鉄道と色彩①:色彩の基礎知識(色の3要素)

鉄道を利用するうえで意外と重要な知識が色彩学の知識です。まずは色彩関係の基礎知識を復習します。

備考

筆者は色彩検定2級を合格しており、ある程度の基礎知識がある状態です。

写真1. 鉄道車両のシンボルカラーは彩度の高い色が多い

今回、色彩検定の知識を解説しましたが、詳しいことは以下のテキストに書いています。検定受験の有無に関わらず、読みものと読むのも面白いと思います。

このページの概要(目次、タップできます)
  1. 色の三要素
  2. 色相
  3. 明度
  4. 彩度
  5. 実際の色の表示

色の三要素

一般に色を示す指標は以下の3つです。本記事では便宜上マンセル表色系の概念で説明いたします。

  • 色相
  • 明度
  • 彩度

これらの詳細については後で触れます。

色相

色相とは、どのような色かという性質です。赤~黄~緑~青~紫~赤の色相環(図1)で示されるものです。

図1. マンセル表色系における色相環(日本語版ウィキペディアの+-さん - 原版の投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0)

色相の違いが重要なのは彩度が高いときです(彩度が低いと色相の違いがわかりません)。鉄道車両の場合、彩度の高いものが多いですので、色相の違いが印象の違いに直結します。そのような意味で鉄道の色彩において重要な概念です。

なお、上で示した色相環ではあざやかな色で示されていますが、もっとあざやかではない色相環も作成できます。しかし、それでは色味の違いがわかりにくいです。そのため、一般的な色相環では彩度の高い色で示されます。

また、2つの色の色相の離れ具合でさまざまな呼びかたがあります。

  • 同一色相:色相差が0°(後述の明度や彩度のみが異なる)
  • 類似色相:色相差が30°(例:赤とオレンジ)
  • 中差色相:色相差が90°(例:赤と黄色)
  • 対照色相:色相差が120°(例:赤と青)
  • 補色色相:色相差が180°(例:赤と青緑)

色彩検定3級ではPCCSの色番号で識別し、それぞれに明確な正解があります。しかし、本記事では「似た色」「ちょっと違う色」「それなりに違う色」「反対色」という程度の認識で良いことにします。対照色相と補色色相が異なることだけは記憶いただきたいものです。

明度

明度色の明るさを示します。最もわかりやすい例では、白~黒の変化でしょう。明るい色は明度が高く、暗い色は明度が低いと表現されます。つまり、白は明度が高い色で、黒は明度が低い色です。

分かりやすい案内をする際には一般に明度差のある組み合わせが良いとされます。そのため、鉄道の色彩を考えるうえで見落としてはならない重要な概念です。

彩度

彩度色のあざやかさを示す指標です。あざやかな色を彩度が高いと表現し、あざやかではない色を彩度が低いと表現します。

マンセル表色系において最高彩度は色相によって異なりますが、彩度が0の色無彩色と呼ばれます。

図2. 彩度を示す図(図中のchromaが該当します)

実際の色の表示

実際の色は、色相・明度・彩度の3つの指標を使って表示します。例えば、マンセル表色系(色相・明度・彩度の3つの概念を使って色を系統的に整理する概念の1つ)においては、あざやかな赤色は5R 4/14(5アール 4の14)と書かれます。

色は一般的にマンセル値で示すことができます(もちろん別の表現方法もあります)。現物のマンセル値は測定機で測定することもできますし、標準見本と見比べて当たりを付けることもできます。ただし、趣味で鉄道と色彩の関係を考察する程度の目的であれば、「オレンジ系の色相で明度がやや高く、彩度も高い」程度の認識で充分でしょう。

補足Labに関して

色の表現方法にLabというものがあります。これは3つの反対色(白-黒、赤-緑、黄-青)をx軸、y軸、z軸に見立てて色を数値で示したものです。この表現方法では色相に関する情報が明確にならないかわりに、2色間の差異を示すのに有効です。一般にxyz空間で2点の距離を測定するのは簡単な公式で算出されます。この公式と同様の考えかたで2色の色の違いを示せます。色の違いをΔEで示し、ΔE>1.0だと明確に異なる色とするなどし、工業的に用います。

例えていうと、マンセル値は色空間を複素数平面(rsinΘ)で示すもの、Labは色空間をxy平面で示すものと理解しています(実際には3次元での表記ですが)。

今回、色彩検定の知識を解説しましたが、詳しいことは以下のテキストに書いています。検定受験の有無に関わらず、読みものと読むのも面白いと思います。

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