沖縄。青い海と白い砂のイメージが強い場所です。現在は日本の領土ですが、もともと日本とは異なる国(琉球王国)だったこともあり、本州~九州と異なる文化もある場所でもあります。そんな沖縄観光の基礎知識についておさらいしましょう。
写真1. 沖縄といえばエメラルドグリーンの海!
沖縄県の範囲と沖縄本島
多くの人が「沖縄」という単語を使いますが、そもそも沖縄とはどこなのでしょうか。会話の中で「沖縄」という人はそこまで意識はしていないでしょう。そうはいっても、ある程度はっきりさせることが重要です。そこで、本章では「沖縄」がどこを指すか紹介しましょう。
図1. 沖縄県の範囲
沖縄県の範囲を示します(図1)。多くの人が知る沖縄本島はもちろんですが、宮古島や与那国島などの多くの島を含む広大な範囲が沖縄県です。1回の旅行で沖縄の全ての島を訪問することは不可能です。ただし、沖縄本島のすぐ北にある与論島(図2)は鹿児島県です。沖縄本島は沖縄県の端にあるのです。
図2. 鹿児島県に位置する与論島(googleマップより引用)
一方、日本最西端に位置する与那国島(図3)は沖縄県に属します(※)。沖縄本島から400kmも離れた場所です。ここまで遠いところまで同じ「沖縄県」であり、会話の中では「沖縄」とひとくくりにされる場所です。
※日本最南端も沖縄県にあると誤解されますが、日本最南端の沖ノ鳥島(や日本最東端の南鳥島)は東京都に属します。
図3. 日本最先端の与那国島(googleマップより引用)
ここでは、与論島だの与那国島だのの細かな知識には立ち入りませんが、沖縄という範囲は広大であることをご認識いただければと思います。
沖縄のメインの島:沖縄本島
沖縄県のメインの島が沖縄本島です。県庁所在地の那覇市もあり、人口も最も多い沖縄観光の入口といえる島です(図4)。
図4. 沖縄本島の範囲(googleマップより引用)
この島についてここまで沖縄本島(おきなわほんとう)と記してきましたが、沖縄島(おきなわじま)という呼びかたもなされます。国土地理院などでは沖縄島という表現がなされ、私所持の地図帳にも沖縄島と記されています。ただし、一般的には沖縄本島と呼ばれるので、弊サイトでも沖縄本島と表記することにします。
沖縄本島は南北に長く、東西に短い形です。そのため、面積の1,207.00km2から考えると、意外なことに南北方向の長さが長く、南北方向の長さは100kmに達します。100kmといえば、だいたい東京から熱海までの距離に相当し、沖縄には新幹線がないことを考えると、移動の手間がかかることは想像できると思います。
その沖縄本島は南北に3分割して考えることが多いでしょう。
南部:那覇がある沖縄の玄関口
沖縄本島南部は県庁所在地の那覇市があり、人口も最も多い地域です。沖縄県唯一の鉄道である「ゆいレール」も南部にあります。
那覇空港もあり、沖縄観光をする人の玄関口でもあります。那覇市周辺は人口密度が高く、人口密度は7917人/km2です。この数字はさいたま市の6065人/km2を上回ります。首都圏のそれなりに有名な都市以上の人口密度ということです。
南部の観光名所は那覇市内、首里地区、ひめゆりの塔(糸満市)が有名です。
中部
沖縄県中部は沖縄市を中心とする地域で、米軍基地が多い場所です。人口の多い南部、自然の多い北部の間の性質を持った場所ともいうことができましょう。
米軍基地が多いということは、それだけ「アメリカ」の香りがする場所であるということです。そのアメリカンを楽しみたいのであれば、美浜アメリカンビレッジがおすすめです。また、海中道路が主要な観光名所です。
北部
沖縄といえば、青い海と白い砂というイメージが強いでしょう。そのイメージ通りなのが、那覇から遠く山がちで自然が多く残る北部です。
北部の中心都市は名護市です。この名護市には美ら海水族館(「ちゅらうみ」と読みます)があり、沖縄でも有名な観光名所です。このほかにも、万座ビーチなど有名な海水浴場があります。
沖縄を旅して印象に残ったこと
沖縄についての基礎知識ではありませんが、沖縄観光のうえでの(実際に私が感じた)注意事項を2つ挙げさせていただきます。
天気の急変に注意!
沖縄は本州よりも南にあり、周囲が海です。そのためなのか、天気が急に変わりやすい印象があります。さっきまで晴れていたのに、急に雨が降ることがしょっちゅうありました。私が沖縄に行ったのは冬でしたが、急に小雨が降りだしたのは1度や2度ではありません。滞在していた4日中、毎日この現象に遭遇したくらいです。また、那覇のような都市部でも、沖縄本島北側の自然が豊かな地域でも同様でしたので、特定の地域限定の現象でもありません。
逆に言うと、急に雨が降っても周囲の空を見ると明るいことが多く、すぐに雨があがりました。そのためか空気中の水分が多いのでしょう。虹を見る機会にも恵まれました(写真2)。
写真2. 虹の撮影にも成功!
起伏があり、坂道も多い!
写真3. 那覇市内でも坂が多い
沖縄は平坦なイメージをお持ちの人もいるかもしれませんが(私もそうでした)、実際は山もあり、坂道がいたるところにあります。それも海の近くから坂があるというイメージです。
これは那覇のような都市部でも例外ではなく、国際通り(那覇の中心部の通りのことです)周辺も例外ではありません。ましてや、那覇市内観光の白眉の首里城跡近辺はなおさらです(写真3)。
このことから、観光においては坂の上から下に歩く経路を組み立てる必要がありますし、安易に貸し自転車に頼ってはいけません。特に、自転車行動は急な雨にも対応できないので、そのような意味でも自転車なしのプランを組み立てる必要があります。
逆に言うと、坂道は観光の良いスパイスになります。美しい街角に出会うチャンスが倍増する土地であるともいえるのです。