JR臨時列車気になるもの5選(20年夏、首都圏編)

記事上部注釈
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7/1以降の臨時列車運転計画についてのプレスリリースが発表されました。この中で気になる列車を5つセレクトしてみました。

255系:新宿さざなみ

写真1. 255系による新宿さざなみの設定はない

臨時列車の確認方法

臨時列車の確認方法はそう難しくありません。JR東日本のプレスリリースを眺めるだけです。今回のプレスリリースは6/19に発表されています。

なお、JR東海では、「御殿場方面への臨時特急「ふじさん」、修善寺方面への臨時特急「踊り子」につきましては、最新の時刻表ならびに小田急電鉄株式会社、東日本旅客鉄道株式会社のニュースリリースをご参照ください」という文言で済ませてしまっています。これはちょっと不親切ですね…。

ご承知の通り、現在は新型肺炎ウィルスの脅威が語られています。その影響で「旅行の自粛」という社会風潮が形成されています。そのため、現在は「旅行に行きたい」というプレスリリースではなく、「座席数の供給により、ソーシャルディスタンスを確保する」ための臨時列車という印象があります。この背景があるためか、「のってたのしい列車」についての発表は一切ありません。

また、今回の発表では車両形式や車両数についての言及はありません。需要が読めないので、どの車両を使おうとしているのか調整中ということでしょうか。

運転日にかかわらず、指定券は6/24以降の発売です。

気になる列車5選

私の独断と偏見で気になる列車を5つセレクトしました。5位から1位まで順に発表いたします。

第5位:はやぶさ71号、はやぶさ70号

E5系はやぶさ(新函館北斗)

写真2. はやぶさ号は必ずE5系が充当される

はやぶさ71号 大宮 10:10 → 新青森 13:08 (7/4.11.18.23、8/22、9/5.12.19.26)
はやぶさ70号 新青森 13:30 → 大宮 16:26 (7/5.12.19.26、8/2.23.30、9/6.13.22.27)

はやぶさの増発など珍しくない、そんな意見も多いでしょう。しかし、この列車は一味違います。そう、大宮発着のはやぶさ号なのです。

大宮から新青森までは2時間58分です。最速達タイプのはやぶさ号は大宮から新青森まで2時間34分、盛岡以北各駅停車タイプのはやぶさ号は2時間56分程度で結びます。そこから考えると、そこまで停車駅を絞らないタイプと推察できます。手元のJR時刻表だと、仙台から先、古川・一ノ関・北上・盛岡・八戸に停車することがわかります。仙台から盛岡までの所要時間は54分と、通常のはやぶさ号より15分も余計にかかります。それなのに、はやぶさ料金を請求するのはどうかと思います。そうはいっても、210円の違いですが…。

大宮発着であっても、新宿や池袋駅利用者としてはそう問題ありません。埼京線や湘南新宿ラインでアクセスできるためです。そのような意味で、大宮発着で商品価値が大幅に下がることはありません。もちろん、東京発着のほうが良いことは確実ですが、臨時列車であれば許容範囲内です。

第4位:ホリデー快速ビューやまなし号

ホリデー快速用215系

写真3. ホリデー快速ビューやまなし号はオール2階建ての215系が使われる

下り 新宿 9:02 → 小淵沢 11:59 (9/19-22.26.27)
上り 小淵沢 16:16 → 新宿 18:55 (9/19-22.26.27)

臨時列車とは思われていない、定番の臨時列車です。3月~11月の土曜・休日に運転される準定期列車と呼べる列車です。それなのに、ホリデー快速ビューやまなし号は7月や8月という夏のピーク時の運転はありません。9月後半だけの運転です。7月と8月はまだ乗客が回復していないという予想なのでしょうか。

個人的には、8月だけでも運転されれば良いと感じています。7月の様子見で、8月に運転される可能性もあります(これは私の希望的観測です)。「運転します」と告知して運転しないよりも、「運転します」と告知せずに後から運転日を追加したほうが印象は良いです。

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そのホリデー快速ビューやまなし号に実際に乗っています。

ホリデー快速ビューやまなしに乗る~概要と混雑は?

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第3位:新宿さざなみ号

E257系特急(新宿)

写真4. 新宿に停車中のE257系(これは中央線特急の姿)

新宿さざなみ1号 新宿 7:50 → 館山 10:07 (7/4.5.11.12.18.19.23-26、8/1.2.8-10.15.16.22.23.29.30、9/5.6.12.13.19-22.26.27)
新宿さざなみ3号 新宿 9:08 → 館山 11:19 (7/4.5.11.12.18.19.23-26、8/1.2.8-10.15.16.22.23.29.30、9/5.6.12.13.19-22.26.27)

新宿さざなみ2号 館山 15:05 → 新宿 17:14 (7/4.5.11.12.18.19.23-26、8/1.2.8-10.15.16.22.23.29.30、9/5.6.12.13.19-22.26.27)
新宿さざなみ4号 館山 16:00 → 新宿 18:07 (7/4.5.11.12.18.19.23-26、8/1.2.8-10.15.16.22.23.29.30、9/5.6.12.13.19-22.26.27)

新宿さざなみ号は新宿と館山を結ぶ準定期列車です。京葉線経由の東京発着ではなく、総武線経由の新宿発着なことが道路交通の弱点を狙った形です。

いずれも7月~9月の土曜・休日に運転されます。千葉支社の公式発表によると、基本的にE257系5両編成で運転されますが、8/15と8/16はE257系9両編成での運転です。255系9両編成ではなく、E257系9両編成です。中央線仕様で運転されるのか、東海道線(踊り子)仕様で運転されるのかはお楽しみということにしておきましょう。

第2位:お座敷青梅奥多摩号

お座敷列車「華」

写真5. お座敷列車の姿(これは川崎発のもの)

下り 三鷹 8:58 → 奥多摩 10:42
上り 奥多摩 17:30 → 三鷹 18:55

お座敷青梅奥多摩号はお座敷車両を使うことから、上位にランクインさせてもらいました。三鷹始発というのは中途半端な印象があります。確かに時刻表を眺めると新宿始発にするのは難しそうです。直前に快速があり、そのさらに前には中央特快があるためです。

新宿からの人は定期列車となっている「ホリデー快速おくたま・あきがわ」が3本設定されているので、そちらに乗れということでしょうか。しかし、これらのホリデー快速は通勤電車での運転です。せっかくの行楽に通勤電車というのも味がありません。1本は全席指定席にしたうえで、185系10両編成にしたほうが喜ばれるでしょう。

せっかくお座敷列車として運転するのであれば、通常のホリデー快速と重なる区間ではなく、南武線や武蔵野線からの直通として、多くの路線から奥多摩へのアクセスを便利にしたほうが喜ばれます。

とはいえ、このような社会情勢で乗るのが楽しい車両で臨時列車を運転してくれるだけありがたい、と考えたほうが良いのかもしれません。

第1位:ホリデー快速鎌倉

2018.11.3 武蔵小杉に進入する185系

写真6. 臨時列車で良く使われる185系(武蔵小杉で撮影、ホリデー快速鎌倉はE257系だったかな?)

鎌倉行き 南越谷 8:09 → 鎌倉 9:54 (9/12.13.19-22)
鎌倉発 鎌倉 17:21 → 南越谷 19:08 (9/12.13.19-22)

ホリデー快速鎌倉は、武蔵野線経由で南越谷と鎌倉を結ぶ臨時列車です。全車指定席か一部指定席かの記述はありませんが、過去の傾向から、汎用特急車両を活用した全車指定席の快速でしょう。

武蔵野線を経由するということは、普段旅客列車の通らない府中本町-鶴見を通るということです。これはファン的にはアツい展開です(とはいえ道中のほとんどがトンネル…)。武蔵野線沿線は横須賀線(総武線快速)や宇都宮線へのアクセスに一難ある場所ばかりです。そのため、定期列車の手薄な武蔵野線沿線をカバーするという意味では重要な臨時列車です。

番外編:ムーンライトながらがない!

373系の車内

写真6. 昔のムーンライトながら号は373系による設定だった(これは特急ふじかわのもの)

今回の発表をよく見ると、ムーンライトながら号の設定はありません。長年の人気列車であるムーンライトながら号の設定がなくなってしまったのです。理由はいろいろと語られていますが、収益性が低いことが1番大きな原因です。

とはいえ、廉価な移動手段需要の全てを夜行バスに譲るのも芸がありません。そこで、私は以下の夜行列車案を考えました。僭越ながら紹介させていただきます。

東京-大阪間夜行快速を構想する

夜行列車がなくなって久しい、東京-大阪間。では、本当に需要が少ないのでしょうか?興隆する夜行バス業界を見るとそうは思いません。では、何が問題で消滅して、復活させるには何が必要なのでしょうか?ここではそれを考えてみましょう。

臨時列車のまとめ

今回は5つの臨時列車を選択しましたが、臨時列車の意味は定期列車の弱点を補強することです。定期列車の弱点は輸送力の不足、そして経路が限られていることによるサービス面の不足です。

輸送力不足を補うために、通常の経路の列車を臨時に増発します。また、サービス面の不足を補うために、通常の経路と異なる経路による臨時列車も運転されます。後者の良い例がホリデー快速鎌倉です。あくまでも珍しい経路でファンを喜ばせるためではなく、乗りかえなしのサービスを提供するのが目的です。

本来であれば、後者の例は土曜・休日運転でも良いので(最悪通勤車両でも可能)、定期列車として運転し、メリットを享受する層を増やしてもらいたいと思います。

旅客鉄道の役割は人を安全に目的地に運ぶことです。これは定期列車・臨時列車で異なる点はありません。このように、鉄道は日々その役割を果たしているのです。

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