朝ラッシュ時の京浜東北線の混雑状況(神田→東京)




東京で有名な鉄道路線である山手線と併走するように走る京浜東北線。その京浜東北線は埼玉県や神奈川県から都心への通勤客を運ぶ役割も担っています。では、その京浜東北線の混雑はどの程度でしょうか。最も大きい目的地の東京駅到着時の混雑を実際に確認しました。

京浜東北線E233系(神田)

写真1. 神田を発車する京浜東北線


京浜東北線(神田→東京)の平日朝ラッシュ時の混雑状況

以下、長い文章を読みたくない人のために、簡単に結論をまとめます。

・混雑率は140%程度で座席前の吊革が埋まり、ドア部分の密度も高い
・進行方向後ろ寄りの車両(7~10号車)が混雑しており、10号車が最も混雑している
・神田発車時点(=東京到着時点)で8:10~8:30が最も混雑している

混雑調査の概要

簡単に調査方法を紹介しましょう。一部の個人サイトでは混雑状況を書いているところもありますが、調査方法や混雑指標の言及がないのでう~んと考えてしまうところがあります。そのようなことを踏まえて、弊ブログではきちんと方法を示します(さすがー)。

弊ブログでは混雑ポイントという概念を導入しております。その概要を示します(表1)。

表1. 混雑ポイントの概要

乗車ポイントの概要

せっかくなので、120ポイント~160ポイントの様子をご覧いただきましょう(写真2-4)。いずれも個人情報を守ることを目的に、画質を落としています。

混雑ポイント120ポイント相当

写真2. 混雑ポイント120ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント140ポイント相当

写真3. 混雑ポイント140ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント160ポイント相当

写真4. 混雑ポイント160ポイントの様子(写真3と異なり、ドア部分が圧迫されていることがわかります)

京浜東北線の混雑調査結果とその分析

生データを示してから、その分析を行います。

混雑の生データ

生データを示します(表2)。

表2. 京浜東北線の混雑状況(朝ラッシュ時、神田→東京、生データ)

京浜東北線の混雑状況(朝ラッシュ時、神田→東京、生データ)

各列車の混雑率(混雑ポイントではない!)と各車両の混雑率(これも混雑ポイントではない!)も計算しています。このような生データではわかりにくいでしょうから、次の章で簡単なデータ解析も行います。

混雑状況の解析

では、混雑状況を解析しましょう。最初に気になるのは、最も混雑している時間帯です。ここでは、神田発車時刻で10分ごとに混雑率を集計しています。混雑率だけではわかりにくいでしょうから、混雑ポイントや混雑状況も簡単に記します(表3)。

表3. 時間帯ごとの混雑状況(10分ごとに層別)

京浜東北線の混雑状況(朝ラッシュ時、神田→東京、時間ごと層別)

これを見ると、8:10-8:20の10分間が最も混雑しています。今回の調査ではなぜか8:22発が空いていました。これは何かがあった(直前に山手線が来たような気がします)とすると、いつももう少し混んでいると推定できます。これも含めて考えると、8:20~8:30も147.6%(8:22発を除いた3本の平均混雑率)となり、8:10~8:20ほどではないけれど混んでいることがわかります。つまり、神田発車(=東京到着)8:10~8:30が京浜東北線の混雑のピークと推定できます。

次に、車両ごとの混雑状況を見てみましょう(表4)。

表4. 車両ごとの混雑状況(調査時間帯全ての平均)

京浜東北線の混雑状況(朝ラッシュ時、神田→東京、車両ごと層別)

7号車から10号車が最も混雑しています。10号車が最も混んでいるのは、山手線と最後尾が1両ずれているためです。は?何言ってんの?という読者さまの心の声が聞こえました。やさしー私が簡単に解説しましょう。

上野構内図

図1. 上野の構内図(JR東日本公式サイトから引用)

1つの例として、上野で説明します。上野で最も乗りかえ客が多く通る階段は北側の通路(進行方向後ろ側)からの階段でしょう(図1で矢印で示した階段)。この階段から山手線に乗ろうとすると、目の前に11号車が現れます。そして、少し進むと10号車があります。しかし、京浜東北線は目の前には車両はなく(図1で赤く示した部分)、1両ぶん進んでようやく10号車が出現します。このため、この階段から出てきた人は自動的に10号車に集中します。

1号車揃えと11号車揃えの解説

図2. 1号車揃えと11号車揃えの概念図

では、なぜこのような現象が生じたのでしょう?概念を示しました(図2)が、以下で補足説明します。答えはホームドアと運転席が広すぎる車両です。山手線と京浜東北線にホームドアが導入されています。また、京浜東北線の車両は運転席が広いため、先頭車両のドアは特殊な位置にあります。山手線と京浜東北線は線路を共有することもあるので、ドアの位置を合わせる必要があります。山手線の車両は京浜東北線の車両とドア位置を合わせるために、10号車のドア配置が特殊になっています。一方、2号車のドア位置を合わせることはしていません。したがって、山手線の1号車の位置と京浜東北線の1号車の位置を揃えます。もしも、京浜東北線の車両の運転席がそこまで広くなければ、このような苦労をしなくて済みました。

つまり、京浜東北線の先頭車両のドア位置が特殊なために混雑が均等化していないという指摘ができます。上野のように10号車よりが混雑するとわかっていれば、そのような駅は1号車の位置を揃えるのではなく、山手線の11号車と京浜東北線の10号車の位置を揃えることができました。つまり、(全ての原因ではありませんが)10号車の乗客集中はJR自身による車両設計のミステイクという要因があるのです。

山手線と京浜東北線のどちらが混んでいるの?

では、山手線と京浜東北線のどちらが混んでいるのでしょうか。10分ごとにどちらが混んでいるかを比べました(表5)。なお、調査日は同日であり、曜日や季節による違いは全くありません。また、調査時間帯も同じです。つまり、公平な条件での比較です。

表5. 京浜東北線と山手線の混雑状況(朝ラッシュ時、神田→東京、時間ごと層別)

京浜東北線と山手線の混雑状況(朝ラッシュ時、神田→東京、時間ごと層別)

山手線のほうが混んでいる時間帯が多いです。そうはいっても京浜東北線のほうが混んでいる時間帯もあり、どちらもどっちというのが正直なところです。逆に言うと、山手線と京浜東北線でうまく乗客が分散しているということです。

理想のダイヤを考える

実は最混雑区間はこの区間ではなく、上野→御徒町です。常磐線、宇都宮線、高崎線からの乗客が上野で乗りかえて、そのうちの乗客のごく少数が御徒町で降りるためです(極端な話、1人でも降りれば空くため最混雑区間にはなりません)。また、神田で降りる人も多く見かけました(そうはいっても秋葉原や東京より少ないです)。ということは、最混雑区間ではもっと混んでいるということです。

現在は2分30秒間隔で運転されており、駅手前の一時停止というリスクを考えると、これ以上の運転間隔短縮は得策ではありません。並行する山手線や上野東京ラインへの乗客シフトが重要です。特に上野東京ラインは宇都宮・高崎線ともに12分間隔でしかなく、本来であればこの両線を選ぶべき人まで京浜東北線を利用している可能性があります。そのようなことを考えると、宇都宮・高崎線の東京直通を増やすことが重要です。

JR東日本の自腹で建設した上野東京ラインのおかげで京浜東北線の混雑が緩和したことは事実ですし、(不動産開発が目的とはいえ)このような路線を建設したJR東日本の姿勢は賞賛に値します。その努力をもう少し活用して、さらにラッシュ時の混雑を緩和してもらいたいものです。



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