S-trainについての小考察

記事上部注釈
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西武鉄道がS-trainを運転開始すると発表しました。多くの人は「新しいサービスに期待」という趣旨の話をしていましたが、そのような論調だけのように思います。そこで、私があえて懐疑的なみかたもしました。何が懸念点?それは本文で述べます。

※2018年6月に現状へのリンクを貼りました。

S-TRAINの概要

西武鉄道がS-TRAINを運行すると発表しました。西武鉄道の発表をしめします。
概要としては以下の通りです。

1) 平日は豊洲-所沢で運転
※朝1本、夕方以降2本
2) 休日は元町・中華街-西武秩父で運転
※全てが元町・中華街-西武秩父を通しで運転するわけではありません。

S-TRAIN 平日イメージ

図1. 平日の運行イメージ(大本営発表より)

S-TRAIN 休日イメージ

図2. 休日の運行イメージ(大本営発表より)

概要から見えてくること

狙いと沿線状況

平日は豊洲-所沢という設定です。これは有楽町線沿線への通勤需要を重視しているのは明らかです。有楽町線沿線は永田町(赤坂見附も近い)、有楽町(日比谷も近い)といったビジネス街を抱えているのです。永田町には停車しませんが、飯田橋乗り換えで良いと考えているのかもしれません。飯田橋そのもののポテンシャルはそこまで大きくないかもしれませんが、東西線連絡で大手町、日本橋というビジネス街にアクセスが可能です。

休日は元町中華街-西武秩父という設定です。横浜地区、秩父地区ともに日帰り観光に適しているという特徴があり、これらへの行楽客を見込んでいるのは明らかでしょう。また、自由が丘にも停車し、自由が丘に出かける自称セレブ(エセレブ)からお金をむしり取る富裕層にも乗車機会を提供することも欠かしていません。

平日ダイヤを観察する

平日ダイヤは全て豊洲-所沢の運転で、停車駅は有楽町、飯田橋、石神井公園、保谷です。西武側の終着駅が飯能ではなく所沢であることから、近距離の乗客を重視していることが見て取れます。遠距離客は小竹向原から西武線に入るのではなく、池袋で乗り換えるということなのでしょう。また、新木場発着ではないのは、新木場での折り返しの制約の問題もさることながら、新木場なら座れる、西武線から新木場までの需要は大きくないという判断なのでしょう。停車駅は予想より少ないものでした。私は永田町に停車するのは確実と思っていましたし、市ヶ谷も停車可能性ありと考えていました。やはり、素人の予想はあてになりませんね。

平日は確実に1運用で足りそうです。西武ドームで野球を開催する日に臨時で西武球場前まで延長するならば、その日は2運用必要ですね。

休日ダイヤを観察する

休日は朝に元町・中華街、西武秩父に向かう列車が運転されます。夕方はここから引き返す列車が運転されます。西武秩父到着は9:15、元町・中華街到着は10:53とやはり両者の観光開始時刻に合わせた、そんな感じが見えます。でも、西武秩父9:15はちょっと早いかな?これは、時間帯が早い=早起きで疲れている=車内で休みたい=指定席にしよう、そんなニーズを捉えているのでしょうか?元町中華街に10:53に到着した列車は、折り返しのS-TRAINはありませんが、きっと無料速達列車として運転するのでしょう。

池袋-横浜方面の利用はそれなりに見込めるのに、池袋は降車のみというのが残念です。池袋から横浜方面に向かうのにS-TRAINを使えないことを意味するからです。横浜と秩父という両端に行楽の目的地があるので、双方向に需要があるのがS-TRAINについては好都合ですね。

休日は2運用必要ですね。

将来的な課題

4ドア車では車内に落ち着きはありませんし、座席定員は限られてしまいます。2ドアクロスシート車であれば、座席定員は確保できます。朝や夕方に一般列車に使用することを考慮すれば、車端部ロングシートの3ドア車も良いかもしれません。ただし、ホームドアが前提であることを考えますと、現実に3ドア車を使用することは難しいかもしれません。

有料列車と通勤電車を同じ車両でまかなうのは無理があると私は考えます(無理になった例:写真1)。理想をいえば、小田急60000形のような専用車両を用意することでしょう(写真2)。ただし、専用車両だと運用に制限が必要ですので、現実的には4ドアの有料列車を選択したのでしょう。

美しい185系踊り子

写真1. 普通電車と特急を兼用するというコンセプトが破綻した車両

60000MSE

写真2. 地下鉄直通有料列車用の専用車両例

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営業運転開始から2年以上たった休日に、日常の姿を記録しました。

土休日のS-trainに乗る(元町・中華街→池袋、2018年初夏)

※別ウィンドウで開きます

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