東急大井町線(混雑基本データ)

記事上部注釈
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このページでは東急大井町線の混雑状況について基本的なデータをまとめています。また、私が実際に現場で調査した結果へのリンクも記しています。

14:17に大井町線各停が到着

写真1. 大井町線の電車が停車中(二子玉川で撮影)

東急大井町線の基本情報

東急大井町線は大井町と川崎市の溝の口を結ぶ路線です。歴史的経緯から、大井町線は田園都市線と関係が深いです(一時期は田園都市線と名乗っていて、都心への経路になっていた)。その関係は現在も続いており、大井町線から田園都市線への直通電車もあります。とりわけ大井町は品川やお台場への中継点となりますから、田園都市線や東横線から品川やお台場への経路としても大井町線は重要です。

その他に、東急の各路線を横串のようにつなぐ役割もあります。起点の大井町こそ東急各線への接続はありませんが、途中駅で以下の通り、東急各線と連絡しています。

・旗の台:池上線
・大岡山:目黒線
・自由が丘:東横線
・二子玉川:田園都市線

このような横串となる路線は重要です。例えば、二子玉川から池上までの移動を想定しましょう。もしも大井町線がなければ、田園都市線-山手線-池上線というルートをとることでしょう。これが朝ラッシュ時であれば、混雑する田園都市線に乗ることになります。現実には大井町線を利用できますから、田園都市線の混雑を回避できます。このことは、個々の利用者にとってのメリットもそうですが、大局的に見ると田園都市線を必要以上に混雑させないというメリットもあります。

このように、あまり目立たないけれど、実はなくてはならない路線。それが東急大井町線なのです。

東急大井町線の混雑基本データ

では、混雑状況データを簡単にまとめます(表1)。

表1. 東急大井町線の混雑基本データ

最混雑区間九品仏→自由が丘
混雑率2022年111%
2021年102%
2020年102%
2019年156%
2018年155%
2017年166%
2016年172%
最混雑時間帯7:30~8:30
集中率19.7%
流動最大区間自由が丘-九品仏
乗客半減区間二子玉川-溝の口

・流動最大区間:当該の路線で最も輸送人員の多い区間(弊サイト独自指標)

・乗客半減区間:流動最大区間の輸送力が半分以下になる、最大流動区間に最も近い駅間を指す(弊サイト独自指標)

※集中率、流動最大区間、乗客半減区間は都市・地域交通年報(平成30年度版)を参考に独自で計算

混雑率の出典は国土交通省発表の資料(2022年2021年2020年2019年2018年2017年)、2016年は都市・地域交通年報(平成30年度版)

東急大井町線は都心には直結されていないので空いているイメージがあります。しかし、現実には最混雑区間の九品仏→自由が丘混雑率150%以上(2019年以前、2020年以降は100%程度)になるなど、決して空いている路線ではありません(首都圏の標準かそれよりやや空いている程度)。

2018年度は混雑率が155%ですが、2017年度は166%でした。これは、2017年11月~2018年2月に急行が6両編成から7両編成に増強されたためです。一般に混雑率は秋の平日に実地調査が行われます。この実地調査のときはまだ急行は6両編成で、1年後の2018年秋の実地調査のときは急行は7両編成になっていたのです。

最混雑区間が九品仏→自由が丘なのは、ここまで大井町線に乗って、自由が丘から東横線方面に向かう人が多いことを示しています。「田園都市線方面から東横線に乗りかえて渋谷に向かう人が多いのね」と単純に解釈してはなりません。よく考えてみてください。田園都市線でそのまま渋谷に向かえます。いくら混んでいるからといっても、そのようなことをする人は少ないです。事実、東横線の自由が丘での流動のデータを見ると、渋谷方面-大井町線の利用よりも、横浜方面-大井町線の利用のほうが多いのです。田園都市線から横浜方面への経路になっているということです。もちろん、渋谷方面の途中駅への利用もありましょう。

集中率とはラッシュに集中する割合です。極端な話、集中率が100%であれば、ラッシュ以外に全く使われないということです。20%以下が集中率が低め(朝も日中もまんべんなく利用されている)、30%以上が集中率が高め(ラッシュ以外は空いている)と判断できます。集中率は20%少々とラッシュ時以外にも利用されています。都心のビジネス街を通るというより住宅街を通る性格なので、日中時間帯も利用されるのです。事実、日中時間帯の各駅停車でもそこそこ乗っています。

乗客半減区間は溝の口-二子玉川です。この区間は田園都市線との並走区間であり、田園都市線の電車に乗っているということでしょうか(この区間の利用者をどう按分しているかが気になりますが)。それを除くと、全線に渡ってまんべんなく利用されているという傾向です。ただし、大井町よりではそこまで利用は多くなく、(下りでいうと)大岡山や自由が丘で乗客が増えていきます。目黒線や東横線とセットで利用されている様子が伝わってきます。

東急大井町線の混雑状況の現場調査

ここまでは公式の統計データから解析してきました。実際の調査結果は以下のリンクにあります。

東急大井町線の混雑状況(自由が丘-九品仏、休日日中時間帯、現場調査)
休日の最混雑区間の状況はどうなのでしょうか。2018年ダイヤ改正で日中時間帯の各駅停車が増発されたのは各駅停車が混んでいたからなのでしょうか。そのような実態を探りました。

東京都の各路線の混雑状況のまとめ

東急大井町線以外の路線の混雑状況はどうでしょうか。路線ごとに最混雑区間と混雑率をまとめました。また、各路線についての混雑基本データへのまとめへのリンクも整備しています。

東京都の各路線の最新の混雑データまとめ

簡易検索システム

都内から都心の勤務地に勤務する場合の経路と最混雑区間を簡単に判定するシステムを作成しました。

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都市鉄道に関する統計データは以下の書籍を参考にしています。本記事の内容を深く知りたい人はぜひ購入してみてください。(2022年時点で平成30年度版が最新です)

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