60%程度と比較的空いています。2017年より2018年が増加しているのは、2018年3月のダイヤ改正で、朝ラッシュ時の新宿直通の速達列車が10分間隔に増発された(2017年ダイヤでは千代田線直通の速達列車が30~50分間隔だった)効果とも評価できそうです。
多摩ニュータウンやその近くの住宅街から1駅1駅乗客を拾い、新百合ヶ丘直前の1駅が最も混みます。これは朝ラッシュ時も日中時間帯も傾向は変わりません。その乗客が半減するのは小田急多摩センター以遠です。いいかたを変えると、小田急多摩センターまではそれなりに乗っているということです。現在、小田急多摩センターでの折り返しはありません(一部は唐木田から小田急多摩センターまで回送し、小田急多摩センターから営業運転となる電車はある)が、小田急多摩センターと唐木田は1駅であるから、わざわざ途中で折り返すよりも1駅ならば営業運転しようということでしょう。
東京都の各路線の混雑状況のまとめ
小田急多摩線以外の路線の混雑状況はどうでしょうか。路線ごとに最混雑区間と混雑率をまとめました。また、各路線についての混雑基本データへのまとめへのリンクも整備しています。
都市鉄道に関する統計データは以下の書籍を参考にしています。本記事の内容を深く知りたい人はぜひ購入してみてください。(2022年時点で平成30年度版が最新です)