SLばんえつ物語への乗車(新津→喜多方、25年7月)

記事上部注釈
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SL。現代ではなかなか眼にしない機関車です。その機関車がけん引する列車に乗車しました。沿線の風景も見どころの路線です。

写真1. 新津駅に停車中のSLばんえつ物語

復習:SLばんえつ物語の概要

最初にSLばんえつ物語の概要を紹介します。

大人も子供も楽しめる 森と水とロマンの鉄道

1999年4月29日から磐越西線で復活を遂げたSL(C57-180)で定期運行しているSLばんえつ物語は、首都圏をはじめ全国の皆さまからご利用いただいています。「森と水とロマンの鉄道」磐越西線の四季折々の風光明媚な景色をお楽しみください。

のってたのしい列車 SLばんえつ物語より引用

SLばんえつ物語の概要

  • 運行区間:新津-会津若松(新潟発着ではありません!)
  • 所要時間:3時間20分程度
  • 本数:1日1往復
  • 運転日:4月~11の土曜・休日(2026年は5/4のみどりの日は運転されず、5/6の振替休日は運転される)

図1. SLばんえつ物語の運転区間(のってたのしい列車 SLばんえつ物語より引用)

SLばんえつ物語は、磐越西線の非電化区間の新津と会津若松を結ぶ、観光列車です。以前は新潟駅発着でしたが、新潟駅高架化にともない2018年からは新津発着です。

編成は7両編成で、1両はグリーン車、2両はフリースペース車両です。他の4両は4人がけのボックスシートです。いずれも指定席扱いで、指定席券が必要です。特急扱いでないため、特急券は不要です。

図2. SLばんえつ物語の編成(のってたのしい列車 SLばんえつ物語より引用)

写真2. 普通席はワインレッドがまぶしいボックスシート席

グリーン車の競争率は高く、なかなか確保できません。そこで、多くの乗客は普通席に座ることになります。4両ぶんがこのクラシカルなボックスシート席です(写真2)。大型連休や3連休はともかく、7月下旬の土曜日であっても、1組に1ボックスという埋まり具合でした。

写真3. 照明の色もあり、トンネル区間ではクラシカルな雰囲気

トンネル内ではクラシカルな雰囲気が増します(写真3)。

写真4. ボックス席はテーブルも備わる

ボックス席にはテーブルも備わります(写真4)。

写真5. 普通車のデッキ部分

普通車のデッキ部分です(写真5)。

写真6. オコジョルームが連結される

1号車にはオコジョルームが連結されます(写真6)。個人的にはこの車両を指定席plus(横4列配列のリクライニングシート)+展望室にしたほうが良いと感じますが、お子さんの人気もあり、無視できない需要でしょう。

写真7. オコジョ車両にも展望室がある

オコジョ車両にも展望室があります(写真7)。

写真8. 展望車両

4号車に展望車両も連結されています(写真8)。雰囲気のある車両です。グリーン車には乗れていませんが、全般的にクラシカルさを前面に出しています。

写真9. グリーン車には展望スペースがある

グリーン車には展望スペースがあります(写真9)。グリーン車に乗車する人だけが乗ることのできる、特別な空間です。

写真13. 売店も設置されている

売店も設置されています(写真13)。本格的な食事は観光地でするべきことと位置付けているのか、本格的な食事はありません。

実際にSLばんえつ物語に乗る

御託はこの程度にして、SLばんえつ物語に実際に乗りましょう。

写真14. 新津に停車中のSLばんえつ物語

新津駅に停車中の様子です(写真14)。多くの人が記念撮影していました。乗客サービス的には蒸気機関車でも最新鋭の旅客車両であっても変わりませんが、このような「印象」を売ることもこのような列車には不可欠でしょう。

写真15. 機関車には石炭が積まれている

機関車には石炭が積まれています(写真15)。この石炭の化学エネルギーを燃焼という現象で熱エネルギーに変換。さらにその熱エネルギーを水分子に伝えて蒸気とすることにより、運動エネルギーに変換します。ご承知の通り石炭はπ結合の割合が多く、不完全燃焼する割合が多い(※)です。それゆえの黒煙なわけです。

※石炭の化学構造は一意には定まりませんが(特定の化合物だけでない)、石炭を構造式で表記するとベンゼン環が多く組み込まれています。ベンゼンを燃やすと黒煙が出ることから、似た構造を有する石炭も黒煙が出ることは容易に想像できると思います。

このような定義に従うのであれば、将来的には不飽和度の低い燃料を燃焼させ、それを蒸気源として利用する方策であっても蒸気機関車は成立します。

写真16. クラシカルな客車が乗客を待つ

クラシカルな客車が乗客を待っています(写真16)。

写真17. 客車の様子

途中駅(山都)で撮影した客車の様子です(写真17)。

写真18. 車内はそこまで混雑していない

車内はそこまで混雑していません(写真18)。見知らぬ人と同じボックス席を共有する事態も想定していただけに、これはありがたいことでした(このような旅を好む人もいるでしょう)。

写真16. 新津を発車!

新津を発車します(写真16)。

写真17. 信越本線から分かれる

信越本線から分かれます(写真17)。ここから会津若松まで非電化区間を走ります(近年、喜多方から会津若松まで非電化区間に変わりました)。

写真18. 住宅街を走る

磐越西線はローカル線の側面があるといえ、新津よりは政令指定都市内ということもあり、住宅街も広がります。

写真19. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真19)。

写真20. 能代川を渡る

能代川を渡ります(写真20)。

写真21. 黒煙が見られる

黒煙を確認できます(写真21)。たまに運転される観光列車ならともかく、毎日このような黒煙が発せられていたら沿線住民から良い視線を向けられないわけです(現状のSLばんえつ物語は沿線に歓迎されている印象でした)。

写真22. 夏の水田を眺める

夏の水田を眺めます(写真22)。夏は太陽光も明るく、緑も美しく、暑さを除けば旅行に良い季節です。

写真23. 市街地に入る

市街地に入ります(写真23)。

写真24. 五泉に停車!

五泉に停車します(写真24)。

写真25. 五泉を発車!

五泉を発車します(写真25)。

写真26. 早出川を渡る

早出川を渡ります(写真26)。

写真27. 撮影部隊が待機中だった

撮影部隊が待機中でした(写真27)。この時間は午前中であり、西向きに撮影するのは順光で撮影向きです

写真28. 田園風景が広がる

田園風景が広がります(写真28)。

写真29. 山に徐々に近づく

山に徐々に近づきます(写真29)。

写真30. 馬下を通過!

馬下を通過します(写真30)。このあたりまで平野部で、馬下までの区間運転もあります。

写真31. 山間部に入る

山間部に入ります(写真31)。

写真32. 咲花に停車!

咲花に停車します(写真32)。

写真33. 阿賀野川沿いを走る

阿賀野川沿いを走ります(写真33)。なかなか良い景色です。

写真34. 山間部を走る

山間部を走ります(写真34)。

写真35. 阿賀野川を渡る

阿賀野川を渡ります(写真35)。

写真36. 三川に停車!

三川に停車します(写真36)。このあたりにも温泉があります。

写真37. 山間部を走る

山間部を走ります(写真37)。

写真38. 川でお遊び!

川でカヌーに興じる姿も見えます(写真38)。

写真39. 川で興じる姿

川で興じる姿です(写真39)。

写真40. 川沿いを走る

川沿いを走ります(写真40)。

写真41. ちょっとした市街地が広がる

ちょっとした市街地が広がります(写真41)。

写真42. 津川に停車!

津川に停車します(写真42)。ここ津川では給水のために停車します。産業用ボイラーであれば水は常時供給されますが、SLは走行中に外部から水を供給できません。そのため、主要駅で水を補給するのです。

観光列車ゆえの気分転換の停車も兼ねていると考えましょう!

写真43. 多くの人が機関車の前で記念撮影

多くの人が機関車の前で記念撮影しています(写真43)。

写真44. 機関車の様子

機関車の様子を撮影しました(写真44)。

写真45. 溜まった水を抜いている

蒸気機関車は蒸気を使用しますが、蒸気は冷却されると液体に変わります。その溜まった水を抜いているのでしょうか(写真45)。このほか、注油作業もされていたように見えました。

写真46. 行き違いの普通新津行きがやってきた

ここで反対方向の普通新津行きがやってきました(写真46)。

写真47. 普通新津行きが到着

普通新津行きが到着しました(写真47)。

写真48. ホームはにぎわう

ホームはにぎわっています(写真48)。一方で2両編成の普通新津行きはかなり空いていることもわかります。

写真49. 住宅街を走る

津川を発車し、住宅街を走ります(写真49)。次の鹿瀬でしょうか。

写真50. 鉄橋を渡る

鉄橋を渡ります(写真50)。

写真51. 新潟県から福島県に向けて走行中!

新潟県から福島県に向けて走行中です(写真51)。

写真52. 山間部を走る

山間部を走ります(写真52)。

写真53. 再び阿賀野川を渡る

再び阿賀野川を渡ります(写真53)。

写真54. 日出谷に停車!

日出谷に停車します(写真54)。

写真55. 川沿いを走る

川沿いを走ります(写真55)。

写真56. ここは川幅が広い

ここは川幅が広いように感じます(写真56)。

写真57. 緑が美しい!

緑が美しく感じます(写真57)。

写真58. 里を走る

里を走ります(写真58)。

写真59. 新潟県から福島県に入る

新潟県から福島県に入るところです(写真59)。いいかえると、中部地方から東北地方に入ります。

写真60. 阿賀川を渡る

阿賀川を渡ります(写真60)。

写真61. 徳沢を通過!

徳沢を通過します(写真61)。

写真62. 緑が美しい!

駅間は美しい緑色の風景が展開します(写真62)。

写真63. 阿賀川を眺める

阿賀川を眺めます(写真63)。

写真64. 水門も見える

水門も見えます(写真64)。

写真65. いくぶんなだらかになった

周囲の風景はいくぶんなだらかになってきました(写真65)。

写真66. 住宅が見える

再び住宅が見えてきました(写真66)。

写真67. 野沢に停車!

野沢に停車します(写真67)。ここは西会津町の駅です。

写真68. 野沢を発車!

野沢を発車しました。沿線の方々が手を振っています(写真68)。見かたによっては黒煙しか出さない迷惑な乗りものに対し、このような態度で応えてくれるのは、日ごろのJR東日本と沿線住民の間の関係性が良好であることを示す1つの場面に見えます。

写真69. ここでも撮影される

ここでも撮影部隊が待機中でした(写真69)。

写真70. 阿賀川を渡る

阿賀川を渡ります(写真70)。福島県内は阿賀野川でなく、阿賀川です。

写真71. 川沿いを走る

川沿いを走ります(写真71)。

写真72. 住宅が見えてくる

住宅が見えてきます(写真72)。

写真73. 山都に停車!

山都に停車します(写真73)。「やまと」と読みますが、「やまと」読みでなかなかこの漢字は頭に出てきません。

写真74. 山都でいったん下車

山都でも長時間停車がありますので、いったんホームに降ります(写真74)。

写真75. 山都でも給水ポイント

山都でも給水ポイントとして長時間停車します(写真75)。

写真76. 石炭はそこまで減っていないように見える

石炭はそこまで減っているようには見えませんでした(写真76)。

写真77. 車内はそれなりの混雑

車内はそれなりの混雑です(写真77)。家族連れが主流に見え、オコジョルームは一定の意味を持つでしょう。

写真78. 山都を発車してやや登る

山都を発車してやや登ります(写真78)。

写真79. 川を渡る

川を渡ります(写真79)。丘に向かって高度を稼いでいることがわかります。

写真80. 会津盆地が見える

会津盆地が見えます(写真80)。ここから下ります。分水嶺を超えたと勘違いしていましたが、新津から会津若松までずっと川の上流に向かって進んでいるため、険しい地形の区間よりも標高は上がっています。

写真81. 喜多方に到着!

喜多方に到着しました(写真81)。私はここで降りることにしました。

写真82. 喜多方から乗る人も見える

喜多方から乗る人も見えました(写真82)。会津若松での接続列車はありません(郡山方面は-6分接続、会津田島方面は-2分)が、喜多方と会津若松の移動や体験乗車という側面もあるのでしょう。

写真83. 喜多方からの本数は少ない

喜多方からの本数は少ないです(写真83)。流動が比較的多そうな会津若松方面であっても、2時間のダイヤホールが存在します。それゆえにSLばんえつ物語の存在感は大きいです(先発の快速はSLばんえつ物語ではありません)。

SLばんえつ物語に乗ってみて

写真84. 展望を重視した車両があっても良いかもしれない(スイス国鉄車の車内、オーストリア国内で撮影)

SLばんえつ物語は1999年登場で、(私が乗った2025年時点でも)26年以上歴史のある観光列車です。客車のリニューアルや新潟駅乗り入れ廃止などの経緯はあれど、沿線との信頼関係の構築を感じられる光景も見られました。

また、オコジョルームは「子供だまし」の先入観があり、乗車前はあまり良い印象はありませんでした。しかし、所要時間が長い観光列車という性質上、お子さんはSLに飽きるでしょう。遊ぶスペースがあり、家族連れにとっては欠かさない設備なのでしょう。

他方、旧来のボックス席が主体であり、知らない人との乗り合わせを避けたい向きへのニーズが不足しているように感じました(グリーン車は満席で指定席を確保できない)。場合によっては、4号車の一部を横4列配列の準グリーン車に変更するのも良いかもしれません。

また、1日1往復では、途中駅に立ち寄ったら出発駅に戻るしかなくなります。せっかく沿線と手を結んでいることから、全席指定席/回転リクライニングシートの準観光列車を1日1往復運転(会津若松を朝に出発し夕方に戻る、新潟駅直通)し、沿線観光をさらにしやすくする工夫も重要と感じました。

これをさらに進め、新潟と郡山を直通で結ぶ全席指定快速(営業上は特急としても良い)を設定し(新潟-会津若松は1日3往復、会津若松-郡山は2時間間隔で従来の快速と合わせて1時間間隔)、より多くの需要をつかんでほしいとも感じました。

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