京葉線の混雑状況(コロナ影響下、朝ラッシュ、現場調査、葛西臨海公園→新木場)

東京都内で一番新しい鉄道路線の京葉線。そこまで混雑していないイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。新型肺炎ウィルスの脅威が語られ、新しい生活様式が根付いた日に現場の状況を確認しました。

E233系(新木場)

写真1. 主力は京葉線の各駅停車

京葉線(武蔵野線)の朝ラッシュ時の混雑状況まとめ

京葉線(武蔵野線)の朝ラッシュ時の混雑状況のまとめは以下の通りです。詳細は以下の章で記します。

・最混雑時間帯は7:35~8:34の60分とみられ、その混雑率は103%程度である。

・武蔵野線からの各駅停車が最も混雑が激しく、通勤快速は最も空いている。京葉線の各駅停車はその中間である。

・最も混んでいるのは4号車、次に7号車が混んでいて、最後尾車両は最も空いている
 ※4号車と5号車の混雑差が印象に残っています。

混雑調査の概要

今回の混雑調査の方法を紹介しましょう。この記事では、定点観測を行い、一定時間の全列車を対象にして各車両の混雑を目視で確認しています。これはプロも行っている調査方法です。

簡単に調査方法を紹介しましょう。一部の個人サイトでは混雑状況を書いているところもありますが、調査方法や混雑指標の言及がないのでう~んと考えてしまうところがあります。そのようなことを踏まえて、弊ブログではきちんと方法を示します(さすがー)。

弊ブログでは混雑ポイントという概念を導入しております。その概要を示します(表1)。

表1. 混雑ポイントの概要

乗車ポイントの概要

せっかくなので、120ポイント~160ポイントの様子をご覧いただきましょう(写真2-4)。いずれも個人情報を守ることを目的に、画質を落としています。

混雑ポイント120ポイント相当

写真2. 混雑ポイント120ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント140ポイント相当

写真3. 混雑ポイント140ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント160ポイント相当

写真4. 混雑ポイント160ポイントの様子(写真3と異なり、ドア部分が圧迫されていることがわかります)

今回は最混雑区間である葛西臨海公園→新木場の状況を確認しました。新木場でりんかい線と有楽町線の乗りかえ客が多いので、この区間が最も混んでいるのです。

また、データ処理の際は、弊サイトの指標である混雑ポイントから一般的な混雑率に変換して計算しています。

京葉線の混雑状況の生データ

E233系(新木場)

写真5. 通勤快速が逆光の中やってきた

まず、対象時間帯の全列車の各車両の混雑状況の生データを示します(表2)。

表2. 京葉線朝ラッシュ時の混雑状況(葛西臨海公園→新木場、生データ)

京葉線朝ラッシュ時の混雑状況(葛西臨海公園→新木場、生データ)

意外と混んでおらず、とりわけ通勤快速の利用がそこまで多くないことに戸惑いました。通勤快速が混んでいると予想しただけに、現場での状況には驚かされました。イメージで語らず、現場を実際に確認する重要性を改めて確認しました(「私が」現場を確認することが重要かどうかは別問題です)。

京葉線の混雑状況の分析

209系(新木場)

写真6. 京葉線に1本だけ在籍する209系電車

生データだけ示しておしまい、というのは不親切です。優しい人格者である私はそれでは終わらせません。そこで、私なりに混雑状況を分析します。

混雑時間帯の分析

まず、どの時間帯が混んでいるのかが気になるところです。そこで、10分ごとに混雑状況を分析しました。一般的な混雑率の他に、その混雑率がどの程度のものなのかを簡単に言葉で記しています(表3)。

表3. 京葉線朝ラッシュ時の混雑状況(葛西臨海公園→新木場、10分ごと分析)

京葉線朝ラッシュ時の混雑状況(葛西臨海公園→新木場、10分ごと分析)

8:40過ぎの混雑のゆるさはかなり意外でした。確かに調査区間は都心からやや離れており、JRだけで山手線の内側に向かおうとすると、東京駅での乗りかえが必要で、そのような意味でも最混雑時間帯が早いことは想定できます。それでも、他の路線であればまだ混んでいる時間帯に「楽に立てる」状況であることに驚きを隠せません。

このことを考えると、最混雑時間帯は7:35~8:34とカウントでき、その混雑率は103%です。もう少しわかりやすくいうと、座席前の吊革の3/4が埋まる程度の混雑です。もちろん、この混雑は新木場でさらにやわらぎます。

種別ごとの分析

E231系(新木場)

写真7. 新木場で多くの人が降りる(これは武蔵野線系統)

では、どのような種別が混んでいて、どの種別が空いているのでしょうか。先ほど最混雑時間帯と判断した7:35~8:34にしぼって分析しましょう(表4)。

表4. 京葉線朝ラッシュ時の混雑状況(葛西臨海公園→新木場、最混雑時間帯、種別ごと)

京葉線朝ラッシュ時の混雑状況(葛西臨海公園→新木場、最混雑時間帯、種別ごと)

通勤快速は蘇我から新木場までノンストップであり、遠距離利用者が集中することが予想されます。しかし、現実には空いていました。これは、近距離利用者が全く乗れないためです。武蔵野線からの各駅停車は混んでいますが、これは本数が少ないためでしょう。京葉線各駅停車はその中間です。

号車ごとの分析

では、車両ごとにはどのような混雑状況なのでしょうか。先の7:35~8:34の電車にしぼって、簡単に分析してみます(表5)。

表5. 京葉線朝ラッシュ時の混雑状況(葛西臨海公園→新木場、最混雑時間帯、号車別)

京葉線朝ラッシュ時の混雑状況(葛西臨海公園→新木場、最混雑時間帯、号車別)

4号車が最も混んでおり、7号車が次に混んでいます。逆に、9号車と10号車が空いています。10両編成の京葉線と8両編成の武蔵野線でそこまで差はなく、武蔵野線の8号車もそれなりに混んでいます。

混雑の弱点列車と穴場列車の確認

同じ時間帯の同じ種別であれば、混雑状況は同じなのでしょうか。答えは明らかに差がある、というものです。他の列車よりも明らかに混んでいる列車は以下の通りです。

・通勤快速:7:37の通勤快速東京行き(外房線始発)
・武蔵野線各駅停車:8:18の各駅停車東京行き(吉川美南始発)

では、なぜこれらが空いているのでしょうか。通勤快速については、蘇我で内房線-総武線の快速(※)と相互に接続しています。そのため、内房線からの乗客を受けています。内房線の乗客を受けると、実質的に2倍の乗客が乗りこみます。念のため、他の通勤快速の蘇我での接続状況を確認します。

※正確には蘇我→千葉で通るのは外房線ですが、ここでは簡単のために都合に分けて内房線という考えかたを取り入れます。

・7:50の通勤快速:蘇我で外房線-総武線の快速との接続あり(そのため後の2本より利用は多い)

・8:15の通勤快速:蘇我で内房線-総武線の快速との接続はあるが、内房線では当該の快速は2本続行の後なので、それなりに分散する(1本前の内房線快速だと東京駅到着時刻は5分しか変わらない)

・8:28の通勤快速:蘇我でジャストタイミングで外房線系統との接続はない

次に、武蔵野線各駅停車のうち1本が混んでいる理由を確認します。これは単純な話で、前列車間隔が10分も開いており、武蔵野線各駅からの集客力が高いためです。同様の理由で7:55の武蔵野線も混んでいます。この電車も武蔵野線系統で12分も間隔が開いており、集客力が高いです。

混雑状況からダイヤを考える

255系(新木場)

写真8. 新木場を通過する特急列車(これはさざなみ号)

混雑状況からダイヤを考えてみましょう。現在の京葉線は最混雑時間帯は2分30秒間隔で運転されており、かなり運転密度も高いです。そして、乗客を分散することが目的なのか、通勤快速を除けば各駅停車だけの運転です。

現在は、新型肺炎ウィルスの脅威が語られており、2019年度の混雑率162%(この測定は2019年秋に実施されたもの)であり、現在の混雑率103%とは異なります。現在の混雑率はかつての混雑より35.5%減少しています。都営地下鉄の30%減よりも減少幅が大きいですが、これはディズニーリゾート関連の人出が通勤客よりも減少した影響が表れているでしょう。ここでは、東京ディズニーリゾートで夜まで満喫し、周辺の宿泊施設に宿泊して朝に都心に向かう人を想定しています。

ともかく、かつてよりも35%程度減少しています。これであれば、3分間隔に変更しても良さそうです。通勤快速を15分間隔、武蔵野線各駅停車と京葉線各駅停車をそれぞれ15分に2本の運転とするのです。通勤快速が蘇我から新木場までノンストップというのも芸がありません。そこで、海浜幕張に停車させます。海浜幕張で緩急結合すれば、海浜幕張以東の人は通勤快速を利用できます。これで遠距離利用者を通勤快速に誘導することも手です。

このようにパターン化すれば、極端に混んでいる電車や空いている電車も発生せずに、等しく快適な状況が実現できましょう。

武蔵野線系統を昔のように快速運転する手もありましょうが、これは得策ではないでしょう。快速運転で通過するのは、葛西臨海公園、潮見と越中島だけです。この快速運転で最混雑区間の葛西臨海公園→新木場の混雑緩和に効果があるのは、葛西臨海公園だけです(※)。これであれば、わざわざ快速運転する意味も少ないです。

※仮に潮見で5兆人乗りこもうが、潮見は新木場を発車した後です。そのため、新木場到着の段階では関係ありません。

また、特急列車も空いていました。帰宅時間帯の快適通勤も考慮するのであれば、むしろ始発駅ではない新木場や八丁堀に停車させて、満席でない座席を埋める努力をされるべきでしょう。とはいえ、全列車を両方にとめるのではなく、朝と夕方以降の半数を八丁堀停車、半数を新木場停車程度でじゅうぶんです。

京葉線の混雑基本データ

ここまで特定の駅での調査とその結果という「狭くて深い」情報と考察を行いました。では、混雑の基本的なデータをまとめた「浅くて広い」情報はないのでしょうか。

そのような声にお応えして、以下の記事を作成しました。他の時間帯の混雑調査結果へのリンクも整備しています。

京葉線(混雑基本データ)

このページでは京葉線の混雑状況について基本的なデータをまとめています。また、私が実際に現場で調査した結果へのリンクも記しています。
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