東京都の電車の混雑データまとめ(最新版:網羅篇)

記事上部注釈
弊サイトでは実際に利用したサービスなどをアフィリエイトリンク付きで紹介することがあります

東京都には多くの路線があります。それぞれの路線の混雑率はどの程度なのでしょうか。最新の混雑データを路線ごとにわかりやすく示します。各路線の基本データへのリンクも完備しています。各路線の基本データからは、私が実際に行った混雑調査の結果へのリンクもあります。最後に「本当に混んでいる路線」を5つまとめました。

中央線快速E233系(新宿)

写真1. 混雑の代名詞、JR中央線快速

各路線の混雑データまとめ

実際に表を示します。データは2021年度のものです(公式機関が2021年の秋に調査したもの)。参考までに2019年度の混雑率も示しました。なお、年度の混雑調査結果は次年度の夏~秋に国土交通省から公表されます。

表1. 各路線の混雑率

路線をクリックすると、路線ごとのまとめページ(と実際の混雑調査結果へのリンク)に移動できます

会社路線名最混雑区間混雑率(22年)混雑率(19年)
JR山手線(外回り)上野→御徒町115%149%
山手線(内回り)新大久保→新宿126%156%
京浜東北線(北側)川口→赤羽142%173%
京浜東北線(南側)大井町→品川135%185%
中央線(快速)中野→新宿139%184%
中央線(各駅停車)代々木→千駄ヶ谷81%99%
総武線(快速)新小岩→錦糸町131%181%
総武線(各駅停車)錦糸町→両国127%194%
常磐線(快速)三河島→日暮里128%150%
常磐線(各駅停車)亀有→綾瀬106%149%
東海道線川崎→品川134%193%
横須賀線武蔵小杉→西大井124%195%
宇都宮線土呂→大宮108%137%
埼京線板橋→池袋149%185%
京葉線葛西臨海公園→新木場102%162%
南武線武蔵中原→武蔵小杉130%182%
横浜線小机→新横浜125%163%
武蔵野線東浦和→南浦和148%166%
青梅線西立川→立川83%125%
五日市線東秋留→拝島93%128%
東京メトロ銀座線赤坂見附→溜池山王94%160%
丸ノ内線(池袋側)新大塚→茗荷谷128%159%
丸ノ内線(荻窪側)四ツ谷→赤坂見附112%158%
日比谷線三ノ輪→入谷135%158%
東西線(西船橋側)木場→門前仲町138%199%
東西線(中野側)高田馬場→早稲田98%130%
千代田線町屋→西日暮里139%179%
有楽町線東池袋→護国寺131%165%
半蔵門線渋谷→表参道97%165%
南北線駒込→本駒込140%159%
副都心線要町→池袋132%155%
都営地下鉄都営浅草線本所吾妻橋→浅草105%131%
都営三田線西巣鴨→巣鴨135%161%
都営新宿線西大島→住吉130%159%
都営大江戸線中井→東中野135%161%
京急京急本線戸部→横浜110%143%
東急東急東横線祐天寺→中目黒118%172%
東急目黒線不動前→目黒120%178%
東急田園都市線池尻大橋→渋谷125%183%
東急大井町線九品仏→自由が丘111%156%
東急池上線大崎広小路→五反田107%135%
東急多摩川線矢口渡→蒲田90%139%
小田急小田急小田原線世田谷代田→下北沢128%158%
小田急多摩線五月台→新百合ヶ丘67%73%
京王京王電鉄京王線下高井戸→明大前129%167%
京王井の頭線池ノ上→駒場東大前111%157%
京王相模原線京王多摩川→調布88%126%
西武西武新宿線下落合→高田馬場123%158%
西武池袋線椎名町→池袋116%164%
西武有楽町線新桜台→小竹向原86%113%
東武東武東上線北池袋→池袋106%135%
東武伊勢崎線小菅→北千住127%150%
京成京成本線大神宮下→京成船橋93%127%
京成押上線京成曳舟→押上128%148%
北総鉄道新柴又→京成高砂76%87%
つくばエクスプレス青井→北千住138%171%
ゆりかもめ汐留→竹芝71%103%
りんかい線大井町→品川シーサイド89%130%
東京モノレール浜松町→天王洲アイル77%91%
日暮里舎人ライナー赤土小学校前→西日暮里155%189%
多摩都市モノレール柴崎体育館→立川南100%96%

湘南新宿ラインの混雑率のデータはありませんが、これは湘南新宿ラインがいわば「路線」ではなく、「系統」であるためです。例えば、横須賀線から新宿に向かう列車は輸送力としてカウントされていません。私の計算と実感では、横須賀線の本数に湘南新宿ラインを足した本数ぶんを輸送力としてカウントすると、実際に品川で観察した混雑に近づきます。

このように、鉄道会社ごとに定員の定義が異なりますが、横並びに比べるには良いデータでしょう。これだけでは情報量が少ないと感じたのであれば、知りたい路線の路線名をクリックしてください。すると、各路線の基本データが確認できます。さらに、基本データのページからは実際の混雑調査の結果を確認できます。例えば、常磐線の欄をクリックすると、常磐線の混雑データを確認できます。そこから、常磐線の混雑調査結果(1例として朝ラッシュ時の日暮里到着時のもの)へのリンクがあります。

このように、本ページは東京23区を通る路線の混雑情報に関する弊サイトの知見の総まとめとして繰り返し使ってください

混雑の激しい路線5つ

では、本当に混雑の激しい路線を5つ選定してみましょう(2019年の状況で分析)。よくあるインターネット上の記事のように、公式データを単に並び替えただけの内容ではありません。公式の混雑率と実際の混雑率に大きな開きがある路線については、除外しているためです。

1位:地下鉄東西線

地下鉄東西線は千葉県の西船橋から日本橋や大手町などの都心部を通り、中野まで結ぶ路線です。東西線の東側は住宅地であり、並行する路線も多くありません。そのため、東西線に乗客が集中します。その影響もあり、東西線は断トツの1位を誇る混雑です。混雑率は199%もあり、もう少しで200%という混雑です。

最混雑区間は木場→門前仲町です。木場までは多くの乗客が乗りこみますが、門前仲町で大江戸線に乗りかえる人がいるので、若干空くのです。

北側に都営新宿線、南側にJR京葉線が通っていますが、都営新宿線は10両編成化が進み、キャパシティに余裕があります。巨視的には都営新宿線へのシフトが重要です。

2位:日暮里舎人ライナー

足立区の住宅街と日暮里を結ぶ路線です。従来の都営バスの里48系統と同じような経路を通っています。もともと里48系統は道路渋滞のために所要時間がかかり過ぎていました。この解消のために新交通システムとして建設されました。通常の鉄道よりも輸送力が小さいために、混雑率が189%もあります。

最混雑区間は赤土小学校前→西日暮里です。西日暮里での乗りかえはやや不便ですが、千代田線や山手線池袋方面への乗りかえはここで行ったほうが便利なためです。

3位:京浜東北線

最混雑区間は大井町→品川です。大田区や川崎市は人口が多く、そこから都心に通う人も多いです。また、並行する京急が都心へのアクセスがやや不便なために、どうしても京浜東北線に集中します。

混雑率は185%です。並行する東海道線のほうが混雑はゆるい(公式の191%は信じないでください)ので、川崎で方向別ホームにして、鶴見などの駅から新橋・東京方面に向かう人の一部を東海道線に誘導することも1つの手です。

4位:東急田園都市線

混雑の代名詞ともいえる存在です。以前はもう少し混んでいましたが、やや空きました。現在の混雑率は183%です。これは、大井町線の輸送改善で、一部の乗客が大井町線にシフトしたためです。大井町線にシフトしても、乗りかえる先の路線の東横線、目黒線、京浜東北線いずれも混雑しているので、そのような意味で苦しい部分があります。

最混雑区間は池尻大橋→渋谷です。大井町線の他にバイパス線がないので、渋谷手前が最混雑区間となっています。都心に向かうバイパス線があれば、もう少し混雑は緩和します。私の妄想レベルですが、日比谷線を中目黒-三軒茶屋と延長して、日比谷エリアへの通勤客をシフトさせることも重要でしょう。

5位:総武線各駅停車

公式には194%の混雑率となっています。ただし、私が実際に観察したところ、そこまで混んではなく、せいぜい180%程度の混雑でした。そのため、2位ではなく、5位としました。

総武線各駅停車は錦糸町→両国が最混雑区間です。これは、千葉方面から錦糸町まで快速電車に乗っていた人が、新宿方面に向かうために各駅停車に乗るためです。両国周辺はオフィス街です。そのため、両国で若干降ります。そのため、両国手前が最混雑区間となるのです。

公式の混雑率と実際の混雑率が15%程度異なるのは、定期券が特殊なためでしょう。東京-錦糸町の定期券を秋葉原経由で購入しても、馬喰町(快速のみ通る)経由に乗ることができます(新日本橋と馬喰町では降りられません)。そうであれば、秋葉原経由の定期券を購入して、通常の通勤利用では馬喰町経由で移動する人もいることでしょう。そのような定期券上の経路と実際の経路で異なるので、公式では多くカウントされたのでしょう。

混雑していると誤解される路線

ここまで本当に混んでいる路線を紹介しました。逆に、「公式」では混んでいるとされている路線であっても、実際はそこまで混んでいない路線を3つ紹介します。

東海道線

東海道線の最混雑区間は川崎→品川で、その混雑率は193%とされています。しかし、実際にはそこまで混んでいません。最も混雑する60分間であっても、混雑率120%程度の車両もあるくらいです。

では、どうしてこのような差があるのでしょうか。主な要因は以下の3つです。

・湘南新宿ラインに人は乗っているが、統計上は乗っていないことにされている
・グリーン車に人は乗っているが、統計上は乗っていないことにされている
・湘南ライナー(おはようライナー新宿含む)に人は乗っているが、統計上は乗っていないことにされている

湘南新宿ラインは、運賃計算上は存在しません。そのため、東海道線や横須賀線に乗っていることにされています。しかし、実際には湘南新宿ラインには多くの人が乗っていて、そのぶん東海道線の混雑は緩和されています。グリーン車はライナー列車についても同じです。これらの車両は輸送力には含まれていないのです。

横須賀線

横須賀線の最混雑区間は武蔵小杉→西大井で、その混雑率は195%とされています。しかし、実際にはそこまで混んでいません。最も混雑する60分間であっても、混雑率120%程度の車両もあるくらいです。これも東海道線と事情は同じです。湘南新宿ラインやグリーン車の乗客がいないことにされています。

埼京線

埼京線の最混雑区間は板橋→池袋で、その混雑率は185%とされています。しかし、ラッシュピーク時に池袋→新宿の実際の混雑を確認したところ、そこまでではありません。大宮方面から新宿方面に向かう列車として湘南新宿ラインがありますが、統計上は湘南新宿ラインには人が乗っていないとみなされているためです。実際には湘南新宿ラインには乗客が乗っていますので、そのぶん埼京線の混雑は緩和されています。特に、新宿行きの先頭付近はかなり空いています。