このページではつくばエクスプレス線の混雑状況について基本的なデータをまとめています。
写真1. 最混雑区間を走る列車(北千住で撮影)
つくばエクスプレス線の基本情報
つくばエクスプレス線は秋葉原からつくばまでの路線です。2005年に開業した新しい路線です。正式名称は首都圏新都市鉄道といいますが、その正式名称はあまり使われていませんね。日常会話で「首都圏新都市鉄道」と言ったら変な顔をされるほどですね。
つくばエクスプレスは東京都、埼玉県、千葉県、茨城県を通る路線です。北千住で常磐線と交差し、その北千住より秋葉原よりでは常磐線の東側を、北千住よりつくば寄りでは常磐線の西側を通ります。もともと常磐新線という名称で計画が進んでいることからわかるように、常磐線の混雑緩和を目的としています。
正式名称は首都圏「新都市」鉄道です。この路線は単に路線を建設・運営するだけではなく、沿線の開発を行って沿線に「新都市」を建設するという意図もあります。そのため、新規建設路線としては珍しく、かなり混んでいます。
つくばエクスプレス線の混雑基本データ
では、混雑状況データを簡単にまとめます(表1)。
表1. つくばエクスプレス線の混雑基本データ
最混雑区間 | 青井→北千住 | |
---|---|---|
混雑率 | 2023年 | 154% |
2022年 | 138% | |
2021年 | 123% | |
2020年 | 116% | |
2019年 | 171% | |
2018年 | 169% | |
2017年 | 165% | |
2016年 | 162% | |
最混雑時間帯 | 7:29~8:29 | |
集中率 | 25.0% | |
流動最大区間 | 北千住-青井 | |
乗客半減区間 | 柏の葉キャンパス-柏たなか |
・流動最大区間:当該の路線で最も輸送人員の多い区間(弊サイト独自指標)
・乗客半減区間:流動最大区間の輸送力が半分以下になる、最大流動区間に最も近い駅間を指す(弊サイト独自指標)
※集中率、流動最大区間、乗客半減区間は都市・地域交通年報(平成30年度版)を参考に独自で計算
混雑率の出典は国土交通省発表の資料(2023年、2022年、2021年、2020年、2019年、2018年、2017年)、2016年は都市・地域交通年報(平成30年度版)
つくばエクスプレス線の最混雑区間は青井→北千住です。北千住では多くの路線が接続しており、都心に向かう人が千代田線や日比谷線に乗りかえるためです。運賃が高いために、都心の地下鉄的な利用はあまりされないのです。
混雑率は170%以上(2019年以前、2020年以降は120%程度)と首都圏の中でもやや厳しいほうです。近年完成した新線では例外的に混んでいるほうですが、これは高速性(最高速度130km/h)や沿線開発によるものが大きいでしょう。沿線開発が進むと、(人口が増えれば利用者も増加して)本数が増えます。本数が増えて便利になるとさらに利用が増えて…の繰り返しです。現在は6両編成ですが、8両編成に増強する計画があります。6両編成の場合の混雑率が180%であっても、8両編成に増強すれば混雑率は単純計算で135%に緩和されます。
集中率とはラッシュに集中する割合です。極端な話、集中率が100%であれば、ラッシュ以外に全く使われないということです。20%以下が集中率が低め(朝も日中もまんべんなく利用されている)、30%以上が集中率が高め(ラッシュ以外は空いている)と判断できます。集中率は20%台と標準的です。
乗客半減区間は柏の葉キャンパス-柏たなかであり、柏市を過ぎると空いてくる様子が伝わります。柏たなかの1つ先の駅の守谷で多くの電車が折り返すことも納得できます。
実際の混雑調査結果へのリンク
ここまでデータを紹介しましたが、実際の混雑はどうなのでしょうか。以下のリンクに実際の混雑調査結果をまとめました。
平日日中時間帯のつくばエクスプレスの混雑状況(北千住-青井、現場調査結果)
東京都の各路線の混雑状況のまとめ
つくばエクスプレス線以外の路線の混雑状況はどうでしょうか。路線ごとに最混雑区間と混雑率をまとめました。また、各路線についての混雑基本データへのまとめへのリンクも整備しています。
簡易検索システム
都内から都心の勤務地に勤務する場合の経路と最混雑区間を簡単に判定するシステムを作成しました。
※つくばエクスプレス線沿線の人は「足立区」とご選択いただくと、スムーズに検索できます。
都市鉄道に関する統計データは以下の書籍を参考にしています。本記事の内容を深く知りたい人はぜひ購入してみてください。(2022年時点で平成30年度版が最新です)