幕末の偉人を多数輩出した土地、萩。その中心部は現在に至るまで伝統的な街並が残され、一見の価値があります。そんな萩をお手軽に堪能しました。
写真1. 萩の旧市街は美しい
復習:萩の位置と萩へのアクセス
最初に萩の位置を示します(図1)。
図1. 萩の位置(便宜上「萩城城下町」にマーク、googleマップより引用)
萩は東海道・山陽新幹線などの日本の大動脈から外れた場所に位置します。また、高速道路類もありません。この地図を見るだけでアクセスが不便そうと推測できます。
では、萩へのアクセスはどうでしょうか。簡単に記します。
主要アクセス方法を簡単に記します。
- 新山口方面:防長交通バス(1日11~13往復)
- 益田方面:JR山陰本線(1日7往復)
- 長門市・下関方面:JR山陰本線(1日8往復)
大まかに分けて3方向からアクセス可能です。1つ目が新山口方面の防長交通バスです。1日11往復(平日は13往復)運転され、所要時間は1時間32分(1日4往復のスーパーはぎ号は1時間15分)です。新山口は新幹線停車駅で、のぞみ号とさくら号を合わせて1時間に1~2回停車しますから、日本の多くの大都市へのアクセスが確保されています。
表1. 防長交通バスの時刻表(公式サイトの時刻表より引用)
2つ目が山陰本線(益田方面)からのアクセスです。萩周辺の山陰本線は本数が少なく、益田-東萩は1日7往復です。特急列車の運転はなく、普通列車だけの運転です。列車により所要時間は多少異なりますが、益田-東萩は70~80分程度です。益田以東(松江・鳥取方面)は益田以東で特急列車に乗りかえることになりますが、特急列車との接続は考えられていません。
3つ目が山陰本線(長門市・下関方面)からのアクセスです。長門市-東萩も本数は少なく、1日8往復です。下関方面との行き来には乗りかえが必要な列車が多く、下関→東萩は1日5回、東萩→下関は1日6回の乗車チャンスしかありません。長門市からの所要時間は40分程度、下関からの所要時間は3時間30分程度です。なお、新下関-東萩に観光列車である「○○のはなし」が運行されており、往路か復路のどちらかに活用するのも手です。
山陰本線でのアクセスは風景は良いのですが、利便性はいまいちなのが正直な実感です。いずれにしても、萩観光に便利な駅は東萩です。
東萩と萩市中心部のアクセス
さて、東萩と萩市中心部の位置関係を見てみましょう(図2)。
図2. 萩市中心部周辺の位置関係(googleマップより引用)
萩市中心部は三角州に位置します。鉄道を敷く際に川を渡る鉄橋にコストがかかりますので、三角州を迂回する形で敷かれました。そのため、山陰本線と萩市中心部は離れています。萩市中心部を迂回するように3駅設置されていますが、その代表駅は東萩です。では、東萩駅と中心のアクセスはどうでしょうか。
図3. 萩市内バス(萩市「萩循環まぁーるバス」の公式時刻表より引用)
東萩駅から萩市役所までバスが30分間隔で運転されており(萩市役所で別系統に4分で乗りかえられます)、所要時間30分です。ただし、萩循環まぁーるバスは一方通行で中心部まで迂回することもあり、所要時間がかかるのは事実です(萩市役所から東萩駅までは26分です)。
もう1つの方法が貸自転車の利用です。貸自転車屋では自転車利用者限定で荷物を無料で預かってもらうことができ、雨が降ってさえいなければ機動性もあり、貸自転車のほうが便利です。
図4. 貸自転車屋の位置(googleマップより引用)
貸自転車の位置を示しました(図4)。東萩駅の近くにあり、8:00~17:00まで営業しています。
写真2. 貸自転車屋の看板
私は貸自転車を選択しました(写真2)。行きかたは難しくなく、駅前の道路(川を渡る方向)を萩東中学校前まで進み、そこから右に曲がり、途中でアーケード街に入るだけです(アーケード街を通り抜けるとそのまま萩城城下町です)。道のりはおおよそ2.0kmで、だいたい15分で着きます。
写真3. 川を渡り東萩駅方向を振り返る
写真4. アーケード街が見えてくる
ここで川を渡ってすぐに右に曲がらない点に注意です。
萩市中心部の観光名所3選
さて、私が行った観光名所3つを紹介しましょう!いずれも徒歩で近いので、拠点間の移動時間は最小限です。
萩市中心部の伝統的な街並(萩城城下町)
萩市の中心部は伝統的な街並が残されています。せっかくなので、その光景をご覧いただきましょう!
写真5. 萩城城下町の光景
白い壁と黒いアクセントが映える光景です(写真5)。ちゃんとしているのは、これが特定の建物に限定されず、多くの建物に共通なことです。
写真6. 萩城城下町の光景
別のアングルです(写真6)。
写真7. 萩城城下町の光景
このようなアングルからも撮影できました(写真7)。
写真8. 萩城城下町の光景
美しいですね(写真8)。
写真9. 萩城城下町の光景
素晴らしいですね(写真9)。
写真10. 萩城城下町の光景
いくつかの建物が高層だったりして情景を損ねることがありますが、萩市では景観条例があるらしく、景観が守られています(写真10)。
写真11. 城下町から少し離れた場所
自転車の機動性を生かし、少し離れた場所にも行きました(写真11)。ここも古い和風の街が残されています。
写真12. 多越神社前の様子
自転車でさまよっていたら、多越神社がありました(写真12)。
図4. (参考)多越神社の位置(googleマップより引用)
城下町から少し北に離れた場所です(図4)。
このように、中心部から離れても古い街並を楽しめるのが萩の魅力です。
菊屋家住宅
昔、商人が住んでいました。その家が公開されています。
写真13. 菊屋家住宅の入口
菊屋家住宅がありました。何も予備知識はありませんでしたが、立派そうな家があり、入ってみました(写真13)。
図5. 菊屋家住宅の位置(googleマップより引用)
菊屋家住宅の位置を示します(図5)。城下町のへそに当たる部分にあり、城下町観光中であればアクセスは容易です。
写真14. わくわくする入口
入口で料金を支払うと、少しの間は外を歩きます(写真14)。わくわくしますね。
写真15. 井戸がある
井戸がありました(写真15)。
写真16. 着物の登場!
着物が展示されていました(写真16)。
写真17. 住宅に入る
住宅に入りました(写真17)。ここの住宅は「住むためのスペース」「商談スペース」「接待スペース」に区分けされていて、それぞれに機能がありました。特に、接待スペースについては商人自らも普段は入らないという説明がありました。
写真18. 庭が見える
庭が見えます(写真18)。
写真19. 昔の生活の様子が再現されている
昔の生活の様子を再現していました(写真19)。
写真20. 台所スペースの再現
台所スペースが再現されていました(写真20)。現代のインテリアではリビングと連続しているところも多いですが、昔は明確に区分けされていたことが実感できます。
写真21. 外に出られる
家屋を見学したら、再び外に出ます(写真21)。
写真22. 庭園の見学
庭園を見学できます(写真22)。案内の人が言うには、庭園の手入れに気を遣っていたとのことです。
写真23. 美しい庭園
美しい庭園です(写真23)。
写真24. 素晴らしい庭園
素晴らしい庭園です(写真24)。
写真25. 美しい庭園
美しい庭園です(写真25)。
何となく萩城城下町の立派な建物を訪問しただけですが、(タイミング次第では)プロフェッショナルによる案内があり、自分ではわからない観点で観ることができ、とても満足できるものでした。
おいしいレストラン:萩博物館レストラン
ちょうど昼どきでしたので、昼食をとることにしました。
図6. 萩博物館レストランの位置(googleマップより引用)
個人で運営しているレストランも趣があるでしょう。しかし、お手軽な観光を意識していたので、あえて萩博物館レストランに行くことにしました(図6)。ここも城下町から離れておらず、観光には便利です。
写真26. 自転車置き場
自転車置き場もあり、レンタサイクルでの移動でも問題ありません(写真26)。
写真27. 博物館入口
博物館入口から入ります。レストラン利用の場合は入場料はかかりません。
写真28. レストランの遠景
レストランの遠景です(写真28)。このとき、昼前でしたのでそこまで待ちませんでしたが、私が食べているときに周囲を確認すると、人の多さにオペレーションが機能していない印象がありました。このような観光地では昼食を早めの時間帯にする工夫も必要と感じました。
一般に飲食店の混雑のピークは平日は12時台、休日は12時台後半~15時まで(ゆるいピークがだらだら続く)と言いますから、その裏をかくことも必要なのです(多くの人がこの記事を見ていたら動きが変わりますが、そんなことはないでしょう)。
萩を軽く観光してみて
今回、日帰りで萩を観光しました。そこまで期待していませんでしたが、旧市街が保存している点を筆頭に観光にふさわしい場所でした。これは旧市街地を残していない日本の多くの都市と異なる魅力です。
写真29. 地元の人も集まっている(だろう)ウィーン旧市街(2018年に撮影)
ただし、集まる人々が観光客ばかりな点は気になりました。本当はそこの人々が旧市街に集まり、「見せもの」ではなく「使う場」であることが理想です。ただし、観光と生活の場を両立させるのは相当難しいことです。日本の観光の1つの課題を実感した次第です。
そんな難しいことも考えてしまいましたが、観光客として行くぶんには楽しく、4時間半という与えられた時間では足りないと感じました。