山陰本線普通列車の旅(益田→東萩)

記事上部注釈
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山陰本線。本線という名称があるものの、益田以西は特急列車の運転はなく、ローカル感を感じる区間です。そのなかでも県境の益田-東萩は観光列車の運行もなく、閑散としています。そんな区間の普通列車に乗ってみました。

写真1. 普通列車はこの車両が主力!

復習:山陰本線(益田-幡生)の概要

山陰本線は「本線」だけあり、益田以東は特急が走っています(設定がないイメージの浜坂-鳥取も1往復設定されています)。一方、益田-下関(※)は特急の設定がありません。

※山陰本線の終点は1つ手前の幡生ですが、列車は山陽本線を走り、下関まで向かいます。

図1. 益田と下関の位置関係(googleマップより引用)

これは益田以西で特急列車が山口線を経由するためです。山口線の沿線には山口市があり、新山口で新幹線に接続しているのが山口線を選択する理由でしょう。また、山陰本線沿いを通る国道9号線も、益田以西は山口線沿線を通ります。もしかしたら、昔からの交通事情があるのかもしれません。

ともかく、山陰本線(鳥取県・島根県)沿線と新幹線を結ぶメインルートは山口線経由で、山陰本線の益田-下関は地域のための路線です。その区間であっても沿線の都市は萩と長門くらいしかなく、本数も多くありません。

益田-下関は基本的に長門市で運転系統が分かれており、益田-長門市は7往復(東萩で2~4時間程度待つパターンも含む)、長門市-下関は11往復(小串乗りかえを含む)しかありません。所要時間は4~8時間程度です。ここまで不便であれば、鳥取・島根地区と下関・北九州地区の行き来は山口線を選択することでしょう。

特に、益田-東萩は観光列車の運行もなく、ローカル線そのものでしょう。

益田から東萩の普通列車で旅する

さて、この区間でも最も不便な益田-東萩を旅してみましょう。

写真2. 益田の発車案内

列車に乗るために益田駅にやってきました。発車案内を見ると、山口線も本数が少ないです(写真2)。特急列車(1日3往復)が運転されるとはいえ、1日8往復しかありません。山陰本線の益田以東は特急だけでも1日7往復運転ですので、違いは明らかです。

写真3. いわゆるキハ47が姿を出す

1日7往復の閑散路線にもかかわらず、豪華な2両編成です(写真3)。120系気動車の1両編成にし、本数を2倍にしたほうが便利に感じます。

さて、がら空きの2両編成の普通列車が出発しました。

写真4. 益田を出発!

益田を出ました(写真4)。

写真5. 高津川を渡る

高津川を渡ります(写真5)。

写真6. 海沿いを走る

海沿いを走ります(写真6)。前日と異なり、雲が多い天気でしたので、海沿いの風景がうら寂しく感じます。

写真7. 原野を行く

原野のような風景の場所も走ります(写真7)。

写真8. 集落を走る

集落を走ります(写真8)。漁村という感じがあります。

写真9. 砂浜が現れた!

砂浜が現れました(写真9)。

写真10. 飯浦に停車!

飯浦に停車します(写真10)。島根県最後の駅です。

写真11. 山口県に入った

山口県に入りました。道の駅が見えます(写真11)。それなりににぎわっているように見えますが、この1割でも鉄道利用だったら山陰本線は大いににぎわうでしょう。

写真12. 田万川を渡る

田万川を渡ります(写真12)。「たまがわ」というと、多摩川を思い浮かべますが、そうでない川もあるのです。

写真13. 田んぼに水を張っている

田んぼに水を張っています(写真13)。田植えの季節でしょうか。5月初めは田植えの季節なので、昔から学校の休暇が多かったとも聞いたことがあります。

写真14. 海が見える

海が見えます。海岸線が一直線ではないので、まるで島があるように見える面白い光景です(写真14)。

写真15. 岩が見える

岩が見えます(写真15)。この程度の集積であれば岩と扱われるでしょう。これが集まると島と扱われるでしょう。では、岩と島の違いはどこなのでしょう?

写真16. 豊かな海岸線

少し角度を変えて撮影してみました。豊かな海岸線が広がります(写真16)。

写真17. 集落がある

宇田郷付近の集落です(写真17)。集落があり、その付近に駅が設置されるというパターンが多いです。

写真18. また海が近づく

また海が近づいてきました(写真18)。

写真19. 集落が現れる

木与が近づき、集落が現れました(写真19)。

写真20. 木与に停車!

木与に停車します(写真20)。益田-東萩は1日7往復と記しましたが、ここ木与からは1日8往復に増えます。山口県内ということもあり、流動が若干増えるのでしょうか。

写真21. 農村が広がる

農村が広がります(写真21)。

写真22. 資本主義経済をわかっている店名

資本主義経済をわかっている薬局チェーン店がありました(写真22)。関東地区では見かけない店です。軽く調べると広島県、山口県と島根県益田市だけに出店しているようです。

写真23. 市街地に入る

阿武町の市街地に入ります(写真23)。

写真24. 奈古に停車!

奈古に停車します(写真24)。阿武町の中心駅です。

図2. 萩市の位置(googleマップより引用)

阿武町は妙な位置関係です。萩市の領域を示しました(図2)。海岸線沿いに見て行くと、萩市の領域ではない場所があります。そこが阿武町です。阿武町は萩市に囲まれている地方自治体なのです。

写真25. 道の駅がある

道の駅があります(写真25)。奈古から1kmも離れていませんが、歩くにはしんどいです。可能ならば、道の駅に直結した鉄道駅を設置し、利用促進に役立ててもらいたいです。

写真26. 海岸線沿いを走る

海岸線沿いを走ります(写真26)。

写真27. 長門大井に停車!

長門大井に停車します(写真27)。

写真28. 里山を走る

里山を走ります(写真28)。この区間は海からやや離れます。

写真29. 山中を走る

山中を走ります(写真29)。

写真30. まもなく越ケ浜に停車

まもなく越ケ浜に停車します(写真30)。浜という駅名と異なり、意外と建物は多いです。

写真31. 越ケ浜に停車

越ケ浜に停車しました(写真31)。駅チカの物件もあります。

写真32. 住宅が増えてきた

住宅が増えてきました(写真32)。萩市の市街地に近づいてきたのです。

写真33. 萩の市街地に入る

萩の市街地に入ります(写真33)。

写真34. 東萩に到着!

東萩に到着です(写真34)。

写真35. 上下列車が並んだ

私が乗った列車は東萩どまりです。10:43に到着しましたが、長門市からの列車も10:39に到着しています。そのため、上下列車が並んでいます(写真35)。いずれも13時ごろや14時過ぎの発車まで東萩で待機しています。下りは2時間14分待ち、上りは3時間21分待ちと、東萩をまたぐ行き来には配慮されていません。

なお、市街地の最寄は東萩です。

山陰本線のローカル区間に乗ってみて

今回、山陰本線のローカル区間に乗る機会に恵まれました。2両編成で1日7往復という運転本数、道の駅から若干歩く駅配置など、輸送改善に力を入れていなさそうなことがわかりました。沿線風景を見ると無人ではないことを見るとなおさらその思いを強くします。

もしも、益田や萩の市街地、そして道の駅の前に駅を設置、高性能車両の投入による所要時間維持、そして軽量車両の1両編成による1日14往復運転(日中時間帯のみ2時間間隔、ほかは1時間間隔)とすれば、多少は利用されましょう。そして、沿線の風景も素晴らしいものがあります。2時間のダイヤホールの間に1往復でも観光列車を運転すれば、もう少し活性化されましょう。

現在の輸送状況を踏まえると、その程度の輸送改善でさえ夢物語に見えてしまいます。しかし、交通が不便な場所は衰退します。可能であれば、地域の交通事情の改善のために普通列車1時間間隔、特急列車2時間間隔の運転を期待したいところです。もちろん、長編成の必要はなく、2両編成のミニ特急でじゅうぶんです。

ここまで辛口の評価をしてしまいましたが、沿線の風景や萩の市街地など行って楽しい地区である点も事実です。個人的に初の乗車となりましたが、期待以上のすばらしさでした。

前後を読みたい!

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