写真. かつては通勤客を運搬していた8000系電車
逆ラッシュについて
朝ラッシュ時の混雑といえば、さまざまなメディアで公表されています。それらのレポートは都心に向かう列車の混雑について書いたものばかりであり、逆方向の実態について踏み込んだレポートはほとんどありません。そこで、東上線の下り急行によく乗車している私が何本かの列車に潜入して調査いたしました。
東上線の逆ラッシュ時の事例調査
調査事例1. 池袋発7:15急行3号車
池袋ではほとんどの座席が埋まります。つまり、池袋では着席可能です。この急行は和光市や志木で普通への接続はありません。そのため、柳瀬川、みずほ台、鶴瀬へ向かう場合は前後の準急を選択する必要があります(成増で普通志木行きに連絡するので、朝霞へは行ける)。これを車内放送で言う車掌は少ないです。これを事前に連絡すれば、次の準急に乗車して混雑が分散するのにと思います。
わずかに空席を残したまま急行は発車します。このままの混雑ならば朝の通勤はラク!どうせこの先は郊外なんだし、空く一方だろう、そんな思いは次の成増で砕かれます。わずかな空席は当然埋まり、座席前にも乗客が入り込みます。出入り口から遠い位置にわざわざ立つのは、これから混雑することがわかっている証拠です。遠景の秩父の山並みを眺めながらの通勤という夢は夢で終わったのです。それが良ければ土日に乗ることですね…。和光市で乗客はまた増加し、朝霞台では座席前の吊革が埋まります。逆ラッシュで優雅に通勤というのは完全に夢で終わったのです。夢にこだわるならば、私のように仮眠をとることですね。仮眠中は夢を見られるかもしれませんよ。
このような混雑はずっと続きます。途中で乗り降りがあったり(特に川越での入れ替わりは激しいです)、若干の混雑のブレはありますが、座席前に乗客がいる状態は続くのです。
乗客を観察してみましょう(私も誰かに観察されているのかもしれません)。皆さん、つまらなさそうに乗車しています。問題集を広げる高校生、ゲームに夢中な高校生、そして私服で乗っている大人。こんな大人たちはどこに行くのでしょうか?その1人に私がいます。私は沿線の会社に通勤しています。会社の最寄駅で同じ会社の人も見かけます。そう、これらの人々は会社員なのです!通勤電車に通勤客が乗車しているのです。彼ら(私も)は改札を殺伐と通過し、今日も職場や学校に向かうのです。通勤電車は都心と逆方面に向かう方向も混雑しており(都心に比べれば可愛いものですが)、それぞれの生活があるのです。
調査事例まとめ
簡単ながら2、3号車の乗車率を調査いたしました。ここではKOYA様考案の混雑ポイントという概念を活用しています。暖色系だと立ちが発生しているとお考えください(表1)。
表1. 池袋6:45~7:15の急行の混雑調査
(参考)表2. 混雑ポイントと状況の対応表
ここから以下の点が読み取れます。
・川越以北に限れば1011列車(川越7:31発)の混雑は若干ゆるい
→これは1011列車の6分前に普通があるため、川越からの乗客の一部はこちらに流れるのでしょう。
・この3本に限れば、1013列車(池袋7:15)の混雑が一番きつい
・この3本いずれも池袋からならば着席可能である。
※いずれも埼玉県内は立ちが発生しています。
・下りの回送(池袋→森林公園)を客扱いすべきである
※下りに回送が存在します。この回送は池袋を7:11に発車します。TJライナー2号の折り返しの回送ですね。
混雑基本データへのリンク
ここまで個人的な体験をベースに混雑状況をまとめてきました。では、客観的な公式データによるものをまとめたページはないのでしょうか。そのような声にお応えして、混雑基本データをまとめたページを作成しました。