旅のマトリックス図の提案(周遊旅行とゆとりの両立)

記事上部注釈
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周遊旅行、特に海外の周遊旅行の際に大変なことは、見るべき観光地が多すぎて旅程があわただしくなることです。旅程があわただしくならないようにするための1つの考えを提唱しましょう!

写真1. ポツダムのブランデンブルク門に行ったらベルリンのブランデンブルク門は省略可能か?

旅のマトリックス図の効用

図1. 詳細なマトリックス図

旅のマトリックス図を組み立てることによる効用は以下の通りです。

  • 限られた時間で多くの場所に行くことが可能になる
  • 多くの場所に行きつつも、1つ1つの目的地でそれなりのゆとりを生み出すことが可能である。

詳細は以下の章で記します。

周遊旅行の問題点

写真群1. パリとウィーンの雰囲気(ポンピドゥーセンターシュテファン大聖堂から撮影)

一般に旅行は滞在旅行(滞在型旅行)と周遊旅行(周遊型旅行)に分類できます。

  • 滞在旅行:1回の旅行で1か所のみの滞在
  • 周遊旅行:1回の旅行で2か所以上滞在

「2か所」の定義があいまいなことから、用語の厳密な定義は難しいでしょう。

例えば、京都の清水寺と京都の清水坂(清水寺の前の道路)を両方めぐることは「1か所」というでしょう。では、京都の清水寺(京都中心部の東側)と京都の金閣寺(京都中心部の北側)の両方をめぐることはどうでしょうか。もう少し離れて京都と奈良だとどうでしょうか。「京都と奈良は別の府県で別の都市だから2か所」と考える人もいるでしょうし、「京都と奈良は関西地区の古都だから1か所」と考える人もいるでしょう。

そのため、ここでは「2か所以上」の厳密な定義を考えることはせずに、各自の脳内定義に任せることにしましょう。

一般に周遊旅行の長所・短所は以下の通りでしょう。

  • 周遊旅行の長所:1回の旅行で2か所以上行けるので、旅程に変化をもたらすことができる(奈良と神戸の両方をめぐるとしたら、変化が楽しめそうなことは想像できると思います)。また、滞在旅行2回以上ぶんを一気にこなすことができるので、(長期的視点で見ると)往復の交通費や時間を節約可能
  • 周遊旅行の短所:途中に移動をはさむので荷物管理や移動による疲れが加算される。あわただしくなる

パリとウィーンをめぐる周遊旅行に行くことを想定し、長所と短所を説明します。

一気にパリとウィーンに行くことで旅行前半と旅行後半で変化をもたらすことができます(フランスとオーストリアは別の雰囲気があります)。また、隠れたメリットとして、航空券を節約できます。パリとウィーンを別々に行くと、欧州の航空券が2往復ぶん必要です(2023年と2024年に行くとしたら、2023年に1回、2024年に1回ということ)。しかし、同時に行くことで、2往復必要だった航空券が往路と復路だけで済みます。確かに往復航空券のほうが片道×2より安いことはあるでしょう。それならば、どちらかの往復航空券と短距離の往復航空券にすれば良いのです。

一方、限られた旅程のなかで2つの都市を移動するわけですから、旅程の中でパリとウィーンの移動が入り、その移動で旅行時間が削られます(私のような間の鉄道移動も目的となる変人ばかりではないでしょう)。また、旅程が分割されるので、目的地ごとの時間がなくなり、旅程全体があわただしくなるのも特徴です。

このように周遊旅行はあわただしさとの戦いなのです。

あわただしさの原因

写真2. ウィーンの旧王宮は良いところ

ここではHISの特定のツアーを見ながらあわただしさの原因を探りましょう(ほかの旅行会社であってもそう大差ありません)。中欧周遊を例に挙げましたが、これは単に私が行ったことがあり、ある程度わかるためであり、それ以外の意図はありません。

1日目 21:00プラハ着、そのままホテル。プラハ泊

2日目 AMにプラハ城、カレル橋、旧市街広場、PMは自由行動。プラハ泊。

3日目 AMにチェスキークロムロフに移動、昼に街散策、午後はウィーンへの移動、ウィーン泊。

4日目 AMにシェーンブルン宮殿、王宮、シュテファン寺院、ケルントナー通り、オペラ座。PMは自由行動。ウィーン泊。

5日目 ウィーンからブダペストへの移動。途中でブラチスラバ観光(昼食込みで観光)。ブダペスト泊。

6日目 AMにマーチャーシュー教会、漁夫の砦、聖イシュトバーン大聖堂、くさり橋観光、PMは自由行動。ブダペスト泊。

7日目 AMから航空機で日本へ

中欧4ヶ国周遊8日間~2連泊が3回のゆとり行程~

このプランはプラハ、ウィーン、ブダペストという中欧3都市をめぐり(ブラチスラバはウィーンとブダペストの間にあります)、最低限の観光名所に行くという意味では、確かに完成された行程です。しかし、その中身はあわただしいものです。例えば、ウィーンに着目します。AMに観光名所を3か所行くことから、シェーンブルン宮殿も宮殿内部だけを見学し、その先の庭園などはスルーするのでしょう。

では、なぜあわただしい行程になるのでしょうか。行く観光名所を分類し、それぞれの都市で分けました(表1)。

表1. HISの旅程のマトリックス図

私の勘で分類しましたが、多くの人の感性とそこまで差はないでしょう。(宗教的な意味を重視している人はともかく、そこまで興味ない人にとっては)教会はキリスト教の施設であり、中身に大差ありません。それを3回も行くのです。おそらく後半は飽きてしまうでしょう。また、ウィーンでは王宮と宮殿双方に行くこともあり、これも飽きてしまう可能性を指摘できます。

そう、究極をいうと、別の目的地で似たような種類の場所に行っていることが1つの原因です。

旅のマトリックス図の考えかた

写真3. 聖イシュトバーン大聖堂(このときの旅行で教会にはここでしか入っていなかった)

このように考えると、旅のマトリックス図を描く重要性がわかります(旅のマトリックス図なんていうのは私くらいでしょう)。目的地ごとに列を分け、訪問する施設ごとに行を分けます(行と列は逆でも構いません)。こうすると、先ほどの例では王宮や宮殿が2か所、教会が3か所と多いことがわかります。

中欧旅行の場合、例えば、ウィーンで旧王宮を、ブダペストで聖イシュトバーン大聖堂を省くと旅程にゆとりが生まれます。こうして生み出された時間をウィーンではシェーンブルン宮殿に、ブダペストでは漁夫の砦に充当できます。

表2. 中欧旅行のカスタマイズ

このように、全目的地での観光施設の数を考える、つまり旅程全体で観光施設の種類に寄る回数を考え、「あえてここでは教会に行かない」などのカスタマイズで旅程にゆとりを産むのです。

もちろん、観光名所の種類で興味のある場所についてはあえて削る必要はありません。例えば、教会に興味がある人は、教会に行けば良いのです。

この場合では旅程全体のバランスを考えます。何かしらの事情で特定の施設に入れない場合もあるでしょう。その場合は、旅程全体でフォローするのが良いでしょう。「ウィーンで王宮に行けなかったから、ブダペストで王宮に行ってみよう」という考えです。

旅のマトリックス図という考えに触れて

写真4. 結局ベルリンでもブランデンブルク門に行っている(それもポツダムと同日!)

今回、周遊旅行において旅のマトリックス図という新しい概念を紹介しました。

従来の周遊旅行の考えかたはそれぞれの目的地における観光名所を考える、という部分最適の考えでした。これはこれで重要な考えかたです。しかし、これでは同じような観光地をめぐることになり、マンネリとあわただしさに巻き込まれます。

そこで、新しい概念では「周遊旅行の全体最適をねらい、目的地ごとにめぐる観光施設の種類を分散させる」という考えを導入しました。このことで、「都市Aでも都市Bでも教会に行って教会に飽きた」「教会ばかり行ってあわただしくなってしまった」という事態を防げます。

ただし、これは興味ある分野で適用するととたんにつまらなくなります。例えば、私は鉄道に興味あるので、訪問した都市全部で都市鉄道に乗ります。そこに「都市鉄道は同じものだから、都市Aで乗ったから都市Bでは省略」ということはありません。そのような意味で、自分と向き合い、自分の興味ある場所とそこまで興味ない場所を考える必要があります。

「旅行は自分探し」という使い古された表現があります。この使い古された表現は多くの解釈が可能でしょう。旅行を通じて自分の興味あることと興味ないことがわかる、これも自分探しの一環なのでしょう。旅のマトリックス図を通じ、自分自身の内面と向き合うことになるのです。

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