新潟から山形の在来線の旅(米坂線快速べにばな+山形線普通、車窓も紹介、20年夏)

新潟と山形。となりあう2つの県の県庁所在地ですが、この2都市をダイレクトに結ぶ列車はありません。しかし、1日1回だけ、乗りかえ1回だけで移動できます。そのポイントとなるのが、米坂線の快速「べにばな」です。今回は普段あまり焦点の当たらない快速「べにばな」に乗ってみました。

110系気動車(新潟)

写真1. 高架の新潟駅に停車中の快速べにばな号

復習:新潟と山形の移動

新潟市と山形市の間には朝日山地などがあり、高速で移動できる鉄道網は発達しませんでした。朝日山地の南側を通る米坂線がありますが、とても2都市の移動に耐えられる代物ではありません。とはいえ、快速べにばなが新潟-米沢を1日1往復運転され、最低限のサービスを保っている印象があります。

一方、高速バスも1日2往復しかありません。2020年8月現在の新潟-山形の連絡時刻表を示しましょう。

1) 新潟→山形の移動

(バス) 新潟駅前 8:05 → 山交ビルBT 11:39
(列車) 新潟 8:40 → 米沢 11:31/11:36 → 山形 12:25
(バス) 新潟駅前 16:05 → 山交ビルBT 19:39

2) 山形→新潟の移動

(バス) 山交ビルBT 8:00 → 新潟駅前 11:38
(バス) 山交ビルBT 16:00 → 新潟駅前 19:38
(列車) 山形17:35 → 米沢 18:25/18:32 → 新潟 21:25

この記事を書くのに時刻表で調べるまで知りませんでしたが、快速べにばな号を使った場合の所要時間3時間50分前後は、高速バスの所要時間3時間35分前後とそう変わりません

仮に、鉄道側が15分サイクルのパターンダイヤを仕掛ければ、(米沢での乗りかえがあったとしても)一気にバスに勝利するでしょう。しかし、両都市の移動需要そのものが低いです。鉄道側が快速べにばな号を増発する義理は薄いです。やるとしても、もう1往復設定する程度でしょう。それも米沢-坂町の米坂線を新潟直通にするくらいです。

今回、私はちょうど良い時間に快速べにばな号を使うことができました。米沢から山形までの移動は普通電車ですが、かなり速かったです。その様子をご紹介しましょう。

快速べにばな号の旅:新潟→米沢

先の章に記した通り、1日1往復だけ快速べにばな号が新潟と米沢を直通しています。この直通列車に乗らないと、途中の坂町で乗りかえることになります。しかも、坂町で特急いなほ号との接続は必ずしも良好とは限りません。そこで、私は米坂線に乗るのに迷わず快速べにばな号を選択しました。

ステージ1:新潟から坂町までの快速運転

快速べにばな号は新潟-坂町間快速、坂町-米沢間各駅に停車です。そして、朝に新潟を出発する便は新潟の車庫から出庫するのではなく、朝ラッシュ時にアルバイト運用をしてから快速べにばな号として運転します。

写真2. 4番線に入線

4番線に入線します(写真2)。まもなく電車がまいります、と表示がありますが、快速べにばな号は電車ではありません。

110系気動車(新潟)

写真3. アルバイト運用の普通新潟行きがやってきた

白新線の普通新潟行きとしてやってきます(写真3)。ラッシュ時なのに2ドア2両編成でさばけるか不安になりますが、新崎始発(豊栄より手前始発)でそこまで乗客が乗らないので問題ないでしょう。しかし、この列車があるおかげで新崎から新潟までは便利になり、前後の普通電車の混雑は緩和されます。このような資源の有効活用は良いことです。

110系気動車(新潟)

写真4. 快速表示

快速表示です(写真4)。ワンマン運転です。

110系気動車

写真5. 快速米沢行きの表示

快速米沢行きの表示です(写真5)。昔からある方向幕です。方向幕のほうが視認性に優れるように感じます。

110系気動車

写真6. 快速べにばな号の車内

快速べにばな号の車内です(写真6)。新潟基準で海側が2人掛けのボックスシート、山側が4人掛けのボックスシートです。曲がりなりにも都市間交通を担うのですから、高速バスと同等の設備の転換クロスシートを装備したほうが良いように思います。

110系気動車

写真7. 4人掛けボックスシート

私は4人掛けボックスシートに着席しました。だいたいの目安ですが、各ボックスシートに1人~2人座る程度の混雑です。

私の前にも人が座り、いよいよ発車です。この日も朝から暑かったです。この110系気動車も車内は暑いです。冷房の効きが悪いのでしょうか。座席上に冷風の吹き出し口がありますから、吹き出し口の向きを変えることで若干の温度調整は可能です。私も調整し、若干快適になりました。

写真8. 高架線を走る

新潟は高架化されています。その高架線を走ります(写真8)。

写真9. 車両基地の近くを走る

信越線と白新線は新潟を出てしばらくは並走します。その並走区間は車両基地付近まで続きます。車両基地付近で白新線が立体交差しています(写真9)。

写真10. 白新線の複線区間を走る

白新線の複線区間を走ります(写真10)。白新線は全線単線のイメージがありましたので意外です。このようなことを知ることができますので、実際に現場に行くことは大事だと実感します。

写真11. 阿賀野川を渡る

阿賀野川を渡ります(写真11)。なかなか大きな川です。

写真12. 豊栄に停車!

豊栄に停車します(写真12)。ここでも乗り降りがありました。快速べにばなが短距離利用にも使われていることを実感します。ここまでは新潟都市圏輸送を担うために、普通電車の20分間隔が行われていますが、その範囲は豊栄までです。豊栄からは本数が減ります。

写真13. 田園風景が広がる

田園風景が広がります(写真13)。確かにこれであれば、普通電車の本数が少なめでも良さそうです。ただし、短編成・高頻度運転がなされていることが前提です。

写真14. 羽越本線と合流

羽越本線と合流します(写真14)。羽越本線の新津-新発田は旅客列車の多くは電車でありませんが、電化設備があります。これは、羽越本線が貨物列車のルートであるためです。

写真15. 新発田に停車!

新発田に停車します。ここで白新線から羽越本線に入ります。新発田でも乗り降りがありました。

写真16. 羽越本線に入る

羽越本線は複線区間と単線区間が混じる路線です。新発田から少しの区間は複線区間です(写真16)。

写真17. 川を渡る

川を渡ります(写真17)。複線だとそれだけで主要幹線、単線だとそれだけでローカル線の光景に見えますね!

写真18. 金塚を通過!

金塚を通過します(写真18)。よくある日本の田舎町という景色です。

写真19. また川を渡る

再度川を渡ります(写真19)。羽越本線は海沿いを通る路線で、多くの川は海に向かって流れています。したがって、羽越本線は多くの川と交差します。この新発田-坂町では海は見えません。

写真20. 坂町が近づいてきた

坂町が近づいてきました(写真20)。坂町という自治体ではなく、村上市にあります。坂町構内は広いです。機関区があった名残でしょう。

写真21. 坂町に停車

新潟を8:40に出発し、坂町には9:32に到着です。49.3kmを52分で走破しており、それなりに速い列車であることがわかります。さすがに特急いなほ号の所要時間40分弱と比べるのは酷でしょうが。

しかし、快速べにばな号の俊足もここまでです。ここから山中を行く米坂線というステージに入ります。

ステージ2:坂町から米沢までのローカル線

坂町では3分停車し、9:35に発車します。

写真22. 田園風景が美しい

羽越本線という幹線から外れると急にのどかな景色に変わるように思えます(写真22)。

写真23. 丘が近づいてきた

丘が近づいてきました(写真23)。

写真24. 川を渡る

川を渡ります(写真24)。まだ山は遠くにあり、のどかな景色が続きます。

写真25. 越後下関に停車!

越後下関にとまります(写真25)。ここものどかな景色です。ただし、駅の出入口は進行方向左側にあり、駅表はそれなりに市街地が形成されています。

写真26. 緑のコラボレーションが美しい

山の濃い緑と水田の明るい緑が映えます(写真26)。

写真27. 徐々に山に入っていく

徐々に山に入っていきます(写真27)。

写真28. 山中を走る

ついに山に入りました(写真28)。ここから羽前椿付近まで山中を走ります。そのため、速度も上がりません。

写真29. 荒川を渡る

米坂線の前半のお供は荒川です。その荒川を渡ります(写真29)。この後も何度か渡ります。米坂線の旅は(米沢に向かう列車であれば)進行方向左側がほうが景色が良いです。

写真30. また荒川を渡る

また荒川を渡ります(写真30)。荒川の右岸と左岸のより条件の良いほうを選んで建設した様子がわかります。

写真31. 越後金丸に停車!

新潟県最後の駅、越後金丸に停車します(写真31)。この次の小国は山形県の駅です。ここで中部地方から東北地方に入るのです。

写真32. また荒川水系を渡る

山中の彩りが川を渡るところです(写真32)。

写真33. 川を渡る

2本の川が見える場所もあります(写真33)。

写真34. 急に開けてきた

山形県に入ったら、急に視界が開けてきて(写真34)、小国にとまります。小国で多くの乗客が入れ替わりました。小国は米坂線の1つの拠点です。とはいえ、まだ分水嶺はこの先であり、山中を走る区間が終わったわけでありません。

写真35. 羽前松岡に停車

小国から羽前松岡付近までは小さな町を走ります。羽前松岡はのどかな駅で、列車の到着に合わせて1人やってきました(写真35)。

写真36. 川の流れはまだ逆になっていない

米坂線は羽前羽沢-手ノ子で分水嶺を超えます。ここではまだ川の流れの向きが逆になっていません(写真36)。

写真37. 山中を走る

写真38. 山中を走る

山中を走ります(写真37、写真38)。分水嶺付近はトンネルがありました。

写真39. 手ノ子に停車

分水嶺を超えて、手ノ子にとまります(写真39)。ここからは急に開けてきます。

写真40. 視界が開けてきた

視界が開けてきました(写真40)。手ノ子の1つ先の羽前椿発着の列車がありますが、確かに本数の格差があって良さそうです。

写真41. 新潟県と雰囲気が異なる

どことなく、新潟県と雰囲気が違うように思えます(写真41)。やや北海道に近い景色といえば良いでしょうか。

写真42. 白川を渡る

白川を渡ります(写真42)。この付近はJR線と山形鉄道が線路を共有しています。

写真43. 今泉に停車!

今泉は山形鉄道と交差する駅ですが、そこまで市街地の中にある印象はありません。それもそのはずで、長井市の市街地にあるのは、山形鉄道の長井駅付近です。

ここで坂町行きと交換します(写真43)。こちらも向こうも2両編成です。お互いに1両編成にしたうえで、本数を倍増したほうが便利になりそうです。ただし、こちらは新潟直通する都合上、2両編成なのはやむを得ませんが。ここから仙台支社管内に入ります。てっきり小国あたりが境界だと思っていました。

写真44. 住宅が多くなってきた

写真45. 羽前小松に停車

羽前小松付近の市街地でした(写真45)。

写真46. 美しい田園風景が広がる

米沢市に入りましたが、依然として美しい田園風景が広がります(写真46)。米坂線は米沢の市街地の外側を半周するように通ります。

写真47. 川を渡る

また川を渡ります(写真47)。

写真48. 住宅はそこまで多くない

米沢の市街地の外周部分を通りますが、そこまで市街地感はありません(写真48)。これは、進行方向右側に市街地が広がっているためです。ここまでくるとけっこう混んできました。市街地外周を通る米沢-西米沢だけでもそれなりの本数を確保し、山形新幹線とのコラボで若干の増収を狙ってほしいです。

写真49. 山形新幹線(奥羽本線)と並走

山形新幹線と並走します(写真49)。山形新幹線は在来線を活用しているので、踏切もあります。

写真50. 米沢に到着!

終点の米沢に到着です(写真50)。

写真51. ワンマン快速の表示のまま

ワンマン快速の表示のままです(写真51)。快速べにばな号は新潟と米沢(や米沢乗りかえ山形)の都市間輸送という役割は風前の灯となっており、新潟と米坂線の小国を結ぶ列車、米坂線の普通列車をつなげた程度の存在です。とはいえ、曲がりなりにも都市間輸送を担うので、ある程度のアコモデーションは確保してほしいと感じたのも事実です。

また、米坂線の坂町-小国を中心として山間部の景色も良く、もっと多くの人が米坂線の魅力に気付いてほしいとも感じました。もしかしたら、JR九州であれば観光特急を走らせたかもしれません。JR東日本も汎用型の観光用の車両を所有していますから、これを活用した観光快速の設定も手です。

山形線普通電車の旅

米沢に11:31に到着し、米沢を11:36に発車する普通電車山形行きに乗ります。山形以南の普通電車は719系電車が主力と認識していましたが、実際にきたのは701系電車でした(写真52)。

701系5500番台(米沢)

写真52. 山形行きは701系4両編成

ただし、2両編成ではなく、4両編成で座席はじゅうぶんに供給されていました。4両編成なので、車掌さんが乗務します。

701系車内

写真53. 運転席後ろはある程度前面展望に配慮した形

ある程度前面展望に配慮されています(写真53)。ただし、助手席側の展望はそこまで良くありません。701系電車の数少ない長所だったのにもったいない…。

701系車内

写真54. 車内はロングシート

車内はロングシートです(写真54)。米沢から山形までの利用であればロングシートでも構いませんが、それより長距離であれば転換クロスシートが良いですよね!

写真55. 夏の山形線を爆走!

とはいえ、そこまでバカにしてはいけません!米沢-山形間の47.0kmを49分で結びます。そのため、走りっぷりはなかなかのものです。

写真56. 夏の田園を爆走!

いかにも通勤電車という感じの音をたてて走りますが、周囲はのどかな田園風景が広がります(写真56)。

写真57. 夏の田園を爆走!

やはり夏らしい景色です(写真57)。

写真58. 高畠に停車!

高畠に停車します(写真58)。一部の山形新幹線がとまる駅ですが、のどかな感じを受けます。

写真59. 赤湯を出ると若干複線区間がある

赤湯を出ると、複線区間です(写真59)。ここでカーブしながら徐々に高度を稼いでいきます。米沢盆地と山形盆地の間に入るのです。

写真60. 南陽市街地を眺める

高度を稼ぐうちに市街地を見下ろす場所にやってきます(写真60)。ここの景色が印象に残りました。その次の中川ではのんびりと3分くらい停車します。

写真61. 緑が広がる

山間部はこのような景色が展開します。とはいえ、山の景色はそこまで続くわけではありません。

写真62. 緑が広がる

このように開けてきます。開けてきても、緑が広がることには変わりません(写真62)。このあたりで少しずつ人が乗ってきました。ロングシート車なので、みだりに写真を撮るわけにもいきません。そのため、終点の山形に着くまで写真撮影はお預けです。

写真63. 山形に到着!

最初の米沢では「4両も必要か?」というくらいの混雑でしたが、山形に着くころには2両では立ちが出る程度の混雑になっていました。山形線は普通電車といえどもスピードは速く、移動するにはストレスをあまり感じさせないものでした。今後も山形線の米沢-山形はある程度の利用がある形で推移するのでしょう。

それにしても暑いです。山形は盆地なので暑いという知識がありましたが、その知識を実感したのです。

前後を読みたい!
さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?

←(前)新潟駅の素顔を探る(20年夏)

新潟から山形の在来線の旅(米坂線快速べにばな+山形線普通、20年夏)←今ココ!

仙山線の前面展望(山形→仙台、20年夏の乗車記)(次)→

★旅行記のまとめです!
新潟、宮城鉄道旅行記の計画と感想

※それぞれ別ウィンドウで開きます。

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