201系電車の車内(JR西日本車)

記事上部注釈
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国鉄の省エネ電車の元祖となった201系電車。その末裔が大阪地区で活躍しています。そんな201系電車を堪能してみました。

写真1. JR難波に停車中の201系電車

復習:201系電車の概要

まず、201系電車の概要を紹介します。

201系電車の概要

  • 概要:直流通勤型電車
  • 編成:3~10両編成(現在は6両編成)
  • 車体:4ドアロングシート
  • 運用線区:大和路線(関西本線)

201系電車は国鉄時代に中央線快速から投入された通勤型車両です。サイリスタチョッパ制御という省エネ技術(簡単にいうとオンとオフを切り替え続ける制御方式)を国鉄で初めて採用した電車です。国鉄時代に中央線快速、中央・総武線各駅停車(以上が東京地区)、東海道・山陽線各駅停車(現在の京都-西明石の普通)(以上が大阪地区)だけに投入されました。201系電車が投入され6年後には比較的低コストの205系電車が投入開始され、少数派で終了した悲運な形式でもあります。

JR化後はJR東日本とJR西日本に継承され、車両需給の関係で京葉線(JR東日本車)、大阪環状線、大和路線、おおさか東線(JR西日本車)を転々とし、その過程で勢力を徐々に縮小してきました。本記事を執筆している2022年後半時点では大和路線だけに残っています。

大和路線に残る201系電車も221系電車に置き換えらえる運命が決まっています。いくらドア付近が広いとはいえ、4ドアロング車を3ドアクロス車に置き換えるというのもちょっとナンセンスな気もしますが、それもまた宿命なのでしょう。

現在残るJR西日本車は113系電車や115系電車でもおなじみのリニューアル工事が施行され、新車に近い内装にリフレッシュされています。

201系電車の内装を眺める

能書きはこのあたりにして、201系電車の内装を眺めてみましょう。

写真2. 雨どいがなくなってすっきりした車体断面

201系電車の側面も撮影できていました(写真2)。JR西日本車は基本的に雨どいが張り出されておらず、すっきりした見た目になっています。国鉄時代は雨どいはあったのですが、2000年代のリニューアル工事でJR西日本車らしい見た目に変わっています。

(参考)写真3. 雨どいが目立つJR東日本車(東京で撮影)

参考にJR東日本車の側面を示しました(写真3)。ドアの上に出っ張りがあり、見た目がすっきりしていないことがわかります。

写真4. 車内全体の様子

車内全体の様子です(写真4)。7人掛けのロングシートが並びます。リニューアルされてシックな色づかいに変わっていますが、レイアウト的には昔ながらの4ドアロングシートの車内です。

写真5. 7人掛けの座席

7人掛けの座席です(写真5)。関東地区では消えかかっている、1人1人の区分があいまいな長い座席です。

写真6. 床を眺める

床を眺めてみます(写真6)。黄色系の色相を採用しており、シックな雰囲気を演出しています。色相が異なる青系の座席と合います。これは、座席の色よりも床の色が明るく、自然な組み合わせだからかもしれません。

写真7. 袖仕切りを眺める

座席の横から眺めます(写真7)。201系電車は国鉄の通勤電車で初めて袖仕切りに板を採用した形式でもあります。205系電車も同様の形状です。

写真8. 天井を眺める

天井を眺めます(写真8)。丸い吊革は国鉄時代の面影を残しています。JR西日本のことですから、吊革も現代的な色合いになると思いきや、そのままです。

写真9. 客用ドアを眺める

客用ドアです(写真9)。窓がやや小さいのがこの世代の車両の特徴です。201系、203系、205系、207系900番台、103系1500番台…。子供の指がドアに引き込まれないようにという配慮と聞きます。その後の車両はドア窓は再び大きくなっていますが、ドアとガラスの段差をなくすなどの異なった形態の配慮がなされています。

写真10. ドア上の路線図

201系電車には電光掲示板や液晶テレビの設備はありません(写真10)。民鉄車であれば、リニューアル工事の際にドア窓を複層ガラスにしたり、電光掲示板を付ける例はあります。しかし、JR車ではそこまでのリニューアルをしないように見えます。

写真11. 車端部の様子

視線を車端部に向けましょう(写真11)。3人掛けのロングシートが並んでいます。リニューアル工事によって、仕切壁と仕切扉はライトグレイ~グレイのトーンの色調に変えられています。

写真12. 優先席に割り当てられる場所もある

優先席に割り当てられている車端部もあります(写真12)。配電盤のスペースの一角に消火器があります。最近の車両は車端部の配電盤スペースはなくなり、ここまで座席スペースに当てられています。古さを感じる場所でもあります。

写真13. 大胆な優先席の配置

JR西日本の優先席配置には大胆さも見えます。7人掛けまるまる優先席に充当しています(写真13)。関東にはないセンスに見えます。

写真14. 運転席仕切りの様子

運転席仕切りの壁です(写真14)。窓の多い221系以降の車両からすると不愛想な窓に見えます。ここも壁の色調はシックなものに変えています。

201系リニューアル車の内装を見てみて

201系のリニューアル車。223系電車のような内装を実現しようとした努力の跡が見られます。事実、色づかいはJR西日本カラーを感じさせるものです。ドア窓を複層ガラスにしていないなど、現代的な車両よりも見劣りする部分はありますが、大まかなイメージは揃えられています。

そして、大和路線は221系電車に統一され、名実ともにJR西日本カラーの車両に統一されるのです。

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