大崎短絡線の現場を訪問する

湘南新宿ラインの運転上の制約である「蛇窪」。これを解消する1つの方法が「大崎短絡線」の建設です。果たして、物理的に大崎短絡線の建設は可能なのでしょうか?現地で視察し、簡単に考察してみましょう。


大崎短絡線とは?

湘南新宿ラインのダイヤ作成上のネックは蛇窪です。蛇窪が厄介なことは、湘南新宿ラインの横浜→新宿の列車と、横須賀線の東京→横浜の列車が平面交差するということです。これを解消する方法として、蛇窪の北側で横須賀線から大崎駅構内に抜ける線路を新設することが考えられます。これを大崎短絡線と呼びます。

大崎短絡線の現場

図1. 大崎短絡線の建設現場付近(googleマップの引用)

大崎短絡線の建設現場付近の地図を示します(図1)。ここに単線の線路(横浜方面行きは現在の線路を活用すれば良い)を建設するのです。地図中のインザガーデンの左側に空間があることに気がつきます。ここに線路を建設すれば良いのです。

短絡線:インザガーデンの隣

写真1. インザガーデンの隣の現場

現地で実際に見てみました。案の定、空間が見えました(写真1)。現在は駐車場として使われていますが、ここを買収すれば何とかなるように思えます。実際、駐車場として使用されている空間は「余剰空間をとりあえず使う」という意味合いもありますから、ここに線路を建設することじたいは何ら問題ありません。

では、横須賀線(品鶴線)本体との分岐部分はどのような感じでしょうか?

大崎短絡線:品鶴線との分岐線

写真2. 横須賀線(品鶴線)本体との分岐部分

ここも特に問題ないように思えます(写真2)。ちょうど、歩道橋の折り返し部分付近を通るような感じです。ここはどうしても急カーブになってしまいますね。R=250程度でしょうか。すると、制限速度は60km/hです。現在は蛇窪で60km/h制限となっていますから、ここでそれ以上の制限速度であれば全く問題ありません。なぜなら、現在は蛇窪から大崎までずっと低速です。これがこの分岐点までは比較的高速で走行できるから、蛇窪から新分岐点まではスピードアップになります。

大崎短絡線:大崎駅構内

写真3. 大崎駅構内を眺める

では、大崎駅構内を眺めてみましょう(写真3)。写真の中央の交差点付近で左から新設の線路と合流するようなイメージです。線路の下をくぐる道路の上を通すイメージです。このスペースは100m程度ですから、高さ4mの高架橋を建設するとしたら、約40‰の勾配です。これを直接8番線につなげるとしたら、アプローチ距離がおおよそ2倍になりますので、その勾配は20‰になります。

旅客電車を運行することを考えれば、40‰の勾配は可能(飯田線に実績があります)です。貨物列車のことを考えれば、20‰の勾配が限度でしょう。あらゆる人は貨物列車が通常通りに通るには10‰が限界と述べていますが、この区間は短距離で下り勾配のため、20‰でも何とかなるでしょう。8番線に直接入るということは、りんかい線からの電車8番線に入るためには工夫が必要でしょう。それでも大崎駅の8番線の脇にはスペースがありそうなので、何とかなるでしょう。

ともかく、制約事項が多いながらも、何とか大崎短絡線は建設可能であることが示されました。羽田新線建設などに比べれば地味な内容ですが、羽田新線の成功の遠因(ダイヤ乱れの可能性が減る)となりますから、建設してもらいたいものです。可能であれば貨物列車も運転可能なようにして、貨物列車運転時のダイヤ上のリスク軽減と、現在の線路スペースの売却を可能にしたいものです。


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