東海道線普通列車グリーン車の旅(品川→熱海)

記事上部注釈
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東京から南西方向に向かう東海道線。その東海道線にはグリーン車が連結されており、それなりに快適に移動できる選択肢があります。そんな東海道線をグリーン車で移動してみました。

写真1. グリーン車の空間は落ち着いている

復習:東海道線(東京-熱海)の運行体系

簡単にこの区間の移動方法について述べましょう。

東海道線(東京-熱海)の位置関係と本数や所要時間

まず、東海道線(東京-熱海)の運転形態についてまとめましょう。

図1. 東京と熱海の位置関係(googleマップより引用)

簡単に位置関係を示しました(図1)。経路検索結果しだいでは新幹線が表示されているかもしれませんが(図1は動的データのためその時々で経路は異なります)、おおむねこのような位置関係とご理解ください。東京から熱海までは104.6kmとされています。

東海道線(東京-熱海)の概要

  • 所要時間:110分程度
  • 運転本数:日中は約20分間隔(東京-平塚は10分間隔、平塚-小田原は10~20分間隔)
  • 種別:基本的に普通のみ、別途特急踊り子や特急湘南もあり

東京から熱海までは基本的に普通のみの運転です。2021年3月ダイヤ改正までは日中時間帯に60分間隔で快速が運転がありましたが、これも普通に変更されています。ただし、新宿-小田原は特別快速が60分間隔で運転され、速達サービスはある程度意識されています。この特別快速は小田原で熱海方面への接続はありません。そのため、東京-熱海で特別快速のことを意識する必要はありません。

東京-熱海は基本的に20分間隔で運転されています。また、東京-平塚は10分間隔で、その間の平塚-小田原は10~20分間隔、そして小田原-熱海は20分間隔です。ただし、特急列車などの都合で間隔は若干ずれることがあります。

所要時間は以下の通りです。

表1. 各駅間の所要時間の目安

東京横浜
横浜24分
藤沢49分25分
平塚60分35分
小田原83分58分
熱海110分85分

※所要時間は前後があるのであくまでも目安

東海道線の東京駅を通る列車の多くは熱海までの運転(この他に東海道線をさらに進んだ沼津、伊東線直通もあり)ですので、東京と熱海の間の主要駅を掲載しました。

自動車からのシフトを考えると、停車駅厳選型の快速電車(快速アクティとは別もの)を増発の形で設定するのが良さそうですが、乗客が減少傾向にある時代にそこまで求めるのは酷かもしれません。

東海道線のグリーン車

写真2. グリーン車には洗面所が付いているのも魅力

その東海道線(東京-熱海)の普通列車にはグリーン車が連結されています(早朝の平塚始発に連結されていないこともありますが、例外的な存在です)。グリーン車を使うにはグリーン券が必要で、距離・曜日(正確には平日ダイヤ運転日か土曜・休日ダイヤ運転日か)・車内購入の有無によって変わります。

表2. 東海道線の普通列車グリーン料金(事前購入)

東京横浜
横浜780円
580円
藤沢1000円
800円
780円
580円
平塚1000円
800円
780円
580円
小田原1000円
800円
1000円
800円
熱海1000円
800円
1000円
800円

※上段が平日料金、下段がホリデー料金(土曜・休日等に適用される料金)

※JRの慣例から、(4月下旬~5月上旬の大型連休や8月のお盆期間)の(土曜・日曜・祝日以外の日)は平日扱い(例えば例年の5/4など)

※車内料金は上記金額に260円を加算(一律)

一般にレジャー施設の料金は平日よりも休日のほうが高いのですが、普通列車グリーン車の場合は逆です。これは、普通列車グリーン車の需要の大元がレジャー輸送でなく、通勤輸送(「料金を払うから座らせてくれ」ということ)にあるため、平日のほうが需要が大きいためです。

普通列車グリーン車に乗るには、(定期券や青春18きっぷではなく)普通乗車券が必要なことが原則(下記旅客営業規則参照)なのですが、東海道線を含む首都圏の普通列車グリーン車は定期券や青春18きっぷでも乗車(もちろんグリーン券は必要、定期券でも可能というのはJR東日本公式サイトに記載あり)できます。

第161条
旅客は、別に定める場合を除き、定期乗車券を使用して、次の各号の列車又は車両に乗車することができない。

(1)急行列車
(2)運輸上の必要により当社が特に指定する列車
(3)寝台券又は座席指定券を必要とする車両
(4)特別車両(特別車両定期乗車券を使用して普通列車の特別車両に乗車する場合を除く。)

(JR東日本公式サイトより引用)

参考までにグリーン車に関する規則は(4)が該当し、(4)中の「特別車両定期乗車券」はいわゆるグリーン定期のことです。余談ながら、特急列車は(1)に該当します。

東海道線だけでなく横須賀線からの乗りかえでも通し料金で計算したりとなかなか複雑なのですが、この詳細については、首都圏のJRグリーン車の乗りかた(概要説明)をご参照ください。

首都圏のJRにはグリーン車が連結されている列車があります。多くの人が利用しているグリーン車ですが、一方では敷居が高くてわかりにくいという声があります。そこで、私が簡単にまとめてみました。

なお、普通列車グリーン車(自由席)の場合、グリーン券を買えば青春18きっぷでも使えます。一方で、普通列車グリーン車(指定席)の場合、グリーン券を買っても青春18きっぷでは使えません。この取り扱いはJR東海の公式サイトに明確に書いています。

実際に東海道線のグリーン車に乗る

さて、実際に東海道線のグリーン車に乗ってみましょう!今回は品川6:19発熱海7:59着の列車を選択しました。

写真3. 品川駅の乗りかえ通路を歩く人たち

この日は年末年始で人が大きく移動する日でした。そのため、品川駅の山手線からの乗りかえ通路も多くの人が歩きます。もしかして東海道線に乗る人も多いのでしょうか。

写真4. 東海道線の12番線は比較的空いている

そのようなことはなく、12番線はそこまで混んでいません(写真4)。やはり、東京から名古屋・大阪方面の移動は普通列車でなく、新幹線が主流です。

写真5. 東海道線下りがやってきた

東海道線下りがやってきました(写真5)。普通車もそれなりに埋まっていたように見えますが、グリーン車であれば、ラッシュ時以外は座れない心配はまず不要です。

写真6. 海側の席に座る

海側の席に座ります(写真6)。緑色のランプが着席済を示しますが、2割も埋まっていません。東海道線のグリーン車は1列車当たり180席ありますから、このように座席は選ぶ余地は大きいのです。

写真7. 夜明け前の多摩川を渡る

夜明け前の多摩川を渡ります(写真7)。向こうに見える鉄橋は京急線です。でも、速度が遅いような…。

写真8. 横浜のビル群が見える

新子安のあたりでしょうか。横浜のビル群が見えました(写真8)。

写真9. 横浜に停車

横浜に停車します(写真9)。グリーン車はホームの端なのであまり利用者が見えませんでしたが、もっと便利な位置であれば、早朝の朝でも利用客が並んでいました。大都市のダイナミックさを実感します。

写真10. 丘陵地帯を走る

横浜を出ると、丘陵地帯を走ります(写真10)。だんだん明るくなってきました。

写真11. 大船に停車!

横浜、戸塚と停車したあとに、大船に停車します(写真11)。ここもそこそこ大きな駅ですが、朝早いので、混雑までには至りません。

写真12. 藤沢に停車!

大船の次は藤沢に停車します。小田急の上りを待っている人が多く、朝からの需要の多さに気づきます(写真12)。

写真13. 相模川を渡る

大船を出ると、丘陵地帯から平野に変わります。平坦な住宅街を走っていると、突然視界が開けました。相模川です(写真13)。

写真14. 平塚に停車

平塚に停車します(写真14)。ここは東海道線でも運転上の拠点です。増解結が行われる駅で、付属の5両編成がとまっていました。

写真15. 海が見える

平塚を出るとややのどかな風景に変わります。本数の絶対量はともかく、平塚で本数が減ることは納得できます。

海が見えてきました(写真15)。東海道線で海が見える区間は意外と少なく、平塚-来宮(東海道線列車は通過)、由比-興津と蒲郡付近だけです。

写真16. 海沿いの住宅地を走る

海沿いの住宅地を走ります(写真16)。

写真17. まもなく小田原

建物が多くなってきました(写真17)。まもなく小田原です。神奈川県西部の拠点で、新幹線のひかり号にも停車列車があるくらいです。

写真18. 小田原停車中

小田原に停車中です(写真18)。向こうにいるのは特急踊り子の送り込み回送かな?

写真19. 小田原を発車!

小田原を発車しました(写真19)。私の感想ですが、小田原から熱海の間は東海道線でも有数の風景の良い区間です。

写真20. 有料道路と海のコラボレーション

有料道路と海のコラボレーションです(写真20)。このような光景もまた美しく感じます。手前に見える道路は一般道で、奥の道路が有料道路です。

写真21. 海岸線近くを行く

海岸線近くを走ります(写真21)。

写真22. 相模灘が見える

相模灘が見えます(写真22)。

写真23. 雲と海のコラボレーション

雲と海のコラボレーションです(写真23)。こちらに太陽があるのでしょうか。

写真24. 住宅が広がる

そうはいっても、人口の多い神奈川県です。また住宅街が姿を見せます。熱海や伊東といった観光地で雇用もあるためでしょうか。

写真25. 海がまた見えた!

海がまた見えました(写真25)。

写真26. また海から離れる

海から離れます(写真26)。湯河原付近では駅間にトンネルがあり、その付近では海からやや離れます。

写真27. 普通車は意外と乗っている

熱海での乗りかえを考慮し、後ろの車両(7号車付近かな?)にやってきました。その普通車は意外と乗っています(写真27)。

写真28. トンネルを出るとまもなく熱海に停車

トンネルを出るとまもなく熱海です(写真28)。乗った普通は4番線に到着で、ここと反対側のドアが開くことになっていました。

東海道線グリーン車に乗ってみて

写真29. JR他社の設備の例(223系6000番台、首都圏の混雑では無理と言われていたが…)

東海道線のグリーン車に乗ってみました。51km以上(正確には50km超)の場合、グリーン料金は同額ですので、長距離利用だと割安感があります。特に、休日の場合は割安感があります。このような着席サービスが提供されている(ただし自由席なので厳密な意味での着席保証ではない)のは非常に魅力的です。

ただし、グリーン車の評価を上げるために相対的に普通車の設備を下げるとしたら問題です。以前は朝ラッシュ時に混雑率156%程度(※)になることもありました。しかし、社会変化にともない、混雑率は下がっています。

2019年に実際に調査した結果。横須賀線ともども公式の190%超えよりもはるかに低い混雑であった。これは湘南新宿ラインの輸送人員も東海道線や横須賀線にカウントされつつ、輸送力としてカウントされていない(計算上、湘南新宿ラインは走っていても誰も乗っていないということ)と推定される。

そうであれば、空いている車両に限り、普通車の設備を他社並みに引き上げることも検討しても良いでしょう。

また、後で乗ったJR東海区間よりも走りが遅い点も気になりました。走りを速くすれば所要時間を短縮でき、そのぶん(乗務員の労働時間が減るため)人件費も削減できるでしょう。

このようなことを感じながら、次の列車に乗ったのでした。

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