このページでは日暮里舎人ライナーの混雑状況について基本的なデータをまとめています。
写真1. 西日暮里付近を走行!
日暮里舎人ライナーの基本情報
日暮里舎人ライナーは日暮里(荒川区)と見沼代親水公園(足立区)を結ぶ路線です。舎人は「とねり」と読み、終点に近い場所の地名です。日暮里舎人ライナーの沿線はいわゆる鉄道不毛地帯を埋めるべく建設されました。日暮里舎人ライナーが完成する前はバスが公共交通機関を担っていました。今でも日暮里舎人ライナーと並行するようにして都バスの48系統が伸びています。荒川区と足立区だけを通る路線というイメージがありますが、実は北区も通っています(駅はありません)。
足立区の人は日常では北千住に出る傾向があります。それでも起点を日暮里に選定したのは、都心への利用を考えたためでしょう。舎人地区から都心に出る際に北千住を通っていては、実際の距離以上に迂回させられるのです。また、北千住近くには広い道路がなく、新しい軌道系交通機関を建設する空間がなかったこともありましょう。
日暮里舎人ライナーの混雑基本データ
では、混雑状況データを簡単にまとめます(表1)。
表1. 日暮里舎人ライナーの混雑基本データ
最混雑区間 | 赤土小学校前→西日暮里 | |
---|---|---|
混雑率 | 2023年 | 171% |
2022年 | 155% | |
2021年 | 144% | |
2020年 | 140% | |
2019年 | 189% | |
2018年 | 189% | |
2017年 | 187% | |
2016年 | 188% | |
最混雑時間帯 | 7:20~8:20 | |
集中率 | 34.3% | |
流動最大区間 | 西日暮里-赤土小学校前 | |
乗客半減区間 | 西新井大師西-谷在家 |
・流動最大区間:当該の路線で最も輸送人員の多い区間(弊サイト独自指標)
・乗客半減区間:流動最大区間の輸送力が半分以下になる、最大流動区間に最も近い駅間を指す(弊サイト独自指標)
※集中率、流動最大区間、乗客半減区間は都市・地域交通年報(平成30年度版)を参考に独自で計算
混雑率の出典は国土交通省発表の資料(2023年、2022年、2021年、2020年、2019年、2018年、2017年)、2016年は都市・地域交通年報(平成30年度版)
混雑率は190%近く(2019年以前、2020年以降も140%以上)ととても混雑している路線です。「近年開業した路線だし、マイナーな場所しか通らないから大丈夫だろう」と予想していると落とし穴にはまります。これは沿線が住宅街であり、ラッシュ時に利用されることと、新交通システムであるがゆえにそこまで輸送力が大きくないことが原因です。今思えば、普通鉄道として建設しても良かったのですが、いまさらでしょう。朝ラッシュ時の3分間隔化や都電荒川線による迂回(ただしこれには都電のスピードアップが不可欠)などの対策が必要です。
最混雑区間は赤土小学校前→西日暮里です。赤土小学校前までは住宅街であり、(朝ラッシュ時でいうと)各駅で乗客が乗りこみます。西日暮里で千代田線や山手線池袋方面への乗りかえがあるので、この区間が最混雑区間となります。
集中率とはラッシュに集中する割合です。極端な話、集中率が100%であれば、ラッシュ以外に全く使われないということです。20%以下が集中率が低め(朝も日中もまんべんなく利用されている)、30%以上が集中率が高め(ラッシュ以外は空いている)と判断できます。集中率は30%以上です。これは沿線は足立区であり、日中利用客は荒川区の日暮里よりも同じ足立区の北千住に向かうということでしょうか。
乗客半減区間は西新井大師西-谷在家で、意外と半減する区間は奥のほうです。それだけ乗車距離がある程度長いのです。
東京都の各路線の混雑状況のまとめ
日暮里舎人ライナー以外の路線の混雑状況はどうでしょうか。路線ごとに最混雑区間と混雑率をまとめました。また、各路線についての混雑基本データへのまとめへのリンクも整備しています。
簡易検索システム
都内から都心の勤務地に勤務する場合の経路と最混雑区間を簡単に判定するシステムを作成しました。
※日暮里舎人ライナー沿線の人は「足立区」とご選択いただくと、スムーズに検索できます。
都市鉄道に関する統計データは以下の書籍を参考にしています。本記事の内容を深く知りたい人はぜひ購入してみてください。(2022年時点で平成30年度版が最新です)