上野東京ラインの開業に伴う湘南新宿ラインの変化

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E233系が大塚を通過

写真1. 車両が変化した(大塚でarrowsで撮影)

2回の記事に分けて、東急の対応と小田急の対応について述べました。次に、ある意味自分自身で起こした変化、上野東京ラインの開業について述べましょう。

上野東京ライン開業前後のダイヤ変化

湘南新宿ラインと上野東京ラインの類似性と違い

湘南新宿ラインも上野東京ラインも、宇都宮・高崎線から横浜・大船方面に直通するという意味では変わりません。宇都宮線であれば大船以南(以西)の行き先が異なりますが、高崎線であれば行き先も全く同じです。籠原行き、高崎行き、国府津行き、小田原行きなど両者に存在します。

それでは上野東京ラインの開業によって湘南新宿ラインの役割は終わったのでしょうか?答えは否です。湘南新宿ラインは埼玉県や神奈川県から副都心エリア(新宿・池袋・渋谷など)を直結させる役割を担っています。これは上野東京ラインはどう逆立ちしてもこの役割を果たせません。また、逆に上野東京ラインの役割は埼玉県や神奈川県エリアから都心エリア(東京・品川・上野など)を直結させる役割を担っています。上野東京ラインも湘南新宿ラインも南北で同じ方面に直通しているのは、結果論ですのであまり大きく見る必要はありません。

上野東京ライン開業前後のダイヤ比較

そのような意味なのか、上野東京ラインが開業したダイヤ改正(2015年3月14日)では特段変化が起こりませんでした。本当にダイヤがほとんど変化していないか見てみましょう(表1-2)。

表1. 新宿発車時刻の比較(横浜方面行き)

新宿発車時刻:2013年と2017年の比較

表2. 横浜発車時刻の比較(新宿方面行き)

横浜発車時刻:2013年と2017年の比較

ほとんどが1分程度の時刻のズレでしかありません。大きな変化は朝ラッシュ時の快速と普通の時刻変化でしょう。よくみると新宿発8:19から9:34までは従来の快速は普通に変化し、従来の普通は快速に変化しています。これは、快速が連続(=高崎線からの列車が連続)していた箇所を修正したためでしょう。すなわち、宇都宮線から新宿方面へ直通する列車の間隔が大きく開くことを是正したことを意味します。朝ラッシュ後についても普通が連続する箇所を快速との交互に改めています。これにより、朝ラッシュ後に高崎線から新宿方面に直通する列車の間隔が大きく開くことを是正したことを意味します。

このように大きく間隔が開くことを是正した程度で、ダイヤ面ではほとんど変化はありませんでした。

車両の変化

埼京線、成田エクスプレス、湘南新宿ラインが並ぶ(池袋)

写真2. 現在に至るまでE233系が運用される(池袋で撮影)

しかし、車両は変化しました。2004年10月16日ダイヤ改正後、使用車両をE231系に統一していましたが、E233系が使用され始めました。E233系はE231系の上位互換版ともいえる車両で、クロスシート車の数はE231系(国府津車)と同じ、トイレはE231系小山車の位置にもE231系国府津車の位置にもそれぞれ付いているというものです。車両性能はE231系よりもはるかに優れる(8M7Tでも起動加速度3.0km/h/s出せそうな気がします)が、E231系と同等(起動加速度2.3km/h/s)とすることも可能という仕様です。また、このときからE231系とE233系の連結運用も開始されました。

このダイヤ改正に関するお知らせで「湘南新宿ラインに新型車両が走り始めます」という類の文言は一切なく、本当にひっそりと走り始めたように記憶しています。ダイヤ改正当日の朝に池袋でE233系を確認して「へ?」と思ったことをよく覚えています。

そのような小さな変化があっただけで、上野東京ラインの開業を迎えたのです。ただし、このときまでにダイヤ乱れに関する対策が打たれていたのです。このヒントは上の記述にも見られますが、改めてまとめることにしましょう。

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