近年、8両編成化が進行している都営三田線。板橋区の住宅街と大手町を結び、とても混雑することが予想されますが、実際はどうなのでしょうか。最混雑区間の西巣鴨→巣鴨の混雑を実際に確認しました。ピーク60分間の混雑139%でした。

写真1. 三田線も混雑路線になっている
情報本記事は2019年に調査/投稿したものですが、2026年7月上旬に調査した結果を追記し、2026年8月に記事を大幅にアップグレードしています。
平日朝ラッシュ時の都営三田線の混雑状況のまとめ
平日朝ラッシュ時の都営三田線の混雑状況は以下の通りです。
- 巣鴨断面で最混雑時間帯は7:40~8:39であり、その混雑率は139%だった
- 1号車(西高島平よりの車両)がやや混雑していたが、全体として車両による混雑の差は少なかった
- 8:40以降も混雑は継続していた
詳細は以下に記します。
平日朝ラッシュ時の都営三田線の混雑調査の概要
今回の混雑調査の方法を紹介しましょう。この記事では、定点観測を行い、一定時間の全列車を対象にして各車両の混雑を目視で確認しています。これはプロも行っている調査方法です。
簡単に調査方法を紹介しましょう。一部の個人サイトでは混雑状況を書いているところもありますが、調査方法や混雑指標の言及がないのでう~んと考えてしまうところがあります。そのようなことを踏まえて、弊サイトではきちんと方法を示します(さすがー)。
表1. 混雑ポイントの基本的な概念と混雑率

120ポイント~160ポイントの様子をご覧いただきましょう(写真2-4)。いずれも個人情報を守ることを目的に、画質を落としています。

写真2. 混雑ポイント120ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

写真3. 混雑ポイント140ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

写真4. 混雑ポイント160ポイントの様子(写真3と異なり、ドア部分が圧迫されていることがわかります)
今回は山手線接続駅手前の西巣鴨→巣鴨(実際は巣鴨到着場面)で確認しました。
平日朝ラッシュ時の都営三田線の混雑調査の生データ

写真5. 相鉄車が使われる急行西谷行き
最初に生データを示します(表2)。
表2. 平日朝ラッシュ時の都営三田線の混雑状況(西巣鴨→巣鴨)(26年7月上旬調査)(生データ)

また、列車別に混雑状況を視覚化しました(表3)。
表3. 平日朝ラッシュ時の都営三田線の混雑状況(西巣鴨→巣鴨)(26年7月上旬調査)(列車別視覚化)

こうしてみると、8:20過ぎが混雑することがわかります。
平日朝ラッシュ時の都営三田線の混雑状況の分析

写真6. 9:00前でもまだ混んでいる
生データだけ示しても不親切です。そこで、混雑状況を私なりに分析します(やさしー)。
復習:都営三田線の朝ラッシュ時のダイヤ
混雑状況は鉄道ダイヤで変わります(逆に鉄道ダイヤを組む際に混雑状況も想定されます)。そこで、都営三田線のダイヤについて簡単に紹介します。
都営三田線は朝ラッシュ時はおおよそ3分間隔で運転されます。約半数かそれ以上は目黒まで向かいます。逆にいうと一部は白金高輪行きが存在します。海老名や湘南台まで直通すると案内されていますが、(三田線と相鉄線の直通先のメインである)海老名行きは巣鴨断面で6:43、8:54、9:57と多くありません。白金高輪から線路を共有する南北線系統や東横線系統のトータルで本数を確保するというダイヤ設定です(参考までに駒込断面で海老名行きは7:18、8:07、8:24、9:29があります)。
板橋区方面と海老名を結ぶ役割は大きくなく、乗りかえながらでも(いずれも同じホームです)それなりの頻度で相鉄線方面に行ければ良いということなのでしょう。
三田線は各駅停車だけであり、速度や停車駅の違いによる混雑の違いはなく、そのような意味で安定感があります。
混雑時間帯の推定
一般に朝ラッシュ時の混雑状況は60分平均で議論されます。そこで、混雑時間帯を推定します。まずは、10分ごとに集計します(表4)。
表4. 平日朝ラッシュ時の都営三田線の混雑状況(西巣鴨→巣鴨)(26年7月上旬調査)(時間ごと層別)

また、グラフ形式で視覚化しました(図1)。

図1. 平日朝ラッシュ時の都営三田線の混雑状況(西巣鴨→巣鴨)(26年7月上旬調査)(時間ごと層別)(視覚化)
8:10~8:29が最ピーク時間帯であり、その前後の7:40~8:39を混雑時間帯60分としました(8:40~8:49のほうが混雑していますが、4分間隔なので最混雑時間帯にはそぐわないと判断しました)。
最混雑時間帯の車両別の混雑状況
その7:40~8:39の混雑状況について解析します。10分ごとの混雑状況については先に述べましたので、ここでは今までにない観点の車両別の混雑状況について着目します(表5)。
表5. 平日朝ラッシュ時の都営三田線の混雑状況(西巣鴨→巣鴨)(26年7月上旬調査)(車両ごと層別)(視覚化)

また、グラフ形式で視覚化しました(図2)。

図2. 平日朝ラッシュ時の都営三田線の混雑状況(西巣鴨→巣鴨)(26年7月上旬調査)(車両ごと層別)(視覚化)
車両による混雑状況はあまり変わらないように見えます。

写真7. 都心部の駅は出口が多くの号車が便利
巣鴨駅に掲示されていた表を撮影しました(写真)。都心部の駅は1号車~8号車のどれかが便利ということはなく、各駅で便利な車両が異なります。そのため、特定の車両に混雑が偏ることはありません。これは混雑緩和や定時運転には有利です。一般に停車時間などは最混雑車両(または乗り降りの多い車両)に左右されます。いいかえると、8両編成の32個の客用ドアのうち31か所の客扱いが終わっていても、残り1か所の客扱い中であれば発車できません。したがって、「弱点」となるドアがないことが望ましいです。極端に混雑している車両がなければ、「弱点」が発生しにくいということです。
平日朝ラッシュ時の都営三田線の混雑状況からダイヤを考える

写真8. 春日断面でも混んでいた
近年にしては混雑率140%近くというのは混雑している印象です(公式発表の146%と弊サイト調査の139%はやや異なりますが)。これは緩和したいですし、8:40以降の混雑も懸念事項です。
例えば、8:10~8:29については6両編成を8両編成に変更することで、144%から126%まで緩和できます(公式発表に準じても151%から132%に緩和できます)。また、8:50~9:09が混んでいる点も課題に感じました。この時間帯を増発すれば(現在が5分間隔なので4分間隔に増発)、116%とかなりのゆとりとなります。
このご時世でも8両編成に増強し、輸送力を増強するという王道で対応し続ける点は東京都交通局の努力が伝わります。それだけにもう少しの期待をしてしまいました。
三田線の混雑データへのリンク
公的機関が発表した三田線の混雑率などの情報はどうなのでしょうか。要点をまとめております。また、他の時間帯の状況へのリンクもあります。コンパクトにまとまったページですので、概要をつかむにはぴったりです!
2019年の都営三田線の混雑状況
参考資料として、2019年の都営三田線のデータを示します。
混雑の生データ
生データを示します(表6)。
表6. 三田線の混雑状況(朝ラッシュ時、西巣鴨→巣鴨、生データ)

いずれの車両も混雑ポイントが160ポイント(混雑率150%)を超えており、激しい混雑にあることがわかります。数字だとわかりにくいのであれば、どの車両であってもドア付近には圧迫が見られており、車内中ほどもぎっしり埋まっている車両もあるということです。私の目測では混雑率はおよそ170%程度です。
これでおしまいでは芸がありませんので、簡単に分析しましょう。
混雑状況の分析
ここからは分析します。分析することで、少しでも空いている号車や列車を選べれば良いでしょう。
時間ごとの層別
今回は私の都合で7:50~8:20の調査しかできませんでしたが、その中で空いている時間帯はあるのでしょうか。10分ごとに分析しました(表7)。
表7. 時間帯ごとの混雑状況

時間帯ごとに混雑状況をまとめると、巣鴨到着時刻基準で8:00~8:20の混雑がピークであることが読み取れます。このような傾向である場合は、この後の時間帯がさらに混雑している可能性があります。そう統計学では習います。しかし、ここで「常識」を使いましょう。一般に始業時間は9:00で、多くの企業が大手町周辺にあります。巣鴨から大手町は15分程度です。また、多くの社会人であれば始業10分前には職場に着くことでしょう。さらに、駅のホームから職場まで歩いて10分かかることでしょう。このことを考えると、8:30以降にラッシュのピークがあるとは考えにくいです。そのため、巣鴨断面で8:20がラッシュ時のピークと考えても差しさわりありません。これは、この時間を避けると空いているということです。
号車ごとの層別
では、空いている車両はあるのでしょうか。それぞれの号車でどの程度混雑しているのかまとめました(表8)。
表8. 三田線の混雑状況(朝ラッシュ時、西巣鴨→巣鴨、号車ごと)

これを見ると、日吉よりの車両が比較的空いていて(それでも170%近い混雑です)、西高島平よりの車両が混んでいることがわかります。ただし、号車が違っていても混雑状況には大きな差はなく、電車によっては混雑状況が逆転していることもあります。
始発駅や行先による違い
では、始発駅(西高島平と高島平)や行先(白金高輪と日吉)で混雑状況に差はあるのでしょうか。それぞれで分けて考察しました(表9-10)。
表9. 始発による混雑状況の差

西高島平始発のほうが混雑するような予想でしたが、実際は高島平始発のほうが混雑しています。しかし、その差は5%程度とそこまで違いはありません。距離の短い高島平始発のほうが混んでいるのは変ですし、差が少ないことからこの差を明らかな違いがあるとみなさないほうが適切です。つまり、始発駅の違いによる混雑の違いはないということです。これは、西高島平と新高島平から利用する乗客がそこまで多くないことを示しています。
表10. 行先による混雑状況の差

白金高輪行きであっても南北線からの目黒方面行きに接続すること、西巣鴨から白金台まで行く乗客が少ないと予想できることから、行先が異なっていてもそこまで混雑に違いが見られないことが予想できます。事実、行先が違っていても混雑率は2%も違いません。これは誤差範囲です。つまり、行先が違っていても混雑状況は同等ということです。
巣鴨から都心側の混雑はどうなの?
それでは、巣鴨から都心側の混雑はどうなのでしょうか。私は8:19発の白金高輪行きの最後尾に乗りました。最後尾車両(1号車)は巣鴨で空くどころか逆に混雑しました。巣鴨で山手線に近いのは進行方向前よりです。そのため、巣鴨で降りる人がいないのです。この混雑はスマートフォンを操作できないほどです(周囲の人もそうでした)。
千石、白山とも若干ながら人が乗りこみ、さらに混雑しました。この付近まで住宅街が広がり、このあたりから通勤する人もいるためです。ようやく春日で降りる人が現れました。それでも、スマートフォンを操作することは困難です。水道橋でもそこまで降りる人は少なく(進行方向後ろよりだとオフィス街に遠い)、ようやく神保町で多くの人が降りました。このように一息できる雰囲気でした。統計上は西巣鴨→巣鴨が最混雑区間でしょうが、同様の混雑は春日~神保町まで続くということです。
混雑改善の可能性
このように都営三田線は厳しい混雑であることが明らかとなりました(正直、もう少し空いているとタカをくくっていました)。では、この混雑はもう少し緩和できないでしょうか。
1つの答えは6両編成から8両編成への増強です。この混雑を見るまでは、三田線の8両編成化は相鉄直通に伴う東急目黒線からの流入の増加によるものと認識していました。しかし、相鉄直通だの東急直通だのとは関係なく、三田線そのものの混雑緩和が目的の1つなのは明らかです。混雑率171%を2両増結するだけで混雑率は128%まで緩和します。混雑率128%は座席前の吊革が埋まり、なおかつドア付近の密度が高まる程度の混雑です。これであれば、「快適」とはいかなくても圧迫感がないだけ良いです。
もう1つは本数の増加です。8両編成でも2.5分間隔は可能です(10両編成の有楽町線は2.5分間隔です)。現在は3分間隔ですから、2.5分間隔にすれば8両編成化と合わせて混雑率は106%にまで緩和します。この混雑率は座席前の吊革が3/4程度しか埋まらない混雑です。現在の東京のラッシュからするとこれは理想形です。このようにすれば、新板橋で埼京線と連絡を強化して、埼京線-丸ノ内線のバイパスルートとすることも可能です。すなわち、埼京線沿線-大手町地区の人を都営三田線に流すのです。このようにすれば、埼京線の板橋-池袋と丸ノ内線の混雑が緩和します。このように、面で解決-特定の路線の混雑を緩和するのに別の路線を活用-することも必要です。