さよなら!255系のしおさい

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房総地区で活躍する長編成の255系電車。その255系で運転される特急の1つにしおさいがあります。そんなしおさいも世代交代が始まります。世代交代で引退する車両に着目しました。

写真1. 東京で乗客と出発を待つ特急しおさい号

復習:255系と特急しおさい

特急しおさい号は長らく国鉄型による運転が続きました(房総地区に255系が投入されたが、さざなみ系統とわかしお系統だけだった)。21世紀に入り、E257系が投入されるとともに、255系もしおさい号に充当され始めました。

ただし、特急しおさい号は利用が少なく、255系9両編成だと過剰な面も否定できません。そのような背景か、2024年ダイヤ改正後は原則的にE259系6両編成に変わります。同時に成田エクスプレスも佐倉にも停車するようになり、総武本線特急としての一面も持ち始めます。

このような背景があり、255系電車は定期運用から姿を消します。移行措置として内房線特急や外房線特急に一時的に運用するという情報もありますが、特急しおさいからは引退します。

実際に特急しおさい号に乗る

さて、特急しおさい号に乗ってみましょう!東京と千葉の間を利用しました。往路は普通車自由席、復路はグリーン車です。

ステージ1. 普通車自由席(東京→千葉)

まず、普通車自由席に乗ってみましょう!

写真2. 東京に停車中の特急しおさい号

東京に停車中の特急しおさい号です(写真2)。これは2024年1月に撮影していますが、撮影しているファンは見かけましたが、実際に乗っている人は少ないです。

写真3. 車内はガラガラ

車内はガラガラです(写真3)。正月近くの昼下がりで乗客が決して多くない時期とはいえ、自由席でも席は選びたい放題です。これでは9両編成は過剰で6両編成でも多いくらいです。平日朝夕の着席需要のためにこれだけ連結しているのでしょう。

写真4. 凹凸のある床が珍しい

凹凸のある床が珍しく感じます(写真4)。これは、ビューさざなみとビューわかしおで運用する際、海水浴需要を見越したものと聞いたことがあります。現在の特急しおさい号にはそぐわない内装ですが、これで困るわけではないので、良いことにしましょう。

写真5. 車内はグレー系

グレー系の車内で1990年代の流行を思い出させます(写真5)。このころにデビューした209系電車もグレー系の車内です。照明がそこまで多くないことも含め、車内に暗さを感じさせます。

なお、JR東日本の通勤車は後継のE231系電車からは壁に白系の色を選択しています。そのため、この色構成は1990年代を感じさせるのです。

写真6. 東京を発車!

東京を発車しました(写真6)。向かいの4番線には多くの外国人旅行客が待っており、空港需要の底堅さを感じさせます。

写真7. 地上に出る

両国付近で地上に出ました(写真7)。ちょうどスカイツリーが見えました。

写真8. 錦糸町に停車!

錦糸町に停車しました(写真8)。新宿地区からのアクセスには錦糸町が便利ですが、乗り降りはそこまでありませんでした。

写真9. 車内はガラガラ

車内はご覧のとおり、ガラガラです(写真9)。

写真10. 市川市内を行く

市川市内を走ります(写真10)。130km/h出せる車両とはいえ、そこまでの速度を出している感じはありません。しおさい号のスピードアップには快速電車を抜かさねばならず、乗客の少ない特急のために快速の停車時間を増やすのも得策ではありません。総武線快速が新型に統一されたあかつきには、加速力を向上し、全体的にスピードアップするべきとは思いますが…。

写真11. 船橋を通過!

船橋を通過します(写真11)。総武線の快速電車に乗っているとここでの乗り降りが多く、せっかくの利用客を逃しているように感じます。

写真12. 船橋を通過!

船橋を通過します(写真12)。房総特急のことを考えると船橋の存在感は大きくありませんが、実は船橋は千葉県第2の都市です。

写真13. 住宅街を走行中

住宅街を走行します(写真13)。

写真14. 前面展望を楽しめる構造

255系電車は前面展望を楽しめる構造です(写真14)。

写真15. 前面展望を楽しむ

前面展望を楽しみましょう(写真15)!千葉県は意外と起伏があり、ここもその起伏がわかるでしょう。

写真16. 西千葉付近で外房線方面と分岐!

西千葉付近で外房線方面と分岐します。千葉駅は総武本線方面と外房線方面で扇形に分岐しており、千葉駅の西側で分岐する必要があります。

外房線方面は100km/hで通過可能、総武本線方面は70km/hに制限されます。外房線方面と東京は京葉線があり、高速で通過するニーズは総武本線方面が主体と思いますが、現状に合わせるための工事もなかなか難しいでしょう。

写真17. まもなく千葉に停車!

まもなく千葉に停車します(写真17)。

写真18. 千葉に到着!

千葉に到着しました(写真18)。東京から40kmも満たない距離で、銚子までは80km少々の道のりです。私が見た限り、数人は乗っていました。県都と銚子方面を結ぶ需要もあるのでしょう。

ステージ2. 千葉から東京(グリーン車)

次にグリーン車に乗ってみましょう!

写真19. 上りのしおさい号がやってきた

上りのしおさい号がやってきました(写真19)。貫禄のある9両編成です。

写真20. グリーン車の車内

グリーン車の車内です(写真20)。普通車に比べ座席はややどっしりとしていますが、そこまでの違いは感じられません。どうせグリーン車はガラガラなので、2列+1列にしても良いのでは?率直に申し上げると、グリーン車に乗る価値はかなり小さいです。

写真21. 窓は大きくない

窓は大きくありません。この窓の大きさで「ビュー」と名乗っていたのもどうかと思います。前面展望があるぶん「ビュー」ということ?グリーン車の乗客は前面展望を楽しめませんが…。

写真22. 複々線区間を走る

複々線区間を走ります(写真22)。1月なので陽が短く、午後すぎにはもう陽が傾いています。そのため、かなりの逆光です。

写真23. 京成と並走

京成電鉄と並走します(写真23)。車両は高性能ですが、いかんせん線形がわるく、東京と千葉の行き来にはあまり使われていません。京葉線の遠方軽視のダイヤ改正がなされるので、こんなときこそ逆転のチャンスと思うのですが…。

写真24. 高架区間を走る

高架区間を走ります(写真24)。

写真25. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真25)。

写真26. 錦糸町に停車

錦糸町に停車します(写真26)。ここで降りる人も見受けられました。

写真27. 地下区間に入る

錦糸町からしばらく走ると地下区間に入ります(写真27)。

写真28. 東京に到着!

東京に到着しました(写真28)。がら空きの列車であっても清掃作業は必要で、清掃作業は両数ぶんだけの業務量と考えると、短編成化は合理性があります。

写真29. すでに行先は銚子に変更済

すでに行先は銚子に変更されています(写真29)。

255系電車の事実上の引退を目撃して

255系の車内

E257系の車内(新宿さざなみで撮影)

写真群1. 255系電車とE257系電車の車内

255系電車は登場当時はビューさざなみ、ビューわかしおの専用運用で、ある意味あこがれの存在でした。そのため、あこがれの存在が引退する2か月前とあり、むせび泣くなどさまざまな感情をあらわにする利用客やファン、そして感が極まったあまりに秩序を失う駅や沿線といった光景を覚悟していました。最悪、国家安全を最重視し、途中で運行停止が宣言され、特急券がただの紙切れになるという事態も1つのシナリオとして組み込んでいました。しかし、そのような光景も想像でしかなく、肩透かしを食らったのも事実でした。

これは255系電車の後継の車両のレヴェルアップの裏返しとも認識できます。周囲のレヴェルが上がれば、相対的に色あせるのは普遍的な現象です。利用客目線では183系電車より255系電車のほうが輝いて見える一方、E257系電車と比べると薄暗い車内の電車でしかないと評価することも可能です。

沿線にE257系電車やE259系電車が当たり前の光景になるころ、255系電車が運転されていた事実や255系電車のかがやきは忘れ去られ、歴史の隙間に埋もれるのです。

また、255系電車の引退と合わせ、特急しおさい号は船橋に停車するようになり、少しの乗客を拾い、(快速電車をごぼう抜きしないという前提であれば)現実的なダイヤに合わせた停車駅になるのです。

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