【現場調査】横浜線の混雑状況【休日昼間、町田-成瀬】

東京メガループとして、近年急速に発展している横浜線。その横浜線の実態を混雑という断面から探ってみました。また、混雑状況から輸送力が適正化を探りました。

町田に停車しているE233系横浜線快速

写真. 横浜線の快速


横浜線の乗客流動

横浜線の基本的な情報についてはあえて記しません。wikipedia先生に聞いてくれれば、だいたいのことはわかります。ここでは混雑調査に着目しているので、簡単に乗客流動の様子をまとめましょう。出典は平成22年度都市交通年報です。現在と傾向はそう変わらないと思います。

表1. 横浜線の乗客流動

少し古いですが、各駅間での乗客流動をまとめました(表2)。定期外、定期それぞれ1日あたりの通過旅客数を計算し、各区間の通過乗客数も算出しました(定期外上り、定期外下りの平均を算出した後、定期の数値を足した)。1年あたりの数字を365で単純で割って良いのか、そして定期の扱いをどうするのかということもあるでしょう。それでも、大まかな目安を知るには良いでしょう。また、通過旅客数が最も多い区間(菊名-新横浜)に対する乗客数の割合も示しました。

今回は、その中で多くも少なくもない、成瀬-町田の混雑状況を調べました。

成瀬-町田間の混雑データ

実際に、休日昼間に混雑を調査しました。弊ブログでは混雑ポイントという概念を導入していますので、混雑ポイントで示します。

表2. 混雑ポイントの概念

乗車ポイントの概要

このポイントでは、80ポイント以内が着席可能、100ポイント以上が立ちが発生ということを示しています。ただし、若干の立ちであれば、80ポイントと処理しています。

まずは生データを示します(表3-4)。

表3. 成瀬→町田(町田到着下り)の休日昼間時間帯の混雑状況

成瀬→町田の混雑状況

表4. 町田→成瀬(町田発車上り)の休日昼間時間帯の混雑状況

町田→成瀬の混雑状況

快速の一部では立ちが発生していますが、おおむね全員着席という感じです。

適正輸送力の探索

下りよりも上りが混雑しているのはなぜなのでしょうか?ここでは、時間帯による特性と割り切ることにします。輸送力が適正かは、上りと下りの双方を考える必要があります。データを基に両方向を平均すると、現在の輸送力で空席がチラチラというのが現実的なところでしょう。そのため、横浜線の輸送力は適正レベルと考えることができます。また、成瀬-町田を超える通過旅客数の区間は菊名-鴨居(とても混んでいるのは菊名-新横浜)だけですから、他の区間でも同様の混雑でしょう。

ただし、この解析には注意が必要です。休日(そして平日)昼間レベルでは適正というものです。例えば、東神奈川断面で平日(休日)昼間は1時間あたり快速3本+各駅停車6本の合計9本運転されています。しかし、昼間よりも乗客が多くなる16時台は7本だけ、17時台は8本だけと昼間よりも少ない本数でしかありません。また、18時台~19時台前半は6分間隔で運転されており、昼間とわずか1本しか増えていません。この時間帯の等間隔運転は高く賞賛されるべきですが、本数の絶対数が足りません。これらの時間帯は大変な混雑となるでしょう。せめて16時台は昼間のダイヤを継続するべきでしょう(休日は実現しています)。

このように、昼間よりも夕方のほうが輸送力不足といえるのです。

余談:横浜線のブランド力向上策の1つ~改札口の整備

横浜線は当然ながらJRの路線です。そのため、横浜線はJRブランドです。では、沿線住民は「JRブランド」を認識しているかというと、違うかもしれません。例えば、合コン(なり会社の歓迎会でも何でも構いません)で古淵(町田の1つとなりです)最寄りの人が参加したとしましょう。要は初対面のときの会話です。

(古淵最寄りの人に対して)「何線(沿線)に住んでいるのですか?」
(古淵最寄りの人)「小田急線のほうです」

という会話が想定されます。ここで重要なことは、この人は「横浜線にブランドがないから、小田急線と言っておこう」という思考回路がはたらいたということです。狛江市民が世田谷区民と主張することと似ていますね。

これに対して、JRは手をこまねいているわけではありません。E233系という最新型に統一、快速電車の整備、ダイヤの改善などの改良策を実施してきました。それも重要ですが、横浜線=JRという印象を根付かせる1つの策を実施しました。

横浜線の改札

写真2. 横浜線の改札口

横浜線の改札口は緑色一色です(写真2)。これは橋本駅のものですが、町田などでも同じです。JR東日本の緑色を前面に押し出したのです。鉄道ジャーナル2014年7月号によると、横浜線のブランド力向上のために2012年ごろから実施しているようです。このように、東京23区と離れた路線も徐々に発達しているのです。このことにより、東京周辺どうしの流動が都心に流れずに、都心の混雑緩和につながるという隠れたメリットもあります。


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