地下鉄南北線の混雑状況(平日朝ラッシュ時現場調査、駒込→本駒込)




東京には多くの地下鉄がありますが、その多くが銀座・日本橋・大手町地区を通ります。そこを通らない最初の路線が南北線です。経由地がマイナーなため空いているのでしょうか。それとも…。その実態を確認しました。

写真1. 朝ラッシュ時でも駅ホームは無人に近いときもある(駒込で撮影)

地下鉄南北線の朝ラッシュ時の混雑状況まとめ

以下、長い本文を読む気がない人のために、簡単にまとめます。

・目視での混雑率は165%である
・上記の混雑率はドア付近に圧迫が生じ、座席前もやや圧迫されるというもの
・混雑のピークは8:15ごろである
・特に混んでいる車両、空いている車両はない

混雑調査の概要

今回の混雑調査の方法を紹介しましょう。この記事では、定点観測を行い、一定時間の全列車を対象にして各車両の混雑を目視で確認しています。これはプロも行っている調査方法です。

簡単に調査方法を紹介しましょう。一部の個人サイトでは混雑状況を書いているところもありますが、調査方法や混雑指標の言及がないのでう~んと考えてしまうところがあります。そのようなことを踏まえて、弊ブログではきちんと方法を示します(さすがー)。

弊ブログでは混雑ポイントという概念を導入しております。その概要を示します(表1)。

表1. 混雑ポイントの概要

乗車ポイントの概要

せっかくなので、120ポイント~160ポイントの様子をご覧いただきましょう(写真2-4)。いずれも個人情報を守ることを目的に、画質を落としています。

混雑ポイント120ポイント相当

写真2. 混雑ポイント120ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント140ポイント相当

写真3. 混雑ポイント140ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント160ポイント相当

写真4. 混雑ポイント160ポイントの様子(写真3と異なり、ドア部分が圧迫されていることがわかります)

今回の調査は駒込発車時(駒込→本駒込)について行いました。駒込までの各駅で乗客を集め、駒込で山手線からの乗客をさらに加えてここで一番混むのです。

混雑状況の分析

混雑状況の生データから細かく分析することにします。

生データを見る

まずは、生データをさらしましょう(表2)。

表2. 南北線混雑状況(平日朝ラッシュ時、駒込→本駒込、生データ)

南北線混雑状況(平日朝ラッシュ時、駒込→本駒込、生データ)

私が見た範囲では混雑率は163%でした。ただし、この中には最混雑時間帯ではないものもありますので、あくまでも後で解析する範囲で混雑率を見てみましょう。

混雑状況の分析

では、混雑状況を分析しましょう。まず、どの時間帯が最も混んでいるのかの分析です(表3)。

表3. 南北線混雑状況(平日朝ラッシュ時、駒込→本駒込、時間帯別)

南北線混雑状況(平日朝ラッシュ時、駒込→本駒込、時間帯別)

この数字を見ると、7:56~8:05が最も混んでいます。ただし、この前の10分が空いていることから、この10分をピークとするのはやや短絡的です。8:46~8:55が相対的に最も空いていることから、この前までがラッシュ時のピークと考えるのが最も自然です。つまり、7:46~8:45が混雑のピークとするという解釈です。その60分の混雑率は165.1%です。これは弊ブログでの170ポイントに相当します。つまり、南北線のピーク60分間の混雑状況はドア付近に圧迫が生じ、座席前もやや圧迫されるというものです。

車両ごとの混雑状況はそこまで差はありません。つまり、どの車両に乗っても混雑を回避できるわけではないということです。

公式の混雑率は156%となっていますが、これは8:00~9:00で調査しているためです。私の調査結果を8:00~9:00に限定すると、混雑率は162%と公式発表のそれに近づきます。

混雑緩和の方法

混雑率が160%を超える地下鉄南北線。この混雑を緩和する方法はあるのでしょうか。その方法はすでにあり、現に実行されようとしています。東急目黒線の8両編成化がすでに計画されていて、そのあかつきには直通する南北線も8両編成となります。本数が変わらなければ、単純計算で混雑率は123.8%にまで緩和します。実際には空いた路線ができれば周囲の路線からシフトするでしょう。それでも、混雑率は130%程度に収まるでしょう。

そう、混雑率は供給次第でいくらでも変化します。南北線は現在はそこそこ混んでいる路線ですが、これが一気に空いている部類の路線に変化します。それでも、「座席前の吊革が埋まり、ドア部分の立ちの密度が高い」程度の混雑で快適通勤とは隔たりはあります。そうはいっても、圧迫されない程度の混雑に緩和するのであればよいことです。

意外と南北線が混む理由

南北線は比較的混んでいます。他の地下鉄路線のように銀座・日本橋・大手町地区のような都心部を通りませんし、これらを通らない他の地下鉄(副都心線、大江戸線)は新都心の新宿を通ります。一見すると、他の地下鉄よりも空いていそうに思えます。では、なぜここまで混んでいるのでしょうか。

これは東京23区の構造と地下鉄網の偏りが関係しています。山手線の内側の駅は規模の大小があれどオフィスが集積しています。そのため、どの駅も通勤や通学の目的地となります。一方、東京の地下鉄は山手線の内側のうち東側(東京駅に近いあたり)に集中しています。逆にいうと、山手線の内側の西側を南北に貫く地下鉄は貴重な存在です。あっても、一部区間だけです。まともに南北に貫いている路線は南北線くらいです。このような偏りから、いわばマイナーな需要を一手に引き受けて南北線も比較的混むのです。

このような意味で、山手線と南北線の隙間を埋める路線があると東京23区の移動は便利になるでしょう。例えば、大塚-護国寺-信濃町-青山一丁目-西麻布-白金台-高輪台-大崎のような路線です。

このようなバイパス線の整備は多くの路線の混雑を緩和する効果があります。東京は地下鉄が多くて非常に便利と思われていますが、意外と不便な移動パターンもあります。この「意外と不便」なパターンを減らす意味でもバイパス線の整備に期待したいところです。

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