特急にちりんの乗車記(宮崎→大分、グリーン個室の内装も紹介、21年冬)

記事上部注釈
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日豊本線を南北に結ぶ、特急にちりん。この列車には787系が使用されており、高品質な移動空間が約束されます。一部の列車にはグリーン個室も連結されています。そのグリーン個室で移動してみました。

写真1. 宮崎に停車中の787系にちりん

復習:特急にちりんの概要

まず、特急にちりんの概要を紹介しましょう。

特急にちりんの概要
  • 区間:大分-宮崎空港
     ※宮崎-宮崎空港は特急料金不要です
  • 所要時間:2時間~2時間20分程度(大分-宮崎)
  • 運転本数:8往復
  • 使用車両:787系4両編成または787系6両編成

にちりんは博多-宮崎空港を日豊本線経由で結ぶ特急です。ただし、博多-大分は特急ソニックが輸送の大半を担っていますので、基本的に大分-宮崎空港の運転です。大分を越えて小倉・博多方面に直通する列車は、多くありません。大分県と宮崎県をまたぐ需要はそこまで多くありませんから、1時間間隔のような高頻度運転は確保されていません。おおむね2時間間隔で運転されます。

なお、需要が比較的ある宮崎県内(延岡-宮崎空港)は別途、同等の停車駅の特急ひゅうがが運転され、おおむね1時間間隔が実現されています。宮崎発9時台の延岡行きがないのがちょっと理解しづらいところですが。

大分-宮崎の所要時間は2時間~2時間20分程度であり、そこまで速くはありません。これは、佐伯-延岡が山中にあり、なかなか速度を出せないのがその原因です。

宮崎-宮崎空港は自由席に限り、特急料金は不要という特例が設定されています。これは、宮崎空港に発着する特急列車を設定しつつ、普通列車の本数を節約する目的があると理解しています。

特急にちりんの多くは787系4両編成が充当されています。しかし、一部には787系6両編成も充当されており、当該列車にはグリーン個室が連結されています。大多数を占める、787系4両編成はグリーン個室の連結はありません。2021年3月ダイヤ改正までは783系も充当されており、ダイナミックな前面展望も満喫できましたが、現在は充当されていません。

特急にちりんの車内

先の章で787系が充当される、と述べました。その内装を簡単に紹介します。

普通車の車内

普通車は暗いながらも上質な空間が広がっています。

写真2. 普通車のデッキ

今回私は特急にちりんで普通車には乗りませんでしたが、同様の車内の特急きりしまに乗っています。そのときの写真で示します。デッキ部分は赤と銀が目立つ空間です(写真2)。

写真3. 普通車の車内

先頭車の車内です(写真3)。暗めの車内と緑色のアルミパネルの対比が独特です。

写真4. 普通車の車内

カーペット敷きの普通車です(写真4)。普通車でカーペット敷きの車両はあまり例がないと思います。

グリーン車の車内

グリーン車の車内です。

写真5. グリーン車全体の様子

グリーン車全体の様子です(写真5)。2列と1列の座席が並び、上質な空間が演出されています。

787系グリーン車の座席

写真6. 2人掛け部分の様子(特急かもめで撮影)

その2人掛けの座席です(写真6)。座席まわりは、同様の仕様の特急かもめの写真で代用させていただきました。

787系グリーン車の座席

写真7. 1人掛けの座席(かもめで撮影)

1人掛けの座席です(写真7)。

写真8. デッキ部分の様子

デッキ部分の様子です(写真8)。木目調の内装で、普通車と差別化が図られています。

写真9. デッキ部分の様子

洗面所などのコーナーです(写真9)。この先には普通車が展開しています。

グリーン個室の車内

ここまでは「さわり」に過ぎません。グリーン個室の車内を見てみましょう。

写真10. グリーン個室までの通路

グリーン個室はグリーン車にあり、1列車1室しかありません。希少価値のある個室はグリーン車に入る手前にあります(写真10)。

余談ですが、私は当日に宮崎駅のみどりの窓口で予約しましたが、幸いなことに空いていました。

写真11. グリーン個室の全体像

グリーン個室の全体像です(写真11)。実は、このグリーン個室を利用するにはグリーン料金は2人ぶんだけで構いません(3人や4人で利用するときも)。そのため、3人か4人でグリーン車を利用するとしたら、グリーン個室のほうが割安です。

グリーン個室の定員は4人です。

写真12. 3人掛けのソファがある

3人掛けのソファがあり、その3人が1人の王様席を囲むといったら、変でしょうか。そんな感じの配置です(写真12)。普通の2人+2人のボックス席の配置ではないのです。

写真13. 1人掛けの座席

実は、グリーン個室がグリーン車や普通車に比べて劣っている点が1つだけあります。それは、リクライニングできない席があるという点です。これに関しては、この1人掛け席を選択すれば、この弱点から逃れることができます(写真13)。

写真14. ドアがある

ドアがあり、ある程度閉ざされた、いわばプライベートな空間が確保できる設備です(写真14)。

写真15. 1人掛け席を再撮影

トンネル内で1人掛け座席を撮影してみました(写真15)。電球色の照明が空間を照らし、雰囲気が出ます。

写真16. ドアの表示

ドアの表示です(写真16)。8番席です。当然ながら、部屋単位で発売されます。

写真17. 窓側にライトがある

窓側にライトがあります(写真17)。このライトがまた良い雰囲気を作り出します。

写真18. ハンガーがある

ハンガーがあります(写真18)。上着を掛けることができますが、降りるときに忘れないように注意したいものです。

写真19. 荷物入れもある

荷物入れもあります(写真19)。ここにスーツケースなどを格納できます。

写真20. ソファにも照明がある

ソファにも照明があります(写真20)。

写真21. 折り畳み式のテーブル

折り畳み式のテーブルです(写真21)。

写真22. 折り畳み式テーブルを展開!

そのテーブルを展開してみました(写真22)。

にちりんからの車窓を楽しむ

さて、車窓を楽しみながら、宮崎から大分までの道中を楽しむことにしましょう。私は8:10発のにちりん6号を選択しました。この列車は宮崎始発です。

ステージ1. 宮崎県内の都市間特急(宮崎→延岡)

写真23. 宮崎を発車!

宮崎を発車しました(写真23)。グリーン個室は海側に窓がありますので、日豊本線から海を眺めるには良い配置です。

写真24. 宮崎の市街地を走る

宮崎の市街地を走ります(写真24)。

写真25. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真25)。日本の郊外に多くありがちな風景かもしれません。

写真26. 田園風景の中を走る

住宅街が終わると、田園風景が広がります(写真26)。

写真27. 一ッ瀬川を渡る

川を渡ります(写真27)。一ッ瀬川でしょうか。

写真28. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真28)。

写真29. 海が見える

海が見えます(写真29)。

写真30. まだ海が見える

海が見えない区間に入ったと思ったら、また海が見えました(写真30)

写真31. 運転停車!

運転停車します(写真31)。下りの特急ひゅうがと行き違いです。宮崎県は全線単線ですので、どうしても行き違いで停車することがあります。

写真32. リニアの試験線跡がある

リニアの試験線の跡があります(写真32)。私が幼少のころに見た図鑑では、ここでリニアモーターカーの試験をしているという記述がありました。その試験線は今や使われておらず、ソーラーパネル置き場になっていました。南国宮崎で、周囲より高いという特性を上手に生かしている気がします。

写真33. 高速で走る

そんな中を高速で走ります(写真33)。宮崎-延岡は高速化対応工事がなされ、110km/h対応になっています。787系は130km/h対応ですから、もう少し高速に走れないかとは思いますが、地方路線では妥当でしょうか。

写真34. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真34)。

写真35. 塩見川を渡る

塩見川を渡ります(写真35)。

写真36. 日向市の市街地を走る

日向市の市街地を走ります(写真36)。人口5万人のそれなりの都市です。

写真37. 日向市に停車!

日向市に停車します。JRの駅で「○○」という駅名は珍しいです。

写真38. 宮崎空港行きとすれ違う

宮崎空港行きとすれ違います(写真38)。宮崎地区でしか活躍していない、713系です。

写真39. 日向市の市街地を走る

日向市の市街地を走ります(写真39)。高架になり、日向市駅の東側にも出口が新設され、街に親切になったと聞いています。

写真40. 川を渡る

川を渡ります(写真40)。

写真41. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真41)。

写真42. まもなく南延岡!

まもなく南延岡です(写真42)。南延岡にも市街地が展開されており、市街地周辺のアクセスという意味合いからか、ここにも全特急が停車します。

写真43. 南延岡に停車!

南延岡に停車します(写真43)。

写真44. 川を渡る

南延岡と延岡の間には川があり、それを渡ります(写真44)。

写真45. 延岡の市街地を走る

その市街地を走ります(写真45)。

写真46. 延岡に停車!

延岡に停車します。宮崎県の都市間交通としての役割はここで終了し、ここから県境の山越えに挑む格好です。

ステージ2. 県境のローカル特急(延岡→大分)

さて、最高速度110km/hの区間は延岡で終わり、ここから大分まではローカル特急という雰囲気で進みます。

写真47. のどかな風景を走る

延岡を出ると山越えと述べましたが、すぐに山があるわけではありません。のどかな風景を走ります(写真47)。

写真48. 北延岡を通過!

北延岡を通過します(写真48)。南延岡と異なり、市街地にはありません。この区間は極端に合理化されており、1日3本(3往復ではない)しかとまりません。

写真49. のどかな風景を走る

のどかな風景のなかを走ります(写真49)

写真50. 北川

北川沿いを走ります(写真50)。この川に沿って峠を目指します。

写真51. 小川を渡る

小川を渡ります(写真51)。

写真52. 山中を走る

山中を走ります(写真52)。

写真53. 民家が現れる

民家が現れます(写真53)。市棚付近でしょうか。

写真54. 山中を走る

山中を走ります(写真54)。

写真55. 宗太郎を通過

トンネルを抜けると、宮崎県から大分県に入ります(写真55)。大分県に入り最初の駅が宗太郎です。

写真56. 山を走る

山の中を走ります(写真56)。

写真57. 山中を走る

山中を走ります(写真57)。

写真58. 山を抜けだした

山を抜け出しました(写真58)。

写真59. のどかな風景が広がる

のどかな風景が広がります(写真59)。宮崎県と大分県の山越え区間は終了の雰囲気です。

写真60. のどかな風景が広がる

直見を通過したところです(写真60)。佐伯に近づいているのですが、のどかな風景のままです。

写真61. 番匠川が見える

川が見えます(写真61)。佐伯市を流れる川です。

写真62. 市街地が広がる

ここまで来ると、佐伯の市街地です。

写真63. 市街地が広がる

佐伯の市街地が広がります(写真63)。

写真64. 佐伯に停車!

佐伯に停車します(写真64)。佐伯以南と佐伯以北で特急列車こそ1往復しか増えませんが、普通列車は間隔が開いて2時間程度の間隔まで増えます。1日3本の佐伯以南とは大違いです。

写真65. 海が見えてきた

海が見えてきました(写真65)。

写真66. 海沿いを走る

海沿いを走ります(写真66)。

写真67. 港町らしい風情を行く

港町らしい風情があります(写真67)。

写真68. 再び海沿いを走る

再び海沿いを走ります(写真68)。

写真69. 海沿いの風景

海沿いの風景です。海沿いといってもリゾート的な風景ではなく、生活感のある風景です。

写真70. 海沿いを走る

断続的に海沿いを走ります(写真70)。

写真71. 海が青い

海の青さが目立ちます(写真71)。

写真72. 海岸線を走る

海岸線を走ります(写真72)。わがにちりんは振り子式車両ではないので、そこまで速度は出ません。

写真73. 津久見川を渡る

津久見川を渡ります(写真73)。

写真74. 津久見に停車!

津久見に停車します(写真74)。ここと次の臼杵は1駅ですが、10km近くもあります。ここで峠を越えるのです。

写真75. 高度を上げる

津久見から臼杵は峠越えですが、地形に忠実に登り、トンネルは最小限です。その峠に向けて登ります(写真75)。

写真76. 独特の光景

だんだん周囲より高い場所を走るようになります(写真76)。

写真77. 再び海が見える

トンネルを抜けると、再び海が見えます(写真77)。

写真78. 臼杵の市街地が見えてきた

臼杵の市街地が見えてきました(写真78)。

写真79. 臼杵に停車!

臼杵に停車します(写真79)。列車運転上はここから大分都市圏に入り、普通列車も毎時1本は確保されています。

写真80. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真80)。

写真81. 団地がある

団地があります(写真81)。

写真82. 山あいを行く

山あいを行きます(写真82)。ここもまた半島の付け根の山がちな場所を行くのです。

写真83. トンネルを抜けた

トンネルを抜けました(写真83)。

写真84. のどかな風景を走る

のどかな風景です(写真84)。

写真85. 新しい住宅がある

だんだん開けてきました。新しい住宅もあり、大分の都市圏に入ったことがわかります(写真85)。

写真86. 新興住宅街を走る

新興住宅街を走ります(写真86)。このあたりは普通列車が毎時2本程度運転されています。ただし、1時間くらい間隔が開くことがあり、利便性に優れているとはいいがたいです。30分間隔は必須な風景に見えます。

写真87. 新興住宅街を走る

新興住宅街を走ります(写真87)。

写真88. 大野川を渡る

大野川を渡ります(写真88)。

写真89. 鶴崎に停車!

最後の停車駅の鶴崎にとまります(写真89)。大分まで8km程度で特急の需要があるかと疑問に感じてしまいますが、大分で博多方面の特急に接続し、料金が通しであることから、ある程度の需要があるのかもしれません。

写真90. 乙津川を渡る

乙津川を渡ります(写真90)。

写真91. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真91)。

写真92. まもなく大分!

まもなく大分です(写真92)。

写真93. 大分に到着!

大分に到着しました(写真93)。博多方面は同じホームで特急ソニックに乗りかえることができ、特急料金は通しです。

特急にちりんに乗ってみて

今回、宮崎から大分まで特急にちりんに乗ってみました。ローカル特急という風情がありましたが、車両は九州を代表していた787系で、グリーン個室も備わっていました。個室サービスは高速バスにない強みであり、にちりんの武器となりましょう。ただし、年末年始の繁忙期の当日に確保できたというのは、その強みはあまり市場に評価されていないとも解釈できます。

写真94. 宮崎での発車案内

また、JRの都合で大分で乗りかえが生じています。そのフォロー策として、大分で同じホームでの乗りかえと通し料金という制度を整えています(写真94)。また、多くの列車でワンマン運転を行い、最低限のコストでサービス水準を確保する努力がなされいます。旅行者としては、雰囲気の良い車両である程度の本数が確保されているととらえることができます。

とはいえ、現状で良いとは思えません。運用の都合なのか、大分で30分程度の待ち時間が生じるパターンが多く散見されます。以前は博多-大分間は毎時2本が確保されており、それに合わせた接続が確保されていました。しかし、運用の合理化で博多-大分は毎時1本に減便された時間帯が発生しました。ちょうどにちりんに接続するソニックが減便され、結果として待ち時間が開いてしまいました。

減便することは仕方ないかもしれません(小倉-大分のワンマン特急で本数を維持する手もあるとは思いますが)。減便するのであれば、ソニックとにちりんの短時間での接続は維持するべきものです。比較的サービス水準が高いのは事実ですが、このような細かな点のサービス向上も考えてもらいたいものです。

前後を読みたい!

さて、前後でどこに行ったのでしょうか。

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※それぞれ別ウィンドウで開きます

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