地下鉄有楽町線の混雑状況(東池袋→護国寺、朝ラッシュ時現場調査結果、コロナ影響下)

北西部の住宅街と永田町や有楽町への動脈となっている、地下鉄有楽町線。東京の中でそこまで混んでもなく、空いてもいない路線ともいわれています。そんな有楽町線の混雑状況を実際に確認しました。

写真1. 東池袋の駅名標

平日朝ラッシュ時の地下鉄有楽町線の混雑状況まとめ

以下、長い本文を読みたくない人のために、概要をまとめます。

・東池袋断面で7:40~8:39の60分間が混雑のピークである
 ※本当の最ピークは8:05~8:24である

・上記時間帯の混雑率は107.7%(3月下旬なので低めの混雑率)である

・西武線始発、東武線始発、和光市始発で混雑に大差はない。ただし、池袋始発は顕著に空いている

・中央よりの車両が混んでいて、端部の車両は空いている

混雑調査の概要

今回の混雑調査の方法を紹介しましょう。この記事では、定点観測を行い、一定時間の全列車を対象にして各車両の混雑を目視で確認しています。これはプロも行っている調査方法です。

簡単に調査方法を紹介しましょう。一部の個人サイトでは混雑状況を書いているところもありますが、調査方法や混雑指標の言及がないのでう~んと考えてしまうところがあります。そのようなことを踏まえて、弊ブログではきちんと方法を示します(さすがー)。

弊ブログでは混雑ポイントという概念を導入しております。その概要を示します(表1)。

表1. 混雑ポイントの概要

乗車ポイントの概要

せっかくなので、120ポイント~160ポイントの様子をご覧いただきましょう(写真2-4)。いずれも個人情報を守ることを目的に、画質を落としています。

混雑ポイント120ポイント相当

写真2. 混雑ポイント120ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント140ポイント相当

写真3. 混雑ポイント140ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント160ポイント相当

写真4. 混雑ポイント160ポイントの様子(写真3と異なり、ドア部分が圧迫されていることがわかります)

今回は最混雑区間とされる東池袋→護国寺について確認しました。東池袋駅周辺は住宅街であり、ここまで乗りこむ人が主体で、もう少し都心よりだとオフィスなどがあり、降りる人が主体とされるのです。とはいえ、池袋→飯田橋でそこまで混雑は変わらないでしょう。

平日朝ラッシュ時の地下鉄有楽町線の混雑状況の生データ

まず、生データを示します(表2)。

表2. 地下鉄有楽町線朝ラッシュ時混雑状況(東池袋→護国寺、生データ)

21.3 地下鉄有楽町線朝ラッシュ時混雑状況(東池袋→護国寺、生データ)

意外と混んでいない印象です。国土交通省の発表では最混雑区間が東池袋→護国寺となっていますが、実は微妙に最混雑区間が異なるという可能性も排除できなさそうです。そうはいっても、飯田橋までであれば、混雑が大きく変わることもないです。

調査日が3月下旬であり、学生さんがいなかったり、定年退職者(職場に新卒で入るのは4/1だが、退職は誕生月なので3月は職場の人数、言いかえると通勤客の人数※)がいたりともともと通勤電車がそこまで混まない時期であるとも解釈できます。

※ここでは転職は考慮していません。転職は職場こそ変わるものの、(オフィスで仕事をするのであれば)通勤することそのものは変わらないからです。

次の章でもう少し詳しく解析します。

平日朝ラッシュ時の地下鉄有楽町線の混雑状況の解析

写真5. 東武車による運用

生データを示すだけでは芸がありません。そこで、私なりに混雑状況を分析します。

混雑時間帯の分析

今回、95分間の混雑を目視で確認しましたが、一般には朝ラッシュ時の混雑は最も混む1時間について論じます。では、どの1時間が混むのでしょうか。10分ごとに混雑状況を分析してみました。

まず、7:35から10分ごとに分析しています(表3)。

表3. 地下鉄有楽町線朝ラッシュ時混雑状況(東池袋→護国寺、10分ごと層別)

21.3 地下鉄有楽町線朝ラッシュ時混雑状況(東池袋→護国寺、10分ごと層別)

ここから見ると、7:45~8:44の60分間が混雑時間帯と考えることができ、その混雑率は107.5%です。なお、7:45~7:54の10分間の混雑率が前後よりも低いのは、比較的空いている池袋始発があるためです。

ここでは、7:35からの10分間で区切りましたが、この区切りかたが適切かどうかはわかりません。そこで、5分後にずらした時間帯で区切って分析してみましょう(表4)。

表4. 地下鉄有楽町線朝ラッシュ時混雑状況(東池袋→護国寺、10分ごと層別2)

21.3 地下鉄有楽町線朝ラッシュ時混雑状況(東池袋→護国寺、10分ごと層別2)

ここから見ると、7:40~8:39の60分間が混雑時間帯と考えることができ、その混雑率は107.7%です。先ほどの7:45~8:44の60分間よりも0.2%だけ混雑度が高いですので、7:40~8:39の60分間が混雑時間帯と考えることにします。本来は7:37からだとどうなのか、7:42からだとどうなのかなどの検証も必要でしょうが、5分ずらして0.2%の違いでしかありませんので、(目視調査という誤差が含まれる方法である以上)これ以上のデータ検証は行わないことにします。

なお、8:05~8:24の20分が本当の混雑のピーク時間帯ということができます。私の経験上、混雑のピークの前後では混雑は均等ではありません。正規分布ではなく、混雑のピーク時間帯より後はやや空いていることが多いです。これは、ご自身の職場(なり学校の教室)を思い出せば納得できます。

ご自身の職場には「出勤時刻」(学生さんなら登校時刻)というものがあると思います。多くの人は「出勤時刻」の直前にやってきて、ある程度の人は「出勤時刻」よりゆとりをもってやってくるでしょう。そして、「出勤時刻」よりも遅れてくる人はほとんどいないことでしょう。電車で出勤することは結局この行為に他なりませんから、多くの人の「出勤時刻」の直前の電車が混むのです。

とはいえ、職場や出勤時刻がばらばらの人が電車に乗り合わせていますので、若干遅めの出勤の人で8:35~8:44の電車がやや混んでいるのでしょう。

このように、ラッシュ時の電車は10分ずらすと混雑が全く異なることはよくあることです。

なお、2019年度の有楽町線の混雑率は165%とされていますので、それと比べて35%減少しています。東京都コロナ対策サイトの都営地下鉄の利用は2020年1月下旬と比較して35%減少しています。つまり、だいたいセオリー通りの結果です。なお、3月の利用は年間平均の3%減少、4月は年間平均の3%増(※)ですから、4月に入ったらこの1.06倍混雑しているのでしょう(つまり、107.7%が114.2%になると見込まれるということです)。

※この詳細については、3月に向けて通勤電車が空く理由に記しています。

始発駅による混雑の分析

2本だけ明らかに空いている電車があります(東池袋発7:50と8:48)。現場ではあまり情報がない中で観察します(※)から、現場では何が理由かはわかりません。よく見ると、当該の2本は池袋始発であることに気づきます。

※私はあまり下調べせずに現場に入ります。そこで気づいた情報を後で解析します。このような「復習」型の調査をすることにより、余計な先入観を排除しています(行き当たりばったりではない!)

このように、始発駅の違いで混雑に違いが生じるのでしょうか。本来は東武線、西武線での細かな違いも解析するべきでしょうが、ここでは単純に池袋、和光市、西武線、東武線と区別しました(表5)。なお、先の混雑時間帯60分間に限定して解析しています。

表5. 地下鉄有楽町線朝ラッシュ時混雑状況(東池袋→護国寺、直通先層別)

21.3 地下鉄有楽町線朝ラッシュ時混雑状況(東池袋→護国寺、直通先層別)

池袋始発は明らかに空いています。西武線からの電車は空いているイメージがありますが、意外と乗っています。これは小竹向原での接続が確保されているかのいずれが理由として考えられます。時刻表で接続状況を確認すると、「和光市方面からの副都心線」から「西武線からの有楽町線」の接続はおおむね確保されており、混雑に差が生じないように工夫していることがわかります。

なお、和光市始発よりも東武線からの電車のほうがやや混雑しています。東武線からの電車は和光市も通りますので、和光市始発よりも混む傾向にあるのでしょう。ただし、和光市までの東上線も本数がそれなりにありますから、東上線から有楽町線に向かう乗客全員が直通電車に乗るわけではなく、和光市始発と東武線からの電車で混雑の差がそこまでないのでしょう。

まとめると、池袋始発以外はそこまで混雑に差はありません

車両ごとによる混雑の差

では、空いている車両や混んでいる車両はあるのでしょうか。混雑時間帯60分について、車両ごとの混雑状況をまとめます(表6)。

表6. 地下鉄有楽町線朝ラッシュ時混雑状況(東池袋→護国寺、60分間、車両別層別)

21.3 地下鉄有楽町線朝ラッシュ時混雑状況(東池袋→護国寺、60分間、車両別層別)

中央ほど混雑し、端部は空いています。有楽町線で多くの乗客が乗りこむのは池袋でしょうが、その池袋には2か所改札口があり、その両方からアクセスできる中央が混雑し、アクセスの悪い両端が混雑しにくいという傾向なのでしょうか。また、直通やホーム対面の乗りかえが多く、特定の駅の乗りかえ階段に乗客が集中しないのは良い傾向です。直通運転の長所・短所は多く語られていますが、このような長所は意外と着目されていません。

利用状況から理想のダイヤを考える

写真6. 西武の新税40000系もやってくる(調査後に飯田橋で撮影)

現在のダイヤは2.5分間隔で運転されていて、それでいてそこまで混雑していません。そのような観点で考えると、現在のダイヤはおおむね理想的なダイヤに近いです。ただし、そのぶん速達性は欠けています。池袋→飯田橋のどこかに待避設備があれば、西武線直通(西武線内準急)を池袋→飯田橋をノンストップで運転し、そのぶんスピードアップというのも手でしょう。ただし、地下鉄に待避設備を設けるのは費用がかかるので、現実的ではありません。

また、池袋始発が空いていることも気になります。確かに、池袋からの着席需要を満たすという意味はあるでしょう。混雑の均等を考慮するのであれば、和光市始発がベストです。ただし、ラッシュ時最ピークの8:05~8:24を外すなどの「配慮」を読み取ることはできます。

社会の変化に起因する乗客減少に伴う乗降時間短縮をダイヤに反映し、少しでもトータルの所要時間を短縮してもらいたいものです。和光市から新木場まで片道1分15秒短縮すると、往復で2分30秒短縮となり、車両や乗務員の削減が可能になります。所要時間短縮には乗客サービス向上以外にも、運用コスト削減にもつながるのです。

有楽町線の混雑に関する関連リンク

地下鉄有楽町線(混雑基本データ)

このページでは地下鉄有楽町線の混雑状況について基本的なデータをまとめています。また、私が実際に現場で調査した結果へのリンクも記しています。

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