国内旅行のベストシーズンの推定

記事上部注釈
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日本国内の旅行。四季折々の変化が楽しめますが、ベストシーズンはいつなのでしょうか。個人的に考えてみました。

写真1. 初夏(GW)の光景(2025年5月に栗林公園北口で撮影)

国内旅行のベストシーズンのまとめ

  • 初夏が日照時間、気温ともベストである
  • 真夏であっても北のほうであれば、日照時間の長さと気温を両立可能である
  • 秋は日照時間が短く、意外とベストシーズンではない

以下に思考回路の詳細を記します。

旅行に向く/向かないの境界線

写真2. 梅雨の晴れ間に撮影した鉄道写真(2025年6月下旬に撮影)

旅行のベストシーズン、というのは旅行に向く期間とも表現できます。では、どの時期が旅行に最も適しているのでしょうか。

「旅行に適している」状態を考えるのは難しいです。しかし、1つの原点に振り返るとそこまで難しくありません。旅行中の行動を思い出しましょう!特定の観光地を鑑賞し、次の観光地に向かって移動。そして、次の観光地を鑑賞する。その連続です。観光地の多くは屋外にありますし、移動は屋外を通ります。そして暗い場所では鑑賞しにくいです。

よって、明るい環境で、過ごしやすい屋外というのがポイントでしょう。これらから明るく、過ごしやすい気温であることを重視することにします。

旅行に最適な季節を探る:東京を基準として

写真3. 自宅から遠くない線路で撮り鉄するのも春~初夏は良い!(2023年4月に椎名町3号踏切で撮影)

では、明るく過ごしやすい気温の季節を探るために、東京を基準として考えます(表1)。

表1. 各月の東京の平均気温と昼間の長さ

日付平均気温日照時間昼間の長さ
1/155.3℃6.0時間10時間00分
2/156.1℃6.0時間10時間54分
3/159.3℃6.0時間11時間54分
4/1514.3℃5.7時間13時間05分
5/1518.5℃5.6時間14時間03分
6/1521.7℃3.8時間14時間33分
7/1525.7℃4.9時間14時間21分
8/1527.0℃5.6時間13時間31分
9/1523.6℃4.2時間12時間26分
10/1518.1℃4.1時間11時間19分
11/1512.6℃4.9時間10時間19分
12/157.7℃5.6時間9時間46分

※気温データと日照時間は気象庁の過去データから引用

※昼間の長さは東京(東京都)のこよみから引用

人間にとっての適温は夏は25℃~28℃、冬は18℃~22℃とされています。おおむね20℃~25℃が適温と考えれば間違いはないでしょう。1日の平均気温は最低気温と最高気温の間であり、旅行で活動するのは昼間の最高気温に近い時間帯でしょう。したがって、1日の平均気温が17℃~22℃あたりが適正と言えましょう。これに当てはまるのは5/15、6/15、10/15です。もう少し広くとって、4月下旬~6月下旬と9月下旬~10月下旬が合致するのでしょう。

他方、昼間が長いのは4/15~9/15です。さらにいうと5/15~7/15です。したがって、この時期に旅行に行くと明るい風景を楽しめます。昼間が長いということは、南中高度が高いことも意味します(図1)。

図1. 太陽高度のイメージ

南中時の太陽の角度を考えます。5月下旬は75°あり、12月の30°よりも45°高いです。太陽から発せられる光量をaとすると、地面に差し込む光量は正弦で示されますので、太陽の高度ごとに以下の通り示されます。

  • 冬の場合:a×sin30°=0.5a
  • 初夏の場合:a×sin75°=0.966a

非常にたやすくいうと、初夏は冬より1.93倍の光が降り注ぎます。つまり、冬より初夏のほうが2倍明るいのです。

表2. 東京の旅行に対する評価

日付気温評価昼間の長さ評価総合評価
1/15寒い短い×
2/15寒い短い×
3/15やや寒い平均的
4/15やや寒い長い
5/15適温長い
6/15やや暑い長い
7/15暑い長い
8/15暑い長い
9/15やや暑い平均的
10/15適温やや短い
11/15やや寒い短い
12/15寒い短い×

これらの評価をまとめました(表2)。気温と昼間の長さの双方から5/15が適切とわかります。もう少し情緒的にいうと、旅行のベストシーズンは初夏といえます。6/15は日照時間が昼間の長さより顕著に短いことからわかる通り、梅雨時であり、雨に降られるリスクもあります。この点に注意する必要があります。

また、初夏の旅行であれば木々に緑が生い茂り、それでも風景を美しく感じられます(そして紅葉ほど機関が短くないため、再現性も高いです)。

昼間の長さを活用する目的地選び

写真4. 海の日近辺はむしろ高原のほうが快適かもしれない(2025年7月に福島県檜原湖で撮影)

初夏が旅行のベストシーズンといえど、夏は旅行のシーズンでないでしょうか。夏に長期休暇を取れる人も多いでしょう。それなりに日が長いのに旅行に本当に適さないのでしょうか。

この解決策は簡単で、涼しい場所に向かえば良いのです。8/15の東京の平均気温は27.0℃です(イメージより気温が低いですが、その原因の1つが最も暑い日から10日程度後のためです)。適温より7℃程度高いです。ならば、東京より7℃くらい涼しい場所に向かえば良いです。青森は東京より3.4℃涼しく、札幌なら4.4℃涼しいです。このような場所であれば、暑さをそこまで感じないでしょう。

また、一般に標高が1000m高いと気温は5~6℃下がります。例えば軽井沢の標高は1000m程度、河口湖の標高は800m程度です。首都圏に近くともこれらの場所を選択することで、夏でも快適な旅行を楽しめます。

夏は思い切って欧州に出かけても良いかもしれませんが…。

補足

では、冬は旅行に適切ではないでしょうか?冬は屋外でブンブン動き回るタイプの旅行に不向きであって、ウインタースポーツを楽しむには良いでしょうし、のんびりと温泉に浸かるのも良いでしょう。ただし、全般的に暗めなことから、多くの観光地を周遊するタイプの旅行は不向きと思います。

旅行のベストシーズンを考えてみて

写真5. 過ごしやすい気温のなかを通勤・通学する人たち(名古屋鉄道の栄生駅で2024年5月に撮影)

今回、旅行のベストシーズンを考えてみました。旅行の多くの要因については自らで制御可能ですが、天候のようなものは制御できません。そのため、本記事では天候に焦点を当てて考察しました。

季節限定のイベントに特に注目しない場合、快適な気温の場所に行くことが旅行全体の満足度向上に直結します。例えば、有名観光地で屋外に並ぶという場面は、旅先で発生する典型的なイベントです。その待ち時間に寒い思いや暑い思いを回避できれば旅行の大きな不満を溜めずに済みます。

気温まで考慮して旅行期間を決めることはあまり聞きませんが、これか旅行の計画を立てる際には気温も視野に入れることも重要と思います。本記事が旅行全体の満足度向上につながれば望外の喜びです。

「最高の旅行」を実現するのは難しいです。しかし、「合格点を超える旅行」であれば実現は比較的簡単です(私は勤務先で「合格点をギリギリ上回る仕事が上手」と定評です)。気温はメンタルに関わります。初夏に行くと「合格点を超える旅行」は比較的容易に実現できるでしょう。

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